[3468] アメリカン・アイドルの新審査員たち

投稿:  著者:  読了時間:16分(本文:約7,600文字)


《おお! 私も装丁をお願いできるではないか!》

■気になるデザイン[93]
 鈴木久美さんのお仕事
 津田淳子

■装飾山イバラ道[119]
 アメリカン・アイドルの新審査員たち
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[98]
 まずISO感度を確認しよう
 岡田陽一




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■気になるデザイン[93]
鈴木久美さんのお仕事

津田淳子
< http://bn.dgcr.com/archives/20130423140300.html >
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私は書店で気になるブックデザインの本があると、それがどんな内容の本でも買ってしまうという悪癖を持っている訳ですが、そうして買った本には、変わった造本や印刷加工のものが結構多くある。

やはり、自分が『デザインのひきだし』というデザイン・印刷・紙・加工に関する本をつくっているということもあって、そういう本は「資料だし!」と自分の心に言い聞かせて、より財布のひもが緩くなるという傾向があるようだ。

でも、造本自体は一般的なものでも、そこに刷られたタイトルや絵柄、選ばれた紙など、その佇まいがすてきで買ってしまう本もたくさんある。

今回ご紹介する本も後者タイプの本で、カバーに刷られた装画が、どうにもどうにも気になって、書店で三度目に出会ったとき、ついに購入してしまった。

それが『はだかんぼうたち』(江國香織著/角川書店刊/1500円)。ブックデザインは鈴木久美さん(角川書店装丁室)。
< http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201002000127 >

とにかくこの装画のかわいさたるやっ! キジトラの猫が、首に王子様が付けるような蛇腹の襟をつけ、二本足ですっくと立ち、手(前足っていうのかしら)には赤ワインを持っている。

そんな堂々たる姿なのに、猫のお腹は一部、毛刈りがされて、そこには大きなガーゼの絆創膏......。何かけんかして怪我した後なのか、もしくはおできでもできて薬塗られたのか、とにかく間抜けなお腹をしているのだ。

裸の王様じゃないけど、立派ぶってるのに実は間抜け。そんな猫の絵は、この『はだかんぼうたち』のために描かれた絵ではなく、元々ありものだったそうですが、本書を読んだ後、「なんてぴったりな......」と思ってしまう絵でした。主人公を含め、登場人物の長編恋愛小説なのですが、どの人たちも「はだかんぼう」で恋愛に突き抜けて行く様が、この猫に通じるようで。

最初は、単にこの装画のかわいさで買った本でしたが、読んでみると、この猫のかわいさだけでなく、本書にぴったりな装画・装丁に、改めて「うん」とうなずくのでした(なんか私えらそうだな......)。

ちなみに、この本の装丁をされた鈴木久美さんは、今年の3月で角川書店を辞めた。というか、角川書店装丁室が解散となったのだ。

いつも気になり、何冊も鈴木さんの装丁された本をジャケ買いしてきたので、その話を聞いたときはすごく寂しい気持ちになりましたが、鈴木さんは来月から新しい会社でまた装丁を続けていく、という話を聞いて、「おお、そうなれば私も装丁をお願いできるではないか!」と、現金にもうれしくなったのでした。鈴木久美さんのこれからの仕事に、また目が離せないです!

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp  twitter: @tsudajunko

プロが現場で貯めた、デザインや印刷加工、そしてコストに関する「やりくりノウハウ」を余すことなく、大公開した『デザイン・印刷加工やりくりBOOK』が全国書店で発売中です!

デザインのひきだし・制作日記 < http://dhikidashi.exblog.jp/ >


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■装飾山イバラ道[119]
アメリカン・アイドルの新審査員たち

武田瑛夢
< http://bn.dgcr.com/archives/20130423140200.html >
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アメリカン・アイドルシーズン12の日本での放映も、候補者がしぼられてきて佳境を迎えている。ランディ・ジャクソン以外の審査員が一新したアメリカン・アイドルだけれど、男二人、女二人のバランスの良い体制になったと思う。

・アメリカン・アイドル シーズン12
< http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1583 >

ランディ・ジャクソンとマライア・キャリーがベテランの威厳と風格を与える役目、ニッキー・ミナージュは30歳ということで審査員の中では若手の新鮮さを加えている。カントリーシンガーのキース・アーバンは優しげなお兄さん的雰囲気で、意見が分かれがちな他の審査員のクッション的役割を担っているように見える。

●ぶっ飛んだルックスにはっきりした物言いのニッキー

黄色やピンクの髪色につけまつげの派手なニッキーは、現代的で若者の感覚をよく理解してコメントしている。お目目パチパチでバービー人形みたいだなーと思っていたら、過去に本物のニッキーのバービー人形が作られたこともあるんだそう。

日本でもファッションや見た目が派手なタレントが多くなったけれど、ニッキーも毎朝化粧やファッションの支度が大変だろうといつも思う。

ニッキーは物怖じというものを全くしないので、地方予選の時にはマライア・キャリーともためらわずケンカして、このまま番組を降りるのでは? と騒がれたりした。翌日ケロリとして現れたので皆が安心したけれど。

アメリカン・アイドルはオーディション番組だ。審査する自分が譲歩することで、目の前の誰かのチャンスが失われるなら、それは確かに言い分をのむべきではないだろう。

人は謙虚になっている場合じゃない局面もある。押すところと引くところのさじ加減をまだ体得していないニッキーに、好感を持った人も多いと思う。実際にその後のニッキーは、審査員として素晴らしい仕事をしている。

4人は音楽ジャンルや世代が微妙に違うことで意見は合わないことも多いけれど、広範囲に新人を発掘するためには審査員にも幅が必要なのだ。

以前まで審査員をしていたスティーヴン・タイラーは、見た目は悪そうでも審査そのものは紳士的だった。ニッキーはぶっ飛んだルックスにはっきりした物言いで、番組にインパクトを与え続けていると思う。

アメリカン・アイドルで優勝した歌手には、キャリー・アンダーウッドなどのカントリー歌手も多い。シーズン10では優勝のスコッティと、準優勝のローレンがカントリーだったし、アメリカの人って本当にカントリーが大好きなのだ。

国民感情に染み入るそういった想いは私にはわからないけれど、聞いていて心地良いコブシ回しや喉の使い方にうっとりすることはよくある。キース・アーバンが加わったのも、カントリーファンのためにもカントリーがわかる審査員が必要だったからだと思う。

●光り方がまったく違うマライア

マライア・キャリーは歌声もすごいけれど、存在感もすごくてどこかに必ず彼女専用のスポットライトがあると思わずにいられない。ダイヤモンドのせいなのか、ラメパウダーのせいなのかわからないけれどいつも光っているのだ。

スターのオーラと言ったらそうなのかもしれないけれど、横にいる3人だって相当なスターのはずなのに光り方が全く違う。カメラが寄っていない時でも、優美なしぐさでゆっくり動いているのが彼女らしい。審査も一人一人に丁寧にコメントをしていて、誠実で優しい人なのがわかる。

ジェニファー・ロペスが審査員を降りると知った時は、番組から華が消えてしまうと心配したけれど、マライア・キャリーのゴージャスさはまた別格のものがある。うちの旦那さんはジェニファーがいなくなっちゃったのが残念らしく、すっかり見るべきものがないといった態度だけれど。男ってはっきりしているものだ。

これを書いている時は、日本ではまだベスト6が決定したところ。私はなるべくアメリカの情報を入れずに、ネットでも結果を見ないように注意している。今年は女性が強いということで、アンジーかクリーが優勝するんじゃないかなと考えている。

シーズン11のフィリップ・フィリップスの時は、お気に入りの優勝だったので感無量だったけれど、同じように最終回まで興奮が続くと思う。GWに何をするかすっかり予定を立てそびれてしまった。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

ハワイのライオンコーヒーが気に入っている。ライオンの黄色い顔のイラストが派手なあのコーヒーだけれど、「バニラマカダミア」が一番人気ということでさすがに美味しい。

なくなったので「ジングルベルキャラメル」味の新しい袋を開けて飲んでみたが味の違いがわからない。もうひとつ買ってあるのは「フロスティバニラ」。これもきっと似たような味だろうけど、次こそ飲み切る前に比べようと思う。


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■おかだの光画部トーク[98]
まずISO感度を確認しよう

岡田陽一
< http://bn.dgcr.com/archives/20130423140100.html >
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関西では桜も散ってしばらく経ちゴールデンウィーク目前ですが、結構寒い日もあって体調管理が大変な今日このごろです。

さて、みなさんはデジタル一眼レフやミラーレス一眼などで撮影する時に、まず何を設定しますか?

絞り? シャッタースピード? 最近では、色をナチュラルやビビッド、モノクロなどにする設定や、ミニチュア風などにエフェクトをかける設定などもあります。「このシーンはこんな感じに撮りたい!」って感じたら、まずはピクチャーエフェクトの設定をするのかもしれません。

最近のデジカメは設定項目もたくさんあるので、どうなんだろうと色々と考えてみたのですが、やっぱり一番最初に設定するのは、「ISO感度」じゃないのかと思います。

ISO感度はほとんどのカメラで自動設定になっているので、普段あまり意識しないかもしれません。最近のデジカメは、暗い場所でシャッタースピードが遅くブレやすいシチュエーションになると、自動でISO感度を高く設定するようになっているものが多いです。

なので、設定項目としては忘れがちですが、実は重要なのでちょっと注目してみましょう。

フィルムで撮ってた時代。写真を撮ろうと思うとまず、カメラ屋さんに行ってフィルムを買います。24枚撮り、36枚撮りのチョイスもありますが、フィルムを選ぶ時にISO感度を見て購入していました。

晴れた日の屋外で撮影する時は、ISO100のフィルム、屋内で撮ることが多い日はISO400、夜や暗い場所で撮る場合はISO1600など。そう、フィルムの時代、撮影する際は最初に必ずISOを設定していたのでした。

ということは、デジタルになっても基本は同じです。以前、仲間と神戸花鳥園に花や鳥を撮影に行きました。望遠レンズを付けて、鳥が飛んでいるシーンを撮影しようと思うと、どうしても速いシャッターを切りたくなります。

そんな時はまず、なるべくISO感度を高く設定しておかないと、シャッタースピードを速いところに設定できません。また、花を撮る時に背景をぼかしたい場合も同様です。

逆に、鳥が飛んでるシーンでも躍動感を表現するために意図的に少しぶらして撮ったり、流し撮りをする場合は、少しシャッタースピードを遅くするのですが、絞りとの兼ね合いもあるので、まずはISO感度を先ほどより低めに設定するといいかもしれません。

では、ISO感度って何かおさらいです。

デジタルカメラの場合、ISO感度とはセンサーが光をとらえる能力を表す値です。デジカメはセンサーに当たった光を電気信号に変えて処理します。ISO感度を上げることは、電気信号を増幅することです。ISO感度を2倍にすると電気信号は2倍になります。

ISO感度の設定を200から400に2倍にすると光の量が半分でよくなるので、露出値で1段分(絞りだと1段開ける、シャッターだと1段速く)設定できます。

電気信号を増幅するのですから、当然弊害もあります。ノイズが乗ってきますので、画像が荒れて汚くなってきます。ISO感度は低いほどきれいな画像が得られます。

ノイズの入り方はセンサーの大きさにも関わってきます。iPhoneやコンデジの小さなセンサーでは当然光を受ける量が少ないので、高感度になるとノイズが目立ちます。逆にデジタル一眼レフなど大きなセンサーであれば、その分たくさん光を受けるので、感度を上げても比較的ノイズは目立ちません。

普段は、オートで撮影していても、いざ「こんな写真が撮りたい!」と思った時は、絞りやシャッタースピードを調節する前に、まずISO感度を確認するように心がけると、意図した写真が撮りやすくなると思います。

では、ISO感度について参考になるリンクを紹介しておきますね。

「デジタルカメラにおけるISOとは? 高いとどうなる?」
< http://allabout.co.jp/gm/gc/19762/ >
「ISO感度と写りの関係を理解する」
< http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1007/02/news024.html >
「デジカメのISO感度とは?」
< http://dcdb.nf4hou.com/kinou/iso.html >
「ISO感度とは」
< http://diji1.ehoh.net/contents/iso.html >
「ISO感度」
< http://ja.wikipedia.org/wiki/ISO%E6%84%9F%E5%BA%A6 >


【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41 >

6月30日(日)に開催する
「CSS Nite in KOBE, Vol.2〜デザイン再考(サイコー!)では、イベントの主旨にご賛同いただける企業・団体・個人のみなさまからのご協賛を募集しています。神戸・関西のWebを一緒に盛り上げてくださるみなさんの応援をお待ちしております! 協賛のメリットなど詳しくはこちら...
< http://cssnite-kobe.jp/sponsor.html >


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編集後記(04/23)

●昔の美少女ホラーといえば......ということで、もう美少女の顔も内容も忘れていた「キャリー」(1976)と「サスペリア」(1977)のDVDをレンタルして、二晩続けて見た(なにやってるんだか)。ところが、わたしの思いこみはみごとに外れた。キャリーは冴えない陰気娘で、とても美少女とは言えないし、「サスペリア」のスージーはいちおう美少女系ではあるが、眉が濃く、いつも目を見開いている。美少女ホラーという括りでは外れだな。「昔の」というのだけが当たり。

「サスペリア」はショッキング・ホラーの大ヒット作で、「決して、ひとりでは見ないでください」という映画公開時のキャッチフレーズを思い出す。しかし、今見ると恐怖度も残酷度もたいしたことはない。売り物であった恐怖を表す音楽がうっとうしく、実際の音響との境界がない。息を殺して部屋を廊下を進むときは、リアルな音だけのほうが効果的なのに、ジャンジャカ音楽や効果音が流れるのはどうにも不可解だ。主役の美少女をこれでもかというくらい徹底的に怖い目にあわせるべきなのに、それほどでもない。

「キャリー」はとにかく主役のキャリーに魅力がない。内気でのろまでやぼったい(化粧すると多少はかわいくなるが)。そういう物語だから適役ともいえるが、見映えしないこと夥しい。むしろ宗教狂いの母親のほうが美人である。かわいそうなこの二人だが、演技が評価されてアカデミー賞にノミネートされた。最後のカタストロフィ、前に見たときはもっと凄かった記憶がある。それにしても、弱い者に対する底知れぬ悪意といったら......。超常現象より普通の人の悪意のほうが怖い。男より女のほうが罪深い。

「キャリー」はリメイク版ができていて、日本公開は11月とか。予告編を見ると、こっちのキャリーはかなりの美人で、とても「いじめられっこ」らしくない。クライマックスはなんだかスカッと爽快に見える。scariest movies top30とかいう記事をどこかで見たが、6位に「キャリー」が入っていた。1位は「ローズマリーの赤ちゃん」、以下「ドーン・オブ・ザ・デッド」「エクソシスト」「The Ring」「ハロウィン」......次のテーマは「昔の恐怖映画」とするか。しかし、レンタルショップでは「旧作100円」が、けしからんことに軒並み値上げされているんだよなあ。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0048BP002/dgcrcom-22/ >
サスペリア
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000HOJSL6/dgcrcom-22/ >
キャリー
< >
キャリー リメイク 予告編


●昨日のエクセル話。Windows版Dreamweaverだと.xlsxをそのまま開くことができるらしい。知らなかった〜! 「.xlsxはOpenDocument Format(ODF)ですよ」との指摘をいただきました。ありがとうございます。日々の業務に直結している勉強優先で、エクセルは後回しになっています。もっと勉強しなきゃですね。

とか書いてるけれど、勉強時間がとれているかというと疑問。ちょっとずつ前進しているとは思っているが、キャパオーバー。キャパはまだ増やせるはずなので、心理面でのハードルがうんぬんかんぬん。とにかく時間の使い方と体力をつけるのと段取りと要領と容量〜。(hammer.mule)