[3313] フリーランスの時とは変わったこと

投稿:  著者:  読了時間:16分(本文:約7,900文字)


《パロパロパロン♪とテレビ速報》

■気になるデザイン[82]
 「変形」な本をつくるのは難しいの?
 津田淳子

■装飾山イバラ道[103]
 真夏の夜のロンドン五輪
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[82]番外編
 フリーランスの時とは変わったこと
 岡田陽一




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■気になるデザイン[82]
「変形」な本をつくるのは難しいの?

津田淳子
< http://bn.dgcr.com/archives/20120821140300.html >
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本を読むのも眺めるのも大好きで、書店を日々、うきうき眺めているのだが、内容にまっっっっったく興味がなくても、どうしても買ってしまう本というのがある。それは「変形の本」だ。

通常は四六判だったりA5判、B5判など、長方形(正方形の本もあるけど)の本がほぼ大半。でも中には、丸かったり、凸凹してたりと、変わった形の本がある。それを見るともう、我を忘れてレジへ(笑)。

でも、こうした変形本、日本ではあまり多くない。海外だとけっこう見かけるのだが、これはどうしてだろう? と疑問に思い、それなら自分で一度やってみようと試したのが、『デザインのひきだし12』(ブックデザイン・ASYL)だ。
< http://dhikidashi.exblog.jp/15867083/ >

よく、力持ち自慢の人が、電話帳をビリッと破いたりしているが(でも最近見ないなぁ......)、そんなふうに本の上下をビリビリ破いた感じに型抜きしようということで、実践した。

ちなみにamazonに掲載された画像では、上下の凸凹部分はトリミングされてしまった。とほほ。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766122135/dgcrcom-22/ >

これは変形の本としては、「松」の加工(松竹梅で言って)。大きなクッキー型のような刃型を作成して、出来上がった本をその刃型に押し付けるようにして、力ずくで抜き切る。加工自体も、B5サイズの本を型抜ける会社はあまりなく、もう少し小さなものしかできないと言われることが多い。

この加工は「ブッシュ抜き加工」と呼ばれているが、抜き型もけっこういいお値段なので、まずコストがかかる。またできる会社もさほど多くない。その上、仕上がった本を型抜きするので、一工程増えることになり、時間もかかる。制作上はその辺りがけっこう大きな問題。しかし、一番形が自由で、且つ大量生産できるので、値段も自由度も「松」というわけ。

デザインのひきだしは、こうした加工を紹介する本なので、予算を絞り出して、時間も捻り出したが、私が通常手がけている本だと、この予算は到底無理だろうな......。部数もある程度ないと、型代が出せない。

取次など流通上でも「問題がある」と言われると、事前に人から聞いていたが、『デザインのひきだし12』に関しては、実際には何も言われることはなかったし、書店さんからも、特に扱いづらいというおしかりもなかった(私の耳に届く限りは)。

というわけで、変形「松」加工は、お金や時間はかかるものの、流通上は、この場合は問題なし、という結果。

変形本、二冊目は『予算内でこんなにすてき! 小型グラフィック・コレクション』(ブックデザイン・名久井直子)。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766123700/dgcrcom-22/ >

これは、A4サイズより小さな印刷物を紹介した本で、「タグ」もいろいろ掲載しているため、本自体もタグ型にしよう、ということでスタート。でも、この本は『デザインのひきだし』に比べると初版部数が少ないこともあり、「松」仕様の型抜きは不可能。

そこで、抜き型はつくらず、本の上左右部分を断裁機でバシッと断ってもらうことにした。その際、どの本でも同じ位置で断裁できるよう、ちょっとした治具はつくってもらったものの、通常の断裁機でできる加工だったため、型代もかからず、かつ、製本所でできる加工だったので、他の作業場に本を移動させる時間もかからずで、めでたく、予算内で実現可能になったのだ。まあ、価格でいうと、こちらは「梅」の加工という感じだろうか。

この本の場合は、結構、大きく変形しているので、流通上で何か問題が起こるかな......と多少ドキドキしたが、実際には特に大きな問題はなし。書店さんからも大きなクレームはなかったが、上部の両肩がないので、平積みでなく書棚に入れた場合に、本に指が引っかかりにくく抜きにくい、というお話はいくつかあった。た、たしかに。盲点だった......。

でもまあ、特に混乱も大きな問題もなく、この「梅」ランクの変形本も世に送り出すことができたのだ。

この二冊を手がける前は、取次から何か言われるよ、とか、すっごい高いから到底予算がたりないよなどと、いろいろ言われたのですが、実際にやってみれば、多少手間ひまや段取りは必要なものの、無事にできた。うーむ、やはり案ずるより産むが易し。これからも、いろいろ試してみるが吉だな!

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp  twitter: @tsudajunko

スクリーン印刷+白オペーク研究+日本・紙トラベルの特集3本立て! 『デザインのひきだし16』好評発売中です。

こちらも印刷加工に凝ってつくった『技術もすごい! 予算もクリア! 特殊印刷加工グラフィック・コレクション』、『使い方がうまい! 紙もの・紙加工ものコレクション』『クリエイターのための法律相談所』『本づくりの匠たち』、デザイナーの「やりくり上手」の秘密が満載の『予算がなくてもステキなデザインのフライヤー・コレクション』も好評発売中です!
デザインのひきだし・制作日記 < http://dhikidashi.exblog.jp/ >

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■装飾山イバラ道[103]
真夏の夜のロンドン五輪

武田瑛夢
< http://bn.dgcr.com/archives/20120821140200.html >
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デジクリの夏休みも開けて、8月も残り少ないことを実感する。最近はロンドンオリンピックが深夜から明け方に競技のゴールデンタイムが来るために、寝不足続きだった。選手たちには本当にお疲れさまと言いたい。

今回のオリンピックではテレビの放映情報をネットの「ロンドンオリンピック Yahoo!スポーツ×スポーツナビ」の「日程・結果コーナー」で確認していたので、うっかり重要な試合を見損なうことがなかった。数回自分の睡魔に負けた以外には、失敗なくオリンピックを終えられたのは初めてかもしれない。

・ロンドンオリンピック Yahoo!スポーツ×スポーツナビ
< http://london.yahoo.co.jp/ >

●生中継を見逃さないために

今まではどんなにテレビ欄に赤線を引っ張って吟味していても、勝ち進んだ場合の何回戦が、何時に何チャンネルでということがわかりづらくてしょうがなかった。

なんにもやってないねー、なんて別の番組を見ていたらパロパロパロン♪とテレビ速報の音が鳴ってハッとするのだ。「〇〇選手が○メダル獲得」と出て、見れば良かったじゃん! と自分の情報収集能力の低さを棚に上げてイラついてしまっていた。

今回は生中継で試合を応援して、メダル獲得したのを見て握りこぶしを上げてる時に、パロパロパロン♪とテレビ速報の音が鳴って喜び倍増といった感じだ。「ロンドンオリンピック Yahoo!スポーツ×スポーツナビ」が、きっちりと時間軸で競技時間の流れと日本選手の出場を表示していてくれたおかげだ。

●いろいろなデジタル技術

NHKを見ていたら、試合の続きは別チャンネル(Eテレ)で引き続きお楽しみ下さいと言われて、テレビ側で勝手にチャンネルまで切り替えてくれた。デジタル放送になった便利さだけれど、うちのテレビにそんな機能があったのを初めて知った。「イベントリレー」というのだそうだ。

「NHK ロンドン 2012 オリンピック ネット生中継(ライブストリーミング)」も、テニスの錦織圭選手が初戦から勝ち上がるまでをチェックするためにすごく便利だった。競技ごとにリンクボタンが設定されていて、通常画質版と高画質版(P2P配信)を選ぶ事ができた。

・NHK ロンドン 2012 オリンピック
< http://www1.nhk.or.jp/olympic/ >

前回の北京では、自分で海外のライブ動画のサイトを探しまわったりしたような記憶があるので、公式サイトがきちんを映像を流してくれる時代の素晴らしさを感じた。

うちの環境では問題なく試合をパソコンで見ることができ、通常版でも高画質版でも、どちらもテニスのように小さいボールの動きでもはっきり見えるのだから何も文句はなかった。4年後はさらにネットの活用の幅が広がっているのだろう。

●最後まで勝負はわからない

フェンシングの太田雄貴選手が、団体戦で最後の数秒で逆転したのには感動した。1秒で追いついてさらにもう1秒で逆転してというような、1秒間の価値を考えなおす必要があるような試合。

どんな競技であっても、負けている試合の残り時間の秒数が一桁になるのを見るのは、とてもさみしい気分になる。それをひっくり返して見せてくれたあの一瞬に、フェンシングという競技の面白さや怖さが詰まっていたと思う。

試合単体で見てしまえば、レスリングなどではびっくりするような反則行為をする海外選手もいて驚いた。隙をみせると相手に荒い技やズルイ技を繰り出されるかもしれない、という覚悟や準備を日本の選手はしているのかもしれない。今回の66キロ級の米満達弘選手の決勝戦では、明快でクリーンな勝敗を見せてもらえて良かった。

今回良い結果を出した人に共通しているのは、過去の負けた経験をしっかり昇華してきているように思えたことだ。競技経験が長ければ、負けた経験は誰にでもあるだろうけれど、強い選手は自分の負けを味わってさらに強くなっていくのだろう。

自分に勝った相手が金色のメダルを首にかけてもらうのを、目を背けずにしっかりと見ている人は、大切な経験を無駄にしないと思う。そういうところを見ても、壇上では皆美しくて、やっぱりオリンピックっていいなぁと思う。また4年後が楽しみだ。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

夏は沖縄の食材を通販で買うことが多い。暑いところの食材は暑い時に食べるとおいしいのだ。スパムやタコライスの素が便利だけれど、お菓子では「亀の甲せんべい」がビールに合っておいしい。甘くない歌舞伎揚げのようなおせんべいで荒い割れ目が亀みたいだ。商品は安いので送料だけがネックだけれど、いろいろまとめて5キロ以内にして購入している。

・玉木製菓 亀の甲せんべい
< http://item.rakuten.co.jp/san-a/o-3676/ >

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■おかだの光画部トーク[82]番外編
フリーランスの時と変わったこと

岡田陽一
< http://bn.dgcr.com/archives/20120821140100.html >
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デジクリの長めの夏季お休み明けです。みなさんの夏はいかがでしたか?と言ってもまだまだ暑いので体調に気をつけてくださいね。

さて、まだ写真の話には戻らずに番外編が続きます。今回は、株式会社ふわっとになって、フリーランスの時とくらべて、色々と変化があったことを挙げてみます。

まず一番大きく変わったのは、生活の時間帯。フリーランスの時はとにかく夜型でした。いや、夜型というよりも意味なくだらだらと夜中ずっと起きてて、明け方5時、6時まで色々とやっていました。

なんせ、翌朝何時に起きなければいけないということが、ほとんどない生活ですから。たまに、午前中にアポが入ったりすることもありましたが、大概はこちらが午後ならOKと時間を指定していましたので、夜中〜明け方まで仕事をしているのが常でした。

今考えると、そんな時間までやらなきゃいけない仕事だったのかどうか微妙です。夕方までにさっさと片付けて寝ようと思えば出来たはず。ですが、時間に縛られない状態が長年続いたので、仕事にとりかかるまでにエンジンになかなか点火せずに、どうしてもスタートが遅くなってしまっていました。

あくまで私の話で、フリーランス人が全員そうではないですよ。

今、自宅(兵庫県相生市)から、神戸の元町の会社まで毎日通っていますが、朝のラッシュを避けて徐々に家を出る時間が早くなってきて、最近は4時45分起床、5時30分から6時の間くらいに家を出る感じになってきました。今までだと、まだ起きてる時間です。

なので、とにかく「会社に居る時間に仕事は終わらせる。基本的に仕事は家に持ち帰らない」とルールを決めて仕事にかかるようにしています。まぁ世間的にはそれが普通なのですが、わたしにとっては13年間の習慣が大きく変わりました。

クライアントさんから、夕方以降にメールで修正依頼などが入ったら、フリーランスの時は、その時点から夜中〜朝までにやっていましたが、今は基本的に就業時間外は、よほどの急ぎの案件以外は、翌朝会社に来てからやるようになりました。

これも世間的にはあたりまえのことですかね。でも、フリーランスの時はクライアントさん側から見ても、夜中に作業するのは当然みたいに思われていたように感じます。

そんな生活習慣&仕事をする時間が変わったことで、なんと家でビールをぷしゅーっと開けるようになったのは驚きです。元々、どうしても毎日晩酌したいというほどお酒が大好きというわけではないので、飲まないなら飲まなくてもいいのですが、この暑い夏、疲れて帰ってきたらビールの一本でも開けたくなりますよね。

でも、この13年間、家では年末とお正月くらいしかお酒は飲みませんでした。飲んだ後すぐに眠くなるし、仕事するのも面倒くさくなるし。ですから、無意識にぷしゅーっとビールを開けてる自分に結構驚きました。

その他に大きく変わった点は、日々いろんな人が来社してくださるようになったこと。今までは、自宅の二階のとっちらかった小さな部屋で仕事をしていたので、とてもじゃないけど、人に来てもらうなんて無理でした。

しかも兵庫県の西の端っこという田舎でしたし。仕事の打合せとなると、こちらから訪問するか、どこかの喫茶店となったので、一度たりとも来客はなかったのです。

それが、元町の駅前すぐのオフィスになり、生活の場ではなく、純粋に仕事をするスペースとなったことで、いつでもお客さんに来て頂けるようになり、オープン以来、近隣の大阪だけでなく、名古屋や東京からも大勢遊びにきてくださいます。

これは、個人としても会社としても本当に嬉しいことですし、ありがたいことです。やはり人が集まるところに、いろんなアイデアやヒントが出てくるものですから。

そんな感じで「ふわっと」に訪ねて来て下さったみなさんのことは、「ふわっと」のFacebookページで日々アップデートしていますので、よかったらアクセスしてみてください。
< http://www.facebook.com/fuwhat >

【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < twitter:http://twitter.com/okada41 >

9月8日(土)、WDFというイベントで「Webデザイナーも知っておきたい写真と撮影の基礎知識」というタイトルで90分のセッションを担当します。
< http://wdf.jp/vol06/ >

そして、10月6日(土)、「CSS Nite in KOBE, Vol.1 〜Web制作者のモチベーションアップ〜」というテーマでCSS Niteを神戸初開催します。この機会に遠方の方も、ぜひ神戸にお越しください。その他にも周辺では神戸ITフェスティバル、神戸ジャズストリートなど、色んなイベントが開催されています。
< http://cssnite-kobe.jp/ >

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編集後記(08/21)

●朝5時ごろ起きて南側のガラス戸を全開し、家の中を風が通り抜けるようにすると一気に涼しくなる。夜間もそうできればいいのだが、我が家は一階だからそうはいかない(北側の窓は一日中開けているが、こちらは防犯上の問題はない)。この時刻まだ薄暗く、日が短くなっていくのがよくわかる。すでにミンミンゼミやアブラゼミが鳴いている。

今年セミの声を初めて聞いたのがいつだったか忘れたが、なんとツクツクホーシが同時だったのには驚いた。このセミはお盆を過ぎた頃に現れるのが普通なのだ。異常である。天変地異の前触れか。と言うと妻はせせら笑う。その日以来、このセミの声は聞こえない。今年もセミが少ない気がするが、自然公園の樹木の幹や葉の裏には抜け殻がびっしりついていたから、そうでもないのか。殆ど毎日、集合住宅の通路や道路で、腹を上にして動かないアブラゼミを救出する。こいつらは死んでいるのではなく、草木にとまらせておけばやがて元気に飛んで行く。昔はこんなだらしないセミはいなかったぞ。

我が家は冷房がきらいなので、ふだんは扇風機で暑さをしのいでいる。先日、うっかり扇風機を倒してしまった。顔面を思い切り床に打ち付けた扇風機は、全面カバーをすっとばし、三枚ある羽の一枚の先端が四つに分離してしまった。その状態で電源を入れるとものすごいアンバランスな回転になり、とても使えたものではない。粗大ゴミになるのか。ふと思いつき、ダメモトで修理にトライ。分離したプラスチックの羽を瞬間接着剤で接合し、荷造り用透明テープで補強したら、みばえはともかく完全復活したのであった。ところで、朝5時に一度起きるが、戸を開けてからまた1時間半寝てしまう。この時間を有効に生かしたほうがいいと思うのだが。(柴田)

●いま、アラームは5時20分にセットしている。9時半頃には、最初の眠気がやってくる。そして14時、17時、20時半。たまに睡魔に負けて寝てしまう。学生時代から10時間は寝ていたロングスリーパーで夜型。深夜のテレビやラジオが好きだった。家人が朝型のショートスリーパーなので、朝型にシフトしたが、徹夜をすると夜は静かでいいな〜と改めて思ったりする。早めに寝た日の翌朝、夜明け前も好きだ。まだ人が動き出していない静かな時間。それもこれも睡眠がちゃんととれていた上での話なのだが。メルマガやっているおかげで、翌朝昼過ぎまで寝ていようと思ってもできず。規則正しい生活に向けてのベースはあるんだよなぁ。朝型+毎日メルマガ。あ、寝過ごすことはもちろんあります!(hammer.mule)