グラフィック薄氷大魔王[316]ドローイングと紙のコスト/吉井 宏

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●メーカー製PCを分解

某所で事務所の片づけを手伝ってきた。ものすごい量の不要品をゴミ袋に放り込んで運び出す作業の中で、僕的担当としては、古いパソコン2台を捨てる準備。顧客情報入りのHDDがそのままではマズいので消去するんだけど、ちゃんと消すには時間かかりすぎる。Macを処分するときだって、「0を書き込む、それを7回繰り返す」とか。数日がかりになっちゃう。

手っ取り早い方法は、以前にデジクリにも書いた「HDDにブスブス穴を開けて廃棄するサービス」を利用すること。自分の不要HDDもいくつかたまってるし、いっしょに出せたら都合がいい。

2台のうち片方はノートPC。裏蓋をはずしてフロッピードライブとワンセットになってるHDDを取り外す。これは簡単。問題は10数年前の富士通のデスクトップパソコン。

カバーを開けて機械をむき出しにしても、HDDが見当たらない。まさかHDD非搭載? CDドライブもついてるし、そこまで古くはないだろう。おかしいなとケーブルをたぐって探すと、なんとフロッピードライブの下のCDドライブの下の底面にあった! たどり着けるのか??

ドライブをマウントしている金属板のあっちこっちを探し、はずせるネジを全部はずしてもビクともしない。数10分後、前面の樹脂カバーをバコッと全部とりはずさないと見えなかったネジを発見。なんとかフロッピードライブとCDドライブをはずし......。

ところがドライブ全体を覆う大きなマウンタが外れない。今度はのたうつケーブルを全部ひっこ抜いてみると、一個のネジが中央に! ああっ、ひょっとしてこの一個を取り外せばドライブ全体が外れたのか〜〜〜っ! と思ったけど、そんなに単純ではなさそう。

パズルのように組み合わさった金属板をどうにかはずし、無事HDDを取り外し完了。あとはテキトーにネジ一個ずつつけてとりあえず詰め込んでフタ。ってことでネジが数10本余ったけど、いいやこれで。捨てるパソコンを律儀に組み立てるのもバカらしい。エアコンがない部屋での作業、ヘロヘロ状態に。あー、しんどかったぜー。

今までWindowsパソコンの中を開けたのはDellくらいしかなかったけど、けっこう考えられてて簡単ワンタッチでした。Macもちょっと前のノート型はHDDにアクセスするのも大変でしたが、最近のモデルは拍子抜けするほど簡単。メモリーやHDDなどけっこう頻繁に出し入れしてたので、パソコンを分解って感覚が麻痺してた。昔のPC、おそろしいです。もういじりたくない〜。




●OA連続用紙白紙フォーム

上の片づけ作業は店舗兼事務所を廃業みたいものだったので、新品や新品同様の不要品が山ほど! 事務用品や机や棚などいろいろほしいものがあったけど、いちいち気にしてるときりがない。そんな中、OA用紙の束だけもらってきた。

この紙、PLUSの「OA連続用紙白紙フォーム」っていう両端に小さい穴が並んだ、A4くらいのサイズ。薄手でカサついてて鉛筆で描きやすい。2000枚入りのうち半分くらい入ったもの。つまり1000枚! ミシン目で分割できる、長〜〜〜〜く繋がった紙。長さ28センチ×1000=280メートルだよ! わくわく! もうドローイング用の紙は数年は買わなくていい!

●ドローイングと紙のコスト

スケッチは全部デジタルでやりたいんだけど、キャラのラフを何10個とか描くようなときは鉛筆やサインペンのほうがぜんぜん速い。アナログのほうが明らかに効率が良さそうな作業だけ、プリント&スキャナで「パソコンの外に一旦出し、戻す」ってやりかたをする。トレースにはUSBから電源を取れるLEDのトレース台を使ってます。

紙にボールペンで粗く描いて、トレースして形を整えて、もう一回トレースして本番前状態、それに赤で修正とか描き入れる。それをもう一回本番トレースする。都合3〜4回トレースすると、完成度上がるねえ(トレースの元の絵と新しい紙を重ねて固定するとき、3Mの「プリットひっつき虫」っての便利。錬り消しでもオーケー)。

普段なら途中で面倒になってデジタルに移行しちゃうけど、先日は鉛筆で最終トレースまでやってみた。仕上げトレースはPhotoshopでやっても時間的にはたいして変わらない。ただ、Photoshopでトレースすると全部ていねいに描かないと粗が目立っちゃう。

鉛筆のちょっと汚いテキトーな線のほうがラフ的にはいい感じなのだ。サインペンも有用。筆圧をかけなくてもいいので疲れないし、二度描きが少ないので速い。

で、使った紙はマルマンスケッチブックでおなじみの、厚手のボコボコした画用紙。粗描きのときはいい感じの摩擦で描きやすいけど、鉛筆で細部をじっくり描くと、ボコボコの凹凸に沿って芯が滑ってしまってダメ。

こういうときはTooの「PMパッド」にかなう紙はない。途中で気がついてたけど、タッチの統一という点で途中で変えるわけにもいかず。PMパッド、とっておきってことでA4が3冊ストックあるけど、新しい紙とか買い込んだり先日のOA用紙みたいに大量入手しちゃうもんだから、いつまでたっても使わない。

PMパッドはA4と書いてあってもひとまわり大きい。いつも裁ち落としてA4にしてる。A4ジャストのPMパッドがあればいいのに、と思ったらあるんですね。「PMコピー」という商品がそれ。でも高級だなあ。50枚で800円近くする。A4コピー用紙なんか500枚で1000円もしないよねえ。

とはいえ、一回の仕事で50枚も使うことは滅多にないし一枚16円って考えると、仕事の道具としてはコストを無視できるくらい安いんだけど。っていうか、一瞬高いと思った比較対象のコピー用紙が安すぎるってことか。

安いコピー用紙を検索してみたら、A4コピー用紙500枚×5冊で1298円ってのがあった。1枚0.5円! どんだけ激しく描きまくったって2500枚あれば半年や一年はもつでしょ。仕事のコスト的には一日一冊500枚使ったって痛くも痒くもない。もうドローイング用の紙についてはコストは実質ゼロ円と思ってまちがいないな。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

いまだに「笑っていいとも!」って、「笑ってる場合ですよ」の次に始まった新番組、って感覚が抜けない。

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