Dの憂鬱[08]TIME IS MONEY/笠居トシヒロ

投稿:  著者:  読了時間:5分(本文:約2,200文字)


毎度、笠居です。もう2月も半ばですねえ。早い。早すぎる。やっぱり時間は世界の端で滝のようにドウドウと流れ落ちてるんじゃないか? と思ってしまう今日この頃でありますが、皆様いかがお過ごしですか。

時のすぎるのが早いと思うのは、いろいろとやることがあるからで、ディレクターにかぎらず、仕事に(否、仕事じゃなくても、趣味でも何でも)没頭していると「あっ!」っという間に時間が過ぎ去っていくものではあります。

過ぎ去っていく時間が自分の人生において、「有意義」だったかどうかは、人それぞれの価値観によるものではありますが、それが他の人々にとっても有益に使われたものであれば、人として本望なのではなかろうか、などということをつらつら考えるようになったオレは歳食ったのでしょうかねぇ。。

それはそれとして、ちょうど今週末から「TIME」という映画が公開されるんですが、皆さんご存知ですか?
< http://www.foxmovies.jp/time/ >




「ガタカ」や「トゥルーマン・ショー」といった、現実離れした世界観をリアルに描くことでお馴染みの、アンドリュー・ニコルが監督を務める作品で、今回の「TIME」は、時間(自分の余命)が通貨として流通する世界が舞台となった、アクション・サスペンスです。

もちろんオレもまだ観ていないので、オフィシャルサイトや映画情報サイトに上がっている情報だけでザックリ紹介しちゃいますが、この映画の大きな設定は5つ。

1)この世界の唯一の通貨は時間。
2)人間の老化は25歳でストップする。
3)25歳になった瞬間、左腕に埋め込まれたデジタル時計が余命のカウントダウンを始める。
4)富豪は永遠に生きられるくらいの時間を持ってるが、貧乏人の余命は常に平均一日程度。
5)時間は、分け与えることも奪うことも可能。ただし大量の時間が富豪から貧乏人に流出しないように監視されている。

貧乏人とはいえ平均余命が一日って、一日何も仕事しなかったら明日になる前に死んじゃうわけで、ホンマに自転車操業ですわな。

しかしまぁ、ぶっちゃけた話、25歳から年を取らないってのと、手持ちの金(時間)が底をつく=即死んじゃうってコト以外は、通常の世界とそんなに事情が変わるわけじゃないんですよね。

現在、日本のサラリーマンの平均年収は400万強ですから、週に5日、一日8時間労働として時給にすると、約2千円。でも「使う」観点から考えると、休日だって夜中だって使うわけですから、365日で割ると、1日に使えるお金は約1万1千円。1時間なら約460円、1分なら約8円。

映画「TIME」の中に出てくるファーストフードの値段が一個につき4分なので、だいたい4分=50円(スラム街なので日本の相場の1/4と換算)くらいとしても一日の所持金は、約1万8千円! なんと「TIME」の中のスラム街に住む貧民のほうが日本の平均的サラリーマンよりお金持ちです!w

多少は裕福っぽいけど日本人も似たようなものです、って結論を導きたかったのに、逆に日本人のほうが貧乏ってことがわかりましたwww

まぁ、一日で稼げるお金を一人でその日のうちにパッと使えば、という江戸っ子みたいな前提での計算なんで、いわば単なる計算遊びですが、自分たちも時間換算で考えれば、そんなに裕福じゃないってことは、なんとなくわかりましたね(^_^;)

ただ、現実世界では、別途通貨があるために「お金」が最上の価値を持ってるように錯覚してしまうんですが、自分の持っている時間の価値がどれだけ貴重かということは、何をやっている時でも認識しておいたほうが良いと思うわけです。

ビル・ゲイツが道端に落ちている一万円を拾うと、彼の時給換算からして逆に損をする、みたいなトンデモ論がありますが、そういった通貨に換算した価値だけではなく、いま自分に与えられている時間というのは、もう二度と戻ってこない貴重なものだということを、常に意識しておこうということなんですね。

茶道の言葉に「一期一会(今生一度きり会う人と思って客をもてなす)」というのがありますが、時間との付き合いは常に「一期一会」です。

我々のようなコンテンツを創って売る商売というのは、このユーザの「貴重な時間」をいかに割いてもらうかを常に考えているようなものです。映画、TV、小説、漫画、ゲーム、さまざまなライバル・コンテンツを押しのけ、こっちの作ったものに、わずかでも時間を割いてもらうにはどうすればいいか?

インセンティブ、フリーミアム、といったキーワードに代表される、時間と通貨の価値を置き換えるような「誘い」だけでは、自分の持っている時間の価値に薄々でも気づき始めているユーザに、アピールするのは難しくなってきているのではなかろうか。

などと、あまり効率的ではない時間の使い方をしながら、フンワリ散漫に考えを巡らせている自分自身に憂鬱を覚える今日この頃なのであります。

【笠居 トシヒロ/WEBディレクター、デジハリ大学院客員教授、京都嵯峨芸術大学講師】
< http://www.mad-c.com/ > < kasai@mad-c.com >

あと一週間ほどで51歳になってしまいますのです。もうこっから先は自分がなんぼ年取ってもあんまり変わらんような気もするのですが、「TIME」のように左手に余命ゲージが付いてたら、あと何年残ってるんやろなー(;´Д`)