[3495] ジャズミュージシャンの頭の中を視覚化

投稿:  著者:  読了時間:29分(本文:約14,100文字)


《「身をもって知る」学習にはこれが一番》

■私症説[49]
 G.G.R.K.S.
 永吉克之

■3Dプリンタ奮闘記[14]
 造形の基礎と応用・その2 素材選び
 織田隆治

■デジクリトーク
 youtubeでドラム解説してます
 ──ジャズミュージシャンの頭の中を視覚化
 岩渕泰治

■イベント案内
 「日本のマンガ・アニメ・ゲームの未来を語る!」講演会・シンポジウム

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  怒りのブドウ球菌 電子版 〜或るクリエイターの不条理エッセイ〜
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◎デジクリから2005年に刊行された、永吉克之さんの『怒りのブドウ球菌』が
電子書籍になりました。前編/後編の二冊に分け、各26編を収録。もちろんイ
ラストも完全収録、独特の文章と合わせて不条理な世界観をお楽しみ下さい。
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■私症説[49]
G.G.R.K.S.

永吉克之
< http://bn.dgcr.com/archives/20130613140400.html >
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Twitterで「"ステマ"ってなんなのか教えてちゃぶ台」というツイートをしたら、それに対して知らない人から「ggrks」という返信があったが意味が分からない。orz みたいなものかと思って眼が血走るほど ggrks を見つめるも何のイメージも浮かばない。そこで「ggrks ってなに?」と聞き返すと、また、「ggrks」が返ってきた。

ははぁそうか。「ちゃぶ台」を巧みに用いた、エスプリの香り馥郁たる私のツイートにマジレスなんかして野暮な奴だと思われないよう、私を上回る高度なエスプリで対抗しようとしてるのだなと判断した私は、然らばお相手つかまつると、さらに馥郁たるツイートで返した。

「なるほど。略語だったんですね。ス・テ・マの頭文字を並べるとggrks。気がつかなかったなあ」

私の盤石のツイートには歯が立たないと恐れをなしたのか、それに対する返信はなかった。結局「ステマ」が何なのか分からなかったので、仕方がないからググってみると、「ステルスマーケティング」の略だということが分かって一段落したが、ステルスマーケティングがどういうものなのかまでは、面倒なので調べなかった。

ついでに「ggrks」もググってみたら、「ググれカス」の略語だということだった。つまり知りたいことがあるのなら人に聞く前にGoogleで検索して調べろ、このカス! という意味だったのだ。私は嬉しくなって、ggrks と書き込んでくれた人に「やっと意味が分かりました。つまり私はカスだっ......」と書いたところで猛烈に腹が立った。

私がカスだと! この私が。守銭奴で好色漢、地位や財産のある人間にはへつらい自分より弱い者に対しては尊大にふるまう、他人の成功を妬み失敗を願う、そんな私がカス呼ばわりされるのは......しかたがないかもしれない。

しかし、いくらなんでも「ググれカス」などという吐き捨てるような言い方はないだろう。もう少し丁寧に、

......ggtmtkdsks(ググってみてくださいカス)とか、

できれば励ましの口調で、
......ggrssrbantnsgsmtmirmngmtkrhzdsosrrktharmsnsggrmsks
(ググりさえすればあなたの探し求めているものが見つかるはずです、恐れることはありません、さあググりましょうカス)とか。

そのくらいの言い方をしてくれれば、私だって、
......ggtmmststrsmktngnktdtndsnargtgzmsornrswtmdogrstkdsks
(ググってみました。ステルスマーケティングのことだったんですね。ありがとうございます。お礼に来週、和民で奢らせてくださいカス)

といった、ウィッティな返信ができるというものだ。

                 ■

Facebookに、神戸市にある「五色塚古墳」という前方後円墳の後円にあたる部分の頂上から撮った写真をアップした。

遠方には海が広がっていて、大きな島が浮かんでいる。その説明として「先週、五色塚古墳を見に神戸市垂水区まで行きました。遠くに写っている島は淡路島でしょうか?」と書いてアップしたら、その2秒後に ggrks が返ってきた。質問するつもりはなくて何気なく書いただけなのに、間、髪を容れずに食らいついてくる。

どうやら、何かを問うような投稿をすると、ggrks の標的になるらしいということは分かった。

試しにTwitterとFacebookで、「明日は雨かな?」「ミナミあたりで飲みませんか?」といった他愛ない問いかけをしてみたが、よほど神経を尖らせているのか、それともヒマなのか、ここでも ggrks がコメント欄に現れた。

これは面白い。なんだか興が乗ったので、昔の歌謡曲の質問形式の歌詞を、記憶力の著しく衰えた脳みそで必死に思い出して投稿してやった。

♪神戸 泣いてどうなるのか〜(「そして神戸」内山田洋とクールファイブ)
♪泣いた女がバカなのか だました男が悪いのか〜(「東京ブルース」西田佐知子)
♪口紅もつけないままか〜(「木綿のハンカチーフ」太田裕美)

ついでに、「わたしは誰? ここはどこ?」「生きるべきか死すべきか?」など、世上によく知られた言葉も投稿したが、やはりストーカーのようにすべての投稿に ggrks が出現した。

ここで気がついたのは、ggrksのターゲットにされているのは、どうも私ひとりらしいということだった。他の人のタイムラインを見ても、ggrks は見当たらない。

TwitterやFacebookのなかの人たちが「永吉監視センター」を運営していて、オペレーターが延べ10,000人、24時間私のタイムラインを監視していて、質問と思しき投稿を見つけると、ただちに ggrks を送信しているのではないだろうかと真剣に考えてしまった。

                 ■

ちょっと待てよと思いついて、いつも ggrks を飛ばしてくるアカウントを見てみると、ディスプレイの中央で黄金バットのように、不敵な笑い声を発しながら仁王立ちでマントをなびかせている人物がいた。黄金バットと違うのは、坊主頭で肥っていて、全身がウロコで被われ、ハイヒールを履き、腰に花柄のエプロンを巻いているというところだけだった。

何か言うのかと待っていたら、そのまま飛び去ろうとするので、私は慌ててそのマントをひっ掴んで尋ねた。

「あんた誰なんだ?」
「ググれカス」
「あんたが独りでggrksを送信してたのか?」
「ググれカス」
「なんで僕ばかりを狙うんだ?」
「ググれカス」

質問形式で話をしようとすると「ググれカス」で逃げられてしまうので、聞き方を変えてみた。

「あんたがどういう人間なのか、僕に説明する義務がある」
「あたしの名前は仲嶺まど美。36歳。まだ独身だけど結婚を前提にして交際し
 ている男性がいるのよ。彼の名前はテロル大黒。どさ回りのプロレスラー」
「ggrks を送るのをやめてもらいたい」
「残念ね。結婚資金が溜まるまではやめるわけにはいかないのよ」

「だったら、僕以外の誰かをターゲットにすればいい」
「それなら可能。でも、ターゲットから逃れるには呪文を唱えないと」
「それは、どんな呪文なんだ?」
「ははは。ググれカス!」

仲嶺まど美は飛び去って行った。私が質問をしてしまうように巧みに誘導されていたのだったが、ともかく「仲嶺まど美 呪文 テロル大黒 結婚資金」でググって呪文を見つけて唱えたら、それきり ggrks は来なくなったので、どういうわけで私がターゲットになったのか、そんなことはもうどうでもいい。

【ながよしかつゆき/フリーターランス】thereisaship@yahoo.co.jp
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無名芸人< http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz >


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■3Dプリンタ奮闘記[14]
造形の基礎と応用・その2 素材選び

織田隆治
< http://bn.dgcr.com/archives/20130613140300.html >
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もの作りをする上で、重要なポイントになってくるのが、その用途によってどのような素材を使用して製作するか、と言う事である。

何をどのような方法で、どういった使用目的かで製作の方法や素材が変わって来る。それは、作家といわれるアーティストが作るアート作品であったり、博物館や科学館に展示している模型、他にもフィギュア造形など様々である。

作家性の高いものについては、その素材は一概に保存性や使用目的を逸脱した物が使われる事もしばしばあるが、今回は割愛しよう。

模型などでは、照明が強く当たる場所に展示される場合は、ある程度熱や紫外線などに強い素材を使用しなければならない。どれも、最終的にどのように使用されるかで素材を決めていく必要がある。

これは、紙媒体にも言える事であり、その使い方によって紙の質をどうすべきか。厚みは?
インクはどういった物を使用すべきか?
コートする必要があるか?
コートするなら、どういったコート素材を使用するべきか?
と、色々な選択が求められる。

今あげてきたのは、最終的な素材、という事だが、それに至るまでの「試作」や「原型」といった箇所では、色々な素材が使われている。

これは、最終的な素材が金属といった硬質な物は、当たり前にこねたり削ったり出来ないので、その代用で形状を他の加工しやすい素材で製作してから最終的に置換える、という手法だ。

もちろん、鉄などの金属が加工出来ない訳ではない。マシニングセンタなどで、フライス加工、中ぐり、穴あけ加工などはもちろん可能だが、当然それは目的によって使い分けられる。

FRP造形などでは、一般的には粘土→石膏型→FRPと、最終的にはFRPに置換えられて完成となる。途中の素材は自ら使いやすい素材を使うが、最終的にはポリエステル樹脂とガラス繊維、というところに落ち着く。ブロンズ像などもほぼ同じ工程を経て、ブロンズに置換えられる。

最近流行のフィギュアに至っては、紙粘土、インダストリアルクレイ、スカルピー、エポキシパテ、ポリエステルパテなど、その制作者にとって一番使いやすい素材、その制作物に対して一番合った素材が使われる。

しかし、長期保存するためには、その原型となる形状からシリコン型を作り、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を流し込む事で目的に合った素材に置換えられる。市販されているフィギュアは主に、PVC(ポリ塩化ビニル)等に置換えれられる。

要は、「最終的に適切な素材に何を使うか」を頭の中に入れておけば、途中の素材は特に限定はされないということである。

3Dプリンタも、その中のひとつの選択肢であり、それですべてを製作できるとは限らないのである。特に、長期保存しなくてはいけないようなものには、UV硬化型の素材は適さないし、衝撃や力のかかるものには石膏を硬化させるタイプの素材は適さない。

Zプリンタのような「石膏にインクジェット方式」のプリンタで出力された物については、あくまでも私の感想だが、紫外線などによる色の劣化が結構激しいと感じた。

最新の技術で耐光性も上がって来るのだとは思うが、これを回避するために紫外線を反射できるコート剤などを塗布したりしているが、それでも色落ちは仕方のない事だと思う。

チタンなどを出力した物の耐久性は試したことがないので、私の方では判断しかねるが、金属をプリントする機器に至っては、これはかなり優秀なのかな、とは思う。

モノ作りをする上で、色々な知識がある方が良いに決まっているが、中でも素材選びがかなりの重要なファクターになる事は間違いない。

私の場合は、展示模型を作る事が多いので、木工、アクリル、ラテックスなどのゴム、シリコン、FRP、レジンキャスト、アルミ、しんちゅう、鉄などを、適材適所で使って行く事が求められる。

それらの選定については、これまで色々と経験してきた案件などで「実践学習」して、体験によって得られたものが多い。要は色々触ってみよう、って事になる訳だ。

自分で経験して、「ありゃ〜! こりゃ! アカンがな!」と失敗した事ほど、脳内に強くインプットされる。私の場合は特にそうだ。

「身をもって知る」学習にはこれが一番。。。だと思う。そういう失敗を繰り返して、色々な知識を身につけ、製作する物のレベルが上がって行くのだと思う。まあ、何度も同じ間違いを繰り返す事は避けたいところだが。

知識としては知っていても、やっぱり体験する学習の方が良いに決まっているのだ! と、思う。きっとそうだ。と信じている。

【織田隆治】
FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp >

頭デッカチは面白くない。本ばっかり読んでても面白くない。やっぱり「五感」で感じたいじゃないか、ですね。


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■デジクリトーク 
youtubeでドラム解説してます──ジャズミュージシャンの頭の中を視覚化

岩渕泰治
< http://bn.dgcr.com/archives/20130613140200.html >
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デジクリへの寄稿は10年ぶりぐらいになるでしょうか。デジクリ立ち上げ時、関係者の近くにいて初回から読んでいるので、あらためて随分時が経過したなぁと思う次第。

そういえば、ニックネームでASCIIアート4コマ漫画とかを掲載させていただいたような。ググればわかるかもしれないけど、確かめはしません(笑)。

さて、ちょっとyoutubeに動画を作ってみているので、思うところを書いてみます。ジャズドラムをネタにした動画表現です。

●ジャズという音楽

まずはジャズというものから。ジャズは即興演奏と言われます。せーのでみんなで合わせて音を出す! 確かに聴くとよくわからんが、雰囲気いいしBGMとしては高級な感じもあって、最近では蕎麦屋でもかかっていたりしますよねぇ。

雰囲気がよい。うん、雰囲気が......雰囲気? ところで、何がよくて、何が悪いのか、いや何が心地よくて何が騒音なのか。うーん、これが音楽の謎......

これこそ人間の感性に働きかける、ジャズというか音楽の面白いところだと思います。ある人にとってはただただ騒音だけど、別の人にとっては素晴らしい音楽!

ということは名演、名曲というのは確率的に「心地よい」と思う人が「騒音」と思う人より多いということなんでしょうね。

そもそも音楽の心地よさって何? 誰かが言ってて、的を射ていると思うのが、「自分の予想した通りに展開する心地よさ」と「自分が思ってなかったところに展開してオッと意表をつかれる心地よさ」という説。

確かに、その説に自分が好きな音楽の好きな部分を当てはめていくと、理解できるような気がします。和音の進行が当たり前の心地よさ。でも、当たり前の心地よさを求めて、ずっと童謡を聴きつづけていくわけでもない。

当たり前すぎてやがて飽きてしまい、サビで意外な展開をするところに心地よさを求めてしまったりする。

「この歌に入る部分の急展開の変わり様が、なんともいいね!」みたいな。リズムも同じ。

で、ジャズ。その心地よさの「予想した展開」「予定調和的な展開」の心地よさと、「意外
性の展開」「裏切られた展開」の心地よさをその場で作っていく音楽なんでしょうね、たぶん。

ちなみに、クラシック以外はソロや即興パートが存在します。なので、実はジャズだけが即興ということでもないのですよ。

●あ、表現できるかも?

その大きくわけて二種類の心地よさ、これをその場で表現する性質の強いジャズ。一言にジャズといっても範囲が広く、何の制約もなくドシャーっと演奏するフリージャズから、決め事だらけのフュージョン(死語?)まであります。

制約がないと「わからん」という人が増えるし、1980年代に流行った聴きやすいフュージョンなどは、いま毎日耳にするアイドルの音楽の方がもはや複雑構成だったりするぐらいで、単なるインスト(歌なし音楽)で「わかりやすい」となります。

そのジャズの「わからん」の部分をいかに解説して公開することができるか?ん? 動画youtubeつかえば出来るじゃん! と。

申し遅れましたが、私はミュージシャン"も"やってて、ジャズドラマーとして週一、二回ペースで都内を中心にライブをしてます。というか、ライブのブッキングが定期的に入るようになりまして、ありがたいことです、ハイ。

●ジャズミュージシャンの頭の中

ということで、ジャズドラムを叩く人の頭の中を、演奏の映像中に吹き出しコメントを入れることにより、幅広くみなさんに知っていただこうということを思いつき、世界で誰もやっとらんだろうと動画を作ってみましたー。

正確に言うと「みなさんに知っていただく」というより「ドラマーに対する自分の考え方の提示」なので、音楽、ドラム専門用語が適度に入ります。

< >

早い話、「予定調和的な心地よさ」は他の楽器がどういう展開しているから、ドラムはこう合わせていきますよ、だったり、「意外性の心地よさ」は同じく他の楽器の展開がこうなったから裏切りますよ、を解説してるだけ。

例えば、ジャズ(オーソドックスな自由度が高いジャズ)はコード進行(曲上での和音の進行構成)のルールを守りながら、ベースが高いところに行ったり低いところに行ったりする自由が許されています。

低いところに降りたときに、ドラムでドカーンとアクセントをつけると「予定調和的な心地よさ」が出ます。逆に、ドカーンとなるだろうなと聴衆が期待しているところでアクセントを抜くと、それは裏切りとなり、聴衆側に「おおっ」と思う気持ちよさが出たりするわけです。

パッと見ぃ、どうやって合わせているのか、合わせていないのか、わからない即興音楽は、実は人間が心地よいと思うところを見越して、演奏その最中のストーリーの中で先読みしながら、お互いの音を突き合わせるという行為。それを垣間見ていただこうと。

ピアノやサックスなんかがこの手の解説をすると、コード進行がこうだから、などとかなり音楽的な解説を多くせざるを得ないですが、ドラムの場合はガツンといくか、はたまた引くか、とまあ単純なので一般的にもわかりやすいハズです。

●混乱していく様子

ラッキーなことに、私はわかりやすいボーカルが入る「歌もの」から、先の展開がまったく読めない「フリージャズ」まで演奏する機会があります。大きな箱(ステージやライブハウスのこと)で満席のときもあるし、お客さん二、三人ということもあります。

なので、いろんなパターンを作ってみちゃえ、と。まずは、ジャズと言っても「歌もの」はわかりやすい。

< >
< >

わかりやすいものとは逆に、メンバー含めて混乱含みでその場で作っていく音楽の面白さも、ジャズの一つの特徴です。混乱含めてうまく対応していくと、音楽としてかなりウケる、つまり曲全体に「意外性の心地よさ」が発生することがあります。

これは大阪の市民主催の音楽イベントで、200人超の満席立ち見の中、面白く混乱しながらも力強く進んだケース。

< >

私が途中、メンバーを裏切ってドラムを止めてしまうことで、混乱や緊張が走ります(同時に客席側にも混乱と緊張が生まれる 3:00すぎ)。

動画だからわかりやすい。その混乱する様子を、ドラマー視点でどう考えて対応しているのかを解説してみると、聴いてると音楽として面白いけど「何が起こってるんだ?」が、「そういうことね」の理解になると思います。

そもそも混乱も目的に内包している側面があるフリージャズなんかも解説してみると案外わかりやすく理解してもらえたりするみたい。

< >

ステージ全体、次の曲が何かわかっておらずに進むステージ進行の様子も。

< >

演奏の混乱ではないものの、ジャズならではの飛び入り演奏みたいな、全体ステージ上での混乱とかもあります。いつぞやの「時の人」がメディアを賑わしていたタイミングでまさかの飛び入り(笑)。

< >

●動画制作での発見

解説動画を制作するにあたり、興味深い発見がありました。プロミュージシャンとの共演などは、動画制作公開するにあたって許諾含めて会話をするのですが、演奏を"素"で公開するのは「この演奏はぜったいダメ」NGとなるのが、同じ演奏を解説コメント付きにすると「演奏失敗してるけど、これは面白い」と絶賛OKになるケースが出るのです!

つまり、視点が変わるわけです。音楽視点から映像全体の視点に。そういうと「当たり前じゃん」なんですが、けっこうこれは興味深い発見としてミュージシャン仲間内で盛り上がりました。

ある程度失敗やミス、それのリカバリーが入っていると、動画視点では面白い要素がたくさんとなり、逆にメンバーの心意気がぴったりでかなりよい演奏をすると、解説動画としては面白くなくなる。

あと、アングルについては正面から撮ったものではなく裏側から撮るので、聴衆側ではなくミュージシャン側になります。ここは案外重要かもしれません。裏から覗き感があるから(笑)。

●動画表現に向くもの

ドラムに限らず、ミュージシャンの教則動画というのは、まあ星の数だけUPされています。ドラムの場合、スティックの左右をどの順番で叩くか、みたいな手順の解説が山ほど出てくる出てくる......。

音楽は手順をやっても、合奏したときに音楽になるかならないかが重要であって、ホントはドラム手順だけ完璧になっても、一人でやる体操がめちゃ上手くなりました、ってぐらいの話なのですが、これだけyoutubeに動画がUPされていてもほぼ手順にフォーカスってのは、まあ「表現としての動画」の考えでUPしている人は稀ということなんでしょう。

この手順解説へのアンチテーゼとしての演奏解説動画でもあるのですが、少し専門的になるものの、リズムのタイミングを解説してみたり、複雑なドラム手順をしなくても音楽として成立するのでは、というものを提示してみたりしています。

< >
< >

とは言え、音楽以外もそうですが、教えるため、学ぶための動画というものは有効ですよね。

楽器の場合、手順の解説を欲する人たちはたくさんいるし、思えば私なんかがドラムを必死に練習してた頃は、レコードを手回しでゆっくり回して、どういう手順で叩いてたのかを、スローで低音で再生される音から推測するというやり方しかなかったですからねぇ。

●編集と演奏をミックスさせる試み

解説は一つの表現ですが、手軽なデジタル編集が可能となったことで、様々な試行ができる気がしています。

あまり考えずに作ったのですが、ドラムなしのジャズ演奏を動画編集ソフトでバラバラにし、繋ぎ合わせたものにドラムを付けるという試み。

< >

たぶんまだ世界で誰もやってないんじゃないかなー? 音だけだとバック(ドラム以外の楽器)が何をやっててごちゃごちゃになっているのかがほぼ理解できないでしょうが、映像を切り貼りすることで、その意図はわかりやすくなるかも......と思って作ってみました。

アナログ演奏だけではできない、デジタル編集だけでもない、手軽に編集できるようになったのを利用してアイデアをトライしてみれるということですね。ちょっと前に同じことやろうとするとかなりコストかかったわけですから、いい時代になったというか、表現の多様化が生まれやすい環境になっているというか。

これが音楽として聴けるかどうかは、うーんオーディエンスに委ねるしかありません......、騒音と思う人の方が多数だろうけど(笑)。

●で、恥を忍んでUPする(笑)!

私は自分自身でヒドい演奏をしてしまったと、落ち込むことも多々あるミュージシャンですが、失敗の多いミュージシャンだからこそ適する、新しい表現の提示ができるような気がしてます(笑)。

そこは演奏能力というより、様々なもののミックスアイデアだから。動画も画質悪いし、そこにこだわる気もなく、編集ソフトも最低限のものしか使ってないですが、意図はそこにありません。

プロミュージシャン仲間と会話してても、前はCDせっせと買って聴いてたのが、みな今はyoutube徘徊に時間かけてしまっているのを実感します。

動画はそれだけ魅力的であり、お手軽に公開できる時代になっているということ。この時代背景を考えると、やはり表現としてはまだまだ試行できるものがたくさんあるのでしょうね。

アイデアを具現化した映像表現は早いもん勝ちだと思うので、みなさん作りましょう。で、恥を忍んでUPする(笑)! 2万円の高音質&低画質録画機材と、3千円の動画編集PCソフトのみで制作公開できちゃうわけですから。

おかげさまで、解説動画は中学生から「私もジャズドラムをやろうと決心」とコメントもらったり、聴くのが専門の方から、「そういうことだったのか」と言っていただいたりして、少しは意図が伝わったように思えて嬉しい限りです。フランス人からドラム教えろ、ってのもありました(汗)。

ふと気づくと「ジャズドラム」でググったら私の解説動画が出てきたりして、素晴らしいミュージシャンより私のが上に来るのはマズいな、と焦るのが正直なところですが、面白いと思ってもらってちょっとでも音楽の裾野が広がればいいかな、と考えています。

解説シリーズでマンネリ化せず、これからも新しい表現を試行していこうと思っていますので、見つけたらまたアホなことやってると指摘ください!(大阪出身の人間としては「アホなことやって」と言われるのがステータスなのです)

【岩渕泰治 いわぶちやすじ】iwabuchi@jazz.email.ne.jp
< http://www.youtube.com/user/2100387 >

昔CGを制作して柴田編集長にもお世話になりましたが、終了。ジャズ演奏したり、鉄道模型作ったりしてますが、基本ビジネスマンです。大阪から関東に移ってはや10年。すっかり赤信号を渡るのを躊躇するようになってしまいました。


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■イベント案内
「日本のマンガ・アニメ・ゲームの未来を語る!」講演会・シンポジウム

< http://oaed.jp/lecture0623/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20130613140100.html >
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〈主催者情報〉

イベントを行うに至った背景

世界的なクールジャパンの潮流のなかで、日本のコンテンツ産業の核である「漫画・アニメ・ゲーム」は現在わが国の重要な資源であります。漫画雑誌が大いに売れた時代は終わり、インターネットの普及により日本のコンテンツ業界も大幅に変革いたしました。またアジアをはじめフランス・アメリカ等の欧米諸国の台頭も目立つ中、今後日本のコンテンツ産業が目指すべき未来像について、個性的で魅力的な作品を生み続けてきた日本を代表するクリエイター達を大阪にお招きして、今後の中小企業分野がかかわり得る業界の未来像やその可能性について大いに語って頂く講演会&シンポジウムを開催する運びとなりました。

主催:学校法人上田学園
後援:近畿経済産業局、大阪府、大阪市

日時:2013年6月23日(日)9:30〜17:00
会場:グランフロント大阪 B1F(JR大阪駅直結)ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター ルーム1・2
参加費:無料
定員:300名 申込方法・Webにて事前エントリー

◎プログラム
9:30 開会 学園長 越田英喜
記念講演「杉井ギサブローアニメワールド」9:45〜10:45
講師:杉井ギサブロー(アニメーション監督)
シンポジウム「世界のアニメの潮流」10:50〜12:30 
日本のアニメは今後、どのように発展していくのか?
パネリスト:原口正宏(リスト制作委員会主催)りんたろう(アニメーション監督)前田庸生(京都精華大学教授)

記念講演「小池一夫とその弟子達」13:30〜14:30
講師:小池一夫(作家、漫画原作者)
シンポジウム「小池一門漫画活動裏話」14:35〜16:30
パネリスト:堀井雄二(ゲームデザイナー)山口貴由(漫画家)椎橋寛(漫画家)
閉会 池崎義男(教務部長:予定)


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編集後記(06/13)

●EPSONプリンタの黒インクが切れた。62番のインクカートリッジだ。前回は、近所のノジマにも、ホームセンターにも、ドンキにも置いてなかったので、ちょっと遠いヤマダまで行って、しかも互換インクがなかったので1000円前後する純正を買った。プリンタのビジネスモデルはよーくわかっているが、やっぱり純正インクは高過ぎる。プリンタ本体が安過ぎる、といったほうがいいのか。今回は急を要しないのでAmazonで買うことにした。

初めて互換インクのページを見たのだが、じつにたくさんの種類の商品があり、しかも途轍もない安さなのに驚愕。結局、ISO9001/14001認定工場製造とうたう、ICチップ付4本パック+黒2本で1040円(送料無料!)というのをクリックした。翌々日に真空パッキングされて到着。内心不安はあった。もし使えなくても、あきらめられる出費だ(でも、このインクが原因でプリンタが壊れても1040円までしか補償されない)。カートリッジを押し込んだときに窮屈な感じがした。プリンタから「しっかりセットしろ」と警告され、力を入れて押し込んで三度目に認識してくれた。いまは快調にプリントできている。

それにしても安過ぎる。段ボール箱がゆうメールで送られて来たから、180円か210円かかっている。するとインクの単価は140円くらいか。これで利益が出るのか。今までamazonで買った中で一番価格の安い商品は「トンボ鉛筆うずまきグリップ」4個入り108円である。しかも送料無料である。Amazonは儲けがあるどころか、実質損しているではないか。「全品無料配送」って絶対も儲からないと思う。それでも続行している理由はどこにあるのだ。

日経ビジネスONLINEにその答えがあった。〈配送料を全品無料にすることで、アマゾンで買い物をする消費者が増えることは間違いない。アマゾンが損をする取引が少なからずあっても、「アマゾンで買うと得をする」「インターネットショッピングはアマゾンが一番」というイメージを消費者に植え付けやすい。そうなれば、頻繁に買い物をするリピーターが増えて、長期的に成功するという考え方だ。〉なるほど、わかりやす過ぎる企業哲学だ。日本の企業がこういうなら拍手喝采だが、外資じゃなあ、複雑な思いだな。(柴田)

< http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100610/214882/ >
日経ビジネスONLINE 2ページ目からは会員登録(無料)必要


●永吉さんのに爆笑した。/紫外線に弱いのか......。/岩渕さん!/ヨドバシカメラに住所を登録しておけば、当日配達のリミットタイムが表示される。うちの場合、14時までに申し込めば当日配達、送料無料。18時半には届いた。はやっ! 在阪企業のジョーシンを応援したいのだが、いまはヨドバシ最強だと思ってる。

スマートペンの続き。ペン先はアメリカンな極太ではなく、役所に置いてあるような、よくある太さ。油性。滑らかさはジェットストリームには劣るが、妙にボールの回転が良くて、ひっかかりがなく気持ちいい。もちろん普通の紙にも書ける。保存されないだけ。

独自仕様なので国内製品は使えなさそう。試しに4C規格のものを入れてみたら刺さることは刺さる。金ノコで1cmほど切れば使えるかもしれない。ジェットストリームのは太くて刺さらない。ジェットストリームの4Cが出たら最強なのに。

替芯は黒4+赤1で500円。海外では青4+赤1のも売ってる。芯の入れ替えは、ペン先をひっぱる、いれる、それだけ。ねじをまわす必要はなし。とはいえ、ここは赤で下線をと思う時に、指先を汚してまで、いちいち入れ替えたりはしないよなぁ。赤はいらないよなぁ。いつか2色セットのペンが出るのかしら。続く。(hammer.mule)

< http://www.jwima.org/pen/index.html >
替芯互換表。日本筆記具工業会

< http://blog.livedoor.jp/kaerufactory/archives/54430681.html >
LAMY2000をフリクションボール化。LAMY2000は4C規格。
< http://blog.livedoor.jp/kaerufactory/archives/54432043.html >
消しゴムを別途。「何故フリボール4Cリフィルが売られていないかは次回」と書かれたまま。なぜなのか教えてっ!