[3593] 12月13・14日開催!「神戸ITフェスティバル2013」

投稿:  著者:  読了時間:20分(本文:約9,700文字)


《私の年賀状は宛名も文面もすべて手書きです!》

■装飾山イバラ道[129]
 文化と偽装──カニカマとインジェクション
 武田瑛夢

■シックスセンスを求めて[13]
 スマートフォンで年賀状
 若林健一 / kwaka1208

■おかだの光画部トーク[109]
 12月13・14日開催!「神戸ITフェスティバル2013」
 岡田陽一




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■装飾山イバラ道[129]
文化と偽装──カニカマとインジェクション

武田瑛夢
< http://bn.dgcr.com/archives/20131126140300.html >
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食品偽装が問題になっているけれど、牛脂を注入して霜降りに見せかけた肉「牛脂注入加工肉─インジェクション」を普通のビーフステーキとして出していたのはやっぱりダメだと思う。

肉を加工して工夫する方法には可能性も感じるけれど、あくまでも加工肉は加工肉として提供されたものを納得して食べたいものだ。そうでないと牛以外の成分について知らないで食べることになるし、加工の技術者も報われない。

そもそも日本人は加工が得意だ。「蟹風味かまぼこ」のカニカマは、出てきた当初は繊維も太くてわざとらしい赤さで見た目も味もチープだった。しかし、最近の高級カニカマは見た目も蟹そっくりだし、噛むと蟹の身のごとくするっとほどけてとても美味しいものがある。

何かに似せて作る日本の技術は、魚の練り物や和菓子のジャンルでは立派な文化なのだ。

カニカマの先輩はがんもどき。がんもどきもそもそも精進料理で肉の代用品として作られたものだった。豆腐を使っていても食感も複雑で油のコクもあっておでんの具材としては最高だ。工夫を重ねたからこそ美味しいものが生まれたのだ。

●好きで買うならOK

生肉の食中毒事件から規制されてしまった生レバー。私はレバ刺しが大好きだったのでとても残念だ。代用品としてレバ刺しに似せたこんにゃくがあって、ごま油と塩で食べるとちょっと騙される。

食感はこんにゃくなので、レバ刺しのあのトロける甘さはないけれど、さっぱりしていて美味しいと思った。だんなさんは生のレバ刺しよりもこっちの方が好きみたいで、メール便で届く通販で取り寄せては何回もリピートしている。赤いこんにゃく料理として何も問題ない。

若い人が好きなファストフードにもいろいろな加工がある。形が様々なチキンのから揚げは肉を切って揚げているけれど、ほとんど同じ形のナゲットの場合は、一度細かくした鶏肉を型に入れて固めている。サイズを均一化できるので調理時間にもムラが出ない。

やっぱり一枚肉の方が美味しいと思うけれど、早く安くという要求をかなえるならしかたがないのかもしれない。

●食品が化ける文化

食材で何かを作りたがる日本人。赤いウィンナーを切って「タコさん」にするのも日本人が開発したらしいし、キャラ弁のように飾り切りや盛りつけを凝りたくなるのも遊び心の現れだ。

何かに「見立て」て食品を作り込むのは手先の器用な日本人にはお手の物なのだ。日本には豆腐やこんにゃく、魚介練り製品といった型に入れて固めるタイプの食品が多いので、バリエーションのひとつとして遊びの要素も取り入れられ易いのかもしれない。

別のもので作る利点は、新しい機能を追加できることにもある。ご飯粒の形になったこんにゃくは、ご飯と混ぜて炊けばダイエットにもいいという。自分のお腹を騙せるものならそれで痩せられるんじゃないかと思ったりした。

しかし、あれって入れた分だけご飯の味が薄くなるので、満足感も薄まる感じだった。半分入れれば結局は倍食べたくなる不思議。一定量しか食べないなら、後でお腹がすく時間も薄めた分だけ早くなってしまう。

本当に如実に満足感と直結していたので、うちではご飯はご飯で、こんにゃくは別のこんにゃく料理で、普通に食べた方がいいという結論になった。

●加工品が追う「夢」

味も食感も様々なものを作ることができる現代でも、万にひとつくらいしかヒットに至っていない気がする。カニカマが売り場を確保しているように、エビカマ、イカカマ、カキカマがあるかっていうとない。あったとしてもヒットまでは至らない。

カニカマだって、もしかして日陰の時代もあったと思う。販売当初は美味しくないニセモノの蟹もどきとして、カニカマが入っていればがっかりされたのだ。

今お刺身売り場で売られている、あの美味しいカニカマの座を確保するまでどれだけの苦労があっただろう。カニカマはその呼び方に蒲鉾である誇りを感じるし、愛らしくもある。

もしかしたら牛肉の加工肉にも同じように可愛い名前があったらもっと愛されるのかもしれない。「インジェクション」じゃ可愛くない。

カニカマのように、ない時には全くなかったものなのに、今やなくてはならない物になるっていう「夢」を追って、高級食材もどきは作り続けられるのかもしれない。

元となるものがあって開発されるものは、曖昧なものと違って厳しく吟味されるという良い面もある。本物の方が美味しいのは当たり前だけれど、加工品に加工する意味がないなら存在も必要なくなってしまう。

これなら味も良くて安くて提供も安定していてイケる! と思われたものだけが生き残っているはずなのだ。正直に売ることとセットになれば、加工品には夢も未来もあると思う。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

ワインに合うおつまみを探しに輸入食材店へよく行くけれど、オリーブの塩漬けの瓶がなぜあんなに種類が多いのかわからなかった。最近はよく食べるようになったので、様々なものを試してみている。なるべくカリっとした緑色のが美味しい気がする。今のところは液体に浸かっていない方が固いらしいということがわかってきた。好みに合わないと残念だから種類が多いということか。


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■シックスセンスを求めて[13]
スマートフォンで年賀状

若林健一 / kwaka1208
< http://bn.dgcr.com/archives/20131126140200.html >
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11月も終わりが近づき、そろそろ年賀状を書き始める時期になりました。スマートフォンやタブレットが登場した後も、年賀状作りはPCでなければできないことが多かったのですが、今年はスマートフォンやタブレットから年賀状印刷できるアプリやサービスが増え、いよいよ「PCが置き換えられる」時代が来たようです。

年賀状アプリ/サービスの種類も、自宅のプリンタで作るもの、ネットで作って自宅に送ってもらうもの、そのまま投函までしてもらうもの、とかなり豊富。ただし、PCで作る場合に比べて、いくつか注意の必要なポイントがあります。

●対応プリンタが必要

スマートフォンやタブレットから自宅のプリンタで印刷する場合、プリンタがスマートフォン/タブレット印刷に対応している必要があります。お持ちのプリンタが対応しているかどうか、予め確認しておきましょう。

●ネット投函は記載間違いに注意

ネットから申し込み、投函までできるサービスの場合、印刷したものを手元で確認することができません。

誤字・脱字に気付かないまま決めてしまうと、新年早々大量の間違いをバラまくことになりますので、最終確定前に画面の表示内容を十分チェックしましょう。特に小さな文字の場合、濁音と半濁音の違いに気がつかないことが多々あり、この違いが新年早々笑いを振りまきそうです。

●アドレス帳は、フルネームで登録

携帯電話のアドレス帳には、フルネームを登録していない方も多いと思います。そのままでは年賀状の宛先に使えませんので、頑張ってアドレス帳の登録内容を変えるか、宛先だけ手書きにする覚悟を決めましょう。

●履歴管理は別途必要

PCの年賀状作成アプリが、ただの宛名印刷アプリでないポイントのひとつに「履歴管理機能」がありました。「この人には、昨年だしたけど来なかった」とか「この人は、昨年喪中だったけど今年は出す」といったことを管理する機能です。

いくつかのアプリを見た限りでは、スマートフォン/タブレット用では、この機能を備えたアプリ/サービスがなさそうです(もしあったらすみません)。この機能で、今年は誰に出すかを決めている方も多いと思いますので、要注意です。

以上を踏まえて、スマートフォン/タブレットから使えるアプリ/サービスのリンクをいくつか紹介します。それぞれ、機能/サービス内容が異なりますので、説明をよく読んで自分にあったものを探してみてください。

はがきデザインキット
< http://yubin-nenga.jp/design_kit/ >

スマホでカラリオ年賀2014
< http://www.epson.jp/katsuyou/nenga/smart/index.htm >

筆まめ年賀 / 筆まめアドレス帳
< http://fudemame.net/products/app/ >

Yahoo! Japan年賀状
< https://yahoo-nenga.jp >

ノハナ年賀状
< http://nenga.nohana.jp/ >


【若林健一 / kwaka1208】 kwaka1208@pote2.net
< http://kwaka1208.net/ >
< http://pote2.net/kenichi/ >

ネットから投函まで完了ってことは、手元に葉書がこないまま送られてしまうわけで、まるでネットの証券取引みたい。

住所が分からない相手にもSNSのIDやメールアドレスで送れるサービスもあり、年賀状ってなんだっけ? みたいな状態に陥っています......。そんな私の年賀状は、宛名も文面もすべて手書きです(笑)。


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■おかだの光画部トーク[109]
12月13・14日開催!「神戸ITフェスティバル2013」

岡田陽一
< http://bn.dgcr.com/archives/20131126140100.html >
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11月も最終週、来週からはもう12月。なんだか日々時間が過ぎるのが速すぎて、嘘みたいですが本当に12月です。もうあちこちクリスマスのイルミネーションが輝きはじめて、クリスマスソングも聞こえ始めました。焦りますね。

ただでさえ忙しい師走なのに、色々とイベントがてんこ盛りです。その中で、わたしも関わっている「神戸ITフェスティバル2013」について紹介しますね。
< http://kobe-it-fes.org/ >

「神戸ITフェスティバル」は一昨年、2011年から始まったIT関連の大きなイベントで、今年が3回目。昨年は、弊社で主催(企画・運営)している「CSS Nite in KOBE, Vol.1」と同日開催となってしまい、気まずい思いをしました。今回は、その実行委員として中でどっぷりとお手伝いしています。

実行委員は30人強のメンバーで、神戸を中心に京阪神のさまざまな企業の人やフリーランスの人が手弁当で集まって構成されていて、担当する内容によって8つのチーム(コミュニティ、アカウント、メディア、オペレーション、パートナー、コンテンツ、パーティシパント、テック)に分かれています。

そのうち、わたしが所属しているのが、コンテンツチームとメディアチーム。コンテンツチームでは、当日のイベントやセミナーなど開催する内容の取りまとめやコーディネイトを担当。

そして、メディアチームでは、前日までは主にPR用の制作(Webサイト、パンフレット・チラシ・ポスター・名刺など印刷物、当日スタッフのユニフォーム、会場掲示物、ノボリなどなど)、FacebookページやTwitterなどの運用など広報活動、当日は各イベントの撮影などを担当します。

「CSS Nite in KOBE」も、あれこれとっても大変なのですが、すべて自分で判断して実行できるし、何があっても自己責任なのである意味、小回りも効きますし動きやすいのですが、この「神戸ITフェスティバル」のような大きな規模になるとあちこちのチームとの連携・調整、自分の所属するチーム内の役割分担などが本当に大変です。

お互い気を使い合っていると、何も決まらないし、何も進まないので、ゴリゴリ行かないとすべて連動している事柄が破綻するのが、だんだん身にしみて分かってきました。その辺りが今回は中に入ってみてとても勉強になりました。

そんなこと言ってても、12月13日はあと2週間ちょっとでやってくるわけで、わたしの担当しているコンテンツ、13日(金)午後の3F有料セミナー(Web & CMS Session)に関して説明しますので、これを読んで興味を持った京阪神エリアの方、また関係する職種の方は是非ご参加ください。

◎Webトラック

■Session 1:わくわくクリエイション〜発展するメディアとその課題(ミキチョクシ・ペタビット)

スマートフォンの普及に伴って、メディア環境が急速に変化している今、ソーシャルメディアで炎上する企業のリスクや、ユーザーの安直な行動に対するモラルなど、コミュニケーションギャップによる葛藤が常に起きている。メディアとしての特性を改めて見直し、そこにある課題に対してクリエイターはどのように接するべきか? わくわくシリーズ クリエイション版。

■Session 2:ホワイトハッカーが見ている世界〜Webに関わる人も知っておくべき最先端サイバー攻撃の脅威とその実態と対策(マシスザッカリー・神戸デジタル・ラボ)

あなたの会社のWebサイト、または、あなたが制作したクライアント企業のWebサイトが、ある日突然別のものに差し替わっていたり、フィッシング詐欺の踏み台にされていたり、個人情報など重要なデータを抜き取られていたりしたらどうしますか?

Web制作や、運営に携わっている以上「素人なのでサーバーのことやセキュリティーのこと、まったく知りません。」では済まない職種に付いているはずです。数か月前には、格安のレンタルサーバーで、多くの人が使っている大量のCMS、ブログシステムが何者かにハッキングされ大きな話題になりました。そして、そういうことが何時起こってもおかしくない状況なのです。

このセッションでは、神戸デジタル・ラボのホワイトハッカー、マシス・ザッカリーが「ホワイトハッカーが見ている世界〜Webに関わる人も知っておくべき最先端サイバー攻撃の脅威とその実態と対策」と題し、我々が普段何気なく当たり前のように使っているWebの裏で、彼が普段どんな脅威と戦っているのか、何に気を付けておくべきなのかを、実演を交えて解説します。

■Session 3:ディレクター、運営担当者が知っておきたい「今更聞けないサーバーの種類と選定方法」(阿部 正幸・KDDIウェブコミュニケーションズ)

Webサイトを作成し、サイトをWebに公開すにはWebサーバーが必要です。ひとたびWebサイトが公開されれば2〜3年サイトを運営することになります。長ければ5〜10年運用されるサイトもあるかと思います。

Webサーバーはコンテンツ制作が終わり、サイトが公開されてから数年間運用し続けなくてはいけません。当セッションでは、長く運用するために必要なことは何かと、サイトの特性に合わせた最適なサーバー選定方法について学んでいただければと思います。

また弊社が独自に調べた各社の調査結果を、見せられる範囲でお見せしたいと考えています。サーバー選定時の参考にしていただければと思います。

■Session 4:ディレクターとして意識すべき「誰がどうみてもそうとしか受け取れない文書」術(名村 晋治・サービシンク)

ディレクターの仕事は判断・決定・連絡です。その連絡の時に「あっ、それは実はそういう意味ではなくて」「あっ、そこ書ききれてなかったんだけど......」「作業してもらって悪いんだけど、あとあそこも修正があったんだよね」といったことがありませんか?

それは「誰がどうみてもそうとしか受け取れない文書」になっていないからです。17年のディレクション経験の中から、事例とワークを交え、そういった不毛なやりとりを極力減らすための考え方、文書術をお伝えします。

◎CMSトラック

別トラックではCMS特集「今話題のCMSを少しずつみてみよう!」と題し、WordPress、a-blog cms、concrete5、SOYCMS、baserCMS、Drupalという6つのCMSの各セッションと、全員による座談会が企画されています。

< http://kobe-it-fes.org/seminar/ >

これら、どれでも参加できて、前売り3,000円、当日4,000円となっております。

プロジェクトの内容によってどんなCMSが向いているのか、クライアントさんに提案したり、セキュリティやそれらを受けたサーバー選定など、色々な提案に関わる職種のディレクターやプランナー、そしてデザイナーやコーダーやエンジニアの方、また発注側となる企業の担当者にとっても、今だからこそ知っておいた方が良い内容じゃないかと思いますので、近郊のWebに関わるみなさんは是非参加してください。

14日(土)はUX KOBE VOL.01「HCD概論・オブザベーションワークショップ」と「はじめてのiOSアプリケーション開発ハンズオン」がラインナップされています。こちらもまるっと一日のワークショップとなっていますので、じっくり学びたい方は是非ご参加ください。

■UX KOBE
< http://kobe-it-fes.org/kif2013/seminar/uxkobe-01.html >
■iOSハンズオン
< http://kobe-it-fes.org/kif2013/seminar/ios-handson.html >

その他、無料の魅力的なイベントも盛りだくさんとなっていて、色々楽しめる2日間ですので、「神戸ITフェスティバル2013」注目してください。
< http://kobe-it-fes.org/event/ >

【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41 >

ちょうどすぐ近くで、今年19回目を迎える神戸ルミナリエが開催されています。こちらもとっても綺麗な光の芸術なので、神戸ITフェスティバルのついでに観て行かれるといいかもしれません。
< http://www.kobe-luminarie.jp/ >


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編集後記(11/26)

●名画(映画)を見る旅の途中である。昨夜は「アラバマ物語」を見た。名画中の名画であるらしい。一言でまとめると、誠実な弁護士アティカス・フィンチとその子供たちの物語である。時は1932年、当時6歳だった娘のスカウトが経験したふた夏の出来事を、成長してから語るという構造だ。じっさい、その存在感からいってこの映画の主役といっていい。おませで口が達者でおてんば。男の子っぽい風貌だがかわいい。

グレゴリー・ペック演ずる弁護士アティカスは、暴行事件で訴えられた黒人青年を弁護することになる。人種的偏見が根強く残るアメリカ南部の町では、非常に難儀な役回りである。だから裁判劇を予想していたら、前半のほとんどは兄妹と友人の三人による子供の世界を描いていた。ここでは「ブー」というあだ名で恐れられる不気味な隣人をめぐる、子供たちの冒険が中心だ。テーマは裁判とブーの二本立てかと思っていたが、最後できれいに一本にまとまる。

映画全体の1/4を占める裁判シーンは、もちろん最大の見どころである。黒人トムが冤罪であることは、おそらく法廷にいる者すべてが分かっている。訴えた娘とその父親の証言は曖昧で説得力がなく、狂言である事が次第に鮮明になる。娘は人格破壊されたような発言でますますクロの印象が深まる。アティカスは決して激することなく、淡々と質問を重ねて行く。その間の取り方に妙な味があるが、丁々発止の裁判劇を期待しているとあてがはずれる。裁判は静かに進行する。

アティカスは「諸君がある前提によって審議を行うと確信する。それはすべての黒人は嘘つきで不道徳であり女性を必ず騙すという思い込みだ」といきなり断定して、しかしそれは大きな間違いだと論を進め、「こうして白人女性に無謀にも同情した謙虚で寡黙な黒人は、ふたりの白人に対し反論を余儀なくされた。被告は無罪であり罪はこの法廷内の一人の人物にある」と結論づける。「これまでの証言を私情抜きに検討し、公正な結論によって被告を家族のもとに帰していただけると私は信じる」と全員白人の陪審員たちに訴えるが、予想通りの結果。さらに悲報が......。子供たちは社会の暗部を目撃することになる。

アティカス・フィンチは、2003年にアメリカ映画協会の歴代映画のヒーローの投票で1位に選ばれた。2位はインディー・ジョーンズ、3位はジェームス・ボンド、これほどのスーパー・ヒーローをさしおいて地味な弁護士というのが妙だが、アメリカ人は彼をトップにしなければならない義務感のようなものがあるのだと思う。過去、白人は黒人にたいして良心に恥じることをやってきた。今でも少なからぬ白人は人種差別的感情を持っている。だからアティカス・フィンチを、「アメリカの良心を体現したキャラクター」として取り繕う必要があるのだ。

さて、ブーである。彼も偏見の被害者である。鎖につながれてとじこめられている、夜中しか出て来ない、リスや猫を捕って生のまま食べる、といったように子供たちのうわさ話は大げさなものだが、大人たちはブーを不気味で何を考えているか分からない精神障害者だと疎外している。彼はこの映画の最後の方でついにその姿を現す。しかもとびきり効果的に。偏向した裁判で正義は盲いた。しかしここに救いがあった。ああいい映画を見たなあと思うのであった。日本とは全然違う風景なのに、なぜか涙が出るほどなつかしい。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004NZJ4S2/dgcrcom-22/ >
アラバマ物語

●続き。フルマラソンの人との分岐地点、8kmぐらいから焦る。あと800mしかない。全然しんどくない。息苦しさもない。もうちょっとハイペースにすべきだったか? よしダッシュしよう。

ゴール。大阪市役所前。門があるけれど、一本線が引かれているわけではなく、なんとなくこのあたりがゴールよね、念のためもうちょっと走っておくかなというもの。しんどくなくて、やりきった感じがしない。やったぜ、という気分にもならず、はぁ、到着しましたね、ふにゃふにゃふーという感じ。

アミノバリューのペットボトルをもらい、順路に沿って歩くと、ボランティアのおじいさんが、ニコニコしながら完走タオルをかけながら、おめでとうと言ってくださった。これがとても嬉しかったなぁ。渡されるんじゃなくて、ちゃんと細長く折って。続く。(hammer.mule)