[3547] テレビ番組っぽい展示──【ミケランジェロ展─天才の軌跡】を観て

投稿:  著者:  読了時間:27分(本文:約13,000文字)


《積極的にだまされてやろうじゃないの〜〜っ》

■武&山根の展覧会レビュー 
 テレビ番組っぽい展示──【ミケランジェロ展─天才の軌跡】を観て
 武 盾一郎&山根康弘

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 「WACOM新製品」「苦痛が快感」など小ネタ集
 吉井 宏

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■武&山根の展覧会レビュー
テレビ番組っぽい展示──【ミケランジェロ展──天才の軌跡】を観て

武 盾一郎&山根康弘
< http://bn.dgcr.com/archives/20130918140300.html >
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武:こんばんは! 久しぶりっすねー

山:こんばんは〜。一か月空いたしな。

武:今年の8月はどうでしたか?

山:8月? そうやねー、久しぶりに大阪の実家に帰り、更に親父の田舎へ墓参りに、瀬戸内海の島に行ってました。海で泳いだの何年ぶりやろか。

武:おおー、瀬戸内国際芸術祭だっけか、観たの?

山:いや、泳いで釣りして温泉入って酒呑んで帰ってきましたw

武:お墓が島にあるの?

山:そうやね。

武:へー。いいなあ。島。
山:いいとこですよ〜。ってか、海が楽しくって。

武:島に住むのは大変そうだけどお墓が島にあるっていいね。海なんて2010年に長崎の海に行ったきりだ。海ではしゃぎたいっすよw

山:砂浜からちょっと行って潜ったら、魚がいっぱいいるねんけど、そんなんやったっけ? 海って。

武:きれいな海はそうなんでしょうなあ!

山:もう出たくなくなってしまって、子どもより遊んでしまったw 母親と姉二人と姉家族と行ったんですけどね。いいお盆でした。ま、酒呑んで暴れる、というオチはつくんやけど。

武:姉の旦那はどう思ったんだろう?w

山:今まで会った中で三本の指には入るな、って言われましたw

武:なんの三本だw

山:酒乱の。

武:ははは。名誉なことじゃないかw

山:でも「まだまだ上がいるで」やって。

武:そうかw

山:いやー、ホッとしました......ってホッとするか!

武:山根の里帰りを枕に、レビューに入りましょうか。

山:結局酒の話で始まってしまった、、まあええけど。で、今回はミケランジェロです!

●初めてだったかも国立西洋美術館

武:国立西洋美術館! 国立ではなく上野にあります!

山:知ってます。が、実は僕は初めて行ったんですよ。

武:俺もひょっとして初めてかも。入り口付近のモニュメントとかよく見るから入ってるかと思ってたけど。

山:え、ホンマですか。あの誰やったっけ、彫刻。

武:ロダン?

山:そう! ロダンのレプリカ。それは僕も何度も観てるけど、中には入ったことがなかった。西洋美術の古典に興味がなかったわけでもないんですが。

武:なんだろな、入りたいと思わせる企画がなかったからかなw

山:そうなんかな。


武:でだ、今回なぜミケランジェロなんかにしようとしたのか?
山:ほう。なんでですか?

武:国立新美術館のポップアートか
< http://www.tbs.co.jp/american-pop-art2013/ >
< http://www.nact.jp/exhibition_special/2013/american_pop_art/index.html >

国立西洋美術館のミケランジェロかで悩んだんですよね。アメリカとヨーロッパ、どっちがいいかなあ? って。俺にとってはヨーロッパの美術よりポップアートの方が馴染みがあるし、ミケランジェロなんて石膏くらいしか知らないし、観てみようかって思ったんです。

山:あんまり観たことなかったってことやね。

武:なんとなく知ってるだけだよね。ルネサンスの巨匠、彫刻家、天井画、くらいのイメージ。

山:有名すぎると知った気になるんかね。実際には教科書的なことしか知らんねんけどな。

武:なのでものっそい発見できるかと期待したんですよ。

山:確かに。

武:したっけ、知っている以上のことはあまりなかった、的なwww

山:そうなんですww

●テレビ的な展示

武:展示全体の印象をひと言で言うと「テレビ番組っぽい展示」だったな。

山:映像もテレビの特集っぽかった。

武:ウリは『階段の聖母』のレリーフだけじゃないですか。UFOの特番みたいに引っ張って引っ張って、「これかよ!」みたいな、ね。まあ確かにレリーフは観た時「おお!」って感じたけど、さほどミケランジェロに深入りしてないところがテレビのバラエティ教養番組っぽく感じた。

山:あれが売りやったんか。僕はレリーフ観たとき、なんかデッサンおかしないか? と思た。それより素描の方がグッときたけど。

武:「クレオパトラ」は好きだったな。

山:ああ、実は紙の裏側にも素描があったという作品か。

武:でね、この展示で観客に一番プレゼンしたいのって結局「4K映像」じゃないのかな。映像コーナーの「在り方」がメインプレゼンテーションで、ミケランジェロはそのネタって感じした。

山:ふむ。

武:けど4K映像が公開されるのは9/13からで、それまではハイビジョンなんだって。俺は初日に観たからあれは4K映像じゃないんだよ!

山:はあ。そもそも僕は4Kとか知らんし、ハイビジョンもないし、よくわからんがw

武:4K=カイショウナシ、キモイ、クサイ、ケチ。
山:それを言いたかったんか!

武:まあ、いずれにせよ、テレビ的な展覧会だ、ということですよ。

山:それは客層を当然意識してるんやろな。やっぱり年配の方が多いし。テレビ的な方がわかりやすい。

武:「体験する教養番組」って考えたら、テレビ局の新たなビジネスかもね。たったひとつの見せ場をひっぱって盛る演出テクニックは持ってるわけで。

山:奇抜で解釈ができないものよりも、わかりやすくって疑問を生み出さないもの、見せ方、ってほうがええんかな。

武:今回の展示はまさにそんな感じよね。で、4K映像を体感させて、4Kテレビ需要を喚起する、と。

山:じゃあミケランジェロじゃなくてもええやんw で、4Kってなんなん?

武:ざっくりいうと高詳細ってことなんじゃないの? なんでも実物のように立体的に見えてしまうらしい。
< http://ja.wikipedia.org/wiki/4K%E8%A7%A3%E5%83%8F%E5%BA%A6 >

山:へー、さらに高解像度、ってことなのか。どんなんやねん。

武:くそー! 4K映像観たかったw つか、なんだろなー。せめてもうちょっと作品点数欲しかったよな。

●「ミケランジェロ」という架空の生きもののお話

山:今まで観たことない直筆の手紙とかなんやかんや、いろいろあったんですけどね。

武:食べ物のメモは面白かったけどね。ミケランジェロは肉じゃなくて魚系なんだ、ってのが最大の発見だったな。

山:レシピがあったな。でも「ミケランジェロが粗食だった」って聞いてもあんまり感動はしなくないか? そうかもなあ、って思うし。

武:ワインばっか呑んでたんだよ。たらふく貰ってるじゃん。

山:酒は呑むやろ、そりゃ。

武:ワインとニシンw

山:ええやんw

武:「よし、俺も!」って思ったもん。

山:なんかマネしたくなるのはわからんでもない。

武:なんにせよ、肉食じゃなくて魚食ってのが凄くよかった。ミケランジェロから学べるのは主にそれだな。

山:何を学んでんねんw

武:つかね、素描もね、すんげー感動したかっていうとそうでもなかったよw 凄くうまいから感心はするけど、なんだろなとてつもない既視感つうか。

山:そうか。僕はそれはそれで「ルネッサンス!」って感じで気持ち良くはなれましたけどね。

武:「筆の息づかい」を感じれるのかなと思ったけど、上手すぎてついてけないのかな?

山:絵を描いてて、そんな方向を一度でも夢見た人は、呼吸は合わせられるんとちゃうかな。手は追いつかなくとも。

武:もうちょっと段階を追った下絵を観たかった。単純にミケランジェロを知って行く手がかりが少なく感じた。

山:あんまり残ってなかったりとか、なんかな。ほとんど焼却した、とか書いてたな。

武:500年も前だからね。

山:あってもそんなに持って来れないんやろしな。もう完全に「歴史」になってしまってるから、動かすのたいへんなんちゃうか。

武:神格化されちゃってて人間に辿り着かない感はあったかなあ。「ミケランジェロ」という架空の生きもののお話みたいな感じ。

山:生きてるうちから神格化されてたわけやしな。

武:でもワイン大好きだったわけじゃん。

山:神様でも酒は呑むやろw ちょっとミケランジェロのウィキ貼って下さい。

武:< http://ja.wikipedia.org/wiki/ミケランジェロ・ブオナローティ >

山:あ、いっぱい残ってるんやね。もっとも記録が詳細に残っている人物、とある。

武:「生き様と作品」みたいな形では見えないんだよね、時代的なこともあるだろうけど。

山:生き様ってさほど藝術において重要じゃなかったりしたんとちゃうのかな。もうちょっと職人的というか。職工的。藝術が今よりもっと技術的だった時代よね。

武:それでも、ミケランジェロは今までにはない人体の描き方をしたんだよな。それまでの教会の絵の人体はもっと固いというか、止まってる感じなんだけどミケランジェロは動きを描き出してる。

山:あたらしい技術を作った、ってことなんとちゃう?

武:きっとそれは「見たこともない絵」だったんだよ。職工的ではあっただろうけど、これまでの「型」を変えてしまった人ではあるんじゃないかな。

山:そういうことはあるんかもね。でもその人となりや生き方は、展示を観た限りでは、いわゆる職人、って感じしたけど。

武:そうだね、際立ったところはあまり見られないよね。つか、逆の意味で際立ってるのかな? ミケランジェロって童貞?

山:なにそれ? ああ、同性愛者やったかもしれないんか。

武:「ミケランジェロが「修道僧のように貞節」と書いているが、ミケランジェロが持った肉体的交渉を明らかにすることは不可能である」とあるww

山:結婚はしなかったんや。

武:仕事一筋だったんかな。

山:あれだけの肉体に対する執着心ってのは、そうそうないよな。特に男性への。筋骨隆々、肉が肉として動く! みたいな。ベーコンかw

武:なるほどー。肉に対する異常なまでの執着は同性愛やもしれないわけか。。ゴツゴツと凹凸があって動きがあるほうがヌルーンとしてるより、描いてて楽しいってのはあるよね。

山:それは人によるやろうけど。

●面白い常設

武:もっとそこら辺の手仕事を見たかったなあ。素描はあまりにも断片的すぎて。。まあそんな感じでミケランジェロは思ったより面白くなかったです。それよりも、コルビジェが面白かった! 常設が面白かった! コルビジェと常設を観れば充分堪能できるよ。

山:ってかね、常設広すぎる!

武:広いねー。あんな広いとは思わなかったw

山:びっくりしたがな。まだあるんかい!って。

武:歩き疲れた。

山:最後の方、観る気なくす。一応観たけど。

武:途中に屋台とか欲しいよなw

山:途中で一杯、、、引っかけるかい!

武:酒じゃないにしても、お茶とみたらし団子とか。売れると思うけどなーw

山:あ、それはいいかもね。でもそうすると、残りを観ずに帰ってまうかもな。腹いっぱいで眠くなって。

武:あれさ、引き返せなくない?

山:え、そうなん?

武:いや、なんとなくそう思っただけw

山:引き返せるやろw まあでも、とにかく長かった。

武:総じて楽しかった国立西洋美術館、マル

山:楽しんでるやん。

武:常設が良かったということで。

山:何が良かったよ。

武:1500年代前後の宗教画。ミケランジェロのダイナミックな肉体の動きがない宗教画。

山:ああ、はい。それには僕も反応した。

武:固いポーズとかがなんかむしろ良かったりする。

山:それはわかる。描き込み系よな。みょーにかっちりしている。

武:そうなんだよね。ミケランジェロよりこっちの方が好みだわ、って思った。ミケランジェロの天井画も最後の審判もみっちり描写してないじゃん。

山:あれはフレスコ画やしなー。

武:時間かけられないのか。

山:そうやろね。ってか、あれ、一人で描けないよな?

武:まあチームで描いてるんだろうね。ほとんど一人で描いたとは言われてるらしいけど。
< http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/114-5d80.html >

で、今回の展示の話に戻るけど、軌跡が充分に追えてない感じがしたよ。「天才の軌跡」じゃなくて、「天才の欠片」だったかな。

山:バチカンに行けよ! って言われるんとちゃう?

武:行けるかバカチン!

山:これ「僕らがバカです」って言ってるようなもんですが、いいですか?ww

武:これでいいのだ!


【システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展─天才の軌跡】
会期:2013年9月6日(金)〜11月17日(日)9:30〜17:30 金〜20:00
会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)
休館日:月曜日(ただし、9/16、9/23、10/14、11/4は開館、翌火曜日休館)
観覧料金:一般1,400円、大学生1,200円、高校生700円
< http://www.tbs.co.jp/michelangelo2013/ >
< http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2013michelangelo.html >

【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/私は売れている画家です】
Picaresque主催「ウチコレ小文間」に出展しています!
< https://www.facebook.com/notes/picaresque/%E3%82%A6%E3%83%81%E3%82%B3%E3%83%AC%E5%B0%8F%E6%96%87%E9%96%93/543975452330261 >
会期:2013年7月6日(土)〜10月11日(金)
会場:なるほ堂(茨城県取手市小文間 5336-1)
< http://goo.gl/maps/j6SJk >

500円で投票して作品が当たる「ゼロネロ」に出品しています!
< https://www.facebook.com/notes/picaresque/%E3%82%BC%E3%83%AD%E3%83%8D%E3%83%AD%E5%B0%8F%E6%96%87%E9%96%93/545105655550574 >

「ウチコレ学森舎」にも出展します!!
< https://www.facebook.com/notes/picaresque/%E3%82%A6%E3%83%81%E3%82%B3%E3%83%AC%E5%AD%A6%E6%A3%AE%E8%88%8E/574074059320400 >
会期:9月19日(木)〜12月20日(金)
会場:京都アカデミックスペース「学森舎」
京都府京都市左京区超勝寺門前89
< http://goo.gl/0AtuL >

facebookページ < http://www.facebook.com/junichiro.take >
Twitter < http://twitter.com/Take_J >
take.junichiro@gmail.com

【山根康弘(やまね やすひろ)/チェイサーが重要】
yamane.yasuhiro@gmail.com


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■グラフィック薄氷大魔王[359]
「WACOM新製品」「苦痛が快感」など小ネタ集

吉井 宏
< http://bn.dgcr.com/archives/20130918140200.html >
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●WACOM新製品を見てきた

ヒカリエのコワーキングスペース「Creative Lounge MOV」でWACOM製品体験会をやってたので行ってきた。OS入り13インチCintiqと筆圧つきiPad用ペン。

< http://www.wacom.com/jp/ja >

「Intuos Creative Stylus」は筆圧付きのiPad用スタイラスペン。Bambooスタ
イラスのワンランク上だからintuosかー。軸が長めってところがイイ。筆圧の利き具合は、前モデルのJot Touchよりぜんぜん自然。ぐいっと丸を描いてちゃんと筆圧が効く。

ちょっと筆圧弱めな人だとしんどいかな。ペンを長く持って描くと筆圧効かずに線が出ないこともある。でも、従来の筆圧なしは不自然だったんだなと思い出す感じ。僕がよく使ってるArtStudioで使える。いいかも。

ただし、日常的にiPadで描いたり液タブの代替として使うことはこれからないだろうから、Intuos Creative Stylusは買わないと思う......。っていうのは、OS入り13インチCintiqがかなり良いから!

その「Cintiq Companion」は、Windows8入りとAndroid入りの13インチ液晶タブレット。WACOM製品として初めて、パソコンに接続せず単体で使えるデバイス。Windowsの人なら迷わず前者を選べばいいと思うけど、僕の場合Macメイン。先日のSurfaceのときも思ったけど、パソコンが増えると、いろいろ煩雑になってめんどくさい。

あと、Windows入りCintiqをグラフィック的に満足に使うには、やはりキーボードが必要になる(別売りで用意されてる)。でも、MacBook Airにつないで使うなら、キーボードを用意する必要ないわけだし、Androidではキーボードショートカットは不要。なので僕はAndroid入りを選びたい。

書き味や性能その他は従来の13インチCintiqと同等で、最高性能の液晶タブレットそのもの。ガラス(アクリル?)が薄いこともあって視差も少なく非常にいい感じ。10インチのSurfaceと3インチしか違わないけど、HDでも画面内容は小さくなりすぎず、普通に使えそう。

すげっ! と思ったのは、パソコンからケーブルを引っこ抜いた瞬間にAndroidに切り替わる。お出かけ用のスケッチパッド兼Androidタブレットに早変わり。これは新しい、楽しい! 逆にケーブルを差したら即液タブに。パソコンに接続すると、USBメモリ的にファイルが利用できる。バッテリーは7時間以上もつそうです。

体験会会場で何か描くと、ウェブの「みんなのスケッチライブラリー」に載るらしいってのは知ってたので覚悟して行ったんだけど、しまったなあ。画面に貼るビニールを持っていけば良かった。

ツルツル画面で絵描くのめちゃくちゃ苦手。ペンも普段はグリップを引っこ抜いて細くして使ってるし、ストローク芯を使うから三重苦。それでも一応描いてきた。そのうち載るでしょう。

「みんなのスケッチライブラリー」
< http://tablet.wacom.co.jp/buddy/event/library.html >

描いたのはAndroidモードで、WACOM純正のお絵描きアプリ「Wacom Creative Canvas」を使った。出荷バージョンじゃないベータ版だそうで、肝心なところにいくつか不具合があったけど、ちゃんと動けばなかなか使えるスケッチソフトのようです。レイヤーもあるし、投げ縄選択切り取り移動とかできちゃう。

もう一つの新製品が「Bamboo Pad」。基本的にはマルチタッチのトラックパッドで、ペンも使えるというもの。事務用品に近く、グラフィックの人が本格的に使うものじゃなさそう。そういえば最近、いろんなショップのカウンターに、WACOMのサイン用タブレットを見かけるね。

......ここまで書いて、あれええ? 従来のBambooってなくなっちゃったの?! intuosになってる? で、従来のintuosはintuos Proに。......という9月6日の製品ライン大幅刷新を知った。展示されてたかな? 見逃しとったー!

< http://www.wacom.com/jp/ja/creative/intuos-m >

●苦痛が快感に変換される?

先週の「大型作品集中制作のボヤキ」まとめの最後に「とか言いつつ、一週間もすぎると、キツかったことをすっかり忘れて早く作業に戻りたいとか思ってる自分に唖然。やっぱアホだわ。」の件。結局、今までもずっとそうだったんだよ〜。フィギュア制作もアニメ制作も究極のキツさなんだけど、後で必ずまたやりたくなる。

今までは「経験値上がったし、次はもっと効率よく早く楽しく作れるに違いない!」と思うから、性懲りもなくキツい作業を繰り返してしまうんだろうなと思ってたけど、さすがにこう何度もやってると経験値とか関係なさそうだ。......で、思いついた。

キツければキツいほど、しんどければしんどいほど、しばらくすると「楽しかったな〜。充実してたな〜。よかったな〜」って錯覚しちゃうんじゃないかと。脳がキツかった記憶を楽しい記憶に変換してるんじゃないか? で、また繰り返さずにはいられない。

「楽しいかと思ったらやっぱしんどかった」っていうキツさもプラスされてさらにキツくなる。そのしんどさを、後で思い返して「すごい楽しかったな〜〜!!またやりたい!!」って思っちゃう悪循環。

これって、マラソンなどキツいトレーニングを含むスポーツの魔力・中毒性ってこれじゃないの? 僕はスポーツするの嫌いだからそういう境地になったことないけど、毎日ランニングせずにはいられない人っていっぱいいるじゃん。脳内麻薬とかまでいかなくても、キツさがクセになって毎日走らないと気が済まなくなってる?

まあいいか。脳にだまされてるほうが都合がいい間は、積極的にだまされてやろうじゃないの〜〜っ。

●風立ちぬ

(ネタバレはしてませんが、先入観を持ちたくない人は読まないようにお願いします)

今さらだけど「風立ちぬ」観てきた。これでようやくレビューとかいろいろ読めるw 平日朝の回なのに7〜8割くらい席埋まってました。ロングランするだろうな。あと「パシフィック・リム」を見ないと今年の夏は終わらない。

「風立ちぬ」、イマイチって人が多いらしくて心配だったけど、すげ〜よかった。映像的見せ場やストーリーの牽引力や盛り上がりが少ないのに、画面や演出が非常に緻密なので一瞬も退屈しない。説明がなさすぎてわかりにくいという話もあったけど、大丈夫だった。子供の頃にプラモデルブームだったおかげで、あのあたりの歴史の最低限の知識もあったし。

なんちゅうか、モノ作ってる人っていうか何かやろうとしてる人全部への、応援歌というか贖罪というか免罪符というか、「そういう人なんで見逃してやってね」というか。

時代や環境は選べないけど、とにかくやりたいことを実現しろ、やるべきことをやれ。全力を発揮できるのは10年しかないぞ。力を尽くしてるか? という。その結果、犠牲や蔑ろになるものもあるかもしれないけどね、と。

何か根詰めてやろうとしてたりモノ作ってる人以外には、何の引っかかりもない映画に見えるかもしれない。主人公、なんてひどいヤツだって思うかもなあ。破滅も何もかも全部受け入れるっていうか、実は周囲がどうなろうとあんまり興味ない。

宮崎駿監督の精神的自伝なのは確かだろうな。「僕はこういうヤツなのです」という個人的映画。こりゃ本人が見たら泣くわ。いろんなもの犠牲にしてきた、すいませんね。という。

勝手に純化・誇張すると「ぜんぜんコタえないやつ、反省しないやつ、悪魔に魂さえ売る最低なヤツであることを受け入れて、理想に向かって走り続けようぜ」って話だと思うw

......すんませんw 「これは僕についての映画だ!」とか思って帰ってきてレューを検索したら、少数ながら同じこと思った人がいるみたいで、なんかうれしくていっぱい書いちゃった。けど、鼻息荒く書くほどに「周囲蔑ろにしてモノを作ってる自分は特別」に陥りそうだったのでかなりカット。危険な映画だなあw

●パシフィック・リム

(こっちは読んでも大丈夫です)

今さらだけど「パシフィック・リム」も観てきた〜〜。日本語吹き替え3D上映。暗さはそれほど気にならなかったけど、2Dでしっかり見えるほうがいいなあ。

巨大ロボットアニメって、マジンガーZと最初のガンダム以外ほぼ見たことないし、ウルトラシリーズもセブンまでしか見てないし、ゴジラとかの怪獣映画もそれほど好きじゃないので、「男の子の夢!!」的な思い入れはあまりなかったんだけど、「究極の実写」で見せられると圧倒されるね〜! 「こういう映像を見てみたかった」のオンパレードは、さすがに響く。

日本の特撮やアニメを、日本では考えられないくらいの予算を使ってものすごいレベルで実写化したらこうなる、というサンプル。日本人が見たくても見れなかった映像。すごいわ。ヘタすると、もう巨大ロボットものも怪獣ものも、これで終わりでいいや。ってくらいの。

誰かも言ってたけど、「特撮だから、アニメだから」っていう、リアルに見えなくても脳で補完したり、様式美だからってことであたたかい目で見たりって部分を完全排除! 情け容赦のないリアル描写! 海底のシーンはちょっと「う〜ん」な部分はあったけど。

芦田愛菜ちゃん、すごかった。泣いて走ったり怖がったりしてるだけなんだけど、圧倒される。愛菜ちゃんが出てくる数分だけでもこの映画を見る価値がある!! あと、こういう映画に「お笑い担当」がいるのってお約束なんだろうけど、科学者コンビがちょいと鼻についた。っていうか、J・J・エイブラムスと杉本哲太に見えてしょうがなかったw

......二本の映画を二日続けて観に行って、ようやく夏が終わったw

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

大型作品制作から帰ってきてずっとやってた仕事がいくつか片付き、先週は映画見に行けるくらいにはゆったりしてた。けど、よく考えたら制作途中の4点とまだ影も形もない2〜3点を、冬までにまた実家制作に行って、今度は完成させなくちゃいけないのだった。ゆったりしてる場合じゃない! 全力で急がないとー。


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■イベント案内
Webooks「部活」第3弾! 緊急決定!
三好和義『富士山 極上の撮影術』発売記念 撮影術公開トーク
< http://www.webooks.co.jp/bukatsu >
< http://bn.dgcr.com/archives/20130918140100.html >
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三好和義さんが「富士山 極上の撮影術」の発売を記念して、これからシーズンインとなる富士山の撮影のポイントを語ります! 本に書ききれなかった裏話なども聞ける、またとない機会です。「富士山 極上の撮影術」(小学館刊 1890円)を携えて話を聞きにきませんか?

日時:9月21日(土)15時〜(14:30受付開始)1時間程度
会場:ウィブックス(東京都文京区小石川2-3-23 春日尚学ビル3F)丸ノ内線・南北線後楽園駅より1分(都営線春日駅より3分)
< http://www.webooks.co.jp/access/images/webooks_bmap.jpg >
※当日は地域のお祭りのためビル前にテントがありますのでご注意ください。
受講料:無料(ただし「富士山 極上の撮影術」持参の場合のみ。お持ちでない方には会場で販売いたします)
【申込み】< http://www.webooks.co.jp/bukatsu >
< http://blog.rakuen344.jp/ >
< http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784093883283 >


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編集後記(09/18)

●このたびの大雨で、気象庁は制度運用開始後初めて「大雨特別警報」を滋賀県、京都府、福井県に発表。16日(月)午前6時に緊急記者会見を開き「ただちに命を守る行動を取って下さい」などと呼びかけた。さいきんよくテレビで見る顔がそこにあった。気象庁予報課の課長サンである。額が禿げ上がり、メガネをかけた好人物であろう風貌は、しゃべるときも常に口元が笑っているように見えて、「緊急」とか「警戒」とかいう言葉とかけ離れた雰囲気を醸し出しているのが違和感。この役者は替えたほうがいい、そう思うのはわたしだけであろうか。

それにしても「ただちに命を守る行動を取ってほしい」と言われてもなあ。緊張感に欠ける表現だと思う。というか、後は住民のみなさんの自己責任でヨロシクって言ってるような感じもする。また「これまでに経験のないような大雨」とか「50年に一度の雨量」と表現されても、よくわからない。後期高齢者ならわかるのかねえ。わかってもあとの祭りだろうな。ただただ戸惑うばかりだ。まあ、結局は自己責任だろう。天災の被害はあきらめるしかないのかな。

しかし災害は人ごとではない。いまマンションの防災計画を策定中だから、今までになく災害の報道が気になる。いつ来るかわからない首都直下型の大地震に備えて、今年中にマンションの防災マニュアルを仕上げる予定である。マンションのISPの防災支援サービスのサポートを受けて、マニュアルの基本形が完成したので、あとは我がマンション向けのこまかな調整が必要な段階だ。

結局は「その時」マンションにいる人「だけ」で災害対策本部を立ち上げ、マニュアルを運用してさまざまな活動をしなければならない。「その時」それぞれの居住者は何をすべきか、それを時系列でわかりやすく書き表すのはなかなか難しい。なにしろ経験がないもんで。

「その時」マンションはたぶん建物は無事だから、居住者は避難所に行っても拒否されるようだ。だから外部からは助けが来ないという覚悟、自助の精神が必要だ。わがマンションには自治会がないから、住民同士の交流は殆どない。ますます自助自立だ。「その時」我々はマニュアルを上手に活用できるだろうか。わたしが生きている間はマニュアルが不要であればいいな。  (柴田)


●苦しさ、パシフィック・リム、緊急速報などについて書きたいものの、まとまらず。携帯スマホへの緊急速報は緊張感あって良かったですよ〜。

続き。たまに会って、Facebook上での話になるとついていけない。そこに居合わせる人たちは、みんなそれぞれの毎日を把握しているので、その延長上の会話になる。アクセスしない私が悪いと思いつつ、難民救助活動があったらなぁと甘えたくなったりもした。

いまこそ皆がスマホを持っているけど、そうでない数年前、IT系集まりだとガラケーが少数派。いまもIT業界にいない友人らはTwitterやFacebookをしていないし、それでもやっていけているから、ちょっと羨ましく思ったりする。

とか書いていたら、NさんからLINEが入っていた。後記を読んでくださったようで、心配されている。すみません。うわぁぁぁぁぁぁーーーってなる時があるんです......。仕事目一杯で後記ネタすら思いつかない時には、ネガな吐露になってしまい、自分でもいかんなぁと。気分転換でもすれば、元気になるんですが......。(hammer.mule)