Otaku ワールドへようこそ![163]地下活動してきた育成中のアイドル、デザフェスにて地上へ!
── GrowHair ──

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育成中のアイドルの卵たちの写真撮り役を、一年半ほど前から仰せつかってきました。将来は大きく羽ばたいていってくれることを期待してますけど、今はまだその手前の手前の手前、孵化する前の卵の段階です。

なので、練習フェーズってことで、今まであんまり目立つところに出てくることはありませんでした。あえて派手な宣伝を控えていたのです。ライブに出演することはありましたが、あくまでも練習の一環としてであって、さしたる告知もせず、地味に活動してきました。

「地下アイドル」という言葉があります。テレビや雑誌等のメジャーなメディアにあまり登場せず、ライブ等を中心に活動するアイドルのことです。地下アイドルだって、ライブ告知はするし、ライブのときは歌を収録したCDや手作りの写真集を売ったりもします。けど、育成中のアイドルたちは、それすらもせず、ライブのときも、出てきて、歌って、引っ込む、それだけでした。

そろそろ機が熟してきました。練習フェーズからプロモーションフェーズへと移行すべき時期かと。大きな舞台に立ってもいけるんじゃないか、と思わせてくれる実力がついてきました。歌でもダンスでもトークでも。大きな舞台の第一弾は今度のデザフェスに決まりました。じゃーん! パチパチパチパチ......。

ブースを構えて、路上レベルのミニライブ......ではありません。東京ビッグサイトの西ホール一階中央吹き抜けエリアに設けられたショースペースに出るのです。四階に通じる長いエスカレータからも見下ろすことができる、めっちゃ目立つ場所です。

デザフェスは11月10日(土)、11日(日)の二日間のイベントですが、その二日目の3:00pmからと5:30pmからの二回、出演します。人出のピークとなる、一番いい時間帯です。デザフェスのウェブサイトにタイムテーブルが出ています。
< http://designfesta.com/about-timetable/
>

「アイドルグループの歌+ダンス」として掲載されています。つつくと写真とともに、簡単な説明がポップアップします。

「C(ハート)A」と書いて「シーアイエー」と読みます。写真は私が撮ったものです。特に、5:30pmからの回のは、7/22(日)に都内のスタジオを借りて、四人を6時間缶詰にして撮ったものです。気合が入っています。今度のイベントが、スターダムを駆け上がっていく第一歩になればいいなぁ、と。




●紆余曲折あったけどがんばってます

紆余曲折の内容をここにべたべたべたべた書き並べていったら鬱になりそう。大変です、アイドルの育成って。それ自体をゲームにして売りたいくらい。だいたいそもそもからして平坦な道で行けるなんて甘く考えてるわけではありません。実際にどんなモンスターに襲いかかられるかは予測がつかないけど、ラクして進める道なわけがないのは分かりきったことなので、どんな難局に陥ったとしても、力を合わせて乗り切って行こうな、そう励ましあってがんばっています。

ところがそういうことを言ってる矢先から、なんか起きるんですな。しかも、だいたいこの程度のトラブルは起きるだろうな、と予想している範疇を大幅に上回るやつが。うわっ、そそそそれは困る。そんなことの連続です。

残念ながらプロジェクトを離れて行かざるを得なかったメンバーやスタッフもいます。彼ら、彼女らだって、このプロジェクトを成功させたいと思って、そのつもりでがんばっていたに違いなく、こうなったのは残念でなりません。申し訳なくも思います。

けど、その時その時の状況ってもんがあって、どうにもならなかったなぁ、とも。離れていった方々も、それぞれの道でがんばって、幸せになっていっていただきたいと切に思います。

時折そんな暗雲が漂う中にあって、救いなのは、現行のメンバーがすごーくがんばっていて、めきめきと実力をつけていっていること。こっちがたじたじとなるくらい、いつでもやる気満々です。地味に練習ライブを重ねてきましたが、あのパフォーマンスを見た、あまり多くない人々は、あ、この子たちは、こんな小さな箱に納まってるようなタマじゃないな、今にビッグになるな、と予感したと思います。で、そろそろ箱を開ける時期かな、と。

えーっと、そもそもなんでケバヤシ(GrowHair)がそういうプロジェクトに関わるようになったのか、その辺の経緯は、この欄に何回か書いてますね。ま、この話題を取り上げるのは2月以来のことで、ずいぶん間が空いちゃってますけど。一言で言えば、写真撮ってると人とのつながりがイモヅル式に広がっていき、気がついたらここにたどり着いてた、ってことなんですが。

詳しくはこの辺とかこの辺とかこの辺をご参照ください。

'11年10月21日(金)「アイドルへの道は険しい」
< https://bn.dgcr.com/archives/20111021140100.html
>

'11年11月4日(金)「アイドルの卵たちが輝いたライブイベント」
< https://bn.dgcr.com/archives/20111104140100.html
>

'12年2月17日(金)「自分内別人格の反乱」の後半
< https://bn.dgcr.com/archives/20120217140100.html
>

今年は私もようけ下北沢に通いました。このセーラー服のおっさんは、下北沢でよく目撃されています。7月にフランスに行ったとき、ジャパンエキスポの会場で日本人から声を掛けられ「小田急線で見ましたよ」と言われたほど。まあ、私に指導できるのは、写真のポージングと英語ぐらいのもんであって、本筋ではないんですがね。

10月28日(日)には、都内のスタジオを借りて練習しました。デザフェスのショースペースはめちゃめちゃ広くて縦に長いので、これをどう使うかがひとつのポイント。ファッションショーや集団でのダンスなどには向いたスペース構成なんだけど、アイドルのステージでどう生かすか。

それが難しいんだったら、デザフェス会場の屋外に設けられたライブステージを使ったほうが演じやすいんじゃないの? って思うかもしれませんが。ごもっともです。ただ、屋内のショースペースのほうが目立つんじゃないかな? ってシタゴコロだけです、はい。

デザフェスの出展条件は、オリジナル作品であること。ほぼそれだけです。年齢、国籍、プロアマを問わず参加できます。オリジナルであることがポイントなので、今回のステージではカバー曲は使わず、全曲オリジナルで固めます。

30分間のステージで、歌が5曲と、ダンス曲のメドレーが1曲です。歌にも振りがつきますが、口パクはせず、ちゃんと踊りつつ歌います。内輪を褒めるのも変ですけど、たいしたもんだと思います。今度は広いスペースを動き回りながらなので、いっそう大変そうではありますが、まあ、彼女たちならしっかりこなしてくれるでしょう。

ふだん練習している下北沢の音楽スタジオでは広さの感覚がつかめないので、ダンス専用の練習スタジオを借りました。それでもまだ本チャンの半分以下のスペースしかないんですけどね。練習風景。次の週末もまたそこで練習予定。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/Studio121028
>

さて、ここまで「中の人」視点で内輪の事情などをけっこうぶっちゃけてきておきながら、いまさら営業トークもアレですが、みなさまぜひぜひお越しくださいませ。

後にビッグになったとき「オレは最初っから見てきたよ」と自慢できます。ぜったい一見の価値あります。なにしろ若くてかわいいし、歌やダンスのレベルの高さからは、真剣で一所懸命な姿勢が伺われますが、一方、トークなどではトボケた力の抜け加減が面白くて、独特の味を出してくれます。お楽しみに〜。

●人形撮影はロマンチックな気分で

さて、私はいつものように、ミニブースを構え、人形の写真を展示します。被写体は、人形作家である清水真理さんの作品です。それと、清水さんの教室の生徒さんであるヒムカコノエさんの作品。

清水さんの人形の写真は、10月19日(金)に撮ってきました。割とぎりぎりですが、この程度ではぜんぜん焦らなくなってます。今までいろんな修羅場をくぐり抜けてきたので、そういうとこは図太くなってきました。

ロケ地に選んだのは「ハイジの村」です。山梨県北杜市明野町にあるテーマパークです。中央本線の韮崎駅からバスで北のほうへずんずんと30分ほど登っていった高原の真っ只中にあり、自然がいっぱいの広々とした景色が広がっています。富士山ってどっちが前で後ろなのかよく分からないけど、後ろから見る富士山は彫りが深くてなんか違う山みたい。ハイジがテーマなのは、アルプスつながりってことなんでしょう、きっと。園内の街並みやガーデンがスイス風です。
< http://www.haiji-no-mura.com/index.html
>

この場所は、8月17日(金)に下見に来ておいたところです。そのときは、いつ何の撮影に使おうという具体的な予定はなかったのですが、ロケ地のレパートリーを増やしておきたいと思い。コスプレイベントが開かれるところで、レイヤーさんたちから評判がいいようなので、前々から一度見ておきたかったところです。

レイヤーのひよ子さんが作ってくれたロリ浴衣がすっかり気に入っていて、どっかにお出かけして、きれいな写真が残ればいいな、というもくろみもありました。うーん、カメコというよりはすっかりレイヤーですね。これがそのときの写真です。子供から凝視されると、ちょっと恥ずかしいものがありますね。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/Park120817
>

自分が被写体なろうっていうのに一人で行ったので、カメラのシャッターはその辺にいる人に頼んで押してもらいました。一眼レフを持ってきている、撮るのが上手そうな人を狙ってお願いしました。ご自分のお子さんをきれいに撮るぞと張り切っているお父さん、って感じの人がけっこういました。ところが......。

頼んでおいて言うのもまことに心苦しいのですが、写真撮るのがあんまり上手くない人が多いですね。ピントが背景に抜けちゃってるのがけっこうあったり。小さいカメラでは思い通りに絵をコントロールすることが不可能だから、どうしても一眼レフが要る、という動機で入手したわけでは必ずしもないってことのようですね。

絵作りのためのレンズ選びや条件設定の選択肢が大幅に広がった分、撮影者がいろいろ考えなきゃならなくて、そこが楽しいのが一眼レフってもんなんだと私は認識しているんだけど、どうもその辺が......。

私の主張としては、一眼レフというのはプロ向けのカメラなんだから、多様な撮影を容易にするための多機能化・高性能化の方向性はいいとして、素人向けの変な機能はぜーーーったいに導入してくれるなよ、と思っているのですが。

例えば、人の顔をカメラ側が認識して、自動的にピントがそこに合うだとか。人が笑っている瞬間を認識して、自動的にシャッターが切れるだとか。そんなファンシーな一眼レフが、そのうち売り出されちゃったりするのかなぁ。競輪用の自転車に補助輪がついてる、みたいな。

この手の頑固な主張は時代の趨勢に押されて、年寄りのたわごとみたくなっていっちゃうのかなぁ。メーカーの技術屋さんのおじさま方よ、その辺の矜持だけは守りとおしてくれませんかのぅ、げふっ、ごふっ。

ハイジの村は広いし、自然がいっぱいなので、撮影に絶好の場所。ハイジ村の「村長」さんとお会いして聞いてみたところ、撮影に使うのもOKとのことなので、いつか撮影目的でまた来たいと思ってました。それが実現したのが10月19日(金)です。事前に企画書を送って撮影許可をもらっています。

清水さんご本人は個展の搬入で多忙とのことなので、清水さんの人形教室でアシスタントをしているN川さんにご同行いただきました。人形3体を持ってきてくださいました。いやぁ、これを撮影させていただけるなんて、光栄です。

夏と同じく、7:00新宿発の特急あずさ1号です。朝早いですが、これに乗り遅れると大変です。8:00発のあずさ3号は韮崎駅に停車しません。9:30前にはハイジの村に到着します。16:19ハイジの村発の帰りの最終バスまでの間、たっぷり撮れます。

前日、まるで台風みたいな風雨で、とてもすぐには晴れそうもない吹き荒れっぷりでしたが、天気予報を信じて行ったらちゃんと晴れてくれました。空気がめちゃめちゃ澄んでて、遠くの山までくっきり見えます。絶好の撮影日和です。夏のときよりもいっぱい花が咲いてました。コスモスとかラベンダーとか。

人形の撮影はメンタリティが大事なので、こちらも乙女チックな気分を盛り上げるために、恰好はセーラー服です。まあ、その必要がないときもセーラー服ですが。実用的にはイマイチです。撮ってる姿勢によっちゃ、ちょっと風が吹くだけでパンツ丸見えになっちゃいます。

中学生チックなチョーかわいいショーツの上には濃紺のオーバーパンツを穿いているので、いちおう「見えてもいいぞ」的な記号で覆ってはいるのですが。ちなみに、ウィキペディアの「ブルマー」の項目の記述によると、ブルマーは素材がナイロンやポリエステル等の厚地で伸縮性がある点などにおいて、下着のショーツとは相違するとあります。私の穿いてるオーバーパンツはそれほど厚地ではなく、綿95%、ポリウレタン5%とあります。

写真を撮るときは、ブレないように姿勢を安定させる必要があります。ひざ立ちとか、正座とか、横座りとか、腹這いとか。湿った土に体重がかかると水がしみ出してきて、冷たかったりします。気がつくと全身泥まみれです。全身泥まみれのセーラー服着たおっさん。見た人はいったい何があったんだ?! と思うべな。

なりふり構わずがんばって撮った甲斐あって、こんなふうに撮れました。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/mMItyI#
>

清水さんに見ていただいたところ「すごくファンタスティックに撮れていますね! 甘くて幸福感のある写真だと思います」とのコメントをいただきました。清水さんの作品は、プロの方々からも撮られており、私ごときが撮ったのが褒めていただけるのは大変光栄であります。こう見えても意外に乙女なワタクシです。

画像で見たからいいや、とおっしゃらず、ぜひデザフェスにお越しくださいませ〜。西ホール一階、C-239です。それと、去年イタリアで展示したときに大変お世話になったバーバラさんも出展参加します。やはり写真です。被写体はいろいろのようですが、そのうちのひとつは清水真理さんの人形です。そちらもぜひぜひご覧くださいませ〜。C-183です。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。

8月13日(月)にクリーニング屋さんに預けたセーラー服の夏服を、10月20日(土)になってやっと取りに行けた。二か月も預けっぱなしにしててすみません。受け取りと引き換えに、別のを預け入れ。セーラー服の夏服と冬服をそれぞれ一着ずつ。冬服は撮影に使って泥だらけになったやつだ。そのとき着ていたのは、セーラー服の冬服。さて私はセーラー服を何着持っているでしょう。