[3566] ついに『大トマソン展』開催!

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《え、もうすぐ年末じゃないか!》

■デジアナ逆十字固め...[133]
 ついに『大トマソン展』開催!
 上原ゼンジ

■ショート・ストーリーのKUNI[145]
 入会希望
 ヤマシタクニコ

■ところのほんとのところ[103]
 怒濤のスケジュール
 所 幸則 Tokoro Yukinori




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■デジアナ逆十字固め...[133]
ついに『大トマソン展』開催!

上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20131017140300.html
>
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いよいよ『大トマソン展』の開催が近づいてきた。これはもちろん超芸術トマソンの展覧会のことですが、今まで『トマソン31』にしようと言っていたのが、ここに来て名称変更になった。

超芸術探査本部トマソン観測センターの発足31周年で『31』を使っていたのだが、これじゃあはっきり言ってなんのことだかよく分からない。じゃあ『大トマソン展』にしてよく分かるようになったのかと言えば、その効果もまた不明だが、『大恐竜展』とか『大リラックマ展』みたいで、なんだか大きそうでいいじゃないですか。

ではその『大』に恥じないくらい大規模な展覧会なのかというと、最初にゴメンナサイしておいたほうがいいかもしれないレベルかもしれません。しかし、新宿眼科画廊で3部屋借りているので、まあ今までのトマソン展を基準とした相対評価で言えば、『大』と言っても、あながち嘘とも言えない。

その3部屋の構成はというと、まず近年の報告の中から厳選した報告書の展示をしたメイン会場がある。しばらく展覧会をしていなかったので報告書も溜まっており、ただトマソンであるというだけでは展示してもらえません。

類例のないユニークな物件であるとか、ため息の出るような美麗物件であるとか、目利きを唸らせるような物件でないと審査を通過できないのです。そういう意味では、けっこうクオリティーが高くて面白い物件が集まったんじゃないかと思います。

今回のセレクトの特長としては「カワイイ」というのが、けっこう評価の対象になってましたね。それは色とか、その佇まいに対してなんだけど、センターのおじさん達が「カワイイ」好きであるということが発覚しました。今後はぜひカワイイ物件をたくさん見つけて来てください。

小部屋のひとつは「庇百選」用。展示内容は以下の通り。

「窓やドアが塞がれた後に残されて、何もない壁をひっそりと雨露や陽射しから庇っている、純粋な庇として存在し続けている物件のこと。超芸術トマソンの中では基本的な物件ですが、今回は厳選、集積することにより、その魅力の再発見を試みました。」

無用庇というのはわりと発見しやすいので、あまり希少性はない。報告をしてもあまりウケないので、写真だけはいちおう撮っておくけど報告はしないというようなケースも多い。しかし、今回はそんな庇にスポットを当ててみた。実際にいろんなタイプの庇を集めてみるとけっこう壮観です。もちろんカワイイ庇もあります。

レンガの壁の影タイプ
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/10/17/images/01 >
四つの郵便受け
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/10/17/images/02 >
無用庇
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/10/17/images/03 >

●「赤太郎ルーム」とは?

そしてもうひとつの小部屋が「赤太郎ルーム」。赤太郎について言葉で説明するのは難しいんだけど、まず道路工事の現場などに置かれている三角コーンを思い浮かべてください。赤いのや赤と白の縞模様のものなんかがあります。

あの三角コーンような形状をしたものに、赤いガムテープがグルグル巻きつけられています。そしてさらにそこから二本の手のようなものが生えていて、両手を開くようにして繋がれている。(やはり説明が難しいw)

赤太郎
< https://bn.dgcr.com/archives/2013/10/17/images/04 >

場所は民家の壁の外側。角を守るように設置されているので、まあ車がぶつからないようにという目的で置かれているのではないかと推測することができる。ただトマソンの定義としては「無用の長物」である必要があるので、実用目的であればトマソンとはならない。

しかし、その未知の生物のような佇まいがトマソ二アンのハートを掴み、変態する姿が継続的に記録されてきた。そして、いつしかその不可思議な物体は「赤太郎」と呼ばれるようになったのでございます。

これはいったい何なのか? トマソンか否か? 答えはなかなか出なかったが類似物件なども発見されたので、今回、専用の「赤太郎ルーム」を作ってみることにした。

トマソンというのは作者不在が基本なのだが、この物件に関しては、作者の過剰性が滲み出している。類似物件も増えてきたのだが、それぞれに個性があって面白い。

「赤太郎」とは何か? 「無用庇」とは何か? そんなことを考察したとしても何の役にも立ちませんが、ちょっと頭をほぐす効果があるんじゃないかと思います。ぜひおいでください!

◇『大トマソン展』超芸術トマソン観測センター31周年

会期:2013年11月1日(金)〜11月13日(水)12:00〜20:00(最終日17:00まで)木曜休廊
会場:新宿眼科画廊(東京都新宿区新宿5-18-11 TEL.03-5285-8822)
< http://www.gankagarou.com/sche/sche_all2013011.html
>
主催:超芸術探査本部トマソン観測センター
< https://www.facebook.com/thomasson.center
>

・会期中のイベント

参加者が持ち寄った物件などを互いに検討します。トマソンらしき物件がありましたら報告書をお持ちください。報告用紙入手先は、会場または < http://p.tl/Kwlp
>

日時:11月10日(日)14:30開場、15:00〜17:00
会場:新宿眼科画廊 スペース0
参加費:無料

【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com < http://twitter.com/Zenji_Uehara
>
上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/
>
Soratama - 宙玉レンズの専門サイト
< http://www.soratama.org/
>
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
< https://www.facebook.com/zenlabo
>


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■ショート・ストーリーのKUNI[145]
入会希望

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20131017140200.html
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「あのー、こちらが町内会の老人クラブでしょうか」

「おお、そうじゃ。わしは会長だが、ひょっとして入会希望か」

「はい、そこの角を曲がったところに住んでる角田といいます。実は私も来年定年退職する予定ですので、そうなったら入れていただこうかと思いまして、今日は下見にきました」

「おー、なかなか良い心がけじゃ。何においても下見とか予習・復習は大事じゃからな」

「はい。長い会社勤めですっかり疲れたのでこれからはのんびり暮らそうと思っております。家にずっといても妻にいやがられるのは目に見えてますし。もちろん、こちらでもみなさん、その、のんびりしておられるんですよね。ゆったりと囲碁や将棋、時にはみんなで歌声喫茶もどき」

「ばかもんっ!」

「え」

「老人クラブでのんびりしようなどという甘い考えは捨ててもらおう」

「ええっ?」

「なにがのんびり囲碁将棋だ歌声喫茶もどきだ。そういう考えでは認知症は防げん。高齢者のプライドは守れん。よその老人クラブはどうか知らんが、うちではボケ防止、いや認知症予防のために少々きびしいプログラムを組んでおる。覚悟してもらおう」

「といいますと...」

「さっそくこのテストを受けてもらおう。70点以下では入会をお断りする」

「ええっ、入会テストですか?! そんな...えー、えー、次の熟語に読み仮名をつけなさい? 因果応報、五里霧中、慇懃無礼、異口同音、温故知新、能年玲奈、剛力彩芽、相武紗季、比嘉愛未、忽那汐里...ああ、後半の5つがわかりません...見たことない熟語です。えーと、あの、その...あ、痛!」

いきなり、ばしーっとしばかれて角田さんはぶっとんだ。

「なさけないやつだ。どうせつまらん会社の仕事で忙殺されてたんだろう。頭が硬くなっておる。50点だから入会お断りするところだが、特別にまけてやろう」

「あああ、ありがとうございます!」

「ではこちらに来てもらおう。ちょうどみんな熱心にトレーニングにはげんでいるところだ」

室内では数十人の高齢者がぶつぶつと何か唱和している。

「これは何をしているところですか」

「滑舌をよくするために早口言葉を言ってるところだ」

「いや、あまり滑舌がよくないので聞き取れないのですが...あ、あそこに書いてあるやつですか。織田信長織田ゴム長ドアノブ長織田信長織田ゴム長ドアノブ長織田信長織田ゴム長ドアノブ長、何ですかこれ...国広富之、国富広之、富国広之、広冨国之のうち正しいものはどれって早口言葉かクイズかどっちなんですか...坊主が屏風に...坊主が屏風にジョージ・クルーニーの絵を描いた...むずかしそうですね」

「なかなか高度な早口言葉やろ」

「いえ、ジョージ・クルーニーの絵を描くのが」

「しょうむない心配するな。それより毎日訓練をしていると、必ず効果がある。わしをみろ。この訓練のおかげでいまは『きゃりーぱむぱむ』とふつうに言えるようになった」

「それは言えてないのでは」

よく見ると高齢者たちはみんな眉間にしわを寄せ、ある者は脂汗を垂らしながら、ある者は指の震えを抑えつつ必死に早口言葉を繰り返している。一種異様な雰囲気が漂っている。

「みなさん、なんだかあの、すごいことになってますが...私も聞いてるだけでしんどくなってきました」

ばしーっ! またしばかれてすっとぶ。

「なさけない。何がしんどいや。これやから最近の年寄り、いや年寄り予備軍は...60年安保世代から遅れ、団塊の世代からも遅れ、君たちのような、あー、えー、ほら、エコール・ド・パリの画家で、アル中になった...母親がシュザンヌ・ヴァラドンの...あー」

「ユトリロ」

「そ、そうだ、君たちのようなゆとり老人は根性なしといわれても仕方ないのだ。当老人クラブが性根をたたきなおしてやる!」

「ええっ、わわわ私はただ、のんびりと老後を過ごしたいだけでして、そんな...まいったな」

「何をうろたえている。さあ、これからは歌の時間や」

「あ、歌声喫茶ですか。いいですね。私の世代にはなじみがないんですが、諸先輩方から聞いてます。みんなでお茶を飲みながらのんびりロシア民謡とか歌うんでしょ。『ともしび』とか。夜霧のかなたへ〜〜別れを告げ〜〜」

「ばっかもん!」

またしばかれた。

「先週はマイケル・ジャクソンのビリー・ジーン、今週はももクロの『サラバ、愛しき悲しみたちよ』をふりつきでマスターするのが課題じゃ。もちろんテストもある。のんびりなんかしてる間はないわ!」

部屋に入るとおそろしい光景が繰り広げられていた。高齢者がぜいぜいと息を切らせ苦悶の表情を浮かべながら踊っているそれは、ももクロというより「スリラー」のゾンビのダンス。歌はほとんど聞こえない。体力的に無理なのだろう。角田さんは反射的に逃げだそうとした。その腕をぐゎし、と会長がつかむ。

「どこへ行く」

「ああ、無理です。私には...あの、もともと運動神経が鈍いものですから、こんなことしたら足がつります腰いわします、こけます、想像しただけでしんどいというか疲れるというか、今日のところは、遠慮させていただ」

ばしばしばし! と3回しばかれた。

「ここではしんどいとか疲れるとか無理とか言うことは許さん! どうしても言いたかったら言ってもいいが、その場合、罰金を課す」

「罰金...それっていくらなんでしょうか」

「『しんどい』『疲れた』などは1回100円、『もうあかん』『許してくれ』『無理』『できません』は300円、『脱会したい』は1000円だった」

「だった?」

「当初はそうだったのじゃが、最近システムをリニューアルしてな」

「はあ」

「なんと、この罰金システムに脳トレを導入したのじゃ。『しんどい』『疲れた』などは1回97円で2回目以降は13%引き、5回目以降はさらに24%引き、『もうあかん』『許してくれ』『無理』『できません』は283円だがプレミアム会員は初回から15%引きで2回目以降はさらに、回数をnとして(n+2)×3%引き、『脱会したい』は1053円だが2回目以降は49%割り増し。うふふ。みんなわざとややこしい数字にしてあるのじゃよ〜」

「割り増しって...それは『脱会したい』と何回言っても言うだけで脱会できないということですか」

「さーそれはなんともいえんな。まあそういうわけで、どうしても弱音を吐きたいものはいくらでも吐けばいいが、トータルでいくら払うかは各自計算してもらう。もし計算が1円でも間違っていたらどんなことが起きるかは適当に想像していただこう。うっひっひ」

「うっひっひって...」

「幸いこのシステムを取り入れてからは誰も弱音を吐かなくなった。罰金が入らないのは残念だが、みんなたくましくなった。効果絶大、わしの方針は誤ってなかった。わっはっは」

「うー、弱音を吐くにもそんな難しい計算が必要とは。私は計算が苦手なんです。適当に払っておつりをもらうわけには...いかないんですね」

ばしーっ!

「ふざけたことを言ってたら永遠にここから出られんぞ!」

角田さんは涙を浮かべながら

「オー、アイム・タイアード...ベリー・ベリー・タイアード...」

ばしーっ!

「英語で言うてもいっしょじゃ!」


【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/
>
< http://koo-yamashita.main.jp/wp/
>

いつまでも夏みたいな日が続くと思っていたら、急に秋になってしまった。年末がすぐそこまできてるじゃないか! 年々、「夏」が長くなる一方なので、「え、もうすぐ年末じゃないか!」ショックも年々大きくなっているような気がするって、あほですか。今年は新しいMacを買うと決めていたが、そろそろあせらねば。


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■ところのほんとのところ[103]
怒濤のスケジュール

所 幸則 Tokoro Yukinori
< https://bn.dgcr.com/archives/20131017140100.html
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香川県高松市のCafe & Gallery SOUSOUにおいて、フォト・ラボKからの選抜メンバーと、所塾香川チームによって構成される「k-Lovers Photographers セレクション展」陸チームの展示も始まっています(10月15日から10月31日まで)。一階のカフェでは所幸則の作品の常設展示も始まります。

そして、11月1日から11月31日まで、写真家・所幸則の写真展【本当は秘密の写真家の目】を展示します。高松以外では決して見ることが出来ない展示です。日常的視点から、メインテーマから外れているけれど、いいなと思った瞬間、撮らずにいられなかった写真たちです。

詳しくはこちらを見てください。
< https://www.facebook.com/cafe.sousou?rf=164041880318522
>
< http://sou-sou.info/
>

内容は、room、window、door、海、など[ところ]の部屋の太陽の光と反射によって様々に変化する様を、気がつくたびに撮ったものが主です。

いま「CAPA」で連載中の「所幸則コンテンポラリーフォトファクトリー」でもおなじみの、アインシュタインロマン・四国編と、日本で本当の意味で美しい庭、桂離宮などに匹敵する栗林公園の中で和笛の天才奏者を撮った作品も展示します。会場は栗林公園の直ぐ側というのもあるので一枚は特別出品ですね。

ほとんどの作品は、「良い写真とは場所を選ぶことなく写真家のインスピレーションで撮れるもの」という[ところ]の持論の証明でもあります。

ただ、昨今のカメラの進歩、特にカメラメーカーの技術者達のもの凄い努力の成果がドンドン表面に出て来て、それほどきれいでもない色でも家庭用プリンタで、現実より華やかで美しい写真が出来上がってしまうこの時代、まぐれでも大量に撮れば時には良い作品が出来てしまうこの時代。

[ところ]のこういう理念で撮った写真がアート足り得るのか。そのことに対する疑問も自分の中にはあります。展示をしてみて、どう自分自身が感じるのかも確かめてみたいと思います。

そして、今回「k-Lovers Photographers」のメンバーの一人が、JR高徳線の屋島駅を撮っていて駅長から展示を頼まれました。そのこと自体はよかったのですが、[ところ]も数枚屋島駅を撮影することになりました。その展示も11月1日からです。かなりきついです。

このテキストを書いた4時間後、朝5時半にはそこに向かうことになっています。それをクリアーしたとして、その後、11月22日にはNYに持って行くプリントを20枚プリントしなくてはなりません。

さて、NYの話は今出たばかりですが、11月14日にはNYに行き、バレエのダンスホールでの作品の展示、邦楽の知人達のライブの撮影など、盛りだくさんスケジュールが組まれています。

これは、栗林公園の中で和笛の天才奏者を撮ったこととも関連があるのですが、鼓や三味線の将来の人間国宝達とも一緒に行くことになっています。そう聞いただけでも[ところ]のプレッシャーの重さがおわかりいただけるでしょうか。

この過密スケジュールの中、11月8日〜10日には、「Mt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTOGRAPHY FESTIVAL 2013」に参加します。
< http://rokkophotofestival.com/index.html
>

この期間中、アルペンローゼにて「東京画」写真展を運営します。RAIECのコミッティーのメンバー太田菜穂子さんのキュレーションで「東京画」の4名の写真家、大西みつぐ、古賀絵里子、鋤田正義、所幸則にフォーカスを当てた写真展です。[ところ]も会場近辺にいます。一日中ってことはないけど、メッセンジャーで会いたいと言ってくれれば行きます。
< http://rokkophotofestival.com/2013/tokyoga.html
>

そして11月25日からは[ところ]の久しぶりの個展も始まります。「sibuya 1second 瞬間と永遠」で作家デビューした思い出の地です。詳しくは次回、お知らせします。

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
>
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/
>


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編集後記(10/17)

●「子どもに迷惑かけたくなければ死の迎え方は自分で決めておきなさい」という本を読む(ディスカヴァー・トゥエンティワン/2013)。異常に長いタイトルだ。スマートではないが、確かに内容を完璧に表している。それにしても常識外れだ。"デザイン以前"の装幀の新書判。ページは天と地の空きが大きく、本文は大きな文字でスカスカ組み。文字の密度は低いから、182ページとは水増し。全部読むのに60分は要らない。しかも、重要ポイントはゴチック体だから、見出しとそれを拾い読みすれば5分でOK。

筆者は米山公啓、神経内科医で評論家でタレント。年間10冊以上のペースで出版、現在までに270冊を超えるスーパー量産な人。版元のディスカヴァー・トゥエンティワンとはビジネス書・実用書・自己啓発書を中心に、中ヒット本をいくつも出して毎年利益を拡大している小出版社。編集者約10人で、年間約80冊を発行。取次を通さず、全国4000店と直取引している。この本の奥付にはなんと70人くらいの名前が並ぶ。たぶん全社員出ている。常識外れだ。

というわけで、じつに素人っぽくてしょぼい本なのに1000円とはどういうわけだと、意地悪な感情を持って中身を確認する。自分の最期をどう迎えればいいのか、医学的な情報と周囲への伝え方を解説してあり、同じことはかつてどこかで読んだ記憶があるものの、章立てや中見出しはとてもわかりやすく整理されていて、けっこう読ませる。とくに役立ったのが、「死がせまったとき、医師に選択させられること」の章の、病気別の症状と対処が簡潔に解説されているところだ。

わたしなんかいつお迎えが来てもいいと思っているが、死を妨げられず、自然な最期を迎えるのはじつはかなり大変なことだと認識した。こう死にたいという意思を事前にきちんと子供に伝えておかないと、子供に判断を委ねて苦しめることになる。わたしの心配事というか恐怖は、最期に強烈な苦痛があるのではないかということである。著者によれば、死の瞬間は意識が先になくなることから、苦痛を感じなくなるようです、とある。ようです、じゃなくて断定が欲しい。ともかく、リビングウイルを書かなくては。 (柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00E37RJC8/dgcrcom-22/
>
「子どもに迷惑かけたくなければ死の迎え方は自分で決めておきなさい」


●罰金課されるっ。/続き。他にも見つけた似せサイトたち。(hammer.mule)

< http://www.seikosuper.com
>
右上の「二十四時間内で出荷できる。」の画像で吹き出す。「できる。」って......。3年保証だし、サイトわりと本気だしと思って「3年保証キャンペーン」のバナーを見ると「ななぷれなら長期保証なので」とあった。

ななぷれで検索したら、楽天のショップがひっかかった。3年保証つきの商品画像もここのサイトからとっていることが判明。

人のところから取ってきてるのに、自分とこのドメインを画像に入れてるわ。図々しい。URLが長いのでgoo.glで短縮したら、後からGoogleさんに「スパムじゃないか!」と怒られた。サイトトップから「sast007」で検索してみて。

< http://item.rakuten.co.jp/nanaple/sast007/
>
元サイト。スタッフさんの着用画像まで使われてます......。

< http://www.seikosuper.com/contact_us.html
>
どこにライブチャットがあるんだよ〜! メールフォームの上の文章で検索したら、出てくる出てくる

たとえば、ここ。フォントが明らかにおかしい。(消えたみたい。上のと同じ文章だった)
< http://www.baobaqi.com/contact_us.html
>
< http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:gFHti54-dCUJ:www.baobaqi.com/contact_us.html&strip=1
>
Googleのキャッシュ

「SimSun」で検索したら
< http://www.jpcnmail.com/articles/17/0/aaeaaaaSimsunaSimheiaa/aaa0.html
>
中国語フォントだってさ

< http://www.baobaqi.com/about_us.html
>
「私たちコンチネンタルは」(こっちも消えたみたい。)
< http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:WNYc6n2k6YgJ:www.baobaqi.com/about_us.html&strip=1
>
Googleのキャッシュ

< http://www.continental-corp.co.jp/jp/company/
>
コンチネンタルさん