Otaku ワールドへようこそ![175]メディア取材は根性の試し合い
── GrowHair ──

投稿:  著者:


いきなりですが、告知です。本日深夜、電波を汚します。TBSテレビ『有吉ジャポン』。「ネット上で話題になっている人物」として取り上げられる二人のうち一人が「セーラー服おじさん」こと私です。関東では5月24日(金)24:20から放送されます。地域によっては、何日か遅れて放送されます。
< http://www.tbs.co.jp/arijapo/
>

このところタレント並みに忙しい。アイドルグループ「C(ハート)A」(シーアイエー)改め「かおすdeじゃぽん(仮)」がライブに呼んでいただける機会がどっと増えたことに加え、メディアからの取材攻勢がすさまじいのだ。

4月1日(月)、「ウタ娘」さん主催の『ウタ娘小中学生アイドル限定イベントvol.1』に呼んでいただいた。私も女子中学生アイドルとして、ステージに立っている。このときのパフォーマンスが「合格」とみていただけたのか、その後、4月13日(土)、27日(土)、5月4日(土)、5日(日)、11日(土)、18日(土)と、同じ主催者さんのイベントに出させてもらえている。

一方、メディアからの取材依頼もじゃんじゃん舞い込み、特に『有吉ジャポン』からは徹底的に密着取材を受けた。4月20日(土)、21日(日)、23日(火)、24日(水)、27日(土)、28日(日)、5月2日(木)の7回にわたる取材に加え、5月7日(火)にはTBSテレビのスタジオに呼ばれての収録があった。

5月17日(金)、24:20から放送された『有吉ジャポン』の最後の「次回予告」では、私の姿がちょこっと映った。同じ日、26:00から放送されたテレビ埼玉『ウタ娘』では、「かおすdeじゃぽん」のライブの模様が取り上げられ、私の姿も映っている。同じ日に2本の番組に出演! まるで売れっ子タレントみたいではないか。単なる偶然だけど。




●急に縁ができた赤坂

3月27日(水)、大塚にあるライブハウス「Hearts+」で、アイドルグループ5組の出演するイベント『大塚 乙女☆SUMMIT』があった。このとき、「トゥギャッチ」のヨッピーさんから取材を受けたことは、3月29日(金)のこの欄に書いています。
< https://bn.dgcr.com/archives/20130329140100.html
>

実は、同じ日、もう一件、『ウタ娘』の主催者の方からコンタクトがあった。4月1日(月)に小中学生アイドル限定イベントがあるので、出演しませんか、というオファーだった。え? 3日後? 開催の3日前になってもまだ出演者が決まってないイベントなんて、だいじょうぶなの? しかも平日? いろいろ不安はあったが、出演することにした。なにしろ、こっちも出演機会には飢えてたもんで。

この日はもうひとつ、変わったことがあった。「かおすdeじゃぽん」のメンバーの一人であるサエは、ほぼ毎週末、長野からバスで出てくる。この日は真夜中ごろ新宿を発つ夜行バスで帰る予定になっていた。バス停まで送っていくのは私の役目。

ところが、デジクリの原稿がまだ全然書けていない。2日後が配信日だというのに。20:04東京発の新幹線で帰りなさい、と強引に変更を決めてしまった。

東京駅の新幹線ホームで待っているとき、サエが誰かに向かって手を振るので、振り返ってみると、大学生ぐらいのおにーさんが、カメラを構えている。で、私も一緒にポーズ。写真はどうぞネットにアップして下さい、と言っておいた。

帰ると、ツイッターに上がっているのを見つけることができた。いちおうクラスメイトだと言ってあったのだが、孫ってことになってる。この投稿が4日間で27,000リツイートされている。ヨッピーさんが書いてくれた「トゥギャッチ」の記事でもこの写真のことが取り上げられ、「25,000RTされている」と書かれている。
< http://togech.jp/2013/03/31/834
>

公式リツイートでこの数だから、非公式なのも含めると、相当数拡散したに違いない。フェイスブック方面にも流れてたようだし。「ハムスター速報」にもまとめられてるし。
< http://hamusoku.com/archives/7803563.html
>

ウェブ版のR25にも書かれてるし。
< http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20130402-00029082-r25
>

なんか、これでネット民の間で私の存在が一気に知れ渡ったような感じがする。大塚でのお誘いを受けて、4月1日(月)は赤坂へ。赤坂はぜんぜんなじみがない街。高級飲食店が立ち並ぶイメージがあり、庶民にとっては敷居が高い感じ。

そんな街にある「赤坂GENKI劇場」は、やはりなんか洗練されたイメージ。音がすごーくきれい。照明もきれい。リハーサル時間が短いのも気になっていたが、他の出演者たちは手馴れたもので、ぱっぱと手際よくまとめていた。わー、プロっぽいな〜。

だいじょうぶか、とか、疑ってごめん。すんげー立派なイベントだった。ライブ中、テレビ埼玉のカメラが回っている。もし採用されれば『ウタ娘』という番組で放送していただけるとのこと。

『ウタ娘小中学生アイドル限定イベント vol.1』というイベントなのに、セーラー服を着たおっさんまでステージに立っているというのは、割と破天荒な部類だったかもしれない。次回以降も呼んでいただけるだろうか。

会場を後にすると、見知らぬおじさんが近づいてきて、ていねいにごあいさつしてきた。TBSテレビのディレクターさんだった。私にテレビ出演依頼を検討していて、ネットで情報を集めているところへ、ちょうど本人が通りかかったので、声をかけた、とのことで。そう言えば、TBSテレビって赤坂にあるんでしたね。目立つというのはいいことだなぁ。

●お互いの根性を試しあうテレビ収録

4月8日(月)、赤坂でお会いしたTBSテレビのディレクターさんからメールが来た。私の活動等に関する質問が何項目かあり、それに回答した。4月15日(月)、別のディレクターさんからメールが来た。その方が担当することになりました、とのことで、ついては、翌日に打合せできないでしょうか、と。

う、その日は、半導体関連の国際学会で横浜に行く日ではないか。学会発表や聴講ではなくて、「かおすdeじゃぽん」として宴会を盛り上げに行くんだけど。そのあと10:00pmから新宿でどうでしょうか? じゃ、そうしましょう、と。

4月16日(火)、学会の宴会でのパフォーマンスが大ウケで、達成感と高揚感を携えて、セーラー服姿のまま新宿に向かう。「面影屋珈琲店」にて、打合せ。『有吉ジャポン』で取り上げたいので、密着取材させてくれませんか、という話だった。打合せは2時間近くに及び、主に、私の活動やセーラー服を着る動機などについて、質問に答えた。

このときもそうだったが、テレビって、お互いの根性を試し合っているような空気がある。口に出しては言わないが「やる気のないものは去れ」と言っているようなプレッシャーを感じる。いきなり翌日に打合せどうですか、と無理をふっかけてくるが、夜10時以降なら、と無理で返すと、ちゃんと応じてくれる。

4月27日(土)の収録のときもそんなだった。数日前から、その日に収録を入れたいとは聞いていたが、前日の夜になっても連絡が来ないので、その話は消滅したものと思っていた。別のメディアからの取材を入れた。いちおう、こういうスケジュールになりました、とメールしておいた。

当日朝9時、「かおすdeじゃぽん」のメンバーとの待合せで赤坂見附駅に行くと、そこにはTBSのアシスタントディレクターさんが待っていた。「今日、収録どうですか?」。「夜9時までびっしり予定が詰まっちゃいました」「じゃ、10時に中野でどうですか?」「行きます」。

その結果、この日の動きは、こうなった。午前中は「赤坂GENKI劇場」で開催されたライブイベント『ウタ娘定期ライブ4月27日・昼の部』に、「かおすdeジャポン」として出演。控え室で、中高生アイドルたちがたくさんいる中、セーラー服からふつうの格好へと生着替え。新宿へ。メンバーたちは下北沢へ。

新宿にて、別のメディアから取材を受ける。ドキュメンタリー映像の収録。街歩きしながら、インタビューを受ける。カラオケ屋に入り、ふつうの格好からセーラー服への生着替えのシーンも収録される。神保町へ。

「神保町画廊」にて、口枷屋モイラちゃんのセルフポートレイト写真の展示が開催されている。6:00pmまでだったが、5:30pmごろ到着した。ご本人は、赤のセーラー服で在廊していた。そこも収録。時間になってもまだ開けててくれて、6:30pmごろまでいた。渋谷へ。

下北沢で待機していたメンバーたちにも出てきてもらい、渋谷で落ち合う。センター街で収録。えらい人だかりができた。予定通り、9:00pmまで収録。中野へ。

ちょこっとだけ喫茶店で休む時間ができた。10:00pmにTBSテレビの人と会い、収録。中野ではすでに一回収録しているのだが、追加で。一時間ぐらいでささっと。実に長い一日であった。

翌日、4月28日(日)は山へ。私が勝手に「スピリチュアルの森」と呼んでいるところで、とっておきのロケ地だ。人形作家の清水真理さんから作品をお借りして、沢べりで撮影。そこをTBSのカメラが捉える。

さすがに「もうちょっと近い場所になりませんか」と弱音を吐いてきたが、「なりません」と突っぱねた。電車にバスにケーブルカーと乗り継いで、そこから長い歩程。ひと山越えて、裏手の沢に降りる。

高低差50cmばかりのミニ滝があり、下は鏡を張ったように水面が広がっている。一端からまた50cmばかり水流が落下している。静かな水面の脇に人形を置き、自分は下のミニ滝の下の流れをまたいで立つ。水面から頭を出した石と石に左右の足を乗せて踏んばる。テレビカメラの人は、そのさらに後ろに同じようにして立ち、私が撮っている姿を収録する。

カメラマンが、苔の生えた斜めの石に足を前へすべらせ、仰向けに転倒した。水の流れの中に、派手に尻もちをつく。けど、テレビカメラは高く差し上げ、一滴も濡らさなかった。さすが、プロだ。もし水にボチャンしてたら一大事になってたとこだよね?

帰り道、レスキュー隊のバイクとすれ違った。遭難事故? 峠には消防署の車が停まっている。聞いてみると、巨大な一枚岩の向こう側の沢べりで人が倒れているという通報が入ったのだそうだ。ところが行ってみたら、そういう人は発見できなかったとのこと。えーっとワタシ、沢べりでうつぶせになって人形撮ったりもしてましたけど。ワタシのことじゃないよね? ね? ね?

みんな、限界近く疲れていた。峠の茶屋で休んだ後、下りケーブルカーの駅へ向かって歩いていると、茶屋の人が走って追いかけてきた。テレビカメラの人が、ケータイを店に置き忘れてた。礼を言い、ひとしきり笑って、また歩く。しばらくすると、また追いかけてきた。今度はバイクで。あ、私のカメラ。なんと、キヤノンのEOS 5D mkIIを丸ごとむきだしで置いてきていた。しかもぜんぜん気づいてなかった。

翌日、4月29日(月)は川べりの河川敷へ。前々日、新宿、神保町、渋谷と一緒に歩いたメディアからの取材だ。やはり、私が人形を撮っている姿を収録したいとのことだったが、TBSとの同時取材の提案には応じてもらえなかったので、別の日になった。

清水さんから別の作品をお借りして、入間川の河川敷へ。以前に、車の中で暮らしているおじさんと、橋の下で暮らしているおじさんのことを書いたが、その場所だ。橋は、塗り替える計画だかがあって、立ち退きを迫られている中、ずっと粘って居座っていた最後の一人だ。

あれから一年経つから、もういなくなっているかもしれない。ところが、行ってみると、橋は塗り替えた様子もない。で、いた。一年前とまったく変わっていない。いやぁ、よかったよかった。ここの人たちって、福祉の人のお世話でアパートに入って暮らし始めても、適応できなくて鬱みたくなっちゃう人がけっこういるらしい。

可能なら、こういう暮らしを続けられるのがいちばんいい。「今年の冬は寒かったよね」と言ったら「寒さなんて平っちゃらだよ」と。そう言えば、極寒で知られる栃木県泥部の出身なんだった。

車の人もいた。猫もいた。車から出てきてもらい、ブロックに腰掛けてトーク。そこを収録。私にとって貴重な映像になるだろう。放送が楽しみだ。

なんか激しい3日間だった。悲壮なまでの根性の試し合いバトルだった気が。「あなたはこれについて来られますか」とは言わないけど、言っているかのような無理難題の吹っかけ合い。なんとか乗り切りはしたけど、さすがに疲れた。

マスコミとか、芸能界とか、日常的にこんな感じなんだよね? いや〜無理無理無理無理。やっぱタレントよりも、サラリーマンでいいや、と思ったワタシであった。普通のセーラー服おじさんに戻りたい。

けど、このバトルに退却しなかったことが評価されてか、5月7日(火)には、TBSテレビのスタジオ収録に呼んでいただけた。元猿岩石の有吉弘行氏とTBSアナウンサーの田中みな実さんに挟まれて間に立ち、6人のゲストの面々と向き合った。

共演するのは、福岡のアイドルグループ「GLITTER」のゆみーるさん。ツイッターではフォロワーさんが8万人もいる。すげー、ネットの有名人。ちなみに私は2千人だ。

裏話に属することでアレだけど、田中アナから素敵なプレゼントを頂戴した。それは台詞。リハでは田中アナがしゃべっていた台詞を、本番では私にしゃべらせてくれたのである。言葉を生業にする方から言葉をプレゼントしていただけるなんて、素敵すぎます。

けど、田中アナが10秒ぐらいで流暢にまとめた内容、私がしゃべったらくどくどくどくど、すんげー長い独白になっちゃった。しかもここは、進行上、カットしづらいかもしれない。ごめんね。

収録後、ゆみーるさんと撮った2ショ。これ、ツイッターでゆみーるさんが発信してて、12時間で1万リツイートされてる。ゆみーるさんのネット情報伝達力(メディア力?)、けっこうでかいんじゃね?
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/2013524
>

7日にわたる密着取材で、私の分だけでも優に6時間は収録している。これとゆみーるさんの分と、スタジオ収録の分とを合わせて、全体で30分番組になるよう編集するわけだ。つまり、収録した分のほとんどは日の目をみないことになる。おそらく、丸一日の収録分が全カットなんてことも起きるかもしれない。そういうもんらしい。

放送直前になって、収録前よりも緊張してきた。日本全国に飛んでいく電波を、ワタシなんぞが汚しちゃっていいんですか?

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
< http://www.growhair-jk.com/
>

このところメディア露出が多くなってきたのを受けて、あらたにケバヤシの個人ウェブサイトを立ち上げました。簡単なプロフィール、活動紹介、メディア露出歴をまとめています。ネット上に分散したケバヤシの断片情報をかき集めてきて、リンクを張っておこう、と。つつきまくればケバヤシが丸分かり。
< http://www.growhair-jk.com/
>

『ウタ娘』さんのライブでは破天荒なパフォーマンスをやらかして来たが、いちおう「合格」とみていただけたようで、その後もじゃんじゃん呼んでいただいています。6月も出演予定がばんばん入っています。
< http://www.uta-musume.com/
>

中学生アイドルグループ「かおすdeじゃぽん」のフェイスブック
ページはこちら。
< https://www.facebook.com/Chaos.de.Japon
>