[3282] 書き手の志は投影されると信じたい

投稿:  著者:  読了時間:29分(本文:約14,100文字)


《動員数ではなく濃度が問題なんじゃないか》

■映画と夜と音楽と...[548]
 書き手の志は投影されると信じたい
 十河 進

■エンドユーザー大変記[27]
 静と動──E3とWWDC
 ジョニー・タカ

■ところのほんとのところ[81]
 存在の証明
 所幸則 Tokoro Yukinori




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■映画と夜と音楽と...[548]
書き手の志は投影されると信じたい

十河 進
< http://bn.dgcr.com/archives/20120615140300.html >
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〈ふたり/あした〉

●中江有里さんは「吉永小百合の再来」と言われた

NHK-BSで土曜日の朝に放映されていた「ブックレビュー」は、熱心に見ていた。図書館勤めのカミサンが本の情報を仕入れるために見ていたのを横で見るようになり、僕の方がそのまま見続けていた。児玉清さんが生き生きと司会をしていて、「この人はホントに本が好きなんだなあ」と思った。児玉さんは、その後、時代小説大賞の選考委員などもやるようになったが、昨年惜しくも亡くなった。

しかし、児玉清さんは毎週、司会をしていたわけではなかった。見始めの頃、何となく見覚えのある背の高い女性が司会をしていて、カミサンに訊いたら「長田ナントカじゃないかしら」と言う。「長田渚左?」と僕はつぶやいた。そうか、司会は何人かで交替なんだ、一回の放送で取り上げる本は少なくとも四冊、それを一週間で読むのは大変だ、毎週の司会はできないよなあ、と僕は納得した。

もっとも、中江有里さんは、すべての司会者のアシスタントとして毎週出ていた。おまけに、すべての本を読んでいる。適切なコメント、感想が入る。その静かで知的なアシスタントぶりが、実にクールだった。カミサンに訊くと「大変らしいわよ。ずっと本を読んでいるんですって。掃除機かけながら、片手で本を持ってるって言ってたわ」と言う。それは凄い、と感心した。

「ブックレビュー」は前半に三人の本好きのゲストが登場して、それぞれが三冊のお薦めの本を持参する。その中の一冊が全員で書評する対象になるので、そこで少なくとも三冊は読まなければならない。後半は話題の新刊の著者を招いて、その本についてのディープインタビューだった。これも深く読み込んでいないと、適切な質問はできない。

そのコーナーでも、アシスタントの中江さんは果敢に著者に切り込んでいった。司会の児玉清さんが感心したように彼女に話を振ることも多かった。その後、中江さんはメインの司会者になった。番組が終了するまで、藤沢周、梯久美子といった人たちと交代で司会を担当していた。穏やかな笑みを浮かべてはいるが、クールなスタイルが彼女の持ち味である。

ところで、ある時期から中江有里さんのプロフィール紹介に「脚本家、作家」というのが加わった。僕は何も知らなかったのだが、自作脚本が放送され、小説も出版したらしい。本好きで「ブックレビュー」の司会に抜擢され、長く様々な本を読んできたことが、彼女の役に立ったのかもしれない。個人の本の好みは偏りがちだが、番組で取り上げる本は様々だから、自分では手を出さない本も読まなくてはならないのだ。

中江さんは、デビュー当時「吉永小百合の再来」と言われたことがある。確かに、横顔は若い頃の吉永小百合によく似ている。知的である。しかし、残念ながら女優としては大成しなかった。僕はデビューの頃から注目していたのだが、記憶に残っている出演作は「ふたり」(1991年)くらいしかない。

大林宣彦監督は彼女が気に入っているのか、「風の歌が聴きたい」(1998年)「理由」(2004年)など、いくつかの作品で彼女を使っている。「風の歌を聴きたい」では重要な役だし、「理由」では作家の役だ。「ふたり」のときも、ヒロイン石田ひかりの級友で目立つ役だった。「ふたり」は、デビューしたばかりの頃の作品。初々しい中江さんが見られる。

●大林宣彦監督は赤川次郎の小説を多く映像化している

大林宣彦さんは赤川次郎さんの小説が好きなのか、よく映画化している。「ふたり」「あした」(1995年)は、赤川次郎さんの原作である。どちらも少女たちの物語だ。大林さんはテレビの2時間ドラマでも「三毛猫ホームズの黄昏ホテル」(1998年)を監督していて、これもなかなかよくできていた。少なくとも僕は、楽しんで見た。

赤川次郎さんの小説は、映像化されると実にいい。小説としては少し書き飛ばしている感じがするものもないではないが、きっちり書き込んでいない分、読みやすいし映像化するときに膨らませやすいのかもしれない。元々、シナリオを志していた人だという。それに、赤川さん本人が相当な映画好きだから、映像化に理解があるのだろう。

父親の赤川孝一という人は、満州映画協会(満映)に勤めていた人で、終戦のときに甘粕理事長が毒を呷ったとき、映画監督の内田吐夢と共に看取った人である。帰国して東映に入り、「白蛇伝」(1958年)などの長編アニメを制作したという。僕の世代にとっては、思い出深いアニメーションである。

ところで、僕は赤川次郎さんの「三毛猫ホームズの推理」がカッパノベルスから出たときのことを、今でもよく憶えている。その本は、新聞広告に大きく掲載された。僕は赤川次郎という名前をそれで知ったのだが、その三毛猫ホームズの第一作はすぐに評判になり、ベストセラーリストに登場した。1978年のことだった。

「三毛猫ホームズの推理」は、僕も読んで感心したものだった。今でも、三毛猫ホームズがマッチ箱でじゃれる姿を見て、主人公の刑事がトリックの謎を解くシーンの鮮やかさを憶えている。細かいところは忘れてしまったが、意外などんでん返しが甦る。読みやすく、猫が可愛く、ベストセラーになる条件は揃っていた。

それから遡って、僕はデビュー作の「幽霊列車」を読んだ。「オール読物推理小説新人賞」を受賞した短編だ。日本テレビだったと思うが、2時間ドラマとして映像化され放映された。おそらく初めて映像化された赤川作品だと思う。主人公の中年刑事は、まだ青大将のイメージが強かった田中邦衛。推理好きの女子大生を、NHKテレビ小説のヒロインで人気が出た浅茅陽子が演じた。

「幽霊列車」(1978年)は、岡本喜八監督の作品である。桑山正一、殿山泰司、今福正雄、成瀬昌彦、山本麟一、信欣三といった顔ぶれが懐かしい。岡本作品の常連だった怪優・天本英世も出ていた。影絵のような描き方でトリックが説明されたと記憶しているが、原作のユーモア・ミステリの味をうまく生かしていた。

その後、赤川次郎さんはベストセラー作家の常連になり、角川書店と角川映画がバックアップする形で、「赤川次郎」はある種のブランドとなった。その映画化の一作目が「セーラー服と機関銃」(1981年)だった。僕は、その映画を銀座にある東映本社の試写室で見た。薬師丸ひろ子の前作「翔んだカップル」(1980年)が評判になった相米慎二監督の二作目だった。

「セーラー服と機関銃」は、僕にとても強い印象を残した。切なさを観客の胸に掻き立てる、よい映画だった。試写を見た数日後、僕は相米慎二監督にインタビューをした。インタビュアーとしては、かなり思い入れの強い質問ばかりしたのかもしれない。特に「カスバの女」という歌の使い方にこだわった。監督には「好きだから使ったんだよ」と、軽くいなされた。今では、懐かしい思い出だ。

「セーラー服と機関銃」の映画が気に入った僕は、角川文庫の小説を買って読んだ。高校生の少女が、いきなり目高組というヤクザの組の組長になるという設定自体がファンタジーなので、目くじら立てる必要もないのだけれど、やっぱり読まなくてもよかったかな、と思った。

●「ふたり」は死んだ姉が幽霊になって現れる物語だが...

「探偵物語」(1983年)から「結婚案内ミステリー」(1985年)まで、数年間に赤川作品は六本が制作された。僕が見ているのは、「探偵物語」「いつか誰かが殺される」(1984年)「早春物語」(1985年)だが、根岸吉太郎監督の「探偵物語」のラストの長まわしで薬師丸ひろ子が感情を盛り上げていくところ、澤井信一郎監督の「早春物語」の原田知世の初々しさが印象に残っている。

赤川作品の映画化は80年代前半で、ひと息つくことになる。それから6年が過ぎて90年代になり、大林宣彦監督の「ふたり」(1991年)の原作が赤川次郎さんの小説だと知って、僕は意外に思った。それは、幽霊が出てくる話ではあるけれどミステリではなく、どちらかと言えば少女の成長を描く青春物語の印象があったからである。それは「早春物語」もそうだから、赤川次郎ファンに若き女性たちが多いのも理解できる。

「ふたり」は、少女を撮らせたらピカイチの大林宣彦監督作品である。僕は、昔、何度か大林さんの話を聞く機会があったけれど、どうしてこの人はこんなに優しく話すことができるのだろう、と監督の顔を見た。あるとき、「小型映画」という雑誌で親子対談なるものを企画し、大林さんと自主映画界で活躍していたお嬢さんの千茱萸(ちぐみ)さんに対談をお願いしたことがある。

30年も前のことだから、千茱萸さんはまだ高校生だった。その後、映画評論家(ご本人は「映画感想家」と自称しているらしい)になり、映画制作にも携わっていると仄聞するが、映画一家の長女としては当然かもしれない。対談のとき、その千茱萸さんに大林さんが「あなたはね...」とソフトな口調で話しかけ、優しい目をして見つめていたことを思い出す。

「ふたり」の姉妹(中嶋朋子と石田ひかり)を見つめる大林さんの視線も、とても優しい。しっかり者の姉と、その姉を頼っていた妹。ある日、登校の途中、トラックの荷台に積んであった大きな材木が崩れ、姉は妹をかばうようにして圧死してしまう。そんな衝撃的なシーンから始まる物語だが、映画全体を柔らかく覆う優しさがあるのだ。それは、大林監督の独特な優しい語り口を、そのまま映像にしたような感じだった。

物語は、姉が死んでから始まる。精神的に弱い母親(冨司純子)は、中嶋朋子の姉が死んだことが信じられない。そんな母親を少しもてあますような父親(岸部一徳)がいる。姉が死んだことで、家の中に空虚な風が吹いている。そんなある日、妹の危機を救うために姉の幽霊が現れる。姉の幽霊は妹の前にしか姿を現さず、これが現実の幽霊(ヘンな言いまわしだが)なのか、妹の精神が創り出したものなのか、曖昧なまま物語が進んでいく。いかにも大林監督作品だった。

●「あした」は愛する人との別れをやり直す物語

赤川次郎原作・大林宣彦監督の組合せでは、「あした」(1995年)という作品もある。冒頭、何人かの人たちにあるメッセージが届く。そのメッセージの届き方がいろいろで、何が起こっているのかがわからない。次第に彼らがみんな、ある海難事故で愛する人を喪ったばかりだとわかってくる。彼らは、海難事故のあった浜辺に呼び集められる。

深夜0時になって沈没した船が現れ、3か月前に死んだはずの人たちが海から甦る。彼らは呼び集められた人たちの夫であり、妻であり、恋人であり...、要するに「愛する人」である。「あした」は「愛する人」を突然に喪った人が一度は願うことを、映画の中で実現してみせた映画なのだ。もちろん、ファンタジーである。だからこそ、ある純粋な何かを描くことができた。

「あした」が描き出したのは、「最愛の人との別れ」である。呼び集められた人たちは、海難事故によって何の心の準備もなく「愛する人」を喪った。突然の別れだ。そのことが、彼らにとってどれほど辛いことか、どれほど耐え難いことか、彼らは充分に味わっている。日々が虚しく過ぎてゆく。しかし、3か月後、船が沈んだ浜に彼らは集まってくる。

彼らは何かを信じ、予感に導かれてその浜にやっきたのだ。そして、彼らがもう一度だけ会いたかった人に会うのである。ひと夜、彼らは共に過ごし、別れる心の準備をしたうえで、改めて愛する人と別れる。突然の別れ、断ち切られた想い、やるせない気持ち、愛する人の死を受け入れる猶予もなく訪れた残酷な別れ...を誰かがやり直させてくれたのだ。

それは、とても心優しい物語だった。人生の悲しみを知らなければ書けないものだった。そんな物語を発想する作家の深さが印象に残った。原作は赤川次郎さんの「午前0時の忘れもの」である。以来、赤川次郎という作家を僕は違った目で見始めた。作家の考えがストレートに出ているかもしれないと、エッセイ集も読んでみた。そこでわかったのは、赤川さんのリベラルな姿勢とニュートラルで柔軟な思考だった。

もうずいぶん前から、赤川次郎さんは朝日新聞の夕刊に定期的なエッセイを書いている。オペラや演劇についてである。僕は映画エッセイは読んでいたが、そんなにオペラや演劇に造詣が深いとは知らなかった。しかし、毎回、そのエッセイには目を啓かされた。オペラについては何の知識もなかったが、いつかその世界に足を踏み入れてみたいと思った。

数か月前のことだったか、朝日新聞の読者欄に「橋下氏、価値観押しつけるな」というタイトルの投稿が掲載された。それは、「大阪の橋下徹市長は大阪府立和泉高校の管理職をなぜ処分しないのだろう? 教師の口元チェックをしながら、姿勢正しく心をこめて『君が代』を歌えたはずがないのだから」と、たっぷり皮肉を効かした文章で始まり、こう続いていた。

──それにしても生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視する。何と醜悪な光景だろう! 橋下氏は独裁も必要と言っているそうだが、なるほど「密告の奨励」は独裁政治につきものである。
 府知事時代、橋下氏は初めて文楽を見て、こんなもの二度と見ないと言い放ち、補助金を削減した。曰く「落語は補助金なしでやっている」。舞台に座布団一枚あればいい落語と、装置をくみ、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒くたにする非常識。客の数だけ比べるのはベートーヴェンとAKBを同列にするのと同じだ。
 文楽は大阪が世界に誇る日本の文化である。理解力不足を棚に上げ、自分の価値観を押し付けるのは、「力強い指導力」などとは全く別物である。
 過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来を託するのは、地図もガイドもなく初めての山に登るのと同じ。一つ違うのは、遭難するとき、他のすべての人々を道連れにするということである。

この見事な文章に脱帽し、僕は投稿者の名前を見た。そこには「作家 赤川次郎(東京都港区 64)」とあった。僕はタイトルに惹かれて読み始め、シニカルさと同時にユーモアを感じさせる文章に感心し、改めて投稿者の名前を確認して驚いたのだ。最初は「まさか」と思い、間違いなく本人だと確認し、改めて僕は赤川次郎という人の姿勢に共感した。

赤川さんの数多い小説(多くはライト・ミステリーと呼ばれる)が、なぜ30年以上にわたって売れ続けているのか、「ブックレビュー」のような書評番組に取り上げられることはなさそうな小説が、どうして数億冊も売れ続けてきたのか、わかった気がした。作家の志は、間違いなく作品に投影される。志のある作品は、どこかで人の心を、魂を、震わせる。僕は、そう信じている。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com < http://twitter.com/sogo1951 >

原稿を書いていたら無性に増村保造の「くちづけ」が見たくなり、テープをかけた。冒頭から涙が伝う。10年前に「くちづけ」について書いた「孤独な魂が寄り添う時」(2002年7月12日)を読み返すと、昔の僕の文章の方がずっといい。そう、「くちづけ」は素晴らしく美しい映画だ。

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「2002年版 艱難辛苦編」350円+税
「2003年版 青息吐息編」350円+税
「2004年版 明鏡止水編」350円+税
「2005年版 暗雲低迷編」350円+税
「2006年版 臥薪嘗胆編」350円+税
「2007年版 驚天動地編」350円+税
「2008年版 急転直下編」350円+税
「2009年版 酔眼朦朧編」350円+税
< https://hon-to.jp/asp/ShowSeriesDetail.do;jsessionid=5B74240F5672207C2DF9991748732FCC?seriesId=B-MBJ-23510-8-1 >

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■エンドユーザー大変記[27]
静と動──E3とWWDC

ジョニー・タカ
< http://bn.dgcr.com/archives/20120615140200.html >
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先週、E3が開催されたのだが、いささか冷めたムードだった。昨年のE3で既にWii Uを発表している任天堂は、とにかくローンチタイトルをかなり拡充させてきた。これは3DSでの反省かもしれぬ。

◎[E3 2012]Wii Uの発売は2012年末。ローンチタイトルとして「NewスーパーマリオブラザーズU」が発売。ほか「ピクミン3」なども......(4Gamer.net)
< http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20120604013/ >

ただ、ソニー&マイクロソフトは、そもそもE3自体が北米・ヨーロッパ市場向けのイヴェントなので、どうしてもタイトルがそっち向けのタイトルになってしまうのはやむを得ない。

むしろゲームメディアの方がかなり必死になっていた。というのは、メーカー自らネット上で製品発表を行うことが多くなり、メディアは結果後追いでの事実確認か、あるいはプレスリリースをそのまま発表する形にならざるを得なくなり、メディア自体の意義を問われている。まぁ、日経が最近色々やらかしてくれてるしなぁ......。

◎[E3 2012]いよいよE3 2012が開催。岐路に立つ世界のゲーム業界。今年のE3は我々に何を見せてくれるのか(4Gamer.net)
< http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20120602014/ >

◎ニンテンドーダイレクトと陳腐化するゲームメディア(All About ゲーム業界ニュース)
< http://allabout.co.jp/gm/gc/389322/ >

◎Access Accepted第346回:E3 2012を終えて。欧米ゲーム業界とE3はどこへ向かうのか(4Gamer.net)
< http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20120612037/ >

ここで新ハードを投入、という流れなら多少は盛り上がっていたのかもしれないが......。日本人的には、やはり9月の東京ゲームショウが大一番、ということになるのはある意味仕方がないのかもしれない。

そして盛り下がっている要素のもう一つとして、今週はWWDCだ。むしろ向いているのはそちらのほうが多いだろう。ジョブズ没後初のWWDCであり、様々な噂が飛び交っている。当然、そちらに目を向いてしまう。

iPhone5は出るのか、ハードのラインナップは刷新されるのか、ジョブズの果たせなかったiTVは発表されるのか、噂を立てればきりがない。

◎アップルの開発者向けイベント「WWDC 2012」注目点(CNET Japan)
< http://japan.cnet.com/news/topics/35017850/ >

──と、ここまで書いたのが開催の直前。見事に肩透かしを食らわされた格好になる。RatinaディスプレイのMacBook Proは、このスペックで184,800円という価格に驚かされる。

それまで色めきだっていたiPhone5もiTVもなし。iOS6が正式発表されたから、出ることは恐らく間違いないし、同時にiPodも刷新されるだろうが、クリスマス商戦を睨めば恐らく9月だろう。

......しかし、WWDCでの発表が予想以上に平板だった。参ったなぁ。朝(6/12)、「おはよう日本」でライブカバレッジの一部が映ったが、ティム・クックが「新製品を見たくないか?」と言ったら会場が大歓声に覆われたのが、明らかにジョブズとの違いだということもよく分かった。

ジョブズはカッコつけるのを嫌っていたが、あそこでカッコつけることでジョブズとの明確な違いを打ち出した。そうじゃないと、いつまでも創業者に縛られた会社のイメージになってしまう。だけどこれはフックでしかない。あくまでも本チャンであるiPhoneが待っている。その時、どういうプレゼンをするのか。それも見物である。

参考◎グローバルへの道 SONY成長の軌跡:【最終回】ソニーのグローバリゼーションの行き着くところ(ITmedia エグゼクティブ)
< http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1204/23/news006.html >

【ジョニー・タカ】johnnytaka32(a)gmail.com

1976年、横浜・関内で生まれ、上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを踊り続けるフリーランサー。ヴァーチャル・キャラクターに曲を付けて選曲を展開する"コンピレーション"を1998年から行っている。2012年はようやく発売されたPSPソフト『フォトカノ』のコンピレーションを展開予定(と言っても勝手にやってるだけです。それを続けて14年目)。PS3でも『THE IDOLM@STER2』が発売されたので、そちらの選曲作業も始めてます。
< http://music.ap.teacup.com/cafedejohnny/ >

日常ブログ < http://ameblo.jp/johnnytaka/ >
ツイッター < http://www.twitter.com/johnnytaka1962/ >

「インセプション」をテレビで見た。"記憶操作"ならばこれまでありきたりだったが、「インセプション」では"夢"であり、相手の夢から機密を奪ったり情報操作出来るのを"多重構造の夢"という形で映像として表しているのが新鮮だった。しかもラストはちょっと泣いてしまったし。
しかし、これは夢の構造を理解していないと、確かに途中で折れるということもよく分かった。しかも夢の階層を左上に表示してくれる親切ぶり。これがなかったら多分途中で折れる人がもっと増えただろうな......。

ようやくWindows8が1,200円(DL販売のみ)で買えるオプションが付いてきたので、いい加減自作のプランを固める。
< https://windowsupgradeoffer.com/ja/Home/ProgramInfo >

自作は8年ぶりというブランクがあるため、とりあえずコンセプトとして"シンプル・イズ・ベスト"にした。細かいところはこれから詰めていく予定。

○ホールに響く『夢の中へ』〜『CRコミックマーケット』リーチアクション妄想が激アツ!(Kotaku JAPAN)
< http://www.kotaku.jp/2012/06/cr_comic_market.html >

○「CRコミックマーケット」って!?(togetter)
< http://togetter.com/li/315986 >

コミケのことを何も知らないオッサンがフデタニン(筆谷芳行・2代目コミックマーケット代表)にこの話を持ち込んだのだが、そのオッサンはフデタニンがコミケ代表であることを知らないオチがつく。それにしても晴海ネタ多いな......年代がよく分かる。

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■ところのほんとのところ[81]
存在の証明

所幸則 Tokoro Yukinori
< http://bn.dgcr.com/archives/20120615140100.html >
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[ところ]にとって初めての、ヌードがテーマの写真展が6月9日で終わった。NYPH(ニューヨークフォトフェスティバル)や中日友好現代美術展なども同時期に出展していたこともあり、今回のNiiyama's Gallery and sales Salonで行われた「1 second-ほんとうにあったように思えてしまう事」についてお知らせする力がほとんどなくなってしまっていた。他のことも含め、詳細はここに書いてあります。
< http://tokoroyukinori.com/info_j.php >

個展「1 second-ほんとうにあったように思えてしまう事」が決まったのは去年の年末ぐらいだったから、開催までたっぷりと時間はあったわけなのだが...。突然「NYPH」への出品が決まり、それも「東京画」の参加作家全員ではなく50人前後の中から18人だけが作品を展示する、そのなかに選ばれたというのは光栄なことであり、またNYでの展示は初めてということも相俟って、[ところ]の神経がそっちに向いてしまったのです。

さらに3月末には中日現代美術交流展への出展依頼も来て、しかも草間彌生さんや、荒木経惟さんと並んで展示されるという話で、これも開催時期が同じ。ということで、気持ちが分散してしまったのは否めない。

作家にとっては個展が一番大事なんだけれども、こういう滅多にないような話がまとまってやってくると、[ところ]も集中力が持続できないんだなと思い知らされました。

それでも、[ところ]の初めてのヌード作品オリジナルプリント展の最後の数日間は熱心に見に来てくれる方達も増えて、プリントも二枚売れました。個展で一枚もプリントが売れなかったことはない、という所幸則伝説(?)は続いています。

個展開催前にも売れたので、合計で今回のヌードシリーズは三枚売れたことになります。少しですが売れたことで、ギャラリーに迷惑をかけなかったのが非常に嬉しいのですが、今回のこの個展は、隠れ家的ギャラリーで所幸則の作品に本当に凄く興味があって、買いたい程好きな人達だけがくればいいやという気持ちで開いたので、[ところ]は本当はこれでいいんだとも思っています。動員数ではなく濃度が問題なんじゃないかと最近思っているからです。

美術館などは入場券を沢山売る使命があります。本当は芸術にそんなに興味がなくても、私って芸術好きなのよってことがファッションだったりする人など、誰でもいいから人が集まればそれでいいわけです。[ところ]ら純粋芸術のなかの写真というカテゴリーの人間は、人数至上ではなく本当に好きな人至上のはずなんです。

[ところ]は、もちろん多くの人に好きになってもらえれば、それは一番素晴らしいことだと思っていますが、今回の作品は特別だったのです。

裸体を撮る、そのこと自体が[ところ]にとってはとても個人的な記憶の確認のための行為なのです。僕と彼女の間にあったことが確かに存在したという、事実の証として撮る意味合いが大きい作品であり、被写体にはものすごく愛情があります。本当はそんなに沢山の人に見せたくないという複雑な思いもある[ところ]でした。

それゆえ、渋谷のシリーズと違い極端にエディションも小さく、渋谷は50枚なのに、今回のシリーズは7枚とか、ものによっては5枚だったりします。ですが、一方では印刷物の世界でオランダのファインアートフォトマガジン「Eyemazing」の2012年3月21日発売号に特集されたことにより、
< http://www.eyemazing.info/all-issues >
この写真の存在は世界の何十万人かの知るところとなりました。

そこで、一部の人にでもいいから印刷ではない本物のプリントを見てもらおうという思いでコスモスの新山さんにお願いして個展を開くことにしたのです。そして最終日、平日の昼間にアーティストトークをしました。

告知は3日前でしたが、充分な人が集まり、この作品はなぜ撮ったのか、個展のタイトルである「1 second-ほんとうにあったように思えてしまう事」の意味などを話しました。脱線して今の写真界の様子とか、今後[ところ]はどこにいくのかなども話し、とても濃密な時間が過ごせました。

人間は過去から未来へと繋ぐための遺伝子ランナーだと思っている[ところ]としては、異性との出会いは特別なものなんだという意識があるのでしょう。ヌード作品展にこういうタイトルをつけるということは。「存在の証明」という言葉が殆どのヌード作品に付いています。

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >

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編集後記(06/15)

●加治将一「西郷の貌」を読む(祥伝社、2012)。これは小説であり歴史ではない。荒唐無稽とまではいわないが、トンデモ系濃厚である。主人公・望月真司は作者そのものだと思うが、秘密結社・南梟団に襲われたり、「沈黙の抵抗」という組織に助けられたり、望月を尊敬する同志的な存在の美人教師といい関係であったり、小説としてはどうかと思うくらい不出来である。ノンフィクションとしてきっちり書いた方が、よほどリアリティが出るテーマではないのか。

我々が知る西郷隆盛の顔はイタリア人の彫刻師、E・キヨソーネの描いた肖像画である。キヨソーネは明治天皇の肖像画も描いている。だが両方も本物の顔ではない、これらは「明治政府のめくらましの結界である」と望月が説く。明治政府のタブーは「フルベッキ写真」と呼ばれる、明治政府の指南役・フルベッキの親子と44人の侍が写った写真だ。そこには即位前の明治天皇も西郷も写っていた。二人の顔がバレると明治政府が崩壊する。そこで本当の顔を知らない、政府の陰謀を知らないキヨソーネに肖像画を描かせたのだという。

望月は新たに入手した「13人撮り写真」から西郷を割り出す。そこには「フルベッキ写真」で西郷と比定した侍がいたのだ。この男は若き日の西郷なのか。謎を解明するため鹿児島へ飛んだ望月を待ち構えていたのは......。途中から物語は南朝革命について延々と続く。「万世一系は虚構である」と主張する作者の思想が過激に噴出し、ちょっとついていけない。それでも、陰謀物語としてはおもしろい。歴史は勝利者に都合のいいように改竄されるのは常である。勝手に他国の歴史を改竄する国家も近くにあるが。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396614136/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで見る(レビュー12件)

●RetinaじゃないMacBook Proに、非公式ながら16GBまでメモリが載ったらしい。Intel HDグラフィックス4000へのメモリ割り当ては増設しても512Mのままらしいが。RetinaのみのNVIDIA GeForce GT 650Mグラフィックプロセッサは、Retinaを実現させるために必要なものってことだよね? 売る時、Retinaの方が高値つくだろうなぁと思いながらも、いつも使い倒してから人のものになるパターンなので、私の使い方ならMacBook Proの方の方がいいかもしれないなぁ。周辺機器はほとんどFirewireとUSB2.0だし。

「Kampa!」文字通り、欲しいもののためにカンパしてもらうもの。クレカで15円からカンパできる。目的の商品はAmazonで販売されているものならOK。働いているから頑張れば大抵のものは買えるしなぁ......。メルマガ運営のための寄付とかなら嬉しいんだが。邪道だけど商品PRにも使えるね。あっ、編集長にiPadをカンパってのはアリ? と書いていて思い出した。月初のCPIさんのパーティーまで時間があったので、ハーマンミラーストアを覗いてみたの。アーロンチェアの通常版(グラファイト)で、肘掛けをレザーにした仕様のものが、ここだけでオーダーできるって。納期三ヶ月だけど、レザーにするだけで豪華さアップよ。(hammer.mule)
< https://twitter.com/#!/MacCollection >
メモリ16GB
< http://kampa.me/ >  Kampa!
< http://hermanmiller.co.jp/storetokyo/ >  ハーマンミラーストア
< http://w3q.jp/t/2316 >
Web制作者が読んでおきたい、最近公開されたおすすめのスライドまとめ11個
< http://magazine.gow.asia/life/column_details.php?column_uid=00001646 >
おかしい。結果は社会適合者。
< http://alfalfalfa.com/archives/5596988.html >
「自転車のカゴに入れました」「ベランダにおきます」
< http://labaq.com/archives/51749622.html >
筋肉ムキムキのスポーツトレーナーが半年で30kg太る→半年で元通り