気になるデザイン[83]心をズキュンとやられてしまった動物写真集/津田淳子

投稿:  著者:  読了時間:3分(本文:約1,200文字)


今年も残すところあと4か月。もう3分の2が終わったのか。早いなぁ。私はいま、今年最後の『デザインのひきだし』の編集作業が佳境を迎え(というか、もう数日で校了しないといけないのに、大ピンチ!)ドタバタあがいている最中です。

そんな中でも書店巡りはやめられず、お昼休みや帰り道に(夜中までやってる書店があるのも悪い!)ふらふらと本を買い求めていますが、そんな中で心をズキュンとやられてしまった本がこちら。

『どうぶつぶつ』(写真:たちばな れんじ/ことば:リリー・フランキー/パルコ出版/1500円)デザインは大島依提亜さん。
< http://www.parco-publishing.jp/topics/index.html >




写真家・たちばなれんじ氏が撮った、正面から目線を合わせる動物写真に、リリー・フランキー氏が一言"ことば"を添えた写真集。

この本、何がすごいって、まず帯から変型でドキッとするのだが、いやいや、この本の本質はそんなところにはない。

本を開くと、いい表情の動物たちの真正面写真がドーンと掲載され、各ページの間には吹き出し型に型抜かれた紙が挟まれ、そこにリリー・フランキー氏の言葉が綴られている。128ページの本文、すべてのページでそうなっているのだっ!

< http://bn.dgcr.com/archives/2012/09/04/images/01.jpg >

変形本は、ぱっと見面白くても、よく考えると「こんな風に変形させる必要あった?」と疑問に思ってしまう本もある。所謂「印刷や加工に使われてしまった本」というか「負けてしまった本」という感じだ。

でも本書は、動物から発せられたイメージが一発で伝わり、もちろん見ていても邪魔になることはなく、読んでいる感じをを非常に高めてくれる効果的な使い方なのだ。

こうした変形本に出会うと、もううれしくてたまらない。おもしろさにわくわくして、でも書いてある内容にちょっと首を傾げたりして、とっても本を堪能することができた。いい本だなー。

本当はもう一冊紹介しなければならないのですが、今週はブックデザイン体力がちょっと弱まっていて、「どうぶつぶつ」に対抗できるようなものにたどり着かなかったので、これでおしまい。みなさま、ご容赦のほどを。

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp  twitter: @tsudajunko

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