ところのほんとのところ[73]舞台「日本の問題」に関わってからもう一年
── 所幸則 Tokoro Yukinori ──

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松枝佳紀くんと知り合ったのはツィッターがきっかけだ。彼がフォローしてきて、彼のツイートを読んだら真面目なんだけど面白かったので、フォローしてみた。[ところ]の知らない演劇や、金融、経済のことをつぶやいていて、やっぱり面白そうなヒトだと思ってときどき反応していたところ、松枝くんの方から会いませんかという話になった。

松枝くんは演劇をやりながら、映画やテレビの脚本も書いている。彼が関わっ「デスノート」は僕も見た映画だったので驚いた。もと日銀で働いていたというのも興味の対象だった。

ちょうど政治家やマスコミが、想像以上に嘘をついてる気がしていた時期(あくまで漠然とだけれど)、芸術の行く末がどうなるのか不安だったから、松枝くんとニコ動で何度か芸術と経済について話をしてみたら好評だった。

そのころ3.11の日がやってきて東日本は大変なことになっていく。3.11をきっかけに世界もひとつの転機を迎えた。ローマ法王が原発反対を声明し、イタリアとドイツは脱原発を決めた。ところが、日本の政府も報道も、最初の頃はとにかく真実は語らなかった。情報統制のようなものを感じた。




[ところ]はますます政治家や官僚、マスコミ、大企業全般に不信感を抱くようになった。日本の問題の、といっても舞台の話ではなく、普通に日本にはこんなにも問題があったんだと思い始めた。その頃、14の劇団公演を見て演劇という世界の表現の幅の広さに驚かされた。

実際、3.11以降の数ヶ月、ショックで写真を撮る意欲も薄れた[ところ]にとって、「日本の問題」という演劇プロジェクトとそれを仕掛けた松枝くん、そしてそれを通して知った演劇人達との交流は、また写真を撮らなければという想いが強くなる大いなるきっかけでもあったと思う。彼らとの出会いは[ところ]の写真にいろんなものを与えてくれた。

もともと「日本の問題」は地震とか津波とか原発問題が噴出する以前からの企画であったし、じっさい3.11を連想させる舞台は少なかった。学生編は特に「個人的な問題」が多かったと思う。

そして、今の「日本の問題」として3.11は避けれないという判断なのだと思うが、3月5日から3月11日まで、渋谷のルデコで3.11にテーマを絞って学生劇団がチャリティー公演をすることになった。時間のある人は是非演劇を見て感じて欲しい。たくさんの人の運命を変えてしまった3.11のことを。

< http://nipponnomondai.net/ver311/
>
< http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=26545
>

「日本の問題 Ver.311(収益全額寄付公演)」の最終日のアフタートークで[ところ]がゲストとして話すことになった。

久々にニコニコ動画で放送します。
・写真家の異常な愛情「震災から1年、芸術と現実の距離」

いま松枝くんも学生達も被災地に行っているようだ。被災地から帰ってきてすぐの出演となる松枝佳紀と所幸則が「震災から1年、芸術と現実の距離」を語り合います。2月19日(日)21時から見てください。
< http://com.nicovideo.jp/community/co60744
>

そして3.11をへて【ところ】の写真も変わったと思う。
東京画のニュースレターをぜひ見て下さい。
< http://forest-among-us.com/newsletter/tokyoga/01.html
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【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
>
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/
>