[3182] 土壇場でアクシデントの連続

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《生まれて初めての競馬をやった》

■買物王子の家づくり[20]
 土壇場でアクシデントの連続
 石原 強

■ショート・ストーリーのKUNI[109]
 郵便局
 ヤマシタクニコ

■展覧会案内
 成安造形大学・卒業制作展&進級制作展2012
 石原一博展「巽電気〜制御盤制作企画室〜」
 POSTALCO Wheel Printer by Mike Abelson
 没後10周年記念企画 田中一光ポスター1980-2002



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■買物王子の家づくり[20]
土壇場でアクシデントの連続

石原 強
< https://bn.dgcr.com/archives/20120112140600.html
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いよいよ作業も大詰めです。外観も内装も工事はさらにスピードを上げて進んでいます。変化する様子が気になって、毎日のように現場に通います。土壇場になって想定外のアクシデントが続出しました。

●納期が間に合わないものが続出

以前に指定していた、一階洗面所の混合水栓と洗面化粧台が欠品で、年内に変更を余儀なくされました。一階の洗面台はシンプルな一枚板のカウンターにします。混合水栓は、在庫のある国産モデルに変えました。かなり厳選したのでがっかり。

家の扉に付く建具の把手。シンプルなデザインのものをフルヤさんと選んだら、メーカーからは年明けの1月後半でないと納品できないとの連絡。住み始めてから家中の扉に把手がないのは不便なので、間に合う別のメーカーのカタログから選び直しました。

同様に一階の納戸の把手も在庫がない。こちらは外で使うものなので、ほかに選択肢がありませんでした。しょっちゅう出入りする訳ではないので、入居後に工事をすることになりました。

二階の造作家具が納期に間に合わないかもしれないと、オオハラさんより連絡が入りました。年末で家具職人さんが忙しいということ。しかし階段の腰壁を兼ねているので、付いていないと子供が一階に落ちそうで不安です。ダイニングの照明のスイッチが埋め込まれる場所でもあり、ないと不便なのです。別の職人さんを当たってもらうことにしました。

リビングの照明のスイッチも届かない。リビングのスポットライトの光量を調節する調光スイッチです。タイで起こった洪水の影響で生産が滞ったらしく、ほかの現場でもないということです。そのままではライトが点かないので、とりあえず仮のものを取り付けて間に合わせてもらいました。

●納品されたものにも間違いが発生

前回、指定したものと色が違って変更を依頼した玄関扉は、ぎりぎりで届いて取り付けられました。しかし他にも間違いが発生しました。
< https://bn.dgcr.com/archives/2012/01/12/images/01 >

二階のテラスに設置するスポットライトに、人感センサーがついています。発注後に一階の防犯が気になって、屋外用のスポットライトを人感センサー付きに変更したのです。同じスポットライトが指定されていたので、二階も一緒と勘違いされてしまったみたいです。これはいらない機能ですが、そのままにします。

キッチンの壁は、一般的なキッチンパネルではなくタイル張りにしました。ここだけはちょっと贅沢をしてネットで見つけた輸入タイルです。「メトロコレクション」という名前で、フランスの地下鉄の駅で壁に貼られているタイルと同じものです。

代理店に問い合わせたら、白色だけ運良く在庫があるということでした。到着したタイルを貼っていたら、端に貼る正方形の役物タイルの色が間違ってアイボリーが納品されたことに気がつきました。ほんの数枚のことなのですが、代理店が名古屋にあるので、代わりが届くまでタイル貼りは中断です。
< https://bn.dgcr.com/archives/2012/01/12/images/02 >

一階洗面のミラーボックスは、いざ取り付けようとしたら、うまくいかないと職人さんから指摘がありました。高さがあって洗面所の上部にある窓に被ってしまうのです。発注時にサイズ指定の誤りがあったということ。改めてサイズの合ったものに変更します。代わりが届くのは年明けということで、入居後しばらく鏡なしの生活になりそうです。

●登記のために慌てて足場を撤去する

このドタバタの中で、大きな手続きを済ませなければなりません。引き渡しのための残金支払いです。完成を前にいよいよローンの手続きを進めます。

引き渡しを月末に控えて、ローンを実行するためには登記が終わらなければなりません。登記には完成した外観写真を添付していないと申請ができないと、土地家屋調査士の事務所から連絡が入ります。

問題は足場です。完成した家の写真に足場が写っているのはおかしい。12月の前半で雨が続いたために外壁の工事が遅れています。しかし、すぐに外さないと申請に間に合わない。外壁の残工事を急いで、予定よりも一週間早く足場を外すことになりました。

サイディングの継ぎ目を塞ぐシーリングの処理をして撤去です。最後に、北側窓の飾りになる木枠を取り付けて完了しました。月曜日には外観撮影して申請がぎりぎりのスケジュールだったので、日曜日に撤去するとのこと。

当日の午後、現場に行くと、既に撤去されていました。昨日まであったカバーもなくなって黒い外観が現れました。思ったよりも迫力あります。翌日、ベランダの手すりを取り付けて、ほぼ完成形になりました。
< https://bn.dgcr.com/archives/2012/01/12/images/03 >

おかげで、表示登記が12月27日に終わる目処が立ちました。法務局の年内最終日の12月28日に権利登記もぎりぎり間に合うということです。横浜銀行に伝えてローンの実行日と手続きの日程を調整します。

必要な書類を携えて、夫婦ともに綱島のローンセンターに向かいます。銀行の住宅ローン残金の実行手続きです。支払いの金額の確認。振込先を書類に記入します。申し込みにくらべるとすんなり終わりました。

年内に無事に支払いをして、引き渡しが受けられる準備ができました。工事中に追加になった分の精算は残りますが、大きなお金の手続きが片付いて、やっと肩の荷が下りた気持ちになりました。

●オープンハウスも工事中

内装は、工事が進みます。石膏ボードを貼り終わった部屋から仕上げをしていきます。ボードの継ぎ目や固定するボルトを打ったへこみを、職人さんがパテを塗って、平面に仕上げて行きます。

リビングの吹き抜けから作業が進みます。高い壁と天井にクロスを貼るために仮設の足場が組まれました。それまで、なんだか暗い雰囲気だった部屋でした。しかし白いクロスが貼られると、明るい住みやすそうな部屋に一変します。この違いには驚きました。

オープンハウス当日を迎えましたが、一階の階段の壁紙が貼られていない。二階と三階を昇降するスチール階段や、玄関周りの塗装が終わっていません。ベランダは防水処理がまだできていません。奥内の扉には引手が付いていない。

そんな状態なので、一階の寝室では工事が続いています。来ていただいた方には残念ですが、一階は立ち入り制限となる前代未聞のオープンハウスとなりました。

今日はクリスマスです。こんな日にどれだけ来客するのかと思っていたけど、午前中からBoo-Hoo-Woo.comのお客さんが次々と見に来ています。私の知り合いも来ていただいて盛況でした。

フルヤさんの進めている別の家の施主さんにも見に来ていただきました。「これメトロタイルですよね?」とキッチンのタイルを見て声をかけられました。そういうこだわりポイントに反応してもらえると嬉しい。他のお客さんにも、壁紙やフローリング、システムキッチンなど、こだわったところを褒めてもらえました。

家づくりを考えていると、細かいところに目がいくみたいです。少しでも参考になったらいいと思って、選んだ理由とか手配の苦労とかいろいろと話をしました。最後は「大変だけど、きっと楽しいから頑張ってね。」と声をかけて見送ります。

オープンハウスの終了後、二階の造作家具が到着しました。年明けになってしまうかもしれないと心配していましたが、家具屋さんを探してもらって、なんとか間に合ったのです。設置完了すると空間も締まって見えます。これで内装も完成に一歩近づきました。
< https://bn.dgcr.com/archives/2012/01/12/images/04 >

あとから、見に来てくれた建築関係の仕事をしている友人が、工事途中なのに驚いて「これは年内の引っ越しは止めたほうがいいよ。」と本気で心配していました。

【いしはら・つよし】tsuyoshi@muddler.jp
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Webmanagement < http://webmanagement.jp/
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Shopping Prince blog < http://www.muddler.jp/
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昨年末は、仕事と家の進行が重なって、施主としても決めたり諦めたりすることもあって大変でした。クリスマスの3連休から引っ越し前日まで、休まず工事が続いていました。このドタバタは、自分の仕事のWebサイトのローンチと重なって見えました。次回はいよいよ入居です。

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■ショート・ストーリーのKUNI[109]
郵便局

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20120112140500.html
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5年前の年の暮れだった。ぼくはやっと仕事を片付け、依頼主にデータを送り終えるとすっかり暗くなった道を、町でただひとつの郵便局に向かった。

いくつかの事情のために都会を離れて、一人で暮らす初めての年末だった。インターネットがあればどこにいてもできる仕事なので特に不自由は感じなかった。近くにコンビニもないけど、ひとり暮らしの身で必要なものはたかがしれている。何より静かで人が少ないのが気に入った。ぼくは、疲れていた。

急いで身支度をして家を出たが、途中でたまたま前方に流れ星を見つけて一瞬、見とれた。一瞬だったのでそれが原因かどうかはわからないが、歩みが遅くなっていたのだろう。あと数十メートルというところで、ぼくは今しも郵便局のシャッターが閉まるのを見た。闇の中で、光の帯がどんどん短くなっていく。

あっ。ぼくの口から小さなため息がもれた。すると、閉まりかけたシャッターがまたするすると上がっていった。聞こえたのだろうか? ぼくは走って行ってまだ完全に上がりきっていなかったシャッターの下をくぐり抜けた。

郵便局の中はすでにほとんどの灯りが消され、郵便の窓口だけが明るかった。その窓口に女の人がひとり、いた。まるでスポットライトを浴びたみたいに。頭頂部の髪がナイロンの糸みたいにきらきら光っている。そして、ぼくを不思議そうな目で見つめた。

「すいません。もう閉めるところだったんですね。あの、年賀はがきを」

そこまで言って、ぼくは口ごもった。年賀はがき、何枚買うんだっけ...毎年、妻がまとめて買っていたが、今年はひとりだ。ぼくの分は80枚...もなかったと思うが。余れば余ったでいいから多めに買っておけばいいか...去年はどうだっけ...いつも出すべきかどうか迷う人が何人かいる。

いや、そんなことを今考えてもしかたないじゃないか、何をしてるんだ、ぼくは...それにしても、だいたいの枚数が...ああ、まったく、何も考えずに出てくるなんて、われながらばかみたいだ。

すると、女の人はまばたきをしない目でぼくをじっと見つめ、言った。

「あなたの分はここにあります」

そして、茶色いハトロン紙でかっちりと包まれた年賀はがきの束をぼくの前に出した。ぼくは驚いた。包みの上には「佐々木洋一様」と、ぼくの名前が書かれてあったからだ。ぽかんとしているぼくに、女の人が表情を変えずに言った。

「小さな町ですから」

家に帰って包みを開いたぼくはさらに驚いた。はがきにはすでに宛名が印刷されていたからだ。高校時代の恩師。親類の伯父さん、叔母さん。前の職場でお世話になった人。インターネットで知り合った友達。ぼくはただ、裏面に適当なあいさつを書くだけでよかった。どういうことなんだ、これは? するとあの女の人の顔が浮かんだ。

「小さな町ですから」
そう言われそうな気がした。

年が明け、ぼくのもとにも年賀状が届いた。子どもの写真を毎年プリントしてくる人。毎年オリジナルの凝ったデザインで楽しませてくれる人。文章がいつもおもしろい人。ネットでのあいさつもいいが、いろんな年賀状を見るのはやはり楽しいものだ。

ほとんどの年賀状は元旦に着く。そのあと2日、3日にも少しずつ届く。急いで書いても間に合わなかったんだな。自分だって、あぶないところだった。日本中のあちこちで同じ時期、多くの人があせったりやれやれと言ったりしてるんだと思うと、なんだかおかしい。

そのうちぼくは、おやっと思った。前の職場の上司で、毎年俳句を添えてくる人がいたのだが、今年はなかった。3日になっても4日になっても来ない。俳句は正直よくわからないものの、見慣れた筆跡の俳句があると安心したものだが...。

待てよ...自分もあの上司への年賀状を出さなかった、ようだ。毎年書く「いつも俳句が楽しみです」という文句を書いた記憶がない。印刷された宛名の中になかったのだ。ぼくは気になって同じ職場にいた友人に電話してみた。

「ああ、佐々木か。元気か。いや、あけましておめでとうだな。いや、それは年賀状に書いたな。わっははは」
「あいかわらず元気そうでよかった。いや、ちょっと気になって。ほら、おれたちの上司だった、あの...」
「ああ、『俳句部長』? 驚いたよなあ、まったく」
「驚く?」
「うん。え? 知らないの?」
「何を」
「いつだっけ...12月の中頃に亡くなったそうじゃないか。前から心臓が悪かったとか? 奥さんに先立たれてひとり暮らしだったから、発見が遅れた、と聞いたけど」

それが最初だった。その年の暮れも、ぼくはかなり押し迫ってから年賀はがきを買いに行った。何かにつけいつもぎりぎりまで動き出さない性格なのだ。それに、確かめたいという気持ちがないこともなかった。一年たつと、あれは記憶違いかそれとも夢ではなかったのかという気がしてくる。もし、記憶違いでも夢でもなかったとしたら...。

前の年と同じ日付、そして同じように5時ぎりぎりにぼくは郵便局に着いた。
照明を落とした局内に、あの女の人がいた。ほかにはだれもいなかった。

「これですね」

ぼくが何も言わないうちに、女の人は包みを寄越した。まったく一年前と同じだった。たぶん、ぼくもそれを期待していた。

家に帰って包みを開け、去年と同じく宛名が印刷されたはがきを、ぼくは一枚一枚見ていった。

その年はすでに3枚の喪中欠礼はがきが届いていた。その3人の名前が印刷されたはがきはなかった。一方で、ひと月前に初めて会うことができた、高名なデザイナーの名前はちゃんとあった。名刺交換はできたものの、自分の名前などすぐに忘れただろうなと少し気後れがして、年賀状を出すべきかどうか迷っていた。

毎年出していたが、もうずっと会っていないし、今では仕事上もまったく接点がなくなっていたのでどうしたものかと迷っていた人の名はなかった。

「出さないほうがいいわ」
そう言われたような気がした。ぼくはすべて、従った。

翌年の春、ぼくは例の高名なデザイナーにあるイベントで再会することができた。ぼくのことはよく覚えていてくれて、仕事を紹介してもらうことができた。ぼくは彼女─郵便局の─に心の中で感謝した。

次の年も、その次の年も、ぼくは同じように郵便局に行き、用意された年賀はがきを受け取った。たまたま何かの行き違いでぼくの手元に喪中欠礼が届かなかったケースでも、誤って宛名が印刷されていることはなかった。おそろしく正確だった。

彼女はいつも静かに、音も立てずにどこからかはがきの包みを取りだした。常に見開いたような瞳は、どこか人間離れしたものを感じさせた。

昼間に何度か郵便局に行ったことがあるが、彼女はいなかった。でも、夕方だけの勤務なのかもしれない。ほかの職員のような制服ではなく、濃い色の、ワンピースのようなものを着ていたようにも思うが、自信がない。

そして去年の暮れのはがきだ。印刷された宛名の中に、ぼくはなつかしい名前を見つけた。いまは違う姓になっている、ぼくの妻だった人。裕子だ。

これを、出せというのか? そうだ。出してみよう。ぼくは思った。どうしてそう思ったのか、自分でもわからない。でも、印刷された宛名を見ていると、なんだか勇気づけられるような気がした。

年が明けて届けられた年賀状の中に、ぼくは妻であった人の名を見つけた。
あけましておめでとう 今年がいい年になりますように
なんてことだ。まったく同じ文句を、ぼくも書いていた。

ぼくたちは、それがきっかけでメールのやりとりをするようになった。お互いにアドレスも変えていたので、始めるのに少し手間取ったけど、それはそれで、つきあう前に戻ったようで悪くなかった。

そして、そのうち、実際に会うようになった。裕子は少しも変わっていなかった。楽しかった。話すことが山ほどあった。何をしていたんだ、55年間もぼくたちは? いっしょにいるべき人といないで。

年末までには、ぼくたちはすっかり決めていた。年が明けたらむかしと同じように、ふたりで暮らすのだ。手頃な引っ越し先も見つけてあった。ちょっと照れくさいけど、みんなにちゃんと公表しなければ。

引っ越しに必要な手続きや、ごく親しい友人を招いて開くつもりのパーティーのことなどを考えながら、ぼくは郵便局への道を急いだ。ひとりの名前で出す最後の年賀状のために。

空気は無数の針を含んだように冷えわたり、空はネイビーから漆黒に移ろうとしていた。流れ星が見えた。

郵便局は去年やその前の年のように、暗く、静まっていた。あの女の人のいる窓口を除いて。ぼくを認めると女の人は何も言わず、いつものようにはがきの束を差し出した。ぼくは驚いた。はがきの束はいつもより格段に薄かった。たぶん...10枚あるかどうか。

「これは...」

女の人はぼくの声に振り向いたが、表情ひとつ変えなかった。私にはわかりません。まるでそう言うように小首をかしげて見せ、そのまままわりを片付け始めた。

仕方なく郵便局を出たが、いくらも歩かないうちに不安な気持ちが胸の中でふくれあがり、抑えきれなくなった。ぼくは立ち止まり、はがきを包む紙を破り、中を見た。

全部で11枚。たったの11枚といっていい。ぼくはふるえる指で一枚一枚めくっては、その名前を見ていった。一番の親友の名がなかった。子どもの頃からぼくをかわいがってくれていた伯母の名がなかった。学生時代の先輩も後輩も、何度もいっしょに酒を飲み、酔っぱらっては夜の町をわめきながら歩いたなつかしい友の名も、そして裕子の名前もなかった。

ぼくは何回も何回も見なおしたが、たった11枚を見損なうはずもなかった。ごく遠い地域に住む人たちをのぞいて、ほとんどの人の名前がなかった...。何かの間違い、とは思えなかった。これまでの結果からみて。ぼくはずっと、従ってきたし、それは正しかった。年賀状を出すべき人。出さないほうがいい人。もう、出す必要がない人。

一体何が起こるんだ?

振り返ると、流れ星がまたひとつ、またひとつ、郵便局の裏の小山に落ちていくところだった。その数はどんどん増えていった。

...あれは、流れ星ではないのかもしれない。

郵便局の背後が照明で照らされたように明るくなってきた。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/
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< http://yamashitakuniko.posterous.com/
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年末には翌年の日記帳と手帳を買う。もともと大した予定もない人間なので、iPhone用のアプリ「さいすけ」を使えば、手帳の出番はあまりなさそう。「メモ」も意外と役に立つし......と思いつつ、今年も買った。無印のビニールカバー付きのやつ。ビニールカバーの内側に、好きな絵や写真を自分でアレンジしたオリジナルのカバーを作って入れると、ちょっと楽しいです。

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■展覧会案内
成安造形大学・卒業制作展&進級制作展2012
< http://www.seian.ac.jp/news/2012-2/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20120112140400.html
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まつむらまきお(デジクリ「ユーレカの日々」連載)がイラストレーション・マンガ・絵本を教えている、成安造形大学の卒業制作展です。
本年度のイラストレーションクラスまつむらゼミは18人。在学中に商業誌まんがデビューした学生もいる実力派揃いです。ぜひご高覧ください。

会期:2012年1月18日(水)〜1月22日(日)9:00〜17:00 最終日は16:00まで
会場:京都市美術館 本館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
市バス「京都会館美術館前」下車すぐ 地下鉄東西線「東山駅」下車徒歩10分

※ファッションショー、進級展の一部は別会場。Webでご確認ください。
成安造形大学 卒業制作展ご案内
< http://www.seian.ac.jp/news/2012-2/
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■展覧会案内
第4回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展
石原一博展「巽電気〜制御盤制作企画室〜」
< http://rcc.recruit.co.jp/gg/exhibition/gg_wgpx_gr_201201/gg_wgpx_gr_201201.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20120112140300.html
>
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小さい時から慣れ親しんだ実家の電気工場。自分自身も電気工事の仕事を経験してきて感じた配線の美しさと機械たちの存在感。機械の中にある電線は、目には見えないが、絶えず力強く動いている。地球上に血管のように隈なくめぐっている配線は、情報とエネルギーを送り、無限の用途が生まれている。交通機関の動力源、空気調節、照明、電気通信、コンピュータなど。
絵描きにとって必要な"伝える"を追求し、世界にエネルギーを伝導している、見えているようで見えない世界を、自分の経験と技術と感覚で表現します。(展示によせて サイトより)

会期:2012年1月16日(月)〜2月2日(木)11:00〜19:00 日祝休
会場:ガーディアン・ガーデン(東京都中央区銀座7-3-5 リクルートGINZA7ビル B1F TEL.03-5568-8818)

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■展覧会案内
POSTALCO Wheel Printer by Mike Abelson
< http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201201/g8_exh_201201.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20120112140200.html
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クルマや自転車の車輪にインクを付けたら、どんな軌跡を描くだろう? 交差点で、それがカラフルに交錯したら、どんなにきれいだろう! そんなことから思いついたのが、ウィール(車輪)が回転する印刷機です。構造は、ひとつひとつの輪が廻りながら、ノートや紙にインクを刷るというもの。ストライプ?斜線? 三角? 予期しなかった格子模様? 会場では、その新しく出来たポスタルコのウィールプリンターを展示。実演会を行うと共に、印刷されたものや、その他のプロダクトも展示販売。(サイトより)

会期:2012年1月17日(火)〜2月16日(木)11:00〜19:00 日祝休
会場:クリエイションギャラリーG8(東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F TEL.03-6835-2260)

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■展覧会案内
DNPグラフィックデザイン・アーカイブ収蔵品展IV
没後10周年記念企画 田中一光ポスター1980-2002
< http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20120112140100.html
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2008年に設立された田中一光アーカイブから、「田中一光ポスター1953-1979」と題して回顧展第一弾を2010年に開催。初期から中期に残したポスター161点を厳選しての展観でした。

それに次ぐ第二弾となる本展では、1980年から亡くなる2002年までの後半期代表作約150点をご紹介します。田中氏の業績の中でも特記されるのがポスター作家としての歩みですが、とくに脂の乗り切った熟達時代であるこの後半期は、世界屈指のポスター作家としての評価を名実ともにゆるぎないものとしました。

「Nihon Buyo」をはじめとする優品が多数含まれる本展。みずみずしい感性を終生失わず、旺盛な活動をまっとうした軌跡が明らかになる、不世出の創造者の尽きせぬ魅力との新たな出会いの場になることでしょう。(サイトより)

会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F TEL.03-3571-5206)
会期:1月13日(金)〜2月25日(土)11:00〜19:00 土18時 日祝休

ギャラリートーク:要申し込み 詳細はサイト参照
2012年1月26日(木)18:30〜20:00
伊藤弘(グルーヴィジョンズ)×佐野研二郎
2012年2月16日(木)18:30〜20:00
小池一子×原研哉

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■編集後記(01/12)

・三が日は駅伝三昧。加えて堂場瞬一「チーム」を読む(2008/実業之日本社/最近文庫化)。じつに面白いスポーツ小説だった。2013年に創立150周年を迎える我が母校・明治学院は箱根駅伝とは無縁で、予選会でも最下位あたりにいる。だからわたしに哲学の単位をくれた中央を応援しているのだが、敗者の寄せ集めチームである「学連選抜」にも注目している。敗者といっても所属大学チームが予選会で勝てなかっただけで、各チームのエース格がそろっている。全員がベストの走りをすれば充分に上位に入れるはずであるが......。この小説は、その学連選抜というチームがテーマである。「俺の目標はいつも自己ベスト。チームの順位は関係ない。みんなで仲良しクラブやっても意味がない」と言い放つのが、天才ランナー・山城だ。切り札・山城を軸にチームを組み立てないと絶対に勝てない。だが本人はこのチームで走ることの意義を見いだしていない。この男はにわか作りのチームの団結力など、あっというまに吹き飛ばしてしまう爆弾になる。チームとして気持ちがひとつにならないと、とキャプテンの浦は悩む。駅伝は個人競技ではない。自分のためだけでなく、チームのために走らなければならない。それが駅伝という競技の矛盾であり本質でもある。さあどう展開するのか。臨場感満点のレースシーンは圧巻、みごとな描写だ。やがて山城もレースが進むにつれてチームに対する考え方が変わっていく。だが、これを読んで「学連選抜」のチームとしての存在意義はないと確信してしまった。駅伝ファン、読むべし。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408535400/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで見る(レビュー 件)

・司法書士さんもドキドキしただろうなぁ。/住所録でミスがあって、出力しなおしたから、そんな郵便局欲しい〜と思いながら読んだ。ラストで......。/年末年始は、仕事・大掃除・お買い物・親戚まわりで終わってしまった。比較的暖かくて助かった。あちこちで抽選会をやっていて、近所の商業施設では、1等の5,000円商品券が当たった。ラッキー。すぐ側の別の施設ではおととしに、見たかったお芝居のチケットが当たったりもしたよ。/生まれて初めての競馬をやった。有馬記念。実はテレビCMなどで聞く「三連単」「馬連」の言葉の意味がわからず、今もなんとなくしか理解していない。掛け金を出してあげるからと言われ、運試し。思いついた3つの数字を言ったら、ひとつの数字の馬は欠場。なので残り2つで馬連。念のためどんな馬なのか調べたら、ひとつは常勝馬、もうひとつもなかなか良さそう。外出していてリアルタイムには見ておらず、惜しかったとメールが来た。帰宅してから動画を見たら、頭一つの差で1番と3番になってしまってハズレ。ビギナーズラックならず。結果がわかっていても惜しい結果だとエキサイトするね〜。(hammer.mule)