ネタを訪ねて三万歩[91]予習復習に明け暮れた夏休み
── 海津ヨシノリ ──

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講師になってから、夏というシーズンが恐ろしくつまらなくなりました。夏休みのため学校で遊べないからです。しかし、それもあと少しの辛抱です。

そんな今年の夏休みは、相変わらず例年通りでどこかに遊びに行くこともなく、ただひたすら引きこもっていました。まず、6年ほど中断していたZBrushの再勉強です。宝の持ち腐れはやっぱりもったいないですからね。

もちろん、他のソフトも並行して利用するつもりですが、ZBrushが驚異的に便利なのは偽らざる真実です。正直にいうと、ZBrushとmodoを持っていると、他のソフトでモデリングをやる気は全く起きません。今のところ、私にとってのメイン3Dソフトはmodoかもしれません。慣れも加味しての判断です。

ZBrushを中断していた間に機能は飛躍的にアップし、マニュアルはミニ電話帳状態。ボリュームを調整するためなのか文字が小さくて、苦労しながら少しずつ思い出すようにして読んでいました。

私の眼が悪くなったというより、どう考えても6ポイント以下(5.5ptあるいは8Q程度)の文字サイズが本文では辛すぎます。とにかく、時間のあるうちに集中して最低限のことだけでも思い出すようにしていたわけです。

余談ですが、こういった話をすると直ぐに冷やかす人がいます。「歳とったから目が悪くなったんだろう」的な揶揄です。もちろん本人は悪気があって言うのではないと思いますが、きついジョークは相手との信頼関係があればこそ使える技です。




親しき仲にも礼儀ありは日本人の美徳であり日本人そのもの。ところが、facebookなどでは、たとえ友達どうしであっても、購読者を「公開」あるいは「友達の友達」に設定している人が、とんでもない揶揄やブラックジョークを交わしているのを見ると気分が悪くなります。越えてはいけない一線を、理解できない人には関わりたくないですね。

話を戻すと、復習と言ってもガッツリと一日中集中できるわけでもないのが辛いところ。また、他にも色々と覚えなくてはならないことや、準備しなくてはならないことが山積みだったのです。ソフト3本に読破の必要な書籍5冊、見ておかないとまずいDVD20本に、出掛けなくてはいけない場所8カ所(多分)という過密スケジュール。

そんな事情の一つで、またカメラを購入してしまいました。ミラーレスデジタル一眼レフです。昨年購入したマイクロフォーサーズ・システムと同じPanasonic LUMIX DMC-G3です。

購入の決め手は、シャッターリモコンが使える機種でバリアングル液晶搭載。昨年購入してかなり活用しているPanasonic LUMIX DMC-GF2と、OLYMPUS PEN Lite E-PL1sはシャッターリモコンが使えない機種だったのです。

なぜ使えない機種を購入したのかというと、昨年の時点では使用目的上にシャッターリモコンの必要性が将来的にもなかっただけのことです。ただし、一眼レフなので当然使えると思い込んでいた私の失策なのは確かです。

後で知ったこととはいえ、デジタルカメラでレリーズがデジタル化に未対応の機種があることが納得出来ないですね。フィルム時代であれば、一眼レフならどのメーカーの機種も、当然のごとくレリーズ使えましたから。

とにかく、今回は新たにシャッターリモコンの必要性が発生したというだけのことです。つまり、コマ撮り撮影の必要が迫っていたのです。まっ、迫っていたというのは少し大袈裟かも知れません。たんに予定外だったのです。

もちろん、Nikon D7000やD50でならばバリアングル液晶はないものの、シャッターリモコンは使えます。ただし、セッティングしたら数日間動かせないので、メインマシンは避けたかったのです。ちなみに、D50は既に別の用途で動かせない状況となっています。

なにより購入を決定付けた価格には驚きを隠せません。昨年購入した2台とも瞬間トンデモ価格で購入出来ていましたが、今回も中古価格よりも安かったのです。製造中止の型落ちということもありますが、迷っていたときに偶然発見して速攻発注してしまいました。

ところで、この低価格には色々と仕組みがあるようです。私が購入したのはボディーのみですが、届いた箱はダブルレンズセットの箱でした。なんらかの事情でレンズのみバラで販売した後の残骸のような感じですね。もちろんそんなことは一切気になりません。

ちなみに、普段の私はバッグの中にPanasonic LUMIX DMC-GF2とM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6、OLYMPUS PEN Lite E-PL1sとAi NIKKOR 50mm F1.8、そしてPanasonic LUMIX DMC-FX550とCASIO EXILIM EX-S10の4台のカメラを忍ばせています。もうほとんど危ない人ですね。

このうちFX550は、構えて撮影する一眼では誤解が生じるようなシーンで使うようにしています。例えば駅構内といった場所です。また、処理が恐ろしく簡単なのでS10はメモ帳代わりのムービー撮影用です。なおコンパクトカメラは広角利用がほとんどなので、望遠撮影した記憶がありません。

さて、今年の夏休みは更に学生の展示会や舞台発表などイベントも目白押し状態。まっ、今年が特別ということではなく、私が例年になく積極的に動いているだけのことですが、スケジュールの間を縫っての行動はとってもスリリングで面白く少々癖になりそうです。

そして、今夏特に面白かったのは、劇団いまそかり/第二回公演 「マナコ〜浅ましき者の添ひあれ〜」でした。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科の学生達が旗揚げした劇団です。小さい劇場だからこそ、かぶりつきで見ることができる生の演者は素敵ですね。

劇団いまそかり
< http://www.imasokari.com/
>

ところで、造形学科の個展などと違って、演劇の場合はそれなりの時間を空けておかなくてはならないので、いつも観劇できるわけではないのが少し辛いところです。

そして、忘れてはならないのが卒業制作担当学生との打合せです。過去には学生と夏休みにどこかで打合せをしたことはありませんでしたが、今年の学生はリアクションが良すぎるのか、南船橋の「ららぽーとTOKYO-BAY」と「IKEA船橋店」でウインドウショッピングを楽しみながら熱く作品について語り合ってしまいました。なんだか不思議な一日でした。

で、家に戻ってから気が付いたのですが、ここは大昔の船橋ヘルスセンター跡地ですね。77年に終了していますので35年前の話です。私は船橋ヘルスセンター開業当時にここへ来たことはありませんが、頭の中にCM曲がこびりついていました。

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■今月のお気に入りミュージックと映画

[Survival(London Olympics 2012 official song)]by Muse in 2012(U.K.)

言わずと知れたロンドンオリンピックの公式テーマ曲。しかし、NHKのアナウンサーはミューズを知らなかったようですね。まっ、閉会式の醜態を思い出せば無知も納得。多くの著名なロックミュージシャンが登場しているにもかかわらず、無駄話を永遠と続けていたわけですから、ネットで叩かれて当然ですね。カメラはカメラで選手の後ろ姿ばかり写す盗撮モード......。頑張って起きていて損しました。

[V]by Kenneth Johnson in 2009(U.S.A)

1983年のTVシリーズをリメイクしたTVシリーズ。地球に到達した、表面上は友好的な態度を装いつつ、裏ではある企みを抱いているエイリアン達との戦いを描いた作品。面白いと思っていたのですが、シーズン2が短縮放映され、ついに打ち切りとなってしまいました。ちょっと残念な結果です。オリジナル版は当時大反響でしたが、今見直すと流石に30年の時間は大きいです。でも、それはそれで面白い発見も沢山あって楽しめました。

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■9月のアップルストア銀座でのセッションはお休みです。
10月からリニューアル開催されますのでご期待下さい。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家
/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com
>
< http://kaizu-blog.blogspot.com
>

日頃、学生に対して「真摯な態度は自分を救う」と話しているのですが、世の中そんなことはないのも事実ですね。最近の私は「そんなことはない事実」の連発を食らって信念はグラグラです。世の中では、適当な奴、口先だけの揉み手や摺り手のエキスパートが恩恵を受ける、とは思いたくないです。しかし、現実はソレなんですよね。仕事が欲しかったら、揉み手や摺り手にヨイショの練習をしたほうが現実的だなんて、嘆かわしい悪夢です。