買物王子の家づくり[24]家族にとって「ちょうど良い家」/石原 強

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工事もひととおり完了して、2010年からスタートした家づくりも約2年を経て終了です。家づくりの最中は、人生に一度きりの一番大きな買い物と意気込んでいたので、なんだか気が抜けました。相当に肩に力が入っていたと思います。

●二人の息子は「階段」がお気に入り。

新しい家が家族の生活の場所として定着してきたように感じます。息子たちは特に階段がお気に入りです。長男カケルは、階段に座って絵本を読んだり、おもちゃを並べたりして遊んでいます。「隙間からモノを落とすと危ない」と何度注意しても聞きません。それを見ている次男ワタルも階段を登りたがって、フェンスに掴まって「開けて」と大騒ぎします。

これまでも、お風呂が好きだった二人ですが、新しい家のお風呂になったら、親が上がってからも、いつまでも入っていて出てこなくなってしまいました。広くて親子三人で入っても大丈夫。湯船の中でに腰かけるための段があるので、まだ小さいワタルでもそこに座るとお湯が多くても大丈夫。一人で出入りできるようにもなりました。

未だ部屋は片付いていない。散らかっているくらいが、自分の家らしいと強がってみるけど、やっぱりスッキリと暮らしたい。そのためにはやはりモノが多すぎることが問題なので、さらに処分をすることを決心しました。実行までは時間がかかりそうですけど、せめてこれ以上増やさないようにしよう。

細かいところは改善の余地がある。収納を増やすために棚を加えたい、雨が降るとベランダがびしょ濡れになるのでデッキをひきたい、小さい庭だけど緑を植えたい、あげ始めたら切りがない程、手を加えたいところはある。それはゆっくり足して行くつもりです。




●終わってしまうのも寂しい「家づくり」

仕事ではずっと他人の為にモノ作りをしてきましたが、自分のお金で、自分のためのモノ作りを依頼したのは始めての経験でした。

きっかけは、二人目が生まれて、住んでいるマンションが手狭になったことでした。毎日窮屈な感じがして、住まいを変えれば何かがかわるという期待感でした。でも家を探し始めたら、比較するにも条件が複雑で、目眩を覚えました。そして自分達の条件に合うものが、本当に見つかるのか不安になったこともありました。

建築家から提案されるプランは、土地の制約をかいくぐった見事なもので驚かされました。プランが固まった後は、モノ作り、もの選びの楽しさがありました。プランも都度細かく修正を入れました。建て始めてからは、できるだけ現場に足を運びました。最後は毎日通ってました。

家づくりの間にいろんなことを学びました。後で役に立つからということではなくて、純粋に好奇心で一杯でした。いろんなものを新しい事を見たり聞いたりして考えたり発見があったりと刺激的だったので、もう終わりだと思うと、ちょっと寂しい気分でもあります。

●「心地よい生活」を実現した家

家づくりとは、自分達の「心地よい生活」とはどんなものかを考えて、それを実現するプロセスだった気がします。

家づくりも最初は手探りでした。他の人の話をきいたり、本を読んだりしました。要望もいろいろあってなかなか絞り込めませんでした。様々な制限があるので、すべての願いを叶えることはできません。欲しい条件の中でも、比べたらこれは我慢してもいい、なくても大丈夫という事も沢山ありました。

自分達に本当に必要なものを選んで、同時に不必要なものをバッサリと切り落とすことが大事なのだと気がつきました。それからは、特別にデザインがカッコいいとか、豪華で自慢できるとかそういうことではなく、家族にとって「ちょうど良い家」にすることを目指しました。

おかげで自分たちが居心地がいい家ができました。サイズが小さすぎず、大きすぎない。オープンすぎず、閉じてもいない。家族の気配が感じられるなにもかもがです。今のところ不満な点は見つかりません。でもこの家は、他の人にとっても心地良いのかと問われると、そうではないと答えます。

家に友人を招待したら、リビングに入って「なんでこんなに天井高いの? もう一部屋作った方が良かったんじゃない?」と言われました。確かに天井が高いことなんて生活には何の役にも立たないんだけど、その無駄を気に入っているのです。

「自分の城ができましたね」と声をかけてくれる人もいます。意味が異なることを承知で言うと「城」っていう言葉からは、動かない頑丈な感じがするので、ちょっと違和感があります。そんな堅苦しいものではなくて、着心地の良い服を仕立てた感じです。

生活に必須の「衣食住」という三要素の中でも「住」は自由がきかないと思って距離がありました。与えられた環境を受け入れるしかない。それが家づくりを通して身近に感じるようになりました。

最後に、当たり前ですが家は一人では作れません。Boo-Hoo-Woo.comのオカザキさん、ミヤケさん、建築家のフルヤさん、工務店のオオハラさん、ほかにも本当に沢山の人の手で出来上がりました。名前を知らない、顔も合わせなかった人だっています。家づくりに関わってくれた全員に感謝します。

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家づくりに一年間おつきあいいただきありがとうございました。今回でこの連載は終了します。また新しいテーマを探して戻ってこようと思ってますので、そのときはまたよろしくお願いします。