ローマでMANGA[49]イタリアで唯一のMANGA構築法解説者/midori

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1月になってやっと始まったMANGA・セミナー。6回あったはずが、交通機関の24時間ストライキと、金曜日になると降る雪が2週続いて、実質3回の実施という結果になっている。

まぁ、いいですけどね。そういうこともあろうかと、ブログを立ち上げ、毎週の授業をアップしている。これから春になると頻発する交通機関のストライキは、何故かいつも金曜日なのだ。
< http://manganosensei2012.blogspot.com/ >

今までも、毎年セミナーのブログを立ち上げたが、昨年までと違うのは、私の意気込み。授業に来られない人にも内容が伝わるように、親切に書いている。さらには、オープンにして、更新するたびにFaceBookでお知らせしている。

少なくとも、MANGAはグラフィックスタイルのみではない、ということをもっとたくさんの人に知ってもらう手始めだ。イタリアの巷には、MANGAの描き方の本やワークショップが多々あるけれど、構築法の解説はない。ほんとに、私がイタリアで唯一のMANGA構築法解説者なのだ。

さて、MANGAセミナー。毎回7名が参加する。他のコースが忙しかったりして、出入りがあるせいで潜在的には9名。今年は、MANGA家が作品のアイデアを出してネームにするまでを、順を追って授業にすることにした。まぁ、作家によって、その時によってやり方は色々だろうけれど。

MANGAは読者がキャラに感情移入して、ストーリーを生きるという重要な性格があるので、主人公の重要度がヨーロッパコミックスとちょっと違う。




そこで、このストーリー作りをキャラから始めることにした。まずラフでなんでもいいから人物を描かせ、そのラフから受ける印象を基に性格付けをしてもらった。性格付けが終わったら、5W+1H(Who, When, Where, What, Why+How)を書きだして、ストーリーの基礎とした。

先週は、そのストーリーの基礎を起承転結に発展させ、簡単に4ページに配分してもらった。そして一人一人の仕事を見て、配分が妥当かどうかをサジェスチョンしていった。この作業は、ペラペラのアイデア用紙に鉛筆で、小さな長方形を描いて見開きとし、そこに小さく文字かアイデアスケッチで進めさせた。

あくまでも、先に文字でストーリーを書き上げないように、キャラも細かいところまで決めてしまわないように指示した。

MANGA作りに慣れてない人が先に文字でストーリーを作ると、どうでもよい細かな設定や、絵にするのがとても難しい抽象的な表現が出てくるので後で困る。文字でしか表現できなくて、やたらト書きやセリフが多くなってしまう。

また、キャラの容姿や服装を先に細かく決めてしまうと、そこから外れるのが難しくなる。全部を少しづつ少しづつ育て上げていくのが、こうした罠に落ちなくて済む方法なのだ。

皆、言われたとおりにA4のペラペラの紙に小さな見開きを書き、小さなラフな絵や文字で記入している。お直しをサジェスチョンすると、中にはもっと大きなサイズで本格的にネームに入ってもよい生徒もいた。うふふ。授業がうまくいっている。

7人の内、まったく勝手に制作を進めている一人がいた。ふさふさの金髪が可愛い女生徒で、私が解説している時から、何やら手を動かしていた。実技に移行した時も、A4一枚を原稿用紙に見立ててコマ割りをして原稿を描いている。時々、私のセミナーを受けながら課題をやる生徒もいるので、それなんだろうと思っていた。

金髪さんのサジェスチョンは最後になってしまった。他の課題をやってるから、どうせ進んでないだろうと思っていた。近くに寄ってみると、いわゆるMANGA式の絵柄で丁寧に描いている。私の授業実技を進めていたのだ。終業ベルが鳴ってしまったので、来週、一番に見るねと言ってお開きにした。

はい、ここで私の間違いが二つ。多分に私の性癖から来ている。

つまり、相手の行動の理由を先回りして考えて、それなら仕方がないねと許してしまう。だから、他の課題をやっているのだろうと考えて、まずそれをそのままにしてしまった。注意しなかった。確かめもしなかった。

私の授業を進めているのだとわかって、それがまったく指示に従ってないことがわかった時点でも、それを受け入れようとしてしまった。教師じゃないじゃんか!! 来週は、授業が始まる前に、金髪さんの間違いをただし、私の支持通りにやり直してもらおう。

先週の授業中、校長のディーノが(校長と雇われ教師の間柄でも名前呼び捨て、"TU"で呼び合うのが普通)私の教室を覗いて、話があるから休憩時間に校長室に来るように、とのお達し。

行ってみたら、マンガブックを普通の書店さんで販売できることになった、とニコニコしている。イタリアでは、マンガはマンガ専門書店で売るのが普通だ。当然、マンガに興味のある人しか来ない。最近、大手の書店で美術コーナーの近くにマンガを置くところが増えてきた。一般書店に配本するということは、もっと多くの人に見て貰える可能性があるということ。

ディーノ、すっかり気を良くして、判型も当初の予定より大きくする、と鼻息が荒い。企画者・執筆者としては嬉しい鼻息だ。

2月1日に配信になったNo.3196でまつむらまきおさんが「マンガが生き残る唯一の方法」で面白い提案をなさっていた。
< http://bn.dgcr.com/archives/20120201140200.html >

MANGAを横書きにすればいいじゃないか! という話。海外で売れているMANGA、マニアだけではなく、「普通の子どもや女子高生やオッサンやオバサンが読まなければ、産業にならない」。底力はあるのに。

マンガ学校で私のセミナーに来る生徒の中には、何も言わないと日本式の右開きでネームを描き始める生徒もいる。もちろん、セリフはイタリア語書きだからテキストの読みは左から右。字を読む方向と物語の進む方向がぶつかる状態になる。彼らは全く抵抗がないという。人間は何にでも慣れるとはいえ、そうかなぁと思う。制作側の立場として。

一昔前までは、イタリアの出版社が日本の出版社に頭を下げて、出版権を購入するばかりだったけど、昨今では日本の出版の方から「こういうのあるけど、どう?」ということも起こっているそうだ。つまり、発行部数が日本市場に比べてとても少ないイタリア(ヨーロッパ)の市場も当てにするようになってるということではないだろうか。

50年も縦書き日本語MANGAを読んできた身には、若干の抵抗もあるけれど、ネットではすべて横書きが当たり前で抵抗なく読んでいるのだから、すぐに慣れるかもしれない(右から読むので日本では右側を上手として扱う。横書きでは左が上手になる。その辺の変換が日本人の脳みそになにか影響があるのか、という指摘は興味深い)。

MANGAがもっと外国のマンガ家にも身近になって、MANGA言語がもっと浸透していくと、面白いことになるかもしれない。20年くらい経ったら。。。

【みどり】midorigo@mac.com

日本の国政の状態をネットで知るたびに、胸のうちがグズグズ煮崩れて行くような痛みを感じます。

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< http://ameblo.jp/japangard/theme-10023150990.html >

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