Otaku ワールドへようこそ![167]女装者におけるA面とB面/GrowHair

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年末年始はずっとA面で過ごした。A面というのは専門用語で、男性が女装している状態のことをさす。男性が男性の服装をしている状態をB面という。Before と After の頭文字から来ているらしい。

一年半ほど前、初めてセーラー服を着て公共の場へ出たとき、ものすごくびっくりする人や、露骨に大笑いする人が多くいた。けど、最近は、そういうことはめったになく、ほとんどの人が何事もなかったかのようにスルーするようになってきた。女装者がごく普通の存在として社会的に受け入れられるムードになってきているのだろうか。

ところが年末年始は、久々に、よく反応された気がする。普段めったに外出しない人が、この時期はよく外出するのだろうか。あるいは、地方から来ている人が多かったのだろうか。あるいは、昼間っから酔っぱらってる人が多かったとか。

一昨日、1月16日(水)にまつむらまきおさんが「だいたい、男の服というのはポケットが多すぎる」と嘆いているが、思わず、密かに女装を趣味としているのではなかろうか、と勘ぐってしまった。だって、比べるもんがないとなかなか気がつかないよね? 私はよく、女の服、ポケット少なすぎ〜と嘆いているもんで。まつむらさん、だいじょうぶですよー、カミングアウトしても。
< http://bn.dgcr.com/archives/20130116140300.html >




●[A面」多様な指向の女装者が一堂に会するイベント

12月30日(土)、新宿の風林会館にて「都内最大規模女装イベント」と謳った「プロパガンダ」が開催され、女装者を主体とする約300人が参加した。5階の会場は、かつてグランドキャバレー「ニュージャパン」として使われていたホールであり、ふかふか絨毯やきらびやかな照明の備えられたゴージャスな空間である。
< http://propaganda-party.com/ >

ところで私は、A面仲間を見つけて一緒に過ごしたいという指向に乏しい。ここは女装が標準ですよ、という環境に身を置くことで安心したいという思いもあまりない。また、A面を束ねて天下統一したいという野心も全然起きない。

むしろ逆で、同じA面どうしだからといって、こいつは仲間じゃないぞ、ってやつがたまにいるので用心しなきゃ、という思いがある。昨年3月11日(日)には、非番の警察官がセーラー服姿で、東京都武蔵野市のマンション内のエレベータに乗り合わせた帰宅途中の女子高生に対して下半身を露出して「見てください」と言ったという事件が起きている。

また、今年の1月15日(火)には、愛知県名古屋市の無職の33歳の男性が女性になりすまして「婚活サイト」で知り合った男性から現金50万円をだまし取るという事件が起きている。被害に遭った三重県の47歳の男性は、女装したこの男性と数回会っているが、「女性と信じて疑わなかった」という。いずれも犯人は逮捕されている。

なので、私は、このイベントに行ったのは、自分が楽しみたいからというよりも、後学のためには一度くらい女装が標準な風景とはどんなものか見ておいてもいいかな、という思いからであった。だいたい、知った人が一人もいないであろう大パーティに単身乗り込んで行くなんていうのは、安心どころか、勇気が要ったぞ。

つい最近、二人の人から続けざまにこのパーティのことを聞いたことで、行ってみようかな、という気になったのである。最初は、12月13日(木)に放送作家の勅使河原ゆみさんから。勅使河原さんとお会いした話は前回書きましたね。
< http://bn.dgcr.com/archives/20121221140000.html >

二度目は、イベントの前日12月29日(金)に(株)パブセンスの編集長である井戸隆明氏から。渋谷の「Bar & Gallery 70 Mantas」にて開かれていた、写真家・岩切等氏の個展のクロージングパーティの場においてお会いしている。

この個展では、岩切氏の写真の被写体は、写真家・吉永陽一氏であった。吉永氏は「空鉄」をキーワードに、鉄道風景を上空から見下ろして撮影している。セスナ機をチャーターして撮るのだそうである。そして、撮っているその姿は、女装。岩切氏の展示を見たとき、言われるまではてっきり被写体は女性だとばかり思っていた。笑顔が実にチャーミングなのである。
< http://www.fukuju-net.co.jp/ > 吉永氏のサイト

そのパーティに来ていた井戸氏を岩切氏が紹介してくれた。井戸氏が作っている雑誌、私はすでに2冊ほど持ってました。女装美少年総合専門誌「オトコノコ時代」。
< http://www.otokonoko-club.com/model.html > 閲覧注意

この日、私は仕事帰りであったが、途中でB面からA面に変身してきていた。なんだかんだでみんな女装関連でつながっている。

前置きが長くなったが、そのような運命の糸に導かれて、私は「プロパガンダ」に行ってみたのである。例によってセーラー服姿で。その場にも更衣室は用意されているのだが、私はこの日は朝からずっとA面だった。歌舞伎町の「きづなすし」で一人で食べててすっかり遅くなり、会場に到着したのは開場から30分過ぎた10:30pmごろだった。すでに人が大勢いる。

入ったらいきなり知った人から声をかけられた。浅草橋のギャラリー「パラボリカ・ビス」のイベントなどでときどきお見かけしている女性。この日は、ミニスタジオを作って、女装者たちの写真撮影を担当されていた。私も撮っていただきました。

別の知り合いからも声をかけられた。女装しているMさん。7月にフランスで開催された「ジャパン・エキスポ」でお会いしていたのであった。帰ってから、メールをやりとりしていたが、会うのはフランス以来。

「オトコノコ時代」の井戸編集長もいらしていて、声をかけていただいた。なんと、知り合い、けっこういるじゃん。パーティの様子は、「プロパガンダ」のサイトの[ギャラリー]に写真が掲載されているので、勇気のある方はご覧ください。
< http://propaganda-party.com/ >

一口に女装といっても多種多様ですね。男性の痕跡をわざとのようにあちこちに残し、汚さを強調しているフザケた女装者もいるし。あ、私もか。しぐさまで含めてどっからどう見ても女性な人もいるし。うらやましいぞ。指向のベクトルがばらんばらんで、よく反目しあわないな、と思う。まあ、全部集めたって社会全体からすればマイノリティなんで、しょせんはひとくくり、という連帯意識が生じるのかもしれない。

このパーティの特殊なルールとして、女装した人は女子トイレに入ることになっている。それはなかなかない機会。入ってみたら、居合わせた二人は正真正銘の女性だった。うわなんだか気まずい。ワタシ、もしかして神聖な女子トイレの空気を汚してませんか?

うち一人は、戻ってからも席が近かったので、女性なのになぜこのパーティに来ているのか聞いてみた。なんと、女装する彼氏が作りたいから、と。えーっと私もいちおう女装してるんですけど、いかがでしょうか。残念ながら、私みたいな女装は彼女の基準に合っていなかった。あーやっぱり。うーん残念。女子トイレからロマンは生まれなかった。

時空間のゆがんだような、大変妙な場ではあったけど、多様な刺激に満ちて楽しかった。このときに初めてお会いした方と、翌日、コミケ会場でばったり再会、なんてこともあった。やっぱ時空間、おかしいね。あ、コミケもか。

このイベントは毎月最終土曜日に開催されていて、次回は1月26日(土)だ。

●[B面]会社の遠足でJAXA相模原キャンパスへ

自慢になっちゃうけど、私が勤めてる会社、つくづくいい会社だなぁ、と思えることがある。いい会社といっても、めちゃめちゃ給料がよくて田園調布に家が建つというわけではないし、めちゃめちゃ有名で花嫁志願者がわらわらと寄ってくるというわけでもない。けど、時として、やることが突拍子もなく突き抜けてて楽しいのである。

いや、会社全体が、ってわけではなく、私が所属する部署が、ってことなのかもしれないけど。年中行事として遠足があるのである。そう、「おやつは300円まで」、「先生、バナナはおやつですか?」の遠足である。勤務時間中、午後いっぱい、20人ほどでぞろぞろと、どこかへ出かけてくるのである。どうです? 大胆でしょ?

別にこそこそと抜け出すわけではない。だいたい20人丸ごといなくなってて、ホワイトボードに書かれた行先がみんな同じではこそこそもへったくれもないわけで。交通費も堂々と会社に請求、である。大義名分としては、日々の業務に捉われず、異分野における課題解決への取り組みに触れ、その精神に学び、ポジティブな刺激を受け、もって職場の活性化と業務のパワフルな推進を図る、ぐらいかな。ま、理屈と膏薬はどこへでも付く、と言いますわな。

今年はその実行委員長の大役を仰せつかった。行先の選定から取り組んできた。候補は幅広くいろいろ考えたのだが、コミケは時期が悪いし、秋葉原萌え萌えツアーは大義名分が難しい。メンバーの希望なども勘案し、JAXA(ジャクサ)相模原キャンパスに決まった。

「空へ挑み、宇宙を拓く」JAXA。「独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace Exploration Agency)」。2003年10月、宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所 (NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)が統合されてできた機関で、宇宙航空分野の基礎研究から開発・利用に至るまで一貫して行う。

小惑星探査機「はやぶさ」が、さまざまな苦難を乗り越え、予定より3年遅れて2010年6月13日(日)に「イトカワ」から採集したサンプルを抱えて地球帰還を果たしている。この快挙は人々の感動を呼び、その年の夏のコミケでは「はやぶさ」に扮するコスプレイヤーが現れたほどである。
< http://news4vip.livedoor.biz/archives/51599237.html >

そう言えば、デジクリにコラム「わが逃走」を連載する齋藤浩さんが信州は佐久市臼田にある JAXA臼田宇宙空間観測所の巨大パラボラアンテナを見てきて、2010年5月20日(木)にレポートしてましたな。

あの時点では、帰還の途上にあるはやぶさと、あのアンテナで交信していたのですね。齋藤さんほどの強い思い入れではないかもしれないけど、私も巨大な建造物が高精度で制御されて動くさまには、いくばくかのロマンを感じまする。
< http://bn.dgcr.com/archives/i/20100520140300.html >

JAXAは東京近辺では調布や筑波もあるが、相模原キャンパスにははやぶさの実物大模型があるということで、そこにした。事前に申し込んでおくと、約一時間のガイドつきツアーを無料で催してくれる。

ガイドは台詞を覚えてきただけのおねえちゃんではなく、実際に研究開発にたずさわってきた後に現役を退いたOBということで、技術的に踏み込んだ質問にも答えてもらえるのがポイント高い。

1月11日(金)、昼休み中に三々五々職場を抜け出し、東急線とJR横浜線を乗り継いで、淵野辺へ。なんか童心に帰った気分で、浮き浮きムード。淵野辺駅から一時間に3本しか出ないバスを待ったが、待ちきれずに歩いた組のほうが先に着いていた。

売店で、JAXAグッズなどを見た後、3:00pmからガイドツアー。案内してくださるのは、ロケットエンジンがご専門だったという、H田氏。腰が低く紳士的であるとともに、飾らず気取らずエンジニア然として、ものごとを客観的な視点で説明する明晰な語り口がたいへん好ましい。

JAXAの紹介映像を見たあと、パンフレットの図を参照しながら歴代のロケットと衛星について説明してくれた。その後、展示物を見て回ったが、やはり大部分の時間ははやぶさの模型の前で費やされた。かっちょいい、と言いたいところだが、なんか笑っちゃうくらい手作り感満載な感じ。太陽からの放射線や紫外線から機体を守るために金箔が貼りめぐらしてあるのだが、なんかヨレヨレで、風が吹いたら飛んじゃいそうだし。

実物のほうは、大気圏突入の際に閃光を発して燃え尽き、2万℃の高温に耐えるカプセルだけが回収されている。イトカワでは、サンプル採集のための弾丸が発射されないトラブルがあり、一か八かで接地の際に舞い上がるホコリの採集を試みていた。カプセルには微小な粒子が入っており、後日、イトカワ由来のものであると確認されている。

光の速度は秒速約30万kmだが、イトカワまでは約3億kmあり、通信が往復するのに約34分かかる。はやぶさにコンピュータプログラムを送り込んで動作テストする作業がいかに大変だったかがうかがわれる。

特徴的なのは、太陽光のエネルギーを推進力に変換するイオンエンジン。これの説明はもっと詳しく聞きたかったが、時間が限られてたのが残念だった。概略的には、キセノンガスから電子を剥奪してプラスイオン化し、電場を通すことで加速し、その反動で推進力を得るという仕組み。プラスイオンをそのまま噴射したのでは、マイナスに帯電した衛星と引っ張り合ってしまうので、噴射する際に電子で中和して放出する。

キセノンは燃料ではなく、あくまでも推進剤。エネルギーは太陽光からもらう。搭載したキセノンはわずか66kgとのことだが、それっぽっちで、十分な推進力が得られるのだろうか。いったいどれほどの速度で噴射するのだろう。

噴射するキセノンはごく一部であって、大部分は効率的に循環再利用させているという話のようだが、そんなことって可能なんだろうか。ぐるぐる回してるだけじゃ、推進力にならないような気がするんだけど。ブレーキは、どうやってかけるのだろう。電車だったら、減速する際には、運動エネルギーを再び電気に戻して架線に返しているけど、それに相当することはできないのだろうか。

もし、逆向きに噴射するしかないのだとしたら、加速にも減速にもエネルギーを使っていることになるけど。その場合、中間地点までは加速し続けたとしても、後半ではブレーキをかけ続けなくてはならないってこと?

往きはスイングバイ航法により、地球の公転からエネルギーをもらって加速しているけど、帰りはできないよね? 自力で加速するしかないってこと? 疑問が次から次へと湧いてきて、質問攻めが終わりそうにない。遂には時間切れ。

けど、帰ってから自力で調べようにも、なにぶん専門外なもんで、どこに答えが書いてあるのか、見当もつかない。H田氏から我々への特別オファーなのだろうが、質問しきれなかったことがあれば、後日、メールで送れば調べて回答しますと言ってくださった。

すでに現役引退しているのに、ご本人も一緒に勉強したいとのことで、その知への意欲には深く感じ入りました。もともと無料のツアーなのに、そこまでしていただくのは心苦しすぎる、と思いつつも、質問メールをお送りしてしまいました。

最後に、人類の歴史にとって、地球外生物との遭遇って、一大イベントに違いないが、それってそろそろなのではないだろうか。それに関するH田氏の見解は、......むにゃむにゃむにゃっとはぐらかされてしまった。そりゃ、JAXA職員の立場からでは、答えづらいですね、ははは。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。

現役女子高生のトモエ(仮名)は、その日、黒の革ジャンを羽織っていた。いつものブレザーは、暮れからずっと科捜研に入っているのだという。おいおい、何があったんだよ?

痴漢に遭ってムカついたんで、とっ捕まえて警察に突き出してやったんだそうで。犯人が事情聴取を受ける間、トモエも同席させられ、それは夕方5時から深夜1時にまで及んだ。カツ丼は出なかった。腹が減ったら、自分でコンビニ行って何か買ってこい、と。帰りは白黒のタクシーで自宅まで送ってくれた。犯人には令状が発行され、まだ勾留されている。

以前に地元で小学2年生の女児の体を触って逮捕されている。そのときは起訴をまぬがれたが、示談金30万円は親が払ったらしい。東京に出てきてからは、写真モデルを募集するネットの掲示板で、複数の名前とメールアドレスを使い分けてモデル募集を装い、児童買春を目論んだりしているらしい。

今回は起訴するぞとがんばっている。犯人は肩に触れようとしただけだと言って犯行を否認していた。ブレザーから犯人の指紋は検出されなかったが、なんと、犯行現場が防犯カメラにしっかりと写っていた。それを見せられた犯人は、観念して犯行を認めた。

こういう危険かつ懲りない輩が世の中にはいるので、モデルになりませんか、といったお誘いにはじゅうぶんに気をつけましょう。

コミケ2日目に撮られた私の写真が「MCまとめこむ」に上げられてる。撮られるのも上げられるのも全然OKなんだけど、コスプレではなく、普段着なので、そこんとこのご理解、ひとつよろしく。そういえば、同人誌エリアで、女性から、真面目な顔で「すごくよくお似合いですよ」とほめていただけた。あああありがとうございます〜。たぶん、かなり頻繁にこの恰好で出歩いているもんだから、自意識過剰になることなく自然に振舞えるようになってきたってことではないでしょうか。
< http://mc.matome-complate.com/archives/21763775.html >