3Dプリンタ奮闘記[16]3Dプリンタの活用・番外編 大学で集中講義(1)/織田隆治

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これまで色々と3Dプリンタや造形について書いてきましたが、ちょっと中休み。先日楽しい経験をしてきた事についてお話しようと思います。

筑波大学にて7月6日と7日の2日間にわたり、「立体造形の基礎と3Dプリンタの応用」という内容で集中講義をする事になり、ここ数か月色々と準備をしていました。

そして先日、その講義を無事終えましたので、それに至る道について今回〜次回と2回に渡って、僕の体験談を書いてみようと思います。

始まりは、昨年の秋。大学の時の友人から連絡がありました。
「筑波大学で何かオモロイ事を喋って講義してくれへんか?」
という内容でした。

僕のような末端の製作者の職人のオッサンが、若い学生さん相手に何が語れるのか!! と些か葛藤もありましたが、友人曰く。

「実際に手を動かして製作しているオッサンの話が面白い」




それじゃ末端のオッサンの体験話しでもしてみるか!と、そのお話を受ける事にしました。せっかく照会していただいた訳ですし、楽しそうじゃないですか!

企業戦士さん相手のビジネス的なセミナーみたいなのでしたら、セールスプロモーションでの目的に合った、模型、造形、3DCGを活用した提案等の話はいくらでも出来ます。

しかし、学生さん相手ではそういった事よりも、もっと面白くて、色々な技術に興味を持ってもらえるような事を話さないとダメだなぁ...と。。。

今色々と製作している3Dプリンタについて話をしてみようか......
キャラクター製作について語ってみようかな......
3DCGについてが良いかなぁ......
造形の仕事もしている事から、模型、造形ついてトータルで語ってみる事にしようか......

などなど、色々と頭の中を巡ります。
まあ、まだ時間もあるし、じっくり考えて楽しい内容にしよう!
と心に決めていました。

当時のお話では、今年の11月の集中講義だったのです。一年くらいあった訳です。しかし、今年の始めに筑波大学の教授からご連絡を頂きまして、夏にも集中講義をしてほしいとのことでした。

そこで、今、巷では3Dプリンタについて色々と取り上げられるようになっており、初回の夏の集中講義では、それらの事をテーマとする事にしました。タイムリーですもんね。

しかし、講義全体は2日間にわたって10時間もあります。

「ちょっと、奥さん、お聞きになりました! 10時間ですって!」
「へぇ〜、や〜ねぇ。大変じゃないのぉ...」

って事で、内容的にもかなりの物量になりますので、色々と準備をして行く必要があったわけです。

さすがにたった一人で10時間にわたる講義やセミナー、プレゼンなんて経験した事がないので、どれくらいの物量のテキスト、画像、スライドを用意したら良いのか想像もつきません。

そこで、まずは色々と資料集め。

幸い、僕は仕事の工程写真なんかを撮るのが習慣になっていて、画像自体は沢山ストックがありました。

後は、その造形や模型製作、キャラクターの製作の工程についてや、3Dプリンタの種類や構造なんかを、分かりやすくお話すれば良いかな。

最近は、3DプリンタについてはWEB上で探せば色々と資料が見られる訳ですが、難しい表現で書かれているものが多く、もっと噛み砕いて、「3DCGや造形や模型についての見識のない人が聞いても分かりやすい内容」にまとめる作業に入りました。

もちろん、このメールマガジンに書いた記事も、もっと噛み砕いて使用する事が出来ました。色々とやっておくものですねぇ。うんうん。感謝感謝!

話す方も色々と大変ですが、当然、聞く方も10時間も座って聞く事になりますからもっと大変です。

3Dプリンタの話だけを10時間も延々と真面目に語るには、関西人的、ネタ的に面白味がないので、もっと聞いて見て楽しい講義にしたいと思いました。

いくら講義を受ける事に慣れている学生さんとはいうものの、ちょっとブレイク的なネタも必要ですよね。

いくら興味があっても、1日5時間。2日続けて10時間なんて聞いてられませんし。まあ、僕自身も関西人的立場から、真面目な話だけでは疲れます。

そこで、これまで色々と作ってきたオリジナルのキャラクターの造形や、僕が毎回参加している「ワンダーフェスティバル」という模型イベント等の話も、香辛料的にチョコっと取り入れた講義内容にしました。

ギリギリまで試行錯誤しながら色々と資料などをまとめて行き、なんとか講義の2日前になって、約400枚のスライド、A4で60枚程の原稿を用意する事が出来ました。

「3DCGと3Dプリンタの連携、実際の模型製作にどのように活用出来るか」という内容を、初心者が聞いてもなんとなく理解できるようにまとめられたと思います。

一応、それなりにシミュレーションはしてみたんですが、流石にこんな長丁場の講義を、しかも一人で行った事はなく、かなりチャレンジャー感満載で挑むことになりそうでした。

果たしてこの物量で足りるのだろうか!
アドリブでどれくらい砕けても受け入れてもらえるのか!
などなど色々とモンモンしながら、講義への旅に出かけたのでした。

【織田隆治】
FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp >

大学での講義なんて初体験でしたが、これが結構......
次回へ続きます(笑)