まにまにころころ[35]ビジネス小説を読んでみよう/川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito

投稿:  著者:  読了時間:6分(本文:約2,800文字)


こんにちわん、コロこと川合です。いつの間にやら5月も終盤戦ですね。ああ、どうしよう、まずい。そうこうしているうちに6月になり、その6月が終われば、今年が半分過ぎてしまう。そんな焦燥感に苛まされてしかたない今日この頃。

ちょっと気を落ち着けて、ゆっくり本でも読みたいものです。

◎──といいつつ、速読の話

本の話をしたり書いたりすることが多いので、読むの速いんでしょうと、時々言われたりしますけれど、私はどちらかと言えば、読むのは遅い方です。普通に読めば遅い。でも、早めに読んでしまいたい時は、速く読みます。

世の中には速読術なるものがあって、書籍やセミナーも色々ありますが、別にそういった特別な技は身につけていません。速読術を身につけると10倍の速度で本が読めるようになるそうですが、トレーニングが大変そうなので、怠惰な私には向きません。努力してまで読みたくない。そこまで多忙じゃない。

そんな私でも、というか誰にでもできる、2倍速くらいで読む方法はあります。それは、普段の倍のスピードでページをめくること。いや、冗談じゃなくて。新書とかビジネス書が向いてるんですが、一回やってみてください。たぶん、やってみたら分かります。詳しくはまたどこかで。



◎──速読できない本

世間の速読術はどうか知りませんが、先に書いた我流の速読には向かない本があります。それは、小説などの物語や文学作品。それらは、一字一句読んで楽しむものなので。速く読むには、自然と読み飛ばすのがポイント。小説は、読み飛ばしちゃ楽しくないです。あらすじは理解できますけども。

◎──ビジネス小説

読み飛ばしが向くものと向かないものの間くらいにあるのが、ビジネス小説。そう言うジャンルが確立されてるのかどうか微妙ですが、小説仕立てで勉強になるよってな本です。「もしドラ」みたいなの。

あの手の本は、ざっと倍速で読んじゃうのもアリですし、じっくり読むのもアリ。その境目は、小説として面白いものか、そうでなくて分かりやすく伝えるために小説仕立てにしているだけで面白さはあまりないか、そのあたりです。

大抵は、面白さは二の次なんでしょうけど、それでもそれなりに楽しめる本が色々あります。そんな本は、自然とゆっくり読んでしまいます。読んでから、ああ読み飛ばせばよかったって本もよくありますけどね。

「もしドラ」は、読み飛ばしで十分。お話としては三流で、あれを映画にした意味が分かりません。まあ話題性はあったので、なんとかなると思ったのかな。あれだけ話題になった本で、あれだけ人気のあった前田敦子主演で、あれだけ大コケしたあたりからも、物語の弱さは推し量れますよね。大コケといっても、評判が悪かっただけで、そこそこの興行収入はあったみたいですが。

あ、物語はイマイチですが、本としては面白いので一読の価値はあります。
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◎──ビジネス小説あれこれ

なんにしても「もしドラ」のインパクトは大きく、あれでビジネス小説なる本の存在を知った人も多かったり、二番煎じ三番煎じが湧いて出たりしましたが、それ以前も色々な本が出てるんですよ。ちょっとそれらをご紹介。

・『ザ・ゴール』(エリヤフ・ゴールドラット)
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超有名なんで、名前を挙げたら「あ、ほんとだ、ビジネス小説だ」と分かった人も多いでしょう。これが日本で出たのが2001年。「もしドラ」は2009年です。工場の業務改善のお話です。

・『デッドライン』(トム・デマルコ)
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デジクリ読者の中でも、エンジニア系の方はご存じかも。ソフトウェア開発のお話でプロジェクトマネジメントの名著です。私もずっと読んだことなかったのですが、とある方の勧めで最近読みました。これまで読んでなかったことを悔やむくらいに面白かったです。日本で出たのは99年です。

上記どちらもちょっと骨太で、「もしドラ」と並べるのは違うんじゃないかと言われそうなので、少し路線を変えてみます。

・『女子大生会計士の事件簿』(山田真哉)
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現役女子大生で公認会計士の萌ちゃんが、会計にまつわる事件を解き明かす、ミステリ仕立てのお話です。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』のヒットで有名な公認会計士、山田真哉さんの本。2002年に出版され、コミカライズも。

・『女子高生ちえの社長日記』(甲斐莊正晃)
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父親の急逝で会社を継ぐことになった女子高生のお話。まあ設定からしても、ご都合主義なのは明らかですけど、それなりに面白いです。2007年の本。

ライトノベル調のシリーズを2作挙げてみました。このタイプも「もしドラ」の何年も前からあったんですよ。女子大生会計士のシリーズはかなり売れてます。でも知らなかった方も多いのではないでしょうか。

そう思うと「もしドラ」の凄さが改めて分かりますね。「もしドラ」の凄さというか、メディアの宣伝力の凄さというか、そこに乗っける企画力の凄さというか。見事です。

◎──何でもいいから、本読もうぜ

ビジネス小説のいいところは、普通の小説を読むほどには心に余裕がない人も、仕事の役に立つかも知れないと自分に言い訳しながら読めるところかも。ほら、平日の昼間、営業の合間にカフェで本を読むにしても、マンガやミステリなど娯楽系を読むのはちょっと抵抗があるなって場合も、ビジネス小説ならなんか許せる気がしませんか。

ビジネス書を読むにはちょっと頭が疲れすぎていて、少し気楽に読めるものを、でも何か仕事の役に立ちそうなものを、って時には、是非試してみてください。挙げたほかにも、結構色んな種類が出ています。

まあ、前も書いた気がしますが、読み手の意識ひとつで、どんな本でも仕事の役に立つんで、細かいこと気にせず、何でもいいから本読もうぜって言いたい。言いたいけど、言いたいことも言えないこんな世の中。ひとつ、そっと自分に言い訳しつつ、ビジネス小説でも読んでみましょう。

【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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