アナログステージ[102]イマジネーションをとことん鍛える/べちおサマンサ

投稿:  著者:  読了時間:7分(本文:約3,300文字)


子どもの頃から、とにかく家でじっと大人しくしているのが苦手だった。それは大人になったいまでも同じで、二日酔いでゲロゲロしているか、アルミニウムが熔解するくらいの高熱にうなされていなければ、たいした用事がなくてもフラフラと外出している。

たまーに、煩悩を捨てて300円だけ持ってお出掛けというか散策に出掛けたりする。なぜ300円なのかというと、用もないのに金を持ち歩いていると、俗世の誘惑に負けてしまい、「うゎ、なにこれ、欲しい!」とか、「ぐゎ、ステキング! 買っちゃおうかな」と、あれこれ余計な出費が間違いなくあるからだ。

タリーズやイタリアントマトでアイスコーヒーを一杯飲んで休憩するだけなので、300円以上は要らない。喉を潤わせるだけでいいの。一杯のコーヒーが、なんとも贅沢に感じるときでもあったりする。




●街の皆さんがお手本

街を歩いているヒトのファッションを見るのはタダだ。買えば当然お金が掛かるが、店に並んでいる服を見るだけでもタダだ。あの店のパンツに、ここのシャツを組合わせ、持っている靴を順番に履き替えて、頭のなかでコーディネイトする。シャツを手に持ちながらニヤニヤしたり眉間にシワを寄せたり、店員さんからみたら「なんだこの客?」と引き気味であろう。

でもそこはすでにマイワールドの中。誰にも邪魔されない自分だけの仮想空間であり、なんとも心地よい時間が流れているのだ。頭のなかで上手くコーディネイトができないと、また別のお店へ足を運び、そのお店でまたマイワールドを広げる。「店員に話しかけられる隙は作らないゼ!」というわけではないけど、店員さんも気持ち悪がって近づいてきやしない。

そんなことを繰り返していると、いままで手にした服の中から、ピンポイントでそれをメインにしたコーディネイトが勝手に出来上がることがある。しかし、いくら頭の中でステキなファッションが完成しようが、買う金は持っていない。

ついでに、完成されたステキなファッションは20代の頃の引き締まった体型で想像しているので、ホルモン焼きとビールで肥えてしまった、今のだらしない腹まわりは計算外。なので、完成された想像をお持ち帰りして自分を戒める活力にするのだ。

●舌も心も美味しければいいの

300円だけを持って散策するときは、必ず午後から出掛けるようにしている。なぜなら、蕎麦屋の出汁の香りやステーキ屋の肉汁が飛び散っているような香ばしい匂いが、不意打ちのように鼻に入ってくると腹が減るからだ。

これは誰しも当たりまえのことだ。隣の家からカレーの匂いが漂ってくればカレーが食いたくなるし、駅前の居酒屋から焼き鳥を焼いている匂いがすれば、冷たいビールを飲みながら焼き鳥を食いたくなる。

それを生唾飲んで我慢するのは切ない。切ないというよりも、精神衛生上よろしくない。ステキなファッションが完成するころには、いい具合に時間も過ぎていて、それなりに小腹も空いてくる。そこで飲食店街を練り歩き、晩ご飯の支度を鼻からするのだ。

自慢じゃないが、何を食べていいのか分からないときがよくある。腹は減っているが何を食べたいのか分からない。贅沢病と言われてしまえばそれまでだけど、食欲が衰退するこの時期はとくに激しい。べちお家の皆さんも同じ病気がある。

そんなときは、「フェミレスに行ったらなにをオーダーする?」とみんなで自問自答。見事にバラバラな答えが返ってくるので、結局まとまらない。

そんなときに活躍するのが、さっき嗅いだ飲食店街の匂いだ。これまたピンポイントで鼻に残っている匂いがある。巧みな話術でそれを食べたくなるように誘導する。実に経済的。ネックなのが、その材料が家にないとき。もう買い物に出るのは面倒なので「なんちゃって風○○」で、家にある材料を上手に使って誤魔化す。

それはそれで面白く、子どもたちも大きくなってしまい、なかなか皆で一緒に食事をする機会が減ったべちお家は、「あそこの○○食べたいよねー、今度みんな揃ったら食べに行こうかー」など、団欒とした時間を楽しめる。

●この仕返しは後日改めて

調理器具マニアって自負するくらい調理器具好き。最近では照明と毛布に凝っていて、キッチンの照明を変えるついでに、30インチくらいのモニタを壁に設置して、YouTubeを流しながら料理したいと企画案をカミさんに提出したのだが、ご想像のとおり「ハァ? なんでゴハン作るのにモニタが必要なの?」と即却下。

そんなことは百も承知なので、黙っていきなりやるのがサムライなのだ。予め通告しておかないと、マジキレして手に負えなくなるのを回避するための予防策でもある。一回口にしているので、カミさん自身も「こいつ、いつか絶対にやるだろうな」と8割くらいは諦める。

やったらやったで仕返しというか、オイラの想像を超える仕打ちをされるのが怖いので、大人しくiPadを立て掛けながら我慢しているが、「ここにモニタがあればどれほど楽しいことか」と想像するとワクワクが止まらない。けれど、怖くてできない。

思い出すのも悲しい出来事がある。以前、ガーデニングコーナーで一目惚れした、大型のベンジャミンを買おうとしたとき、「ちょっとちょっとダンナさん? こんなの買ってどこに置くの? マジで要らないからやめてちょーだい」と一蹴された翌日に買いにいってリビングに飾った。

「おーい、車から降ろすの手伝ってぇ」とニコニコ顔で云うオイラの横で、隣のマンションまで飛び出た目玉でベンジャミンを見つめるカミさん。諦め顔というか、溜め息交じりの無言でベンジャミンをリビングに運ぶ。

数週間後、連泊の出張から戻ってくると玄関前に投げ出され、無残にも枯れかけているベンジャミンの姿。慌ててカミさんに「なにしてんの? なんで外にあるの? 高かったんだけどベンジャミン。キミも値段知っているでしょ? 一緒にみたでしょ?」と問い詰めると、「だって邪魔なんだもん」の一言。

だって邪魔なんだもん...... だって邪魔なんだもん......。 そういや食事を運ぶとき、いちいちベンジャミンを蹴飛ばしていたわ。時期は違うが、出張から戻ってきたら、可愛がっていた金魚が水槽で横になってプカプカ浮かんでいた事件を思い出した。ほかにもいろいろあるけど、書いていて悲しくなるので終わり。

そんな辛い経緯から、何日間か家を空けることがあるときが、カミさんにとって仕返しの絶好の機会でもあると悟り、捨てられて困るもの、壊されて困るものはしっかりと仕舞いこんで鍵をかけてから出張にいく。

人間の生活にとても大切な「衣食住」。焦げついた日常や枯れはじめた生活スタイルに潤いと、いつか訪れるであろう想像を、隙なく鍛える休日はいかがですか?

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。
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△▼過酒雑記──今日の酒は明日の肥し 「100回記念その3」▼△

●先週の続き)ペース的に隔週なので楽といったらラクなのかもしれないけれど、キツいときは本当にキツい。「昨日原稿送ったばかりじゃんw」というくらい時間消化が早く、このケースは仕事でも同じ現象が起こる。というよりも、仕事でこの現象が起きているときに起こる(続く

●パズドラ。なんだかんだで未だに無課金を貫いております。よくよく考えると、パズドラってオイラが一番嫌いな「終わりのないゲーム」だって気がついてしまった。やめようか考えたけど、まぁ、飽きたらやめればいいだけなんで気にしないことに。

レベルはやっと53まで上がりました。パーティーの組みかたに頭を悩ませる時期(?)なのかは分からないけれど、手持ちのコマが少ないので悩むレベルでもなかったり。副属性の使いかたが上手になれば、進行もサクサクするような気がするけど、まだそこまでのレベルじゃないので、いつか時期がきたときの予習を怠らないようにしよう。