アナログステージ[86]あいほん紛失! そのときワタクシは/べちおサマンサ

投稿:  著者:  読了時間:9分(本文:約4,100文字)


「世界中のヒトたちコンニチハ!」と、インスタグラムでコミュニケーションに潤いを与えていた矢先(前話参照)、iPhone4(以下、あいほん)を失くした。正確には「地下鉄でうっかり寝ていて、置き忘れてきた」というのが正しいのだが、主人の元を離れて、独り旅に出たあいほんは、駅の忘れ物コーナーにお邪魔しているわけでもなく、警察に保護されているわけでもない。

ワタクシ、新幹線だろうが飛行機だろうが、移動中の乗り物で「うたた寝」をすることはほぼない。限りなくゼロに近いはずなのに、蓄積された疲労と、軽く飲んでいたこともあって、うっかり寝てしまった。暖かい座席にガラガラの車内。地下鉄が揺りかごになってしまっていた。

いつも超爆睡していたのに、降りる駅に近づくと、シャキッっと目覚めるサラリーマンなどを見ては、「すごいなぁ......、これって特技だよなぁ」と感心しつつも、ふだん車生活のワタクシには、当然持ち合わせていない奥義だ。

寝起きの無防備っぷりといったら、産まれたばかりの赤子のようなもの。目が覚めて瞬間的に把握できるのは、まったく関係ない場所に運ばれているという事実。目覚めた瞬間が移動中であれば、「あら、こんなところまで来ちゃった、テヘへ」とヨダレを拭いながら頭の整理ができるが、駅に停車中に目覚めてしまったもんだから、「うわ、やっべ!」と慌てて電車から降りてしまったのだ。これがいけなかった。




反対の電車に乗り、「寝過ごしちゃったなう」ってTweetしようと、ケツポケに手をやるが、あいほんがない。ショルダーバッグの中に仕舞ったのかな? とバッグの中を探してもない。さっき乗っていた電車の中に、置き忘れてきた現実を理解するのに、数秒も掛からなかった。

あいほんが乗った電車と、ワタクシが乗った電車は反対を走っている。あいほんとの距離は縮まるどころか拡がるいっぽう。しかも電波が届かない地下鉄の中なので、もう一台の携帯電話から回線を止めることもできず、地上(目的駅)に着くのをソワソワしながら待つ。

「ん? 駅着いてもどうしようもなくね? あいほんが『ちょっとー、なんで独りで帰っちゃうのよー、もう、プンプン』なんて言いながら一人で戻ってくるわけではないし、とりあえず自宅まで戻ろう」と帰宅してしまった。その思いの中に、親切なヒトが駅員さんに届けてくれるだろうという、勝手な思考が潜んでいたことも事実だ。

●慌てて回線を止めたのが間違っていた

甘かった。実に甘かった。世の中、争いを一切好まず、ともにパンを分け合い、右の頬を打たれたら左の頬を向けるような、親切で優しいヒトばかりなら、法も警察もいらねー! ってくらい甘かった。どうやら、ワタクシのあいほんは、見知らぬ誰かにお持ち帰りされているようなのだ。

話が前後してしまうが、帰宅早々にiCloudであいほんの位置を調べておけばよかったものの、「明日でももいいや、とりあえず回線だけ止めておこう」と、ソフトバンクのサポートに連絡し、「すみません、あいほん紛失したようなので回線止めておいてくだされ」と先走ったのが、最終的に大失敗ということに後から気がつく。

・iCloud
< http://www.apple.com/jp/iphone/icloud/ >

翌日、iPadから『iPhoneを探す』で、迷子の仔猫ちゃん(あいほん)のデバイス位置を確認してみる。オフラインになったまま。iPadとiPodの位置情報は正確に自宅にあることを表示しているので、「電波が届かないところにあるのかなぁ、それとも誰か電源OFFにしてくれたのかぁ」と、ハチミツのような甘さが残っていた。

・iPhoneを探す - Apple
< https://itunes.apple.com/jp/app/iphonewo-tansu/id376101648?mt=8 >

ラボ(仕事場)に到着や早々、部下ちゃんにあいほんを落としたことを話すと、「もしかして回線止めちゃったんですか?」と、高菜食べちゃったんですか!?(※下記URL参照)くらいの、なんだか懐かしい危機感に迫られる。

部下ちゃんの話をよく聞いていると、どうやら『iPhoneを探す』でオフライン表示なのは、回線を止めてしまったのが原因のようだ。

だんだんボケボケの頭の中がクリアになってきた。そりゃそうだ、Wi-Fiで接続されているばかりではなく、3Gで接続されていたわけだし、「電車で落としてそのままなら、当然3Gで接続されていたんだから回線止めたら検出できないよな」って、『Wi-Fiだろうが3Gだろうが繋がっていて当然』の環境に麻痺していた脳が、急に怖さを覚えはじめた。

・「高菜食べてしまったんですかっ!?」| ロケットニュース24:
< http://ow.ly/f2UsU >←日本語URLなので短縮

「回線戻しても本体(あいほん)を再起動させない限り、位置情報が取得できないからダメっすヨ、やっちゃいましたねー、ゲヘゲヘ」。可愛がっている部下の「他人の不幸は蜜の味」状態の表情をみて、人の儚さを思い知る。その後、ソフトバンクのWEBから、マイソフトバンクで回線の停止や再開を行えることを教えてもらい、すぐさま回線を再開させてみる。

しかし、ここまで情弱になっているとは自分でも思っていなかった。いや、情弱というよりは、以前のように自分で手を掛けなくても(設定しなくても)、裏でスマートに処理されているので、「なにもしなくても使えて当たりまえ」の環境に馴染んでしまっており、頭の中も、それが当たりまえになってしまっていた。

●迷子のカラス(あいほん)は旅カラスになっていた

回線を再開させ、再度『iPhoneを探す』から迷子のアザラシ(あいほん)を探すも、オフライン。まぁ、当たりまえです。「あーぁ、どーしよ......」と不覚にも電車内で居眠りしたことを後悔しつつ、迷子のキリン(あいほん)に電話を掛けてみた。「プ・プププ・・・トゥルルルル...」呼び出す! 電話が呼び出しているじゃないか! 

これは、普段から品行方正なワタクシに与えてもらった、神様からの最後の救いだと信じ、10分起きくらいに鳴らしてみる。しかし電話には誰も出ない。もしかすると、いま仕事中で気がつかないだけかもしれない。お昼休みにかけ直してみるも、出ない。

「電話にでんわ、アッハハハハー」とか部下ちゃんと笑いながら喋るも、だんだんと、拾ったヤツがお持ち帰りしたんではないか?! と疑いはじめ、心中が穏やかではなくなる。

ボケーと「あいほんの中、なに入っていたっけかなぁ、あ、あのときの写真、あいほんにしか入ってないんだ、あ、あれもだ、あれも、あれも......」と、あいほんにしか入っていない写真が、頭の中でスライドショーされていく。

ソフトバンクのサポートに電話し、GPSで大体の位置検索をしてもらうも、「神奈川県横浜市戸塚区○○町の半径700m範囲にあります」とか、本当に大まかすぎて探す気が起きない。半径50mくらいなら、何とかなりそうだけど。

夕方頃、半ば諦めかけたとき、ピコーん! と閃いた。連続で呼び出しをし、充電切れさせれば、必然的に再起動させることになる。そうすれば位置情報も割り出せる! と充電切れまであいほんを追い込み、見事、充電切れさせた。

充電して再起動するのを待ちわびながら翌日を迎えるも、あいほんはオフラインのまま。電話は呼んでも鳴らない。車内で拾ったヒトが、エロ画の一枚も保存されていない写真フォルダに憤慨して、「なんだこのあいほん、つまらねーな、アプリはTwitterのクライアントばかりだし、中毒患者か?」って、道端にでも投げ捨ててしまっているのではないだろうか。

あいほん紛失から3日後、回線を再び停止させ、探すことを諦めた。

●分かっていても怠けるバックアップ

泣く泣く、『iPhoneを探す』から最後の自爆ボタン、『iPhoneの消去』を押した。「さようなら、あいほん! 楽しい思い出をたくさんありがとう! でも楽しい思い出のデータは残ってないけどね」。自爆ボタンを押すとき、なぜかデスノートで「L(初代)」が死んだあとの、MACのモニタに表示されるカウントダウンを思い出してしまった。

♪私は泣かない だってあなたの あなたの思い出だけは 消えたりしない♪

と、思わず松山千春の『旅立ち』を口ずさんでしまうあたり、もみのこチックな感傷に浸ってしまう。あいほんとの思い出は消えないが、写真データが消えたのは痛い。痛いどころではなく、激痛そのもの。

普段、ブラ撮り(ぶらっと目的なく写真撮影するお出かけ)するときは、D90を肩にぶら下げているので、あいほんで写真を撮るということは余りない。しかし、いつも毎日、D90をぶら下げているわけでもないので、必然的にあいほんの撮影ログのほうが多い。

今回の紛失劇から教わったことは、

・面倒でもパスコードはしっかりかけておく(たった4桁)
・電池消耗を気にせず、位置情報サービスをオンにしておく
・紛失しても慌てて回線を停止しない ←重要
・まずは『iPhoneを探す』で位置を特定する
・特定できたら行動
・特定できないなら回線を停止する
・各種届け出をする
・どうしても見つからない場合は自爆ボタン

皆さん、バックアップはマメに。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト
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まとめはコチラ→< http://start.io/bachio >

○ジョニーマン(ジョニー・タカ)と横浜・野毛でブラ呑み。実は、ジョニーマンとは近所(?)なのに、一緒に飲むのは初めてだったりする。串焼き屋→ホルモン焼き→ハードロックカフェの3コンボで、ジョニーマン撃沈。フラフラのジョニーマンを見捨てて、いや、見送って、暫しブラ撮り。飲み足りなかったので、もう一軒寄って飲んで帰りましたー。楽しかった/あいほんが手元にないと不便なのは間違いなく、あいほん5を予約してきました。