Dの憂鬱[17]タブレットで読書してみたよ
── 笠居トシヒロ ──

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まいど、笠居です。急に冷え込みが本格化して参りましたが、みなさんお風邪など召していませんか? オレは先月扁桃腺腫らしてから以降は、ごくごく平穏な日々を送っております。

とか何とか言ってるうちに、もう年末ですよ。2012年もあと20日余りで終わりです。年賀状はたぶん今年も作らない方向で進んでいるので、まあいいんですが、大掃除やら、帰省やら、あちこちの忘年会やら、なかなかに忙しさが増してきている今日この頃であります。

で、年末の話題かとおもいきや、今回も前回の続きっぽく、タブレットが主役であります。そもそもタブレットってなんじゃい? てことで意味を調べてみると「錠剤、平板、銘板、メモ帳などの意味を持つ英単語。ITの世界では小型の板状の装置や部品のことをタブレットと呼び、単にタブレットといった場合にはペンタブレットやタブレット端末、タブレットPCのことを指すことが多い」だそうです。

そうそう、ちょっと前までは、ペンタブレットのことをタブレットって呼んでたなあ。ほんの半年くらいの間に「タブレット」というと世間的にはタブレットPCのことになったみたいだけど、まぁしょうがないですね。ペンタブなんて、グラフィックメインのデザイナーかイラストレーターくらいしか使わないもの。




というわけで、ここではタブレットPCの意味で「タブレット」と言うことにしますね(いちいち断るほどのことでもないけど)。

あー、そうそう。前回の記事で「iPad miniのサイドのベゼルが細すぎて持ちにくい」という話を書いたところ、読者の方から「この筆者は、iOS6の指認識機能を知らんのか?」とご意見を賜りました(笑)。
< http://news.mynavi.jp/articles/2012/11/03/ipadmini_review_3/index.html
>

知らんかったわけではないんですが、この機能は、「一方の手が画面に触れていても、動かさなければ『ただ持っているだけ』と判断して画面に触れていることを無視しますよ」という機能。要するに、あくまでも両手で使うこと前提の機能なんですね。

繰り返しになりますが、前回の記事は「外で、片手で、コンテンツ閲覧が最もしやすい」という基準で機種選定を行ったので、この機能はあってもなくても同じだった、というお断りをさせて頂きます。

ただちょっとだけこの機能に物言わせてもらうと、「どうせ鷲掴みが難しいサイズにするんなら、多少大きくなってもサイドのベゼル広くすればよかったじゃん」と思うわけです。

どうも、ハード的な不具合にソフトウェアで絆創膏貼りました、みたいな感じに見えてしゃーないのですね。画面にかかった指の下にある文字や絵を見るために、どのみちその指を動かさなきゃいけないわけですし。

最初のiPadが出た時、左右のベゼルが広すぎて不細工だ、という感想が一部で聞かれましたが、実際手にとって、縦位置・横位置で使ってみて、「なるほど、ベゼルは上下左右同じくらいの広さが必要なんだ」と納得した覚えがあります。このあたり、ジョブスが生きていたらなんて言ったのかな。

あ、横道にそれたついでに書いちゃいますが、iOS6にアップデートした途端に、バッテリーの消費量が半端なく増えちゃったという人は多いと思います。

オレのiPhone4Sもご多分に漏れず、バカみたいにバッテリーを消費するようになりまして(朝満充電で家を出て殆ど使わなくても昼過ぎには10%切ってるとか)、あわててネットの情報漁ったんですが、どうも、インデックスを作るのに、裏でSpotlightのプロセスがガンガン走っているらしい。その証拠に、なーんにもアプリ立ち上げずにただポケットに入れているだけで、iPhoneがカイロくらい暖かくなっているってことが度々ありました。

ただし、一度完全に検索用のインデックスカタログができてしまえば、バッテリーの持ちは以前の状態に戻ります。オレのiPhoneは、一週間くらいでほぼ以前と同じような状態に戻りました。てなわけで、あわてずにしばらく待ってみてください。データの少ない人なら、2日くらいで以前の状態に戻るはずです。

要するにiOS6では、これまでとインデックスのフォーマットが変更になったので、古いインデックスを捨てて新しく作りなおさなきゃいけなかったということで、メモリにデータがいっぱい入っている人ほどインデックス作成に時間がかかちゃうわけですが、これ、Appleはリリース前からわかってたはず。

「アップデート直後はバッテリーの持ちが悪くなりますが、数日間でもとに戻るのでちょっとだけ我慢してね」って一言アナウンスを出すべきだったと思います。

さて、横道が長くなりすぎましたが、本題のタブレットの話、とくに電子書籍リーダーとしての話を書きたいと思います。

以前から、早くすべての本が電子書籍になればいいと公言してきましたが、ようやく出版界がその入口にたどり着いた観があります。ただ、新刊本が電子化されて紙の書籍と同時にリリースされるようになるまでは、まだまだ時間がかかりそうなので、著作権が消失している無料の青空文庫から一冊と、すでに読んだことはあるけど、何度読み返してものほほんと読めるエッセイ集を一冊買ってみました。

[盗まれた手紙]エドガー・アラン ポー 著 < http://goo.gl/uR47A
>
[ザ・万歩計]万城目学 著 < http://goo.gl/qwtKZ
>

リーダーアプリはもちろんAndroid版のKindle無料アプリです。
< http://goo.gl/V2VZI
>

ベース(紙)の色、文字の大きさ、行間などがカスタマイズできるので、老眼が進んできた目にはある意味紙の本よりも読みやすかったりします。ただやっぱり、Webのコンテンツとは違い、書籍の場合は画面(文字)を凝視している時間がかなり長いですから、RGBの透過光でかなり目が疲れるのも事実。続けて数十分読むと、眼の焦点が固定してしまったような感じで、けっこうクラクラきます。

やはりこのあたりは、リーダーとして開発された専用端末のほうがよさそうだということで、年末年始の読書用に、Kindle Paperwhiteを注文してしまいました(笑)
< http://goo.gl/ZgeRC
>

以前、英語版のKindleを見せてもらった時、E-Inkスクリーンの自然な見栄えにちょっと感動した覚えがあるので、Kindleを買うなら、Fire HDじゃなくてPaperwhiteだと思ってたわけなんです。

ところが、いざ発売開始されて、あちらこちらで「届いた」報告が聞かれるようになっても、待てど暮らせど現物が送られて来ません。アカウントサービスで確認してみると、「1/6出荷予定」orz...「年末年始の読書用」だったのにー。どうも注文するのが遅かったようです。。。

まぁ、ないものはしょうがないので、Kindleアプリを使ってみた感想を続けましょう。

長所は先に書いた読みやすさと、クラウドに購入書籍を置いておけるので、端末のメモリが少なくても、ネット上にある本棚から読みたい本を引き出して(ダウンロード)、読み終わったら本棚に戻す(端末から削除)感じで読めるのが気楽でいいです。

もう一つは、行儀が悪いですが、「メシを食いながら読める」こと(笑)紙の本でもメシ食いながら読んでたりしたんですが、どうしてもページを押さえておかないと本自体閉じてしまうんで、読むのにも食うのにもけっこう工夫が必要なんですよね。

その点、タブレットだと机に置いたまま片手の人差し指だけで読み進められるのが吉。これって、レシピ本見ながら料理とか、解説書見ながらアプリの独習とかにも非常に便利だと思います。

逆に短所ですが、やはりアプリとしての完成度が低く感じてしまうところですね。ページめくりのトランジションはなく、単にスライドするだけなので、イマイチ「本を読んでいる」感に乏しい。せめて、iBooksくらいのページめくりアクションが欲しいところ。

また、ホーム画面で本を選び、実際に読み始められるまでのタイムラグが長いし、逆に途中で読むのをやめてホームに戻りたい時もやはり時間が掛かる。おそらく、別の端末で読む際にも、どこまで読んだかのページ数などを同期するために、サーバにアクセスしている時間だとは思うんですが、もうちょっとスマートなやり方があるんじゃないか(アプリを閉じた後、裏でインデックスの受け渡しをするとか)と思ってしまいますね。

で、どうもテキスト物であまり他に読みたいのがなかったため、コミックを買ってみることにしました。以前から読んでみたかったけど、すでにそこそこの巻数が発行されているので、物量的に買うのをためらっていた「進撃の巨人」というコミックです。

[進撃の巨人]諫山創 著 < http://goo.gl/bc3ok
>

とりあえず1巻だけ、と思って買ってみたら、面白くて次々と6巻まで全部買って読んじゃいました(笑)。

コミックを電子書籍として買うのはけっこうイイかもしれないですね。コミックってかさばるし、だから引越しの時とかに雑誌に次いで処分対象になるし、捨てたり売ったりしてしまった後で読み返したくなって、文庫で買い直すとか(笑)クラウドにおいておけるなら処分する理由がなくなります。

あと、テキストを読むより目の疲れは少ないので、KindlePaperよりは、カラーディスプレイ搭載端末のほうがイイかもしれないですね、カラーページものも出てくるだろうし。

反対に、こらアカンな、とおもったのは「見開き」です。マンガなんで、インパクトのあるシーンではページ見開きで大ゴマを使ってるわけですが、縦位置で持って読んでるとこれが分断されてしまうんですね。

そのシーンだけタブレットを横向けにして見開きを見渡せるようにして読むわけですけど、そんなコマって大抵の場合、セリフが「うわああああああ!」だけとか、擬音で「ズガガガガガガガッ!!!」だけとかなんで、一瞬見ただけでまた元の位置に戻すとか面倒くさいw さらに横だと絵が小さくなるんで、せっかくのインパクトが台なしってことも多々あります。

ただこればっかりは、作者様がタブレット専用に考えて書いてくれないことにはどうにもなりませんわな。。ここから先は、まつむらさんのテリトリーなんで、今回は足を踏み入れずに退却することにします(笑)

年が明けて、Kindle Paperwhiteが届くのが楽しみです。使ってみて思うことがあったら、またしつこくタブレットの話を書くかもしれませんが(笑)

さて、今年のオレの原稿はこれでおしまいですので、少し早いですが、年末のご挨拶をさせて頂きますね。

それでは、みなさま、良いお年を。(^_^)/%7E

【笠居 トシヒロ/WEBディレクター、デジハリ大学院客員教授、京都嵯峨芸術大学講師】
< http://www.mad-c.com/
> < kasai@mad-c.com >

Kindle Paperwhiteだけじゃなくて、冬用に注文したニットも発送予定がクリスマスあたりとか。。orz
さ〜む〜い〜よ〜(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル