おかだの光画部トーク[104]キヤノンとニコン/岡田陽一

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オリンピックやワールドカップ、F1など世界的なスポーツ・イベントのカメラマン席で、各国の報道陣が使っているカメラはほとんどキヤノンかニコンだと思います。

そのほかにも、ペンタックスやオリンパスなど、日本には昔から良いカメラを作っているメーカーが数多くあります。こんな多くの有名メーカーが存在するのは世界的にも他になく、カメラ・写真ファンにとっては贅沢な国に暮らしていると思います。

わたしが小学5年生の頃に最初に買ったカメラはCanon A-1でした。1978年に発売された当時「カメラロボット」と言われたカメラ。

従来は、シャッター優先か絞り優先のどちらかだった機能が切替られる両優先AEに加え、プログラムモードまであるマルチモードAE機のさきがけのカメラでした。今では当たり前に、どのメーカーのカメラにも搭載されている機能ですが、当時は画期的でした。

なぜキヤノンを選んだかというと、カメラが趣味だった祖父がCanon F-1を使っていて、ボディーだけ購入すれば、レンズは色々借りられるという理由からでした。

最初に買ったニコンのカメラはそれから随分と後のことで、シアトルで学校に通っていた頃になります。写真の先生がかなりのニコンファンで、日々「ナイコン(Nikonのことを欧米人はこう発音する)」のレンズの素晴らしさを話していたのに影響を受け購入したのが、1988年発売のNikon F4でした。




このF4、使いやすさの話をすると、手の小さなわたしにとっては、本当にゴツくて使い難いカメラで、必要なボタンやスイッチに指が届かないくらいでした。それでも我慢できるくらいカッコいいカメラでした。特にシャッター音。キレが良くて、人に聞いてもらいたくなるくらい心が踊るシャッター音。

当時はフィルムの時代なので、各メーカーの特徴というのは機械的な部分とレンズでしたが、デジカメの時代になった今は、カメラ内で行われる絵作り、画像処理技術がカメラメーカー、機種の大きな特徴と変わってきています。

先日、キヤノンとニコンの違いについて、こんなまとめ記事が話題でした。
< http://matome.naver.jp/odai/2137490225443752601 >

キヤノン派、ニコン派、とこれはもう好き嫌いを通り越し、双方の熱心なファンにとっては一種の宗教戦争のような論争になってしまう時もありますが、ここではどちらが良いと優劣をつけるわけでなく、双方のメーカーの絵作りに対する思想の違いについてピックアップされています。

わたしは、Nikon F4を買って以来、ニコンのレンズを揃えてきたので、今さらキヤノンに戻ることもできず、人のEOSを触らせてもらった経験しかないので、キヤノンのカメラをあれこれ語るほどの情報は持っていません。

一方、ニコンのカメラをフィルム時代からずっと何台も乗り継いできていますのでニコンについての良いところは語ることができますので、そのあたりを中心に...。

小学生の時に祖父に借りていたキヤノンのレンズ達は、今のEOSなどには使えません。1987年にキヤノンはFDマウントからEFマウントへと移行し、径も情報伝達機構も互換性がないものに一新されました。

一方、ニコンのFマウントは、ずっと変わらず同じ径なので、古いレンズを最新のカメラでも使うことができます(※AEや絞り制御などに関して一部制約はありますが)。ここに、根本的な思想の違いがあると思います。

まとめ記事に書かれていることを引用すると、"CANONは「見る側」の気持ちを考えて作っている、つまり写真の美しさを重視していて、NIKONは「撮る側」の気持ちを考えて作っている、つまり操作性を重視しているイメージ"

これは、機種によってボタンの位置や操作性が全然違うキヤノンと、フラッグシップ機からエントリー機まで、基本的には同じ操作のニコン、という大きな違いです。

仕事でキヤノンのカメラを使う場合は、サブ機として全く同じカメラを複数台用意しないと、操作にまごつくと聞きますが、ニコンを相棒に選んだ場合は、高いカメラをメインに、サブには普及機を用意しても操作は同じなので、そういうチョイスをしているプロも多くいます。

色に関しては、まとめ記事にある絵作り、カメラ内での画像処理に関しても、キヤノンは鮮やかでコントラストが強めのパキッとした画像なので、一見上手に見えます。

ニコンはその場の実際の色に忠実に再現するので、比べてみるとコントラストが低い、ネムくくすんだ感じがすると思います。女性や赤ちゃんの透明感のある肌色などは、きっとキヤノンで撮った写真の方が好まれるでしょう。

商品の写真などはどうでしょうか。実物よりも鮮やかに再現されてしまうと困る場合もあります。商品撮影の場合などは、ほとんどRAWで撮影して目的に合わせて現像するでしょうから、大きな問題ではないでしょうけど。

これがまとめ記事にある、Canonは「記憶色」、Nikonは「記録色」という部分です。

買ってきたままのデフォルトの設定では、ニコンの絵はどうしても鮮やかさが足りないと感じている人は「やっぱりキヤノンにすればよかった。誰かに売って買い換えようかな」と思う前に、一度設定を見直してみましょう。

MENUボタンを押すとカメラマークの中に「ピクチャーコントロール」という項目があります。
< http://flic.kr/p/fiKDzc >

その中には、
SD:スタンダード
NL:ニュートラル
VI:ビビッド
MC:モノクローム
< http://flic.kr/p/fiZSmJ >
となっていて、買ってきたままの設定ではSDになっていると思います。

各設定で撮り比べてみました。

SD:スタンダード < http://flic.kr/p/fiKFWi >
NL:ニュートラル < http://flic.kr/p/fiZUJY >
VI:ビビッド   < http://flic.kr/p/fiZUj5 >

プレセットされているものだけでも随分とちがいますよね。ニュートラルだと本当に味も素っ気もない感じの絵です。

でも、素材撮影として後から処理する前提であれば、むしろどうにでも味付け
ができるニュートラルが良い場合もあります。

ビビッドに設定すると、鮮やかさとコントラストが増し、少しキヤノンの絵っぽくなりました。

これらの設定をベースとして、更に自分で細かく調整できます。

ビビッドより更にコントラストと彩度を高く設定してみました。
< http://flic.kr/p/fiZSfq >

このようなマトリックスで表示確認もできます。
< http://flic.kr/p/fiKCMg >

設定したら名前を付けて、何時でも呼び出せるように保存しておきます。
< http://flic.kr/p/fiKCGM >

ビビッドよりももっとビビッドな設定で撮ったものがこちら。
< http://flic.kr/p/fiZU1C >

ということで、操作性や絵作りはそれぞれの好みの問題なので、好きなカメラで自分なりのベストな設定を見つけて、長く使うのがレンズなどの資産も無駄にならずに良いと思います。


【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41 >

あっという間に7月も終わりです。8月になるとまた色々と熱いイベントがいっぱいです。

8月10日:まにフェス
< http://m2college.net/fes2/ >

8月31日:CSS Nite in OKAYAMA, Vol.4
「デザイナーじゃなくても知っておきたい、成果の上がるWebデザイン」
< http://cssnite-okayama.jp/ >

9月7日:CSS Nite in KOBE, Vol.3
Webサイト制作・運用に必要なWebマーケティング、ソーシャルメディア、SEOの本当の知識
< http://cssnite-kobe.jp/ >

暑くて溶けそうですが、お近くの方は是非ご参加ください!