グラフィック薄氷大魔王[309]クリエイターEXPO。これから同種イベントに出展する人へ/吉井 宏

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先週、4日〜6日に東京ビッグサイトで開催された「第一回クリエイターEXPO」に出展しました。

< http://www.creator-expo.jp/ >
< http://twitpic.com/a4j9qt >

以前にも何度かイベントでブースを出したことがありますが、人の数は明らかに桁違い。ふた桁違うかも。あちこちで人が渋滞。積極的に配らなくても1000部のパンフレットがほとんど捌けたくらいの大盛況。以前のイベントでは嫌がる人にも無理矢理に手渡しして数100部がせいぜい。

東京国際ブックフェア・電子出版EXPOと同時開催で、6〜8万人が来場する巨大イベントに、小さいけど独立したブースをあんな料金で出せるってのは、超絶お得なのは間違いないと思います。あの枠以外の一般のブースってすごい金払ってるんだから。

なんで出展したかというと、昨年ブックフェアに行ってあまりの人の多さを体験した後、第一回クリエイターEXPOが同時開催って話を聞いて、「それはお得だ!」と思わず申し込んじゃったのでした。




で、ブースに座って来場者を迎えると、以前のイベントで「こういう場所はキツい!」と感じたことをようやく思い出す。というのは、「来るお客を選べない」のでした。いろんな人がいろんなこと言ってきます。さすがに僕ももう「何でもやります!」的スタンスではないので、そのへんがツラい。

あと、どの出展者も「人生を賭けてる的仕事」を展示してるのですが、当然とはいえほとんどの人がチラっと見ただけで素通りするわけです。「あー、必要とされてないのか。興味も持ってもらえないのか」的精神的ダメージがジワジワ来る。

まあ、自分が来場者でもほとんど素通りするけどさ。仕事絡みでよっぽど「この人とどうしても話しておきたい! 名刺交換しておきたい!」でなければ、ブースの中の人と目が合わないように通り過ぎるのが普通ですよねえww

僕の場合、「なんだかよくわからないキャラクター」を展示してるので、とっかかりが少ないのは確か。隣の女性イラストレーターのブースは「何をやります」が明確だったせいか、ひっきりなしに出版社の人が座って商談してました。

やることがハッキリしてるのはああいう場所では強い。「どちらかと言えば女性向けのやさしく楽しいイラスト・カットを描く人なんだ〜」って、誰が見てもわかる壁面展示でだったですから。

3DCGのキャラを並べてても、それが何を意味するのかは不明瞭。なにしろ「材質は何ですか?」的にCGだってことさえわからない人が半分以上。なので、「ひつじのしつじくん」が展示されていてさえ「企業向けやのキャラなど3DCGで作ります!」はほぼ伝わりませんね〜〜。大きな字でそう書いておきゃよかったな。

1〜2日目はフィギュアを一個持って行って机に置いてたんですよ。すると、壁面やクリアブックのCG作品を同じく樹脂製のフィギュアだと勘違いする人やフィギュアを売りに来てると勘違いする人が続出。説明するの面倒なので3日目はフィギュアを持って行くのはやめました。

壁面展示だけで「これやります!」ってことが明確にわからないと損だと思います。ピンポイントで「これ『だけ』やります」なら、なおいいかも。逆に良くないのは「あれもこれもやりますできます」かな。次回出展するつもりの人、そこ大事なんで気をつけるよーに。

あと、クリアブックの作品集はなるべくページ数を少なく、一冊にまとめるほうがいいです。分厚い作品集は全ページ見てもらえない。ほとんどの人が4〜5見開きくらいをペラペラっとめくって見るだけ。大勢が寄りますからたまにじっくり見る人がいると停滞してしまい、回転が悪くなります。

僕は薄い12ポケットA3クリアブックを「オリジナル作品」「仕事作品」で二つ用意しましたが、テーブルが小さくて二冊目はジャマでした。ちなみに二冊の全ページを見てくれた人は三組しかいなかったです。置き場所があるのなら、薄目にまとめたクリアブックを同内容で二冊作るのも回転優先なら手かなと思います。

今ならiPadに作品を入れて見せるのが手軽で良さそうだけど、僕はどちらかというと否定的でした。クリアブックでさえちゃんと見てもらえないのに、あんな小さな画面で一枚ずつ見せるなんて、と思ってた。ところが隣のイラストレーターさんの場合、終始座って個人で対面だったので、iPadのプレゼンテーションは非常に有効だったようですよ。

展示はハレパネ13枚を両面テープで貼り付けました。初日の朝に来ると半数が落っこちてた(Mさん拾ってくれてありがとう)。以前のイベントで強力両面テープで貼って、撤収のときにぜんぜん剥がれなくて大変な目にあったことがあり、弱めに貼ったので落っこちるのは想定内。実際、今回も両面テープのカスを剥がすのがけっこう手間取ったし。

「作品を個別にプリント、ハレパネに下駄を履かせて宙に浮かせる感じで展示」は98年からやってる僕の伝統芸。作るの面倒ですけどね。一枚の大きなプリントを展示するのが一番簡単ですが、壁と一体化してしまって存在感が弱いという欠点が。タペストリー方式も同様。普通に数枚のA1サイズプリントを貼るのがいいようです。額縁やフレームはほとんどの場合「大げさすぎ」に見えます。

国際ブックフェアも電子出版EXPOもライセンシングジャパンもまったく見れず。それどころか、クリエイターEXPOの他のブースもほとんど見れなかったのが残念。来年は来場者として参加しよっと。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

ああいう会場では、以前一度会ったことあるらしい人が親しげに話しかけてきて、しゃべってる間に必死でその人が誰なのか思い出そうとするってシチュエーションがよくあるのですが、今回はほとんどなかったのが不思議! 記憶力復活してるのか? と思ったら、みんな名刺をぶら下げてたからですね。な〜んだ。

ところで、「へぇ〜3DCGなんですね。ソフトは何ですか?」と数十人から聞かれましたが、「modoです」で伝わった人はゼロ。「LightWaveみたいなソフトです」で、「はー」くらいの人が数人。「MAYAですか? MAYAは使わないんですか?」って人が2名。「ZBrushですよね? えっ違うんですか?」も3〜4名くらいいたかな。

modo、まだ一般的にはぜんぜんマイナー......。っていうか、modoって「もど」って読むんだよね? 「むおぅぉどぉうぅ〜〜〜」とか言わないと伝わらないってことないよね? って心配になっちゃう。

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