Otakuワールドへようこそ![180]アイドル卒業しました。普通のセーラー服おじさんに戻ります!/GrowHair

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準備期間も含め、2010年12月より開始したアイドルグループ育成プロジェクトにプロデューサ陣の一員として、またメンバーとして参加し、写真撮影やステージパフォーマンスに関わってきました。

が、この度、ごにゃごにゃもにょもにょありまして、8月4日(日)のライブをもって卒業しました。

アイドルグループ『かおす de じゃぽん』自体は、4月以降、勢いのある活動ぶりが続いていました。ほぼ毎週末、土日ともライブ出演があり、同じ日に昼の部・夜の部とダブルヘッダーで出演するときもあれば、同時進行中のふたつのライブに掛け持ち出演するときもありました。

テレビやラジオに出演したこともあり、紙媒体の雑誌やネットの記事で取り上げられたこともありました。定期的にライブ出演させてくださるイベント主催者がすでに3つあり、今後さらに増えていきそうでした。グループとして、上昇気流に乗っていたといえます。

しかし、私自身は、考えてみると、いつかは抜けなくてはならなくなる宿命にあったと言えます。なにしろ本業は勤め人です。仕事にさえ影響しなければ、土日にどんな格好をしてどんな活動をしていようと黙認してくれているという寛大さでしたが、このところ、仕事への影響を否定しきれなくなっていました。

平日にもライブ出演のオファーが来るようになり、有給休暇をとって出演すること自体は制度上問題ないのですが、その頻度がけっこう増えてきちゃって、周囲の人々とのバランスが悪いし、仕事の進捗も思うにまかせなくなってきていました。

もし今後さらに勢いを増して、大きなホールでライブ、みたいなことになっちゃったら、どうにもこうにも仕事どころじゃなくなってくるのは目に見えていました。先へ行けば行くほど、ますます抜けづらくなってくるでしょう。ええい、仕方あるまいっ! というわけで、思い切ってプロジェクトを抜けることにしました。

そういうわけで、普通のセーラー服おじさんに戻ります。『かおす de じゃぽん』自体は今後も存続していくので、応援のほど、よろしくお願いします。




●涙、涙のラストステージ

まあ、私がプロジェクトを去るのを惜しんで泣いてくれた人はそう多くはなかったかもしれないですが。8月4日(日)は、同じアイドルグループの別のメンバーである豊田冴香(サエ)の卒業ライブでもありました。

サエは長野在住の中学3年生で、私より遥かに大変だったはずです。毎週末、バスで長野から東京に出てきていました。土曜の夜明け前に家を出て、朝、新宿に着くバスに乗っていました。帰りは、日曜の夜に新宿を出て、真夜中過ぎにバスを降りたところへ親御さんが車で迎えに来ていました。平日にライブがあるときは、学校を休んで来ていました。やはり、どうにもこうにも続かなくなってしまったようです。

サエは、長野から通ってくるだけでも大変ですが、どんなことにも、人一倍がんばっていました。ピアノが上手で、4月16日(火)の学会のときには、みんなで合唱した『花は咲く』の伴奏を務めてくれました。私がお薦めの本をメンバーみんなに配ったときは、真っ先に読み終わり感想を書いてきてくれました。

ライブの帰り、高速バスターミナルまでサエを送っていくのはいつも私の役目でした。3月27日(水)は帰りが遅くなったので、バスをキャンセルして、急遽新幹線で帰ることにしました。このとき東京駅の長野新幹線ホームで撮られた写真がツイッターに上がり、わずか4日間で27,000リツイートされ、ネット上の記事やまとめサイトでも取り上げられました。
< http://hamusoku.com/archives/7803563.html >

8月4日(日)、六本木にあるライブハウス「BeeHive」にて開かれたイベント、ポニーキャニオンアーティスツ ROLL TOGETHER『ファンタスティック』がサエと私の最後のステージとなりました。

サエには、オリジナルのソロ曲があります。卒業ソングです。『さようなら、ありがとう。〜卒業』。前回歌ったのは3月で、別のメンバーを送り出す卒業ソングになってしまい、ダダ泣きで、ろくに歌えてませんでした。この日は、自分を送り出す卒業ソングになっちゃいました。今度は泣かずに歌うぞ、と決めていて、がんばって歌っていたそうですが。

客席で、すでに何人かの人が泣いているのが見えてしまったそうです。で、本人もやはりダダ泣き。あれれ。ずいぶんと湿っぽいラストステージになっちゃいました。終演後には、何人ものファンの方々からプレゼントや手紙を受け取っていました。暖かく送り出してもらえました。

●やのあんなさんの歌手初ステージとなった「TBS アニメフェスタ」

7月9日(火)に、やのあんなさんの『Shape My Story』のミュージックビデオ(MV)の収録があったことは前に書いたとおりです。やのあんなさんは、青文字系ファッション雑誌の読者モデルとして世に出てきましたが、もともと歌手を目指していたそうです。

TBSテレビで現在放送中の深夜アニメ『ステラ女学院高等科C3部(しーきゅーぶ)』のオープニング主題歌『Shape My Story』で、念願かなって歌手デビューを果たしています。

8月7日(水)がデビューの日でした。MVは少し先立って8月2日(金)にYouTubeで公開されています。これがそのMV。
< >

私は、公開日の明け方、完成したてのほやほやの映像を送ってもらって見ているのですが。えー、ホントにこれが公開されちゃうのー? と、急に恐くなりました。収録のときはぜんぜん緊張しなかったのに、もはやこっちから手出しができない段階に来て、急に怖気づくワタシです。

デビューの日、やのあんなさんは、秋葉原、池袋、渋谷、新宿と移動し、「アニメイト」、「K-BOOKS」、「ゲーマーズ」、「とらのあな」などの店舗にあいさつ回りしています。その模様を逐一ツイッターで流していました。

お店にはこのCDのコーナーが作ってあって、高い位置に大きな液晶モニタが据え付けられ、MVが流しっぱなしになっていました。やっぱりオソロシイことになってるじゃないですかっ。やのあんなさんってば、わざわざ私が映っている瞬間に写真を撮って、ツイッターに上げてくれています。
< http://p.twipple.jp/ghnQ3 >

ウェブ上のメディア「ねとらぼ」で記事になっていました。題して『白髪&おヒゲの妖精「セーラー服おじさん」/アイドルMVにまさかの出演/ぐうかわな笑顔を振りまく』。「もはやどっちのMVなのかよく分からない」、「異色すぎてわけが分からない」などなど、ツッコミまくられています。
< http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1308/02/news127.html >

8月10日(土)に「文京シビックホール」で開かれるイベント「TBSアニメフェスタ 2013」ではやのあんなさんが出演することが発表されていました。やのあんなさんにとって、ステージに立って生で歌う、初ライブになります。

私はアイドルグループのライブに出なくてはならないので、見に行けないところでした。ところが、8月4日(日)のライブをもって辞めちゃったものだから、予定が空きました。見に行けるじゃん。

チケットはヤフオクで落としました。一階席の前半分の後ろ寄りの席は定価の3倍ほどまで競り上がりましたが、意地を張り通して落札。サエの分と2枚。

サエは、最後のライブの翌週もまた、東京に出てくることになったのでした。8月10日(土)9:10新宿着の高速バスに乗ってきました。セーラー服姿で。学校の制服ではなく、なんちゃってセーラー服。私もですが。

私は、なかなか単位が揃わなくて卒業できず、とうとうサエとクラスメイトになっちゃった、という設定。少なくとも、同じ寅年ではあります(実際は3回りほど離れてるけど)。

以前に東京駅で撮られたときは、「幸せそうなお孫さんとおじいちゃんを見ました」とコメントつきでツイッターに写真が上がったため、孫設定もネットでけっこう広まっている模様。

俺の孫がこんなに可愛いわけがないんだけどなぁ。「俺の嫁」は真紅なので、真紅の孫でもあるわけです。1/4は二次元の血が入っているわけですな。たしかに、真紅の二次元の血を引いて、ツインテールがよく似合っています。

TBSアニメフェスタは、TBSテレビで現在放送中、あるいは近日放送予定のアニメ番組にかかわるたくさんの声優さんや歌い手さんの姿が生で見れる、オイシイイベントです。

やのあんなさんは、初ステージの前、すごーく緊張していたようです。ツイッターに本人からそんなコメントが上がっていました。けど、歌い始めたら、もうノリノリでした。

休憩時間に、「関係者以外立ち入り禁止」と掲げられた扉の中に入れてもらい、楽屋に通じる通路で、ご本人と立ち話させてもらえました。うまく歌えたと喜んでました。

イベント終了後、新宿のアニメイトに立ち寄り、MVに映っている自分と対面してきました。すぐ逃げてきましたけど。

サエは親戚のお家に泊まることになっていたので、最寄駅までお送りしました。お爺様が駅までお迎えに来てくれていて、セーラー服を着たサエを連れて歩くセーラー服を着たジイサンの姿で対面するのは若干気まずかったことは否定しきれません。

●撮りに行ったのに撮られっぱなしのコミケ

TBSアニメフェスタは8月10日(土)でしたが、同じ日から3日間、コミケでした。なんでカブるかなぁ。というわけで、コミケには2日目と3日目に行きました。私はコスプレイヤーの写真を撮る、いわゆる「カメコ」なので、コミケに行く主な目的もそれなのですが。

3日間ともものすごい暑さでした。革靴ごしにも足の裏が熱い。下にひざをつくと火傷しそう。これだけ過酷な天候条件だと、意気がくじかれる人が多数出て、来場者が減るのではないかと思ったのですが。実際は、3日間の来場者数は過去最高の59万人だそうです。オタクパワー、おそるべし。

カメコのつもりだったのに、ろくに撮ってなくて、撮られてばっかでした。撮らないカメコはただの豚。コミケでは、女装している男性レイヤーなんてうじゃうじゃいて、珍しくもなんともありません。実際、前回は、セーラー服を着てうろうろしていても、撮らせてくださいと言ってくる人はそんなに多くはありませんでした。

ところが、今回は大違いでした。つまり「おっさんがセーラー服を着ているのが面白いから」ではなく「あの有名な人と遭遇できたので」という理由で撮りたがる人がどっと増えたってことなんじゃないかと思います。今年になってから一気に人々に知られるようになってきた感じです。セーラー服で外を出歩くこと自体は、2年以上前からやってるんですけどね。

せっかく撮影したいと言ってきてくださる方々にはすべてお応えしたかったのですが、持っていた2本のペットボトルの飲料を飲みつくして、コンビニに買い足しに行かねばと日陰から外に出たとたんに、声がかかって。

それに応えていると、あっという間にわっと囲まれてすごい人だかりができ、カウントをとっていったん散っていただいても、ほんの数秒で同じことの繰り返しでちっとも前に進めず、この状態を続けていたらぶっ倒れて救護室に運ばれかねないと思い、仕方なくお断りせざるを得ないこともありました。ごめんなさい。

後で、まとめサイトを見たり、ツイッター内検索をかけたりして、写真を拾い集めてみました。こんな。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/Event1308 >

●アニソン縛りのカラオケ店で、場を盛り上げてきた(サエが)

8月12日(月)、コミケ3日目の帰りに、中野へ行きました。中野は、東京では、秋葉原、池袋に次ぐオタクの街になっていると言えるのではないかと思います。中野ブロードウェイセンターは、もともとは高級マンションで、かつては沢田研二氏や青島幸男氏が住んでいたこともありました。

商店街として振るわなくなってきていた '80年代に漫画古書専門店「まんだらけ」がテナントとして入ってきたのをきっかけに、オタクの街・サブカルの街として発展してきました。今では、フィギュアやドールの店やコスチュームの店などが入り、周辺にメイド喫茶やその亜流店が散在し、立派なオタクの街となっています。

コミケでは、コンビニで買っていったおにぎりやお菓子ぐらいしか食べていなかったサエと私は、まずメイド喫茶「黒猫メイド魔法カフェ、中野本店」へ立ち寄って腹ごしらえ。オムライスを注文し、ケチャップで猫を描いてもらいます。定番です。
< http://www.necomimi.info/honten/ >

それから、「アニソンカラオケバーZ、1号店」へ。小部屋に区切られたボックスタイプのカラオケ店ではなく、お客さんがステージに立って、他のお客さんたちの前で歌うタイプのお店です。お店には、アニメ等のコスプレをした女の子が3人くらいいて、お客さんが歌っている間、前に立ってくれて、踊ったりタンバリンを叩いたりして盛り上げてくれます。
< http://www.anisonkaraokebar-z.com/ >

カラオケの機械自体にはオールジャンルの曲が入ってはいるのですが、お店のルールとして、アニソン、ボカロ曲、声優さんの歌等しか入れてはいけないことになっています。

いつも異様な熱気で、すごい盛り上がりようです。お客さんたちはみんな、ものすごーく歌が上手いです。席に座って聞いているお客さんたちの手拍子やタンバリンも、タイミングがめちゃめちゃ正確で、非常に切れがいいです。経済的に振るわなくて沈滞ムードの日本にあって、一番元気でノリノリなのは、やはりオタク連中なのだと確信させられます。

この空気に瞬間的になじんだサエでした。ただでさえMAX気味のボルテージをいっそう引き上げてくれました。そりゃそうですな。ツインテールの似合う15歳の小柄の美少女が、店がタダで貸してくれるコスチュームに着替え、なんか異様に難しいボカロの歌などを楽々と歌いこなし、さらにはくるっと回ったりジャンプしたりと余裕で踊っちゃうわけで。二次元大好きなお客さんたちの喜ぶまいことか!

まあ、つい先週まではアイドルとして活動してたわけなんですけども。いったんはアイドルを辞したとは言え、しばらく骨休めした後には、またどっかからバーっと出てきたりするんじゃないかなぁ。

そうじゃなきゃ、もったいないですぞぉ。あんな小さな場じゃなくて、数千人の前に出たとしても、同じノリで場を盛り上げてくれる素質はあるんじゃないかなぁ、なんて。

この日、21:10新宿発の長野行高速バスで、帰っていきました。15年生きていて、いちばん楽しい夏休みになったと喜んでいました。私も50年生きてきて、屈指の部類に入る夏休みだったかなぁ。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
< http://www.growhair-jk.com/ >

夏休みが明けたばかりで、まだ私の中のエンジンがまともに起動しておらず、あんまり難しいことを考えたりしては頭がハゲそうだったので、今回は思想を語らず、軽〜い感じで夏休み報告でした。

このところ、普通の格好して歩いていても見知らぬ人から声をかけられたり、ツイッターで目撃情報がつぶやかれたりします。また、セーラー服を着て歩いていると、外国の方からもよく声をかけられます。中国でも有名です、とよく言われます。

写真を撮らせてください、と言ってくる人には、「どこかで見たことありますか」と聞き返してみるようにしています。各種メディアの情報伝播力が伺い知れます。

予想通り、「初めて見ました」って人は非常に少なく、一割程度です。やはり私の存在はけっこう世に知れ渡ってるっぽいです。メディアで見たあの人だから、と、まるで有名人に遭遇したようなノリで喜んで声をかけてくる人がほとんどという状況になってきたってことでしょう。

圧倒的に多いのは「テレビで見ました」って人です。「有吉じゃぽん?」と聞き返すと、たいていそれです。半数以上がこのパターンです。テレビ離れが言われて久しいけど、やっぱりメディアとしての情報拡散力は圧倒的です。

次に多いのは、ネット上のSNSです。ツイッターやフェイスブックでよく画像が回ってくるのを見ていた、ってパターンです。特に、中学生や高校生はツイッターで見てたって人が非常に多いです。ネットユーザの間では、私はけっこうな有名人扱いになっているみたいです。

VICE MEDIAのドキュメンタリー映像を見たって人にもよくお目にかかります。ネット上のニュース記事やまとめサイトだと、上がった直後の3日間ぐらいはすごい数のアクセスが来るけれど、一週間も経つと、誰も見に来なくなるというのが感覚的にあります。

ところが、VICE MEDIAの映像は、YouTubeに上がってから何か月も経った後でも、まだアクセスが伸びていっています。今、約15万アクセスです。

私のドキュメンタリー映像は6月にアップされています。それより約半年前に、パリ人肉事件の佐川一政氏のインタビュー映像がアップされていました。アクセス数でじわじわ追い上げていたのですが、そっちの映像もまだアクセス数を伸ばしていて、なかなか追いつけませんでした。が、つい最近、やっと逆転しました。って、張り合わなくていいか。

佐川一政氏のインタビュー映像:
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私のドキュメンタリー映像:
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一回だけ、「週刊実話見ました」という人がいました。若い女性でした。「あんな、おっさんの読むようなエロ雑誌、なんで見てんの?」って聞き返したら、照れ笑いしながら、後ずさりして逃げていきました。紙メディア、がんばれー。まだ死ぬな。

いきなり「小林さん」と本名で呼んできて、どこのお知り合いだっけと考えていると、初めて会った人だった、というのもびっくりします。「ファンです」みたいに言ってくる方もいらして。たいへん光栄です。すごい有名人気分にさせてくれます。実際は、タレントでも何でもない、ただの人なんですけどねー。

まったくお目にかかれないのが「デジクリ読んでます」って人で。デジクリ読者諸兄はあんまり外出されたりしないのでしょうか。まさか誰も読んでないなんてことは......。

と思っていたら、コミケで声をかけてきてくださった方が、読んでくれていました。ああ、よかった。読者諸兄におかれましては、私の姿を見かけたときにはぜひぜひお声をかけてくださいましー。