Dの憂鬱[16]7インチタブ考察
── 笠居トシヒロ ──

投稿:  著者:


まいど、笠居です。なんか急に寒くなりましたが、みなさんお風邪など召してませんか? おれは、2日前から扁桃腺腫らしてダウンしてます。orz ので、今回は短めになるかもしれませんがご容赦を。

さて、今回の話題は「7インチタブレットデバイス」であります。ここ一か月でGoogleのNexus7、AppleのiPadmini、AmazonのKindleFireHDと、7インチ前後のディスプレイを備えたタブレットデバイスが出揃いましたよね。

どれも一長一短かとは思いますが、購入に際してオレが考えたことをチョットだけ挙げておきましょう。

まずは「なぜ今7インチなのか?」を考えてみます。7インチというサイズの需要は、やはり「外へ持ち出して使いたい」という欲求からのものでしょう。とすると「持ちやすい」というのはかなり重要なスペックといえるのではないでしょうか。




三つの中では一番持ちやすい印象なのがNexus 7です。340gという重さ(三つの中では中間)と、幅120mm(三つの中で最も細い)と、裏面が滑りにくいエンボス加工の樹脂というのが決め手かなと思います。

実際に持ち比べてみたんですが(Nexus 7とiPad miniのみ)、重さではiPad miniのほうが308gと軽いものの、幅が広く(134.7mm)手の小さい(成人男性としてはね)オレでは鷲づかみにするには結構きついサイズでした。

あとこちら(GIGAZINEさんの写真)で見比べてもらうとよく分かるんですが、iPad miniは両サイドのベゼルが細すぎて、片手で持とうとすると、どうしても本体下方の広いベゼル部分を持つことになります。

iPad mini:
< http://gigazine.jp/img/2012/11/02/ipad-mini-vs-nexus-7/GIG_3018_m >
nexus 7:
< http://gigazine.jp/img/2012/11/02/ipad-mini-vs-nexus-7/GIG_3039_m >

これってバランスが良くないし、実際の重量以上に持つ手がつらい感じです。ですんで、この点におけるオレの個人的評価としては「外で、片手で、コンテンツ閲覧が最もしやすい」Nexus 7の圧勝だったわけです。

次にどんなコンテンツを見るか、なんですが、ネットを閲覧する場合は、やはりセルラー通信に対応している方が有利です。

この点で行くと選択肢はiPad miniの一択となりますが、オレとしては、WiMAXルータも持ってるし、イーモバイルのテザリングも使えるし、という状況なので、LTEには速さ的に劣るものの、このあたりはどっちでもいいかんじでした。

それよりも、自分的に期待しているのはやはり電子書籍です。AppleのiBooksストアは日本語対応していないので論外ですが、GooglePlayブックスと、AmazonのKindleストアは、まぁまぁソコソコ、ラインナップを揃えてきてます。

とはいえ、小説とかのエンターテインメント系ではKindleストアが今のところ随分リードしてる感じです(著作権切れの青空文庫は両方にあるので評価から外してます)。

ただ、どちらにも言えることですが、値付けが少々お高い気がします。文庫本と同額か、ほんの少しだけ安いという値付けなんですが、できれば文庫本価格マイナス100円くらいに設定してもらえれば、これまでに購入済みの本でも(屋内のスペース確保のために)電子書籍を再度購入すると思う(少なくともオレは買います)んですが、いかがなもんでしょうね?>Amazonさん

ところで、Kindleは、iOS版もAndroid版も無料アプリを出しているので、どのスマートデバイスでもコンテンツを購読できます。無理にKindleを買う必要はないんですが、「本を読むこと」に特化するのであれば、オレとしてはKindle Paperwhiteが欲しいですね。

ちょっと厚めの文庫本程度の重さで、周囲の明るさに影響されず、紙の本を読むような自然さで読めるE Inkのスクリーンは魅力的です。Kindleストアの品ぞろえがもう少し充実したらぜひ手に入れたいと思います。

で、結局のところ、おれはNexus 7を買ったわけなんですが、上で述べた「持ち歩きやすい」に加えて、やりたいことがあったんですね。それは、デジカメで取った写真をその場で確認する、あるいは同行している他のメンバーに見せる、ということです。

デジカメの液晶で見ればいいという話かもしれないですが、それだとやはり小さすぎるし、細部にちゃんとピンが来てるかの確認にも手間がかかりますよね。

というわけで、SONY RX100+Eye-Fiカード+Nexus 7の組み合わせで、「撮影したはしからNexus 7にダウンロードされ、7インチ液晶に表示される」というのをやってみました。

結果は非常に良好でした。Eye-Fiアプリをインストールしたスマートデバイスをターゲットに設定し、Eye-FIカードの「ダイレクトモード」を使って、そのデバイスに直接写真データをアップロードするんですが、撮った写真が結構なスピードで表示されるので、自分の確認用にも、他人に見せる用途でもそこそこ使いでがあるなぁと感じました。

何人かの集合写真とかを撮ったあと「今撮ったの見せて!」と言われることってよくありますが、そんなときに、カメラじゃなくタブレットで「はい、どうぞ」って見せてあげると、インパクト大ですよねw。

さて、ここまででiPad miniの長所というか魅力を何も語ってないんですが、正直なところ、オレにとっては三つの選択肢の中で一番魅力に乏しいのは確かです。

もちろん、他のApple製品と同様、ハードとソフトの最適化具合や、何も説明書を見なくても使えるなど、ユーザビリティが飛び抜けて優れていることは想像にかたくありません。

しかし、「持ち歩いて、いつでもどこでも、(携帯よりは)大きな画面でブラウジング」が7インチタブレットの命題だとすると、デカくて持ちにくい、そのうえ高いと、マイナス要因が揃ったiPad miniは、ちょっと敬遠せざるを得ない感じです。

【笠居 トシヒロ/WEBディレクター、デジハリ大学院客員教授、京都嵯峨芸術大学講師】
< http://www.mad-c.com/
> < kasai@mad-c.com >

タブレットのことばっか書いたけど、RX100いいです。コンパクトカメラでは久々にヒットだと思う。SONYにしては自然な(あくまでSONYにしては、だけど)絵作りとか、なにはともあれ暗所に強いのがイイ。オヌヌメです。