グラフィック薄氷大魔王[285]カセットテープのデジタル化第二弾!/吉井 宏

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●貴重なカセットテープ

昨年秋にカセットテープのデジタル化をやってましたが、正月に帰省した際に実家にあったカセットテープの山を全部東京に送り、デジタル化第二弾をやってるところです。主にたけしなどのオールナイトニッポンを録音したテープやテレビを録音したテープだけど、ラベルをちゃんと書いてないもんだから、いろんなテープが混じってて何が入ってるかわからない「宝の山」兼「ゴミの山」。

こういった昔のモノはエイヤッと全部捨てちゃうのが正解なんだろうけど、大切な録音も混じってたりするから思い切れない。そのへん、なんで始めたかの話はこちらで↓
< http://bn.dgcr.com/archives/20111005140100.html >

今回、作業を始めて2本目に処理したたけしのオールナイトのB面におもしろいものが入ってた。ラジカセでピンポン録音で多重録音してる途中段階のYMO「中国女」! それの完成バージョンは以前デジタル化したけど、途中段階が残ってたとは! こういうものが入ってるからテープは捨てられない。

別のテープのA面は、YMOの79年ニューヨークボトムラインでのライブのエアチェック。これだけでもけっこう貴重なんだけど、B面が81年のYMO出演したミュージックフェア! 目玉は「恋人よ我に帰れ」テクノポップバージョン。CD「UC YMO」に収録されてるものはミックスがちょっと違ったり、間奏でフェードアウトするけど、この録音では2コーラス目とエンディングがあるのでした。



続いて「Que」の演奏。オリジナルとベースパターンがちがう。「ドドドッドードド」ではなく「ドッドッドードド」。当時からこちらのほうが気に入ってた。その次に入ってたのが、坂本龍一作曲の朝7時「NHKニュースワイド」のオープニング! オレってサスガ! ちゃんと録音したんだなあ。

自分で多重録音したYMOの「Ballet」も入ってた。こちらもまだ4chマルチトラックデッキを持ってない頃でピンポン録音によるもの。テストでやってみたものだけど、やったことすらまったく記憶になかった。まだいろいろ出てきそう。

ところで「カセットテープにラベルがなくて中身がわからない」って件。もともとテキトーにしかラベルを書かなかったし、後になって「ペーパーセメント」というデザイン作業に使う糊でラベルを貼ったんですよ。ところが、ペーパーセメントは10年くらいたつとボロボロ剥がれてしまい、ラベルが何の役にも立たないという。。。MDのラベルもそれで全滅。たぶんスプレーのりのほうが耐久性あるかも。

探したら、ニコニコ動画に上記ミュージックフェアYMO出演の映像がありました。このように、過去にみんなが録音・録画してたものがアーカイブされていくといいな。個人でテープを持ってる必要がなくなる。

「恋人よ我に帰れ」 < http://www.nicovideo.jp/watch/sm10784480 >
「QUE」 < http://www.nicovideo.jp/watch/sm3709384 >

●歴史に参加したかった!

あるテープの最後に、83年の8月放送のNHK「YOU」のオープニングとエンディングをテレビから録音したものが入ってた。「次週はアニメ特集。ゲストは手塚治虫と富野由悠季」って、すごい回だ! 29年前の来週のテレビを見逃してクヤシイってのもアレだけど、当然ながら録画も録音もしてない。とTwitterに書いたら、「その次回のYOUに出演しました!」と砂パフォーマーの飯面雅子さんから返信があってビックリ。アマチュアのアーティストとして出演したらしい。

なんか定期的に書いてる気もするけど、80年代前半の東京文化に単にあこがれるしかしょうがなかった僕としては、上京してから知り合った人たちがその時代にちゃんと活躍してたことを聞くと、も〜うらやましくて死にそう。「YOUに出てた」もそうだし「ピテカントロプスに出てた(S・T氏)」「戸川純と共演してた(K・A氏)」などなど。すごいなあ! みんな歴史の一部として活動してたんだなあ。

あと、ビートたけしのオールナイトニッポンで「松尾伴内の弟子入り事件」ってあるわけです。松尾憲造(本名)と同世代としては、すごい勇気のあるやつがいるなと感心した。僕もイケるかも! と。やはり83年頃か、近くのスーパーにたけしのオールナイトにいつも出てた片岡鶴太郎が営業で来てて、いやがられつつ無理矢理サインもらったあと、駅のホームまで着いてったことがある。このままくっついて行けばビートたけしのいる世界に繋がれるかもしれない!

もしも実行してたら今頃どうなってたか。学校を出てすぐ上京してればいろんなことに関われた可能性はあるだろうけど、まあ、回り道した後の上京で結果的には悪くなかったとは思いますけどね。

「何か新しい時代の黎明期」って意味では、幸運にもPainterやデジタルグラフィックの黎明期にいろいろやれたわけだし。まあ、過去の歴史に参加できなかったことを嘆くより、今、歴史を作るほうがいいよね。とかなんとか。

●作りたいフィギュアの原点

干支のフィギュアを毎年作るのっていいかもなあ。去年がウサギ、今年がドラゴン、来年はヘビ、と延々続いて楽しそうだ。っていうか、ニュースとかで見る干支の郷土玩具の職人さんが、机に何百個も並べて色を塗ってる風景。昔からアレにすごいあこがれてる。フィギュア作るのって結局あの作業をやりたいんだよなー。ほれ、ダルマ作ってるのとほぼ同じ風景でしょ! ↓
< http://twitpic.com/81i63h >

郷土玩具職人の制作風景に加え、飛行機のツルツル高級ソリッドモデルが僕がやってみたいフィギュアの原点。実はソフビ自体にはものすごい強い思い入れがあるわけじゃないのです。置物っていうかインテリアっていうか、そっちへちょっと踏み込んだフィギュア。って、僕がそう思ってるだけで実際には需要も市場もないだろうけど。何屋さんで売るんだ?

まあ散々書いてきたように、数年前に夢中になって作ったり売ったりしてました。ワンダーフェスティバルはおととし仲間に入れてもらってちょっとだけ売りましたが、ちょっと場違いすぎ。どちらかというとデザフェスなんだろうけど。理想的には自分のショールームとネット通販なんでしょうね。売るのは作ること以上にエネルギーが必要。売るあてもなく作るわけにも行かないし、作業場所の問題もあって制作中断中。どうにかしたい。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

年賀状用のタツノオトシゴ「リーフィーシードラゴン」
< http://www.yoshii.com/dgcr/yoshii-2012.jpg >

Twitterとかで昔のカセットテープの中身について話題にしはじめると、当然ながら昔話大会になってしまう。過去を切り捨て未来志向(笑)な僕としては不本意だったりするけど、楽しいから困っちゃう。自分の土台になってるものの再確認も大切だよね、ってことにしておこう。

TED「目標は人に言わずにおこう」と岡田斗司夫氏の「まだやり残してると思ってるうちにヤメて、次の新しいコトに」ってのに感銘を受けたんだけど、なぜか次第に「目標のことは考えない」「やみくもにどれかヤメる」にすり替わってきて、非常にヤバい状態。ちゃんとやろう!
< http://goo.gl/LTiQp >
< http://blog.freeex.jp/archives/51303573.html >

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「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV >
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