武&山根の展覧会レビュー テレビ番組っぽい展示──【ミケランジェロ展──天才の軌跡】を観て/武 盾一郎&山根康弘

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武:こんばんは! 久しぶりっすねー

山:こんばんは〜。一か月空いたしな。

武:今年の8月はどうでしたか?

山:8月? そうやねー、久しぶりに大阪の実家に帰り、更に親父の田舎へ墓参りに、瀬戸内海の島に行ってました。海で泳いだの何年ぶりやろか。

武:おおー、瀬戸内国際芸術祭だっけか、観たの?

山:いや、泳いで釣りして温泉入って酒呑んで帰ってきましたw

武:お墓が島にあるの?

山:そうやね。

武:へー。いいなあ。島。
山:いいとこですよ〜。ってか、海が楽しくって。

武:島に住むのは大変そうだけどお墓が島にあるっていいね。海なんて2010年に長崎の海に行ったきりだ。海ではしゃぎたいっすよw

山:砂浜からちょっと行って潜ったら、魚がいっぱいいるねんけど、そんなんやったっけ? 海って。

武:きれいな海はそうなんでしょうなあ!

山:もう出たくなくなってしまって、子どもより遊んでしまったw 母親と姉二人と姉家族と行ったんですけどね。いいお盆でした。ま、酒呑んで暴れる、というオチはつくんやけど。

武:姉の旦那はどう思ったんだろう?w

山:今まで会った中で三本の指には入るな、って言われましたw

武:なんの三本だw

山:酒乱の。

武:ははは。名誉なことじゃないかw

山:でも「まだまだ上がいるで」やって。

武:そうかw

山:いやー、ホッとしました......ってホッとするか!

武:山根の里帰りを枕に、レビューに入りましょうか。

山:結局酒の話で始まってしまった、、まあええけど。で、今回はミケランジェロです!




●初めてだったかも国立西洋美術館

武:国立西洋美術館! 国立ではなく上野にあります!

山:知ってます。が、実は僕は初めて行ったんですよ。

武:俺もひょっとして初めてかも。入り口付近のモニュメントとかよく見るから入ってるかと思ってたけど。

山:え、ホンマですか。あの誰やったっけ、彫刻。

武:ロダン?

山:そう! ロダンのレプリカ。それは僕も何度も観てるけど、中には入ったことがなかった。西洋美術の古典に興味がなかったわけでもないんですが。

武:なんだろな、入りたいと思わせる企画がなかったからかなw

山:そうなんかな。


武:でだ、今回なぜミケランジェロなんかにしようとしたのか?
山:ほう。なんでですか?

武:国立新美術館のポップアートか
< http://www.tbs.co.jp/american-pop-art2013/ >
< http://www.nact.jp/exhibition_special/2013/american_pop_art/index.html >

国立西洋美術館のミケランジェロかで悩んだんですよね。アメリカとヨーロッパ、どっちがいいかなあ? って。俺にとってはヨーロッパの美術よりポップアートの方が馴染みがあるし、ミケランジェロなんて石膏くらいしか知らないし、観てみようかって思ったんです。

山:あんまり観たことなかったってことやね。

武:なんとなく知ってるだけだよね。ルネサンスの巨匠、彫刻家、天井画、くらいのイメージ。

山:有名すぎると知った気になるんかね。実際には教科書的なことしか知らんねんけどな。

武:なのでものっそい発見できるかと期待したんですよ。

山:確かに。

武:したっけ、知っている以上のことはあまりなかった、的なwww

山:そうなんですww

●テレビ的な展示

武:展示全体の印象をひと言で言うと「テレビ番組っぽい展示」だったな。

山:映像もテレビの特集っぽかった。

武:ウリは『階段の聖母』のレリーフだけじゃないですか。UFOの特番みたいに引っ張って引っ張って、「これかよ!」みたいな、ね。まあ確かにレリーフは観た時「おお!」って感じたけど、さほどミケランジェロに深入りしてないところがテレビのバラエティ教養番組っぽく感じた。

山:あれが売りやったんか。僕はレリーフ観たとき、なんかデッサンおかしないか? と思た。それより素描の方がグッときたけど。

武:「クレオパトラ」は好きだったな。

山:ああ、実は紙の裏側にも素描があったという作品か。

武:でね、この展示で観客に一番プレゼンしたいのって結局「4K映像」じゃないのかな。映像コーナーの「在り方」がメインプレゼンテーションで、ミケランジェロはそのネタって感じした。

山:ふむ。

武:けど4K映像が公開されるのは9/13からで、それまではハイビジョンなんだって。俺は初日に観たからあれは4K映像じゃないんだよ!

山:はあ。そもそも僕は4Kとか知らんし、ハイビジョンもないし、よくわからんがw

武:4K=カイショウナシ、キモイ、クサイ、ケチ。
山:それを言いたかったんか!

武:まあ、いずれにせよ、テレビ的な展覧会だ、ということですよ。

山:それは客層を当然意識してるんやろな。やっぱり年配の方が多いし。テレビ的な方がわかりやすい。

武:「体験する教養番組」って考えたら、テレビ局の新たなビジネスかもね。たったひとつの見せ場をひっぱって盛る演出テクニックは持ってるわけで。

山:奇抜で解釈ができないものよりも、わかりやすくって疑問を生み出さないもの、見せ方、ってほうがええんかな。

武:今回の展示はまさにそんな感じよね。で、4K映像を体感させて、4Kテレビ需要を喚起する、と。

山:じゃあミケランジェロじゃなくてもええやんw で、4Kってなんなん?

武:ざっくりいうと高詳細ってことなんじゃないの? なんでも実物のように立体的に見えてしまうらしい。
< http://ja.wikipedia.org/wiki/4K%E8%A7%A3%E5%83%8F%E5%BA%A6 >

山:へー、さらに高解像度、ってことなのか。どんなんやねん。

武:くそー! 4K映像観たかったw つか、なんだろなー。せめてもうちょっと作品点数欲しかったよな。

●「ミケランジェロ」という架空の生きもののお話

山:今まで観たことない直筆の手紙とかなんやかんや、いろいろあったんですけどね。

武:食べ物のメモは面白かったけどね。ミケランジェロは肉じゃなくて魚系なんだ、ってのが最大の発見だったな。

山:レシピがあったな。でも「ミケランジェロが粗食だった」って聞いてもあんまり感動はしなくないか? そうかもなあ、って思うし。

武:ワインばっか呑んでたんだよ。たらふく貰ってるじゃん。

山:酒は呑むやろ、そりゃ。

武:ワインとニシンw

山:ええやんw

武:「よし、俺も!」って思ったもん。

山:なんかマネしたくなるのはわからんでもない。

武:なんにせよ、肉食じゃなくて魚食ってのが凄くよかった。ミケランジェロから学べるのは主にそれだな。

山:何を学んでんねんw

武:つかね、素描もね、すんげー感動したかっていうとそうでもなかったよw 凄くうまいから感心はするけど、なんだろなとてつもない既視感つうか。

山:そうか。僕はそれはそれで「ルネッサンス!」って感じで気持ち良くはなれましたけどね。

武:「筆の息づかい」を感じれるのかなと思ったけど、上手すぎてついてけないのかな?

山:絵を描いてて、そんな方向を一度でも夢見た人は、呼吸は合わせられるんとちゃうかな。手は追いつかなくとも。

武:もうちょっと段階を追った下絵を観たかった。単純にミケランジェロを知って行く手がかりが少なく感じた。

山:あんまり残ってなかったりとか、なんかな。ほとんど焼却した、とか書いてたな。

武:500年も前だからね。

山:あってもそんなに持って来れないんやろしな。もう完全に「歴史」になってしまってるから、動かすのたいへんなんちゃうか。

武:神格化されちゃってて人間に辿り着かない感はあったかなあ。「ミケランジェロ」という架空の生きもののお話みたいな感じ。

山:生きてるうちから神格化されてたわけやしな。

武:でもワイン大好きだったわけじゃん。

山:神様でも酒は呑むやろw ちょっとミケランジェロのウィキ貼って下さい。

武:< http://ja.wikipedia.org/wiki/ミケランジェロ・ブオナローティ >

山:あ、いっぱい残ってるんやね。もっとも記録が詳細に残っている人物、とある。

武:「生き様と作品」みたいな形では見えないんだよね、時代的なこともあるだろうけど。

山:生き様ってさほど藝術において重要じゃなかったりしたんとちゃうのかな。もうちょっと職人的というか。職工的。藝術が今よりもっと技術的だった時代よね。

武:それでも、ミケランジェロは今までにはない人体の描き方をしたんだよな。それまでの教会の絵の人体はもっと固いというか、止まってる感じなんだけどミケランジェロは動きを描き出してる。

山:あたらしい技術を作った、ってことなんとちゃう?

武:きっとそれは「見たこともない絵」だったんだよ。職工的ではあっただろうけど、これまでの「型」を変えてしまった人ではあるんじゃないかな。

山:そういうことはあるんかもね。でもその人となりや生き方は、展示を観た限りでは、いわゆる職人、って感じしたけど。

武:そうだね、際立ったところはあまり見られないよね。つか、逆の意味で際立ってるのかな? ミケランジェロって童貞?

山:なにそれ? ああ、同性愛者やったかもしれないんか。

武:「ミケランジェロが「修道僧のように貞節」と書いているが、ミケランジェロが持った肉体的交渉を明らかにすることは不可能である」とあるww

山:結婚はしなかったんや。

武:仕事一筋だったんかな。

山:あれだけの肉体に対する執着心ってのは、そうそうないよな。特に男性への。筋骨隆々、肉が肉として動く! みたいな。ベーコンかw

武:なるほどー。肉に対する異常なまでの執着は同性愛やもしれないわけか。。ゴツゴツと凹凸があって動きがあるほうがヌルーンとしてるより、描いてて楽しいってのはあるよね。

山:それは人によるやろうけど。

●面白い常設

武:もっとそこら辺の手仕事を見たかったなあ。素描はあまりにも断片的すぎて。。まあそんな感じでミケランジェロは思ったより面白くなかったです。それよりも、コルビジェが面白かった! 常設が面白かった! コルビジェと常設を観れば充分堪能できるよ。

山:ってかね、常設広すぎる!

武:広いねー。あんな広いとは思わなかったw

山:びっくりしたがな。まだあるんかい!って。

武:歩き疲れた。

山:最後の方、観る気なくす。一応観たけど。

武:途中に屋台とか欲しいよなw

山:途中で一杯、、、引っかけるかい!

武:酒じゃないにしても、お茶とみたらし団子とか。売れると思うけどなーw

山:あ、それはいいかもね。でもそうすると、残りを観ずに帰ってまうかもな。腹いっぱいで眠くなって。

武:あれさ、引き返せなくない?

山:え、そうなん?

武:いや、なんとなくそう思っただけw

山:引き返せるやろw まあでも、とにかく長かった。

武:総じて楽しかった国立西洋美術館、マル

山:楽しんでるやん。

武:常設が良かったということで。

山:何が良かったよ。

武:1500年代前後の宗教画。ミケランジェロのダイナミックな肉体の動きがない宗教画。

山:ああ、はい。それには僕も反応した。

武:固いポーズとかがなんかむしろ良かったりする。

山:それはわかる。描き込み系よな。みょーにかっちりしている。

武:そうなんだよね。ミケランジェロよりこっちの方が好みだわ、って思った。ミケランジェロの天井画も最後の審判もみっちり描写してないじゃん。

山:あれはフレスコ画やしなー。

武:時間かけられないのか。

山:そうやろね。ってか、あれ、一人で描けないよな?

武:まあチームで描いてるんだろうね。ほとんど一人で描いたとは言われてるらしいけど。
< http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/114-5d80.html >

で、今回の展示の話に戻るけど、軌跡が充分に追えてない感じがしたよ。「天才の軌跡」じゃなくて、「天才の欠片」だったかな。

山:バチカンに行けよ! って言われるんとちゃう?

武:行けるかバカチン!

山:これ「僕らがバカです」って言ってるようなもんですが、いいですか?ww

武:これでいいのだ!


【システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展─天才の軌跡】
会期:2013年9月6日(金)〜11月17日(日)9:30〜17:30 金〜20:00
会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)
休館日:月曜日(ただし、9/16、9/23、10/14、11/4は開館、翌火曜日休館)
観覧料金:一般1,400円、大学生1,200円、高校生700円
< http://www.tbs.co.jp/michelangelo2013/ >
< http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2013michelangelo.html >

【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/私は売れている画家です】
Picaresque主催「ウチコレ小文間」に出展しています!
< https://www.facebook.com/notes/picaresque/%E3%82%A6%E3%83%81%E3%82%B3%E3%83%AC%E5%B0%8F%E6%96%87%E9%96%93/543975452330261 >
会期:2013年7月6日(土)〜10月11日(金)
会場:なるほ堂(茨城県取手市小文間 5336-1)
< http://goo.gl/maps/j6SJk >

500円で投票して作品が当たる「ゼロネロ」に出品しています!
< https://www.facebook.com/notes/picaresque/%E3%82%BC%E3%83%AD%E3%83%8D%E3%83%AD%E5%B0%8F%E6%96%87%E9%96%93/545105655550574 >

「ウチコレ学森舎」にも出展します!!
< https://www.facebook.com/notes/picaresque/%E3%82%A6%E3%83%81%E3%82%B3%E3%83%AC%E5%AD%A6%E6%A3%AE%E8%88%8E/574074059320400 >
会期:9月19日(木)〜12月20日(金)
会場:京都アカデミックスペース「学森舎」
京都府京都市左京区超勝寺門前89
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