[3505] トマソンと写真の狭間で

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《「なんか妙だよね」という写真を撮りたい》

■デジアナ逆十字固め...[132]
 トマソンと写真の狭間で
 上原ゼンジ

■ショート・ストーリーのKUNI[140]
 見守り
 ヤマシタクニコ

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■デジアナ逆十字固め...[132]
トマソンと写真の狭間で

上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20130627140300.html
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先日は九州電塾に呼んでいただき、自分の撮っている写真についていろいろお話したのだが、せっかくだからと熊本まで足を延ばし、ちょっと撮影をしてくることにした。

撮りたいシリーズはいろいろあるのだが、けっきょく撮ってきたのは超芸術トマソンの写真が多かった。なぜか熊本ではトマソンが多く目についたのだ。

トマソンに関しては何度か書いているが、「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」のこと。ただ昇って降りるだけしか機能しない無用階段とか、窓がないのにヒサシだけがある無用ヒサシなどの物件がある。

1983年に美学校の赤瀬川原平さんの教室に通っていたが、その頃がちょうどトマソンの全盛期で、新しい物件が続々登場してくるという、ラッキーな時代だった。

その後、路上観察が抬頭してきて、トマソンはその一部のように扱われるようになってしまったが、それを良しとしないトマソ二アンは、ジッと耐え忍びながらトマソン探査を継続してきたのである。

というのはちょっと大袈裟かもしれないが、超芸術トマソンの探査自体はけっこう高度な観念の遊びなんじゃないかと思っている。

と、トマソン一筋30年のようなフリをしてみたが、実は私も一度トマソンを裏切ってしまっている。トマソンと赤瀬川さんと雑誌「写真時代」から写真の面白さを学んだ私は、1986年から森山大道さんに写真を見て貰うことになる。もっと写真と深く付き合いたいと思ったのだ。

そしてフォトセッションという写真のグループに所属して、月に一度集まり、森山さんに見ていただいたり、メンバー同士で互いの写真について意見を述べたり、罵倒しあったりということをしていた。

当時から私は毎回違うネタで勝負していたのだが、最初はトマソンの写真を持っていくことも多かった。するとそこでは「ああ、トマソンね」(それは写真じゃないよね)みたいな扱いを受けるわけだ。

当時写真のなんたるかが分かっていたわけではないけれど、「写真」がやりたいと思って参加しているので、写真扱いされないのは困る。そこで私は、モロにトマソンの物件写真ではないんだけど、なんかちょっと妙な感じがあるよね、といった辺りを志向するようになっていった。

●写真ではなく、物件に語らせる

トマソンを発見するアンテナと、「写真」を撮るためのアンテナは違うので、しばらくすると、街中で撮っていてもあまりトマソンが目に入らなくなってしまった。

そして長らくトマソン界から離脱していた私だったが、何年か前からまたトマソン観測センターのメンバーと行動を共にするようになった。トマソンから離れた後いろんな写真を撮ってきたが、ちょっと原点に返ってみたいという気になったのだ。

観測センターのメンバーとはたまにミーティングをして、互いの物件について話し合うのだが、報告書に付けた写真が主張していると、「これって写真だよね」というような扱いを受ける。これはフォトセッションの時とは逆の現象だ。

物件の写真はなるべく分かりやすく撮影をするというのが基本。引いた絵や寄った写真、角度を変えたりして、状況がよく分かるように気を配る。

この場合に構図を考えたり、光線の具合を考えたりして、一枚の写真として成立させようとすると、それは余計なことになってしまうのだ。質実剛健に物件の有り様が分ければそれで良し。写真に語らせるのではなく、物件に語らせるためには、いい写真にしようなどという邪な心は無用なのだ。

トマソンじゃなくても、「いい写真」にしようという心は曲者で、構図が良くて、光線をうまく捉えていて、写真的であればそれでいいのか? という問題がある。

確かにうまいけど、何も訴えてないよね。というようなケース。きれいな作例のような写真だけど、何が言いたいのか伝わってこないような写真。「それっぽいけど、中身なし」というのは注意しなければならない。

もともとトマソンには作者はいない。つまりいい物件を作ろうなどという下心を持った作者が存在しないということだ。これが普通の芸術と超芸術との大きな違い。作者がいないわけだから、意図というのもない。そこに撮影者の意図を潜り込ませようとするのは余計なこと。

ただ、物件には「美麗物件」というのも存在する。その佇まいが美しく、みんなが「おおお......」と感嘆の声を上げるような物件だ。

トマソン物件自体はそんなに珍しいものではないのだが、美麗で唸らせるようなものに出会うのはなかなか難しい。そこでトマソニアンは美麗物件や新種を求め、街を徘徊するのだ。

今でも、トマソンは写ってないんだけど「なんか妙だよね」という写真を撮りたいという気持ちは変わっていない。そして写真的な小細工をせずに、その妙な感じをすくい取りたいと思っている。

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■ショート・ストーリーのKUNI[140]
見守り

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20130627140200.html
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ドアをノックされたので出てみるとなぜか銀色のスーツを着た男が立っていた。

「こんにちは。オオヤマススムさんですね。今年75歳のお年寄りのひとり暮らしの」

「ああ、そうだとも」

「わたくし、市の高齢福祉課からまいりました。実は最近、本市でも高齢者の孤独死が増えておりまして」

「悪かったな」

「いえいえ、それでですね、本市では今月からひとり暮らしのお年寄りに見守りロボットを支給することになったのです。これがそうなんですが」

「なんじゃこら。最近どこにでもあるゆるきゃらのできそこないみたいじゃないか。全身ピンクでもこもこで、頭でっかちで。これがロボットか」

「はい。このロボット、太郎くんと申しますが、さまざまな困った局面でお年寄りをサポートしてくれるロボットなんです。もしものことがあっても適切に対処してくれることになっておりますので、ご安心していただけるかと。あ、もちろん無料でお使いいただけます」

「ふーん。しかしもっとコンパクトにできなかったのかね。どうみても等身大以上だが」

「大きいほうがなんとなくたよりがいがあるというお声もちょうだいしております」

「まあ、ただならいいだろ。使ってみるか」


1週間後。

「市の高齢福祉課のものです。オオヤマススムさんですね。今年75歳のお年寄りのひとりぐらしの」

「ああ、そうだ」

「太郎くんを回収してほしいとの連絡を受けてまいりましたが、間違いないでしょうか」

「ああ、まちがいない。さっさと回収してくれ、あんなもん。わしが『えーと、今日は何曜日だったかな』と思い出せなくてしばらくじーっと考えてるとピーピーピー! とけたたましい音を立ててとんでくる」

「一定時間動きがないと反応するのです。もしや死んでいるのでは、あ、いや具合が悪いのではと」

「おちおちぼんやりもできん。冷蔵庫の前まで来て『さて、わしは何をしようとしておったか』としばらく考えてるとまたピーピーピー! あいつのせいで結局思い出せなかった」

「申し訳ありません」

「さっきは肉を食べようとナイフとフォークを構えると、またピーピーピー! と飛んできて、ナイフを勝手に持っていった。爪楊枝で歯をせせることもできん」

「危険物に反応するのです。そのような設定になっております」

「もちを食べようとしたらまたピーピーととんでくる」

「高齢者におもちはたいへん危険ですので」

「それはいいが『もちふわ食パン』を食べようとしたときもとんできたぞ。パンくらい食わせろ。だいたい、いちいちあのでかいピンクの暑苦しいのにピーピーどたどたととんでこられる身になってみろ」

「やはりそうですか」

「やはりって」

「そういうお声も時々あるので『改良型太郎くん』を連れてきました。ここに控えております。機能面の改善はもちろんですが、外見も異なっております。太郎くんはゆるきゃらグランプリで優勝したバリィさん風に作ってありますが、こちらは2位のちょるる風です。ただし全身水色ですが。ややスリムな体型となっておりますので狭いお家でもらっくらく」

「なんだそりゃ。なぜ最初からそっちを出さない」

「それはその、みなさん好みがおありですので。いかがです。これも無料ですが」

「まあ、ただなら使ってみるか」


1週間後。

「市の高齢福祉課のものです。オオヤマススムさんですね。今年75歳のお年寄りのひとりぐらしの」

「そうだと言ってるだろ」

「改良型太郎くんを回収してほしいとの連絡を受けてまいりましたが、間違いないでしょうか。どこがお気にめさなかったのでしょう」

「お気にめすもめさないもめすときもない。さっさと持ってけあんなもん。どこが改良型なんだ。確かにピーピーとは言わなくなったが、口うるさすぎだ。一日中わしのあとにべったりとくっついてきて『ガスの元栓を閉め忘れてます』『トイレの水を流してません』『シャツの裾が出ています』って、なんだあれは。見守りすぎだ」

「そういう日常のちょっとしたことに気配りができるところも改良点なのです」

「あれが気配りか。わしがちょっと夜更かししていると『もう寝なさい』、ごはんのおかわりをしようとすると『食べ過ぎです』。テレビを見てて『剛力彩芽はかわいいなあ』と言うと『綾瀬はるかのほうが胸が大きいです』ほとんどおせっかいだろ」

「申し訳ありません。会話の相手がほしいという要望もありまして、改良型太郎くんはそういうニーズにもこたえているわけです」

「あんなものはいらん」

「そうおっしゃらずに。改良型太郎くんは設定を変えることもできますので」
「聞いてないぞ」

「これは失礼しました。ちょっとあがらせてもらいます。あ、こちら改良型太郎くんですね。えっと。ほら、この背中のパネルで『強』『中』『弱』のどれかを選ぶことができます。今は『強』になってます」

「扇風機か」

「『強』は手厚い見守り、『中』はほどほどの見守り、『弱』はかなりてきとーな見守りです。とりあえず『弱』にしておきましょうか。もの足りなければまた変えてください」


改良型太郎くんはとたんにおとなしくなった。べったりついて来なくなった。全身水色のゆるきゃら風のからだをだらんと横たえ、やる気のなさそうな顔でオオヤマススムを見ているようでもあり、見ていないようでもある。

「ふーっ。やっとこれで落ち着けそうだ。まったく、役所もろくなことをせんわい」

オオヤマススムはほっとためいきをついた。そして夕刊を取りに行こうとして腰を上げた。歩き出した瞬間、段差につまずいた。そのまま頭からどーんと倒れ込む! と思ったら改良型太郎くんがさっとまわりこみ、全身で受け止めた。

「あんた、死ぬとこやったで」

オオヤマススムはむすっとしたまま改良型太郎くんを見つめた。ふん。役に立つこともあるのか。

それからオオヤマススムはベランダの戸を開け、下りようとした。下りようとしたものの何をするつもりだったかわからなくなり、半歩出した足を止めた。そのまま考えるが思い出せない。すると、背後で寝そべっていた改良型太郎くんがいかにも鼻くそでもほじくりながらしゃべっているような、どうでもいいようなしゃべり方で、ぼそっと言った。

「アサガオに水やるんとちゃうの」

見ると自分は手にじょうろを持っている。オオヤマススムはサンダルをはいて歩き出した。

「ふ。改良型太郎くんも役に立たないこともないわけだ。まあ、わしにはピーピーとやたらうるさいのよりはこっちのほうが合っているようだな。しばらく使ってみるか」


背後でオオヤマススムの妻がためいきをついた。

......最近、おとうさんもぼけがひどくなったというか、妄想がはげしくなったというか。どうやら自分はひとりぐらしで、私は見守りロボットと思いこんでるらしいねんけど、そんなロボットあるんやろか.........。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/
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< http://koo-yamashita.main.jp/wp/
>

いわゆるウィルス性胃腸炎にやられていてやっと回復。ほぼ10日ぶりに、さっきコーヒーを飲んだ。おいしい! ずっと前、インフルエンザにかかったときも2週間飲めなかった。

いつも同じ店の豆で、ひきたて&いれたてでなきゃ、とコーヒーにはちょっとうるさいつもりだが、そう考えると私にとってコーヒーは元気なときしかおつきあいできない相手でもある。一方、コーヒーが飲めない間は仕方なくお茶をのんでいたけど、そういえばこいつ(お茶)も悪くない、ふだん無視しててごめんなと思ったりしたのであった。


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■公募案内
平成25年度[第17回]文化庁メディア芸術祭 作品募集中
< http://j-mediaarts.jp/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20130627140100.html
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文化庁メディア芸術祭は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバルである。

17回目となる今年度は7月11日(木)に作品募集を開始した。アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門で過去一年間(2012年9月21日〜2013年9月12日)に完成、または発表された作品を対象に、プロ、アマチュア、自主制作、商業作品を問わず、世界中から広く作品を募集する。

・アート部門:デジタル技術を用いて作られたアート作品[インタラクティブアート、メディアインスタレーション、映像作品、グラフィックアート(デジタル写真を含む)、ウェブ、メディアパフォーマンス等]

・エンターテインメント部門:デジタル技術を用いて作られたエンターテインメント作品[ゲーム(テレビゲーム、オンラインゲーム等)、映像作品(ミュージックビデオ、広告、特殊映像効果・表現等)、ガジェット、ウェブ、アプリケーション等]

・アニメーション部門:アニメーション作品[劇場アニメーション、短編アニメーション、テレビアニメーション、オリジナルビデオアニメーション(OVA)等]

・マンガ部門:マンガ作品[単行本で発行されたマンガ、雑誌等に掲載されたマンガ(連載中の作品を含む)、コンピュータや携帯情報端末等で閲覧可能なマンガ、同人誌などの自主制作のマンガ等]

〈募集期間〉2013年7月11日(木)〜9月12日(木)
〈応募条件〉サイト参照

〈各  賞〉
高い芸術性と創造性を基準として、各部門ごとに以下を贈呈
メディア芸術祭賞(文部科学大臣賞)
・大 賞 1作品:賞状、トロフィー、副賞60万円
・優秀賞 4作品:賞状、トロフィー、副賞30万円
・新人賞 3作品:賞状、トロフィー、副賞20万円
・功労賞:賞状、トロフィー
このほか、優れた作品を審査委員会推薦作品として選定する。

〈応募方法〉ウェブサイトより応募可能


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編集後記(06/27)

●日本は食料自給率が世界で最低レベルの危機的状況だ。国内産で賄える食料が半分以下では、万が一輸入がストップしたら、国民は飢えに苦しむ。自給率を上げて食料安全保障を盤石にしておかなくてはならない──と思い込んでいたわたしだったが、浅川芳裕「日本は世界5位の農業大国」(講談社α新書、2010)を読んで、我々国民は農水省にコロッと騙され、洗脳され続けていたことを知り、怒りをおぼえたのであった。

いま見た農水省のサイトには「食料自給率とは、国内の食料消費が、国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標のことです」「カロリーベースの食料自給率:平成23年度39%」「先進国と比べると、アメリカ130%、フランス121%、ドイツ93%、イギリス65%となっており、我が国の食料自給率(カロリーベース)は先進国の中で最低の水準となっています」と書かれている。これはヤバい数値だと思うのだが、実は「生産額ベースの食料自給率:平成23年度66%」という記述も掲載されている。

カロリーベース食料自給率などという指標を国策に使っているのは世界で日本だけ。その計算式もじつに作為的なものであった。そればかりか、自給率を計算しているのも日本だけ。日本の低さを強調するための比較に用いられている主要先進国の自給率は、農水省がFAO(国際連合食糧農業機関)の統計から導き出した代物で、いわば「自作自演」である。しかも計算根拠は未公開。自給率に生産額ベースの自給率66%(主要先進国中で3位)の方を用いないのは「国民の食料への不安を煽る」という農水省の目標が達成出来ないからである。

この本によれば、日本農業弱者論はまったくの事実無根、農業生産額は約8兆円で世界5位の農業大国である。農水省はいかに自国の農業が弱いかを理論武装し、自分たちの役割を過大評価させ、省や天下り先の利益を確保し、農水省予算の維持、拡大を図ろうとしているのだという。筆者は、現在ほとんど付加価値を生んでいない農水省の職員を検疫作業等にあたらせよと提言する。大賛成だ。いま喫緊の課題である、中国からの猛毒食品の侵入を水際で防ぐ仕事は人数が足りていないから、ぜひそこに投入してもらいたいものだ。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062726386/dgcrcom-22/
>
日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率


●ネタがない。うーん。あ、そうだ。スロージョギングをしていた時のこと。上り坂で、ひーひー言っていた。カラスがたくさんいてカーカー鳴いているのに気づく。気持ち悪いなぁと思いつつ、もうあかん、歩くわとスピードを緩めようとしたら、幼児用座席のついた自転車に追い抜かされた。

子供の声は聞こえなかったが、お父さんの声は聞こえた。

「カラス多いな......。ん? カラスだよ。このあたりにはいないなぁ。んー、カモメがいるのは水族館かなー。」

最初の「カラス多いな」はパパの独り言。子供はパパにカモメがいると言ったようで、パパはカモメはここにはいない、水族館(大阪の水族館は海そばの海遊館が有名)のあたりにはいるよ、あれはカラスだよと子供に説明していたのだ。子供の素の間違いが面白すぎる。もう限界だと思っていたのに、吹き出してしまって、それからしばらく走れたわ。 (hammer.mule)

< http://www.kaiyukan.com/
>
海遊館。10年以上行ってないわ......
< http://www.youtube.com/user/KaiyukanChannel
>
YouTubeにオフィシャルチャンネルがあったわ。