装飾山イバラ道[93]懐かしの「世界の料理ショー」を見る/武田瑛夢

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最近の私のテレビ録画用HDを圧迫しているのが「世界の料理ショー」だ。昭和世代なら懐かしのあの料理番組。DVDが出たらしかったけれど、購入するまでではないなぁと思っていた。

最近になってCSの番組を次々流して見ていたら、予告編CMにたまたま遭遇し、再放送を録画で見られるならと予約をセットした。「食と旅のフーディーズTV」というチャンネルだ。

・「世界の料理ショー | 食と旅のフーディーズTV」
< http://www.foodiestv.jp/program/index.php?prg_cd=FD00000329 >

「世界の料理ショー」は月曜日から金曜日までの30分番組で、全52話というからすごいボリューム。既に放送は始まっていたけれど、すべての曜日で予約していたら、録画がたまるたまる。

早く見ないなら消すと旦那さんに指摘を受けて、ちょこちょこ見ている。HD画質ではないので他のHD録画よりも圧迫は控えめだ。これからはお風呂で見ようかな。




●久しぶりにグラハム・カーを見る

番組を見始めたら、くるくるとした手描きレタリングの日本語の題字のオープニングが素敵で懐かしかった。紙に書いた文字だけを画面に映す始まり方って、昔はよくあったかもしれない。カナダ放送協会の放映らしい。そういえばそんな感じもする。

大きなテレビで見ると、想像した以上に画質が荒いような気がする。私が小学校へ通い始めたかどうかという頃に見ていた番組なので、記憶はおぼろげだ。観覧客の待つところへグラハム・カーが勢いよく出て来て、おなじみのトークを開始する。

なんだか応援したくなるやんちゃなキャラクターだ。目の前のお客に語りかけたかと思うと、どこにいるのかわからないスタッフのスティーブを罵倒しながら皆を笑わせる。今思えば、スティーブは本当に実在したのだろうかという気さえする。

久々に見るまですっかり忘れていたけれど、最初に本日の料理の見本となる世界各国のレストランで試食する、グラハム・カー夫妻のようすがVTRで流れるようだ。意外に手間とお金がかかった構成なのかもしれない。私から見ると「なんで奥さんまで?」と思ってしまうけれど、それは外国だと普通なのかな。とにかくすごく幸せそうな仕事だ。

●スタイルの完成度

さすがに当時大人気だったのも納得のエンターテイメント番組で、最初の小話も時には小道具まで使ってのサービスぶりだ。グラハム・カーは料理研究家なのに話芸もすごい。

残念ながら、あちら風のウィットに飛んだ話は私にはどうしてもわからなくて笑えないものもあるけれど、観客は大喜びだ。子供の頃にこれが理解できたとは思えないので、きっと雰囲気で笑っていたのだろう。

昭和の子供の頃見た当初の記憶だと、見たこともないような大きな肉の塊や、珍しい食材を大鍋に入れてはオーブンへズドーン! とセットして完成していく料理。オレンジや黄色の鮮やかなお鍋に手でひねる大きな胡椒ひき(ペッパーミル)。

とにかく豪快なイメージだったけれど、平成の今に見ると、オーブンも胡椒ひきも当たり前だし、肉の塊の大きさも最近の料理番組ならよく見るものに思える。それだけ現代の日本の食が欧米化されて、一般的になったということか。

ネクタイにシャツという格好で料理を作り、お決まりのお酒を飲んでの休憩、最後には自分で目を細めて本当においしそうに食べる。そして観覧客からラッキーな一人だけを選んで、手をひいてきて食べさせるのがクライマックス。

選ぶのは美女が多いけれど、おじさんやおばあさんの時もあって、けっこう気を使っているみたい。この番組スタイルのワンパターンに徹底しているからこそ、見ている方は安心して満足できるのかもしれない。

ぶっきらぼうに素材を並べてオーブンに入れたら、美しく並んで焼き上がったのが出て来たりするのはご愛嬌で、料理番組の基本のすべてが入っていると思える完成度の番組だと思う。その後の日本の料理番組がどれほどこの番組から影響を受けたのかが想像できるし、良いものはいつまでも色褪せないものだ。

●その後の「世界の料理ショー」

Wikipediaを見ていたら、「世界の料理ショー」は1968年の放送開始から約3年後に、カー夫妻が交通事故で大怪我を負ったために番組が打ち切られたとあってショックだった。

しかし、その後の1990年代に「新・世界の料理ショー」で再び復活したそうで、WEBで動画を探したらそこに元気なグラハム・カーの姿を見て安心した。ダンディでこの頃の方が私は好みである。昔とは打って変わってヘルシー料理を紹介する番組となり、彼らしい軽快な語り口で料理していた。

フーディーズTVの「世界の料理ショー」では、声が黒沢良の吹き替えで素晴らしい。当時の声優は3人程いたようだ。グラハム・カーがあの速さで(あの口の悪さで)次から次へとしゃべるのを、どうやったらあれほど絶妙に吹き替えられるのか不思議でならない。

「何言ってんだぁ、このスットコドッコイっ!ってね。」などは英語でもそんなようなことを言ってるんだろうけれど(?)、すごい雰囲気翻訳なのかな。この番組だけは字幕放送があったとしても、きっと吹き替えを選ぶと思う。

いや本当は、英語そのままでまるまる理解できたらよかったなと思う。早口の英語ジョークを同じタイミングで笑う、これができればそれが最高だろうな。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

バレンタインデーのために伊勢丹へ行ったら、女子のすごい人だかりで大変だった。結局、いちご売り場にあった「電子レンジで溶かせるチョコフォンデュ」というのを買った。レンジで溶かしたら生のヘタ付きいちごをディップして、そのまま食べると熱々チョコフォンデュで、冷ますといちごチョコになるというもの。バナナと種抜きプルーンもディップしたらおいしかった。ただこれだけ簡単なのを買ったのに、テーブルがチョコで汚れたのが自分でも不思議だ。