まにまにころころ[20]過渡期を楽しむ
── 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito ──

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無事に森和恵さんとのマンガ対談をお届けできてほっとしてたら次の締め切りがもうやってきてあたふたしてる川合です、こんにちは。

前回のまにころで選挙のこと少し書きましたが、みなさん投票行きましたか? これを読まれている頃にはヤフトピなどが選挙結果で賑わってると思いますが、自民党の圧勝でしたね。単独過半数を軽く超え、連立相手の公明党と合わせて衆院の3分の2である320議席を上回って。これで自公が衆院で通した話を参院に差し戻されても、押し通せる数になりました。

自民圧勝というか、民主壊滅、といったほうが正しいかもしれませんね。比例では民主は維新にも破れたそうで。3年ちょいの民主政権がどんな風に思われていたのかが、実にはっきりと分かる結果になりました。

それでも50議席ほども取れているのが不思議なくらいですが、もう解党してやりなおしたほうがいいんじゃないかってほど負のイメージ背負っちゃいましたね。それなりに力ある野党も必要だと思うので、ちょっと不安になるくらいの結末。

できもしないマニフェスト掲げて散々だった民主党政権でしたが、そもそもの問題を作ったのは自民だったわけなので、この先どうなるかはずっと注視する必要がありますけども、その辺のことは自民も分かってるはずなので、今後の行動にひとまず期待するしかありません。

期待するしかないというか、祈るしかないというか......ほんとは政治のことなんか誰も関心なくていいくらいに、安心して任せっきりで過ごせるような鼓腹撃壌の世の中だと一番なんですけどね。




◎──本棚を眺める

さて、選挙の話はこれくらいにして、また本の話でも。これを書いているのはちょうど選挙の夜(というかそろそろ翌朝)なんですが、私は実家に帰省中。といっても実家も大阪で、頻繁に帰ってるので、何も特別感はありませんが、実家に帰ると、実家の本棚が私を待っています。

そこから本を取り出して読むことはあまりないですけど、本棚を眺めるのが楽しい。整理もせず雑多にあれこれ並んでるだけですが、本棚を眺めるのは自分の過去を振り返る感じです。読んだ時や買った時のことを色々思い出したり。

買っただけで読んでないまま本棚に眠ってる本もたくさんありますが、それも含めて、手にした当時の自分を思い出します。あまり整理されてないほど、その本棚はその持ち主の歴史を感じられるタイムカプセルになるような気がします。だいたい同時期に買った本が、同じあたりに並んでるので。ま、別に整理されてても、思い出せばいい話ですが。

◎──本棚を育てる

本棚を作るというか、本棚を育てるというか、本棚に本を並べていくのもまた、本好きの楽しみのひとつですよね。あまり整理されてない本棚が云々って書きましたが、私も時々は整理します。その整理の形跡もまた歴史のうちで、眺めてて楽しい要素の一つ。並べた時の興味や心境が棚に反映されたりしますし。ああ、もう、見てるだけでにやにやしちゃいます。本棚バンザイ。

本棚もタイムカプセルですが、なかなか本を捨てられない性分の私の本棚には、20年くらい前の雑誌なんかも一部残ってたりで、それはまさにタイムカプセル。『アニメディア』、『ニュータイプ』、『アニメV』、『コンプRPG』、『ドラゴンマガジン』、『ザ・スニーカー』などなど、タイトルだけでも当時の自分が何に興味持ってたのか分かりますが、手にとって開いたりするともう、過去に絡め取られてしばらく帰って来られません。(笑)

◎──電子書籍のライブラリ

たぶん、電子書籍のライブラリも、長く育てると楽しいと思います。一覧性は望めませんが、物理的制約がないので何冊でも収められるのが魅力的。ただ、難をあげるとすれば、「長く育てられるのか」という不安が。

そのサービスが、10年、20年と続いているかどうか分からないので。分からないというか、ほぼ確実にリアル本棚のようには歴史を刻めないだろうと思われるのがちょっと。そこをなんとかできるようになる日も来るかも知れませんけどね。そのうちに。

◎──紙とデジタルデータ

今のところ、まだまだ「歴史を刻む」には、デジタルデータは不完全な技術で。昨日今日発行されたような電子書籍が、何らかのトラブルで原稿もろとも吹き飛ぶこともありうるし。1000年前の源氏物語は残ってるのに。

写真もそうで、最近の子なら、生い立ちを記録したアルバムデータがまるまる消失したような残念なトラブルもきっと起こってるはず。坂本龍馬の写真は今も残ってるのに、10年前の自分の写真は残らなかったという悲劇。

クラウドだなんだと言っても、まだ当分は、データの世界に完全移行するのは難しいし、避けた方が賢明です。

◎──過渡期を楽しむ

デジタルは不安だといってアナログを礼賛するような意図はなくて、今まさに過渡期だと思うんで、それを楽しみたいなと。たぶん、このまま平均的に天寿を全うするとして、それでもまだ過渡期が過ぎてるかどうかってくらい、時間かかる話で、その間に色んな試行錯誤が繰り返されるんじゃないかと思います。

本音を言えば、とっとと落ち着いて欲しいですが、無理なものは無理なので、ならばもうそれを楽しむしかほかにない。ここで話を最初の最初に戻しますが、政情だって過渡期。20年から失ってるみたいですけど、まさに歴史の過渡期を体験してる世代です、私たち。

これまたとっとと落ち着いて欲しいんですが、やはり、無理なものは無理なので、ならばもうそれを楽しむしかほかにない。まあ技術と違って、政情が過渡期じゃなかった時代なんてあるかと言われるとちょっと微妙ですけども、これほどに目まぐるしく変化する時期はさすがに、なかなかないんじゃないかと思います。

不安を数えればキリないですが、適当なところで開き直って、楽しんでいきましょ。変化がないよりもあったほうが、あとで本棚眺めて振り返ってた時も、きっと面白いと思いますよ。

◎──よいお年を

ということで、ここらで今回のまにころはおしまい。これで今年は最後ですね。来年もゆるゆるな話が続くと思いますが、本の話はやっぱり多いと思います。みなさんも年末年始、ちょっと時間をとって読書してみてください。

では、そんなこんなで、みなさんよいお年をー。来年も宜しくお願いします☆

【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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