デジアナ逆十字固め...[123]「ZENJIX」ブランドを立ち上げ
── 上原ゼンジ ──

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先日「CP+」の会場で、「ZENJIX」ブランドの発表会を行なってきた。「ZENJIX」というのは、私が考案した宙玉レンズや蛇腹レンズなどの製品のブランドのこと。実際はカメラやカメラの関連用品の製造販売を行なっている「アドプラス」から製品化され、販売されることになっている。

アドプラスの社長の清家英明氏と初めてお会いしたのは、昨年のCP+の会場だった。そこで宙玉レンズなどを製品化していきたいという話があり、その後何度かお会いしたり、試作品を作ったりして、今回のブランドの立ち上げになったというわけだ。

でも、最初の頃はあまり「ブランド」というようなイメージはなかったかもしれない。試作品の形が見えてきた時に、製品にロゴを入れようという話になり、初めて「ブランド」を意識した。

「ZENJIX」というのは本名の「善二」からとった。これは「吉野善三郎」さんの「ゼンザブロニカ」とか、「小西六兵衛」の「コニカ」と同じ方式だな。「キヤノン」が「観音」から名付けたというのは知っていたけど、「ミノルタ」が「稔る田」からとったというのは、今初めて知った。ブランド名の由来というのもなかなか面白いですね。

アドプラスは熊本の会社で、自社で製品を開発したり、海外から面白い製品を輸入して販売したり、フィルムの現像などもやっている。最近はフィルムの現像をやってくれるところが少なくなってきているが、アドプラスの「トイラボ」ではカラーネガだけでなく、リバーサルフィルムやモノクロ現像、それからクロスプロセスなどにも対応している。スキャニングまでやってくれるので、みんな熊本までわざわざフィルムを送っているというわけだ。

輸入商品だとF値0.95という明るさを誇る「SLR Magic HyperPrime 50mm 」 とか、旧ソビエト製のカメラをリメイクした「RED ARMY CAMERA Fed 5B」など、ちょっと変わった製品を探してきて販売している。

最新のヒット作はカメラの形をしたiPhoneケースのiCAだ。CP+の会場ではCanonブースの真ん前という、いい場所にブースを構えていたアドプラスだが、このiCAは人気が高く、ブースにはいつも人だかりができていた。いろんなメディアにも取り上げて貰えたし、熊本からみんなで出てきて宣伝をしたかいがあったんじゃないだろうか。

◇iCAのシステムは、この動画を見ると分かりやすい(MACお宝鑑定団)
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●ガッチリ握手とかミニ鏡割りとか

「ZENJIX」の発表会というのは、アドプラスの小さなブース内で行われた。ステージ上に吉高由里子を上げていた、対面のキヤノンブースとはちょっと規模が違います。

発表会の直前まであまり人が集まっていなかったから、誰も聞いてくれる人がいないと悲しいなと思ってたんだけど、始めたら徐々に人が集まりだした。まあ、写真やカメラが好きな人が、いーっぱい来てるから、イベントが始まれば、なんだなんだという感じで人は見てくれるのだ。

この発表会では、私と清家社長がガッチリと握手を交わしているところの撮影会とか、ミニ鏡割りなどが行われた。鏡割りの樽は酒の入っていない小さなプラスチック製のオモチャのようなもんなんだけど、これを二人で木槌で叩くとマグネット式のフタがパカンと開くというシステムだ。でも後で考えてみたら、木槌は二本あるべきだった。二人で木槌を持ったら、ケーキ入刀になってしまう。まあ、清家さんとの初めての共同作業ということにしておこう。

「ZENJIX」ではカメラやレンズ、写真用品などをリリースしていく予定。第一弾がiPhone用の宙玉レンズで、ネジ式でiCAにも付くようになる。今後iCA用には、魚眼やマクロ、望遠などのレンズが製品化される予定なのだが、そういった製品と互換性があり、宙玉を外したら、魚眼を付けたり、マクロレンズを付けたりということができるわけだ。

また宙玉レンズはその後、一眼レフやコンパクトデジカメ用のものも製品化していきたいと思っている。やはりチップスターの空き箱を使って工作をするのはちょっと面倒だし、チップスターをレンズの先に付けてウロウロしたくないという人が大半だろうからw

今回のCP+は前年と比べ3割増しぐらいの入場者数だったようだ。実際、現場にいて賑わってる感はあったし、カメラを触るための行列もたくさんできていた。やはりイベントの直前にニコン D800、オリンパス OM-D、ペンタックス K-01などの発表があったというのも大きかったのだろう。

さまざまなタイプの製品が続々登場してくる様子は、デジタルカメラ開発の戦国時代という感じもする。震災、タイの洪水、円高などでどのメーカーも苦しい中、このイベントに合わせて、新製品を開発してきたということだろう。

単に1ユーザーとして見れば、いろんなタイプのカメラが出てくることは大歓迎だが、5年後、10年後にどのメーカーのどのシリーズが生き延びているのかと考えるとちょっと恐い気もする。なんか頑張りすぎているようにも思えるからだ。

ただ、我々もそんな戦国時代に「ZENJIX」として参入していこうとしているんだから、ずうずうしい話だ。まあ、ニッチに生き残れるよう、大手には出来ないような面白い製品を出していきたいものだと思ってます。

◇「ZENJIX」ブランド発表会(動画)
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●「521金環日食観察会」を全国に広げよう!

前回も5月21日の金環日食観察会の話を書かせていただいたが、その後体制も整ってきつつある。私も呼びかけに協力しているのは、きちんとした観察会の開催を全国に広めていこうという動き。日食が観察できるのは、朝の通勤通学の時間帯なので、世紀の大イベントをきっちり体感しましょうという話だ。

今後、ビジネス的にも盛り上がっていくことが予想されるが、実際には当日観ることができなかったり、通学途中に観ようとして目を痛めたり、事故に遭ってしまったりということも起こりうる。だったら、学校側にお願いをして観察会を開くのがベスト。

それに対して、所沢市での開催にこぎつけた光学機器メーカーのビクセンでは、「ソラミンゴプロジェクト」を立ち上げた。サポーター企業や学校OBと組んで「日食グラス」をプレゼントしようという動きだ。興味を持たれた方はぜひサイトの方をご覧下さい!

◇「ソラミンゴプロジェクト」サイト
< http://soramingo.net/
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【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com < http://twitter.com/Zenji_Uehara
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上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/
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Soratama - 宙玉レンズの専門サイト
< http://www.soratama.org/
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上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
< https://www.facebook.com/zenlabo
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