デジタルちゃいろ[14]範囲と質と価格と決まりごと
── browneyes ──

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なんとなくお久しぶりです。メンテナンス休暇で一回休みだったこともあって、一か月ぶりとなります。みなさん春の大型連休はいかがお過ごしだったのでしょうか。わたしは連休という意識も持つことなくノープランで連休に突入した割に、例年になくリア充風に過ごしておりました。

●Adobeの脆弱性騒動

春の大型連休が終わって、頭もまだ朦朧としている頃に、Photoshop、Illustrator、Flashという、一昔前のウェブデザイナー的にはある種、商売道具御三家(イマドキの若いデザイナーさんの間ではFireworks使いも多いようなので)とも言えるAdobe製品に、危険度最高の脆弱性、というニュース。しかも修正は最新版のCS6でのみ対応というもの。

□PhotoshopなどAdobeクリエイティブ製品に脆弱性、有料の最新版「CS6」で修正 -INTERNET Watch
└< http://j.mp/ISYzs0
>

わたし自身の環境は現在、すっかりサポート期限の切れているバージョンで甘んじてるのでどのみちアウトな訳ですけど、まだ無償サポート範囲の下位バージョンなかったっけ? ないとしたら、それはそれでサポート打ち切りサイクル短すぎじゃないの?

□アドビ製品 テクニカルサポート対象バージョン
└< http://j.mp/MaUQfc
>

うん、CS5とCS5.5は今年の8月まで無償サポート期間...なのに既知の脆弱性放置ってこと...。

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......と、他人事ながらびっくりしてましたが、どうやら先週末時点でCS6限定からCS5.x系以降への修正対応と、サポート範囲が改定になったようですね。その間はこのニュースは追っかけてなかったのでよくわかりませんが、それなりに多方面から批判が出てたようです。まぁ、当たり前の反応というか。

□Adobe、Photoshopなど3製品の脆弱性対応めぐって方針転換──アップデートを公開へ - ITmedia エンタープライズ
└< http://j.mp/MaUOny
>

とはいえ、実際に脆弱性を攻撃している事例がまだないが故に、危険度は最高なのに修正パッチ適用優先度が最低というのも、高額な割に度重なるバージョンアップについていけずに、CS4以下で滞留してるであろう有象無象の(わたし含め)ユーザーの影も意識してそうだよなぁ、なんて穿った見方をしてしまったり(笑)。




●サービスの質と価格

話が大分変わりますが、連休開始早々の痛ましい高速バスの事故も記憶にまだ新しいですが、それに関連してこんな記事が出てました。

□高速バス事故の「事故の責任」は、あなたにも私にもあるかもしれない。ブラック企業を生み出す「ブラック消費者」という問題│ふっしーのトキドキ投資旬報│現代ビジネス[講談社]
└< http://j.mp/JKuMCM
>

こちらの話題そのものについてまで、思うところをあれこれ書き始めるとキリがないので割愛しますが、案外、先のAdobeのサポートと表裏関係にあるとも言えるんじゃないかなぁ、なんてね。

サービス提供の範囲(と質)を誰が決めるか、その対価は? サービスを受ける側はそれを受けてどう思う? 何を要求する? みたいな部分で。

是非はさておきAdobeはサポートに対するそういうポリシーを、どちらかというとユーザーには若干不満なくらいの、やや狭めラインで明確に自ら提示してきてる。今に限らず大昔からそういう姿勢は崩してない気がする。

でも、外資だし、事実上競合ソフトのないマーケットといっても過言ではない世界だし、ブツクサブツクサ言いながらもユーザーは自社製品を選択する。そんな立場に大半のサービス提供者はいないので参考にはならない。理想の桃源郷みたいなものだ。

加えて最近、武雄市長さんとセキュリティ界の重鎮、高木浩光氏がTwitterとブログ上でやりあってた件も、一部、広い意味ではバス事故と似た何かを孕んでるのかもしれません。広義の共通点は明確なルールのない範疇をどう扱おうとしていくのか。新しい概念が故の法整備の遅れ然り、法的拘束力を持たせなければとどまるところを知らない過当競争然り。

●享受する側、提供する側

わたし自身が享受側の時って、そういえばどんな「お客」なんだろう。実は、コンビニバイトにすら厳しい目を向けてた時期がある。自分の中では先の記事の「ブラック消費者」とは異なる正当な理由を持ってのコトだったつもりなのだけど、最近(やっと)その呪縛から抜けた今考えるに、脳内経路的にはねじれた遠回りがあるものの、とどのつまりは「ブラック消費者」と目糞鼻糞だったのかもしれない。よくわからない。

提供する側としての自分は? ギョーカイとしては、値崩れしてしまう、させてしまう、それで果たして品質は? という話題は以前から繰り返し耳にする。自分の中でぼんやりとした理想型はある。とはいえ、「提供する」というコトは必ず享受する相手がなくてはならない。ひとりよがりの理想であってはいけない。

現在は、マスなお客さんを相手にするというよりは、大きくても数名規模単位のお客さんと密に関わるコトがほとんど。案件規模もまちまちだし、画一的な料金設定という訳にもいかない。でも、その分、お互いコミュニケーションを取りながら、きちんとした関係を築きながら、バランスのよい着地点を都度一緒に見つけていければよいなぁ、なんて思う。非コミュだけど(笑)。

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■今回のどこかの国の音楽

□RaaH "Awara"
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さーてどっちを紹介しようか、と二択でYouTube流しつつ迷ってたのですが、脇で聴いてた配偶者(古典はさておきイマドキの南亜細亜に関心なし)が思ったより意外な感じで驚いてたので、こちらにしとこう。

今年メジャーデビューしたばかりの、パキスタンのポップグループRaaHのファーストPVです。このRaaHのリードボーカルの男の子、東日本大震災1年目の3月11日に日本応援歌をリリースしたOverdriveというバンドのリードボーカルもかけもっているのですが、小学生の頃東京で暮らしてたそうで、今でも親日家です。

□OverDrive "Land of the Rising Sun"
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個人的にはロック寄りなOverdriveより、RaaHのこのキャッチーポップな路線の方が今後伸びてきそうな気もするけど、今後どうなってくんでしょうね。

彼ら繋がりで、パキスタンのイマドキの若者グループに俄然興味が高まって色々掘ってましたが、なんとなくDj Ali Mustafaさんというプロデューサーが今っぽくて、結構オサレ系を多く手がけてる印象なので静かに追っかけてます。気のせいかもしれませんが(笑)。

【browneyes】 dc@browneyes.in
日常スナップ撮り続けてます。アパレル屋→本屋→キャスティング屋→ウェブ屋(←いまここ)しつつなんでも屋。
□立ち寄り先一覧 < http://start.io/browneyes
>
□デジタルちゃいろ:今回のどこかの国の音楽プレイリストまとめ
└< http://j.mp/xA0gHF
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連休前、デジクリ執筆陣の小さめな飲みに混ぜて頂きました。べちをさんと武さん、そして関西からトンボ帰り予定だった永吉さん。わたしは下戸なので喰う専門でしたが、みなさん飲むわ語るわアツかった!

結構まともに語り続けてると思ってたのに、さてお店を出たと思ったら、べちを&永吉組の千鳥足っぷりがすごかったです。「あの人達だいじょぶですかね...?」と武さんに尋ねるも、「いつもはもっとひどい」とのこと。そうか、そうなのか...(また誘ってくださいねーっ!)