3Dプリンタ奮闘記[06]3Dデータの制作について/織田隆治

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前回、サラっと3Dデータについて書いたが、もう少し述べておこうと思う。

一般的によく言われる「3DCGで使用するモデリングデータ」は、表面だけを皮一枚のスキン、もしくはポリゴンで見せるものが多く、それは「サーフェスのデータ」となる。

3Dプリンタで出力出来るのは、中身の詰まった体積のある「ソリッドのデータ」が必要になる。同じ見え方でも、この「サーフェス」と「ソリッド」というのは全く違う。

例外もあるが、ザックリと説明すると下記のようになる。

「サーフェス」は表面だけを見せるものであって、中身はない2次元の世界。よく見る3DCGアニメーション等は、この「サーフェス」データが多い。

「ソリッド」は3DCADソフト等で、製品の設計等に使う。当然のことながら、製品を作る上での設計なので、体積を持つ、つまり厚みのあるデータとなる。

3Dデータを3Dプリンタで出力して欲しい、とご依頼を頂くことが多いが、サーフェスデータで閉じた形状になっていないデータを送られて、出力が出来ない場合も多い。

これは、まだ3Dプリンタが一般的に浸透しておらず、3DCGを作っている人でも馴染みがないためだと思われる。




世の中には、基本的に厚みのない物は存在出来ず、必ず体積が必要になる。ということを念頭に考えれば、自ずと理解出来ると思う。

そこで、3Dソリッドデータがあれば簡単に出力出来るのか? とも思うが、また出力にも、そのプリンタの特性があり、出力する前に調整が必要になる。

なんでやねん? と思うのが当然。

それは、そのプリンタに応じた配置や分割をしてやる必要がある。
サポートの有無。
出力時間の短縮。
後加工の出来るだけ不要な配置。
等、色々と考えてデータを制作する必要がある。

僕が使用している3Dプリンタは積層タイプとなるので、サポート材が必須となる。しかし、すべてにおいてサポート付きで出力した場合、いちいちヘッドを変えて(機械自体がやるんですけどね)出力するので、仕事に使うには時間がかかりすぎる。

そこで、どういったパーツ分割にして、どのように出力するかを検討し、出来るだけサポートを使わないで出力出来るかを考えた上でのモデリング、出力データの配置をして行くことになる。

この行程が3Dプリンタを使う最大のノウハウとなるのである。そのノウハウを理解することにより、3Dプリンターは最大の能力を発揮する、といっても過言ではない。

これは、3Dプリンタによって違って来るのは言うまでもない。Zプリンタを代表にする、粉体を主な原料となるプリンタは、その素材自体がサポートの役目をするので、比較的安易に出力が可能だ。

自動でサポートを生成出来るプリンタもあるが、サポート材をモデリングで制作する方が制作に時間がかからなかったりするので、この辺もノウハウになる。

つまり、3Dプリンタで出力する上での一番重要なポイントは、この『データ制作』なのではないか? と思う。

【織田隆治】
FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp >

今回は3Dデータの扱いと制作についてを主軸に紹介してみました。
次回は、実制作についてを題材にしたいと思います。