まにまにころころ[13]マンガリテラシー
── 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito ──

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こんにちはー。前回、想像力を養うためにも小説読もうよって話を書きましたが、今回は同じ理由で、マンガも読もうよって話を少し書きます。

◎──このあたりを読んでますって紹介

まず、マンガと一口に言っても社会風刺の挿絵から有害図書指定されるものまで、あまりに広範囲なので、とりあえず私が読んでいるのがどのあたりのジャンルか、読んでるマンガ雑誌や単行本を紹介しますね。たぶんいたって「普通」な部類で、そういう意味では面白味に欠けるかもしれません。

雑誌では、「週刊少年ジャンプ」「週刊少年マガジン」「週刊ヤングジャンプ」「グランドジャンプ」「グランドジャンププレミアム」「ジャンプ改」「ミラクルジャンプ」「コミックゼノン」「@バンチ」と、こんなところです。思いきり「ジャンプ系」に偏っていますね、マガジンが浮いて見えるくらい。

単行本では、まあ列挙するとキリがないので最近好きなものをいくつか挙げると、「宇宙兄弟」「三月のライオン」「ジャイアントキリング」「君に届け」「ちはやふる」「神のみぞ知るセカイ」「こどものじかん」「ナナとカオル」「とめはねっ!」「ヒストリエ」「よつばと!」「スキップビート」「青の祓魔師」と、有名どころではこのあたり。まだまだありますけど、本当にキリがないので。

単行本で買ってるのは、雑誌で読んでないものが多いですね。




◎──マンガのいいところ

マンガのいいところは、やはりなんと言ってもサクサクと読み進められるという特性でしょう。小説で言うところの「地の文」も大半が「絵」になっているので、すんなり頭に入ってきます。

マンガを読まない人には、それでは想像力を働かせる余地を奪ってしまうのではと言われそうですが、マンガはマンガで想像力を要求してきます。文章で行間を読むように、マンガでは絵やコマの裏側を読むんです。

◎──マンガの難しいところ

「いいところ」に対して「わるいところ」ではなく、あえて「難しいところ」としますが、マンガを読む上で難しいのは、「マンガリテラシー」とでも言うべき、ちょっとした特殊能力を求められることです。

文字の本は、特別難解な文学や、下手な翻訳本のような、書いてある言葉は読めるけど理解できないという文章はともかく、基本的には日本語読解力の延長ですので、例えば知らない言葉は辞書を引くなど、それなりに対応可能です。

一方マンガは、文字の部分について同じ能力を求められる上、絵やコマ割りについてもある程度「お約束」を知っていることが求められたりします。

普段あまりマンガを読まない人に分かるような例を挙げると、手塚マンガに出てくる「ヒョウタンツギ」のような、特別な意味はないキャラクターをどう捉えるかとか、ちびまるこちゃんの顔に入る縦線の意味とか、マンガ特有のオノマトペ(擬音・擬態語)などなど、これも列挙していけばキリがありませんが、読み慣れていないと理解できない表現が、結構ちりばめられています。

「マンガなんて子供が読むもので......」と毛嫌いする人は大抵、マンガを読めない人です。何かをきっかけにマンガを読むことをやめたがために、マンガリテラシーが身につかなかった人です。「お約束」は、マンガだけじゃなくて、文章の世界にもたくさんありますが、同量かそれ以上を追加で求められる、と。

◎──マンガの難しいところ2

もうひとつ、マンガの難しいところを挙げると、マンガを描くには絶対に時間がかかること。文章だって時間がかかるのはもちろんですが、通常、同じくらいの情報を伝えるためには、マンガの方が制作に時間がかかります。

あの麦わら帽子の少年海賊は15年経っても、まあ色んな理由はあるにせよ、まだまだ旅の途中。大女優の指導の下でひたむきに努力するおそろしい子は、もう、芸歴37年です。

文章なら早く書ける、というわけではありませんが、手の早い作家同士が一緒にヨーイドンで同じストーリーを進めていくと、よほどショートカットしない限り、マンガは負けると思います。前回紹介した万能鑑定士Qシリーズなんて、そのままコミカライズしていっても、きっと追いつけません。

最初に挙げた単行本作品はたしかどれも連載中のものですが、完結した話として物語を消化出来る日は、いつくるか分からないんです。

未完のままに、諸事情で終わってしまうことはマンガにも小説にもあり得ますが、どうしてもマンガの方が「諸事情」に遭遇する率が高くなります。書き手の諸事情だけでなく読み手の諸事情もありますし、連載期間が長くなればなるほどエンディングを楽しめない可能性が高くなってしまいます。それはちょっとなー、って方は、完結している作品からチョイスするようにしましょう。

◎──マンガを読もう

「いいところ」の数倍「難しいところ」を書いておきながらも、それでもやはりマンガは読んで欲しいです。マンガという表現がここまで発達している国に住む私たちの特権としても、読まない手はないでしょ。鳥獣戯画から800年、手塚治虫からでも60年以上かけて発達してきた文化です。

小説同様、マンガもまた想像力を育んでくれます。情操教育が必要なのは子供だけじゃない。マンガもろくに読めないような人になってしまわないように、時々は意識的にマンガも手にとって、読むようにしてみましょう。

話題のマンガが「読めなく」なっていたら、それはちょっと危機感を持ってもいいくらいかもしれませんよ。

またそのうち、オススメマンガの紹介もしたいと思います。森和恵さんあたりと一緒に。(笑)

【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
< https://www.facebook.com/korowan
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< https://www.facebook.com/caputllc
>

最後にまたイベントのご案内。
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