●メイン材とサポート材
3Dプリンタを使用するにあたって認識したいの所が、何もない空間の上には物は積めない、ということである。
例えば、テーブルのようなオブジェクトの場合、脚はそのままプリント出来るが、天面の下には何もない空間があるので、そこには何も積むことは出来ない。
そこでサポート材を積層し、その上に本体である天板の素材を積んで行くことになる。つり上げる方法のプリンタもあるが、それももちろんサポート材が必要となる。
サポートもまた、メイン材と同様に積層する必要があるので、出力に要する時間は倍、又はそれ以上の時間が必要なるのである。これ重要。
それから、メイン材とサポート材が同じ素材であると、「ハガレない」という致命的な現象が起きるので、異素材である必要がある。
●"私的な印象 その1"
それでは、3Dプリンタを、おおまかに「UV硬化性樹脂」「樹脂を溶かしながら積層」「石膏を薄く敷いて固める」の三つに分けて、その特徴を見てみることにする。
[UV硬化性樹脂]
紫外線を当てると硬化する液体に、紫外線をプロジェクタ等で当てたり、レーザーを当てて硬化させるタイプのプリンタである。
長所:このタイプは、積層ピッチが薄いものが多く、細かい造形を得意としている。積層ピッチが細かい(薄い)と細かい造形が出来る、というのを簡単に説明すると、段ボール紙を輪切り画像をプリントして切り抜いて貼付けて行くのと、コピー用紙に同じことをするのとでは、その滑らかさが違うことは容易に想像出来るかと思う。
光を一瞬で当てるので、硬化時間がかからず、ある程度高速なモデリングが可能かと思われる。
短所:このプリンタで使う液体樹脂は、紫外線を当てると硬化する。このことからも想像出来るように、出力したものをそのままの状態で光が当たる場所に置いておくと、薄い所と厚い所等の伸縮率の影響で歪みが生まれる。
上から塗装したり、暗い所に置いたりしておく必要があるが、どちらにしろ長期保存には使えない。材料のUV硬化性樹脂が高額で、ランニングコストが結構かかる、ということも言える。
以上の結果から、形状の確認等の短期的な商品開発にはもってこいのプリンタであると思われる。
次回は私がメインで使っている「樹脂を溶かしながら積層」タイプ。「石膏を薄く敷いて固める」タイプのプリンタの一長一短をレポートしたい。
【織田隆治】
FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp
>
今回は「UV硬化性樹脂」を主観入りまくりで紹介してみました。次回は、残りの二つを私の主観で「サクっ」と紹介します。