アナログステージ[110]仮想世界で動くリアルマネー
── べちおサマンサ ──

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昨年の9月からハマりにハマって、デジクリの後記でも、進行状況を綴ったりなど、SEGAのバーチャファイターシリーズ以来にツボったゲーム「黒猫のウィズ」。ゲームを始めてから早半年を迎えようとしておりますが、ここにきて、運営サイドが打ち出している、よく分からないゲームの方向性にウンザリしてきた。

黒猫のウィズ(以下、ウィズ)で遊んでいないかたには、なんの話しなのかサッパリとチンプーなネタになってしまうが、なにも、ウィズだけではなく、これからも続々とリリースされるであろう、または既にリリースされてヒットしているスマホゲームにも当てはまることなので、自分への戒めを含めてまとめてみたい。


今回は運営批判とかゲーム批判など、そういう類ではありませんです。参考までに、オイラがウィズを遊びはじめた当初に、デジクリで書いたコラム。いま読み返すと、ピュアに遊べていたことがよく分かる。たった半年前なのに、ここまで別のゲームに変貌(?)するとは……。

・[104]中年がゲームで喜怒哀楽を表現して何が悪い
< https://bn.dgcr.com/archives/20130917140300.html
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●「行き詰まり」を見事にプレイヤーに感じさせたゲーム

昨年の12月頃、ゲーム内でのイベントが多発し、同時進行でイベントを進める場面があった。所詮はゲームなので、イベントを同時に進めようが、イベントには触れずに、通常クエストを淡々と進めるようが、プレイヤーの遊びかたの自由。また、課金して新カードをゲットするのも、無課金でマッタリと遊ぶのも、プレイヤーの自由。遊びかたは人それぞれ。

イベント多発前から、新キャラ(カード)のリリース量もペースも凄まじいものがあり、ある程度までゲームを進めているプレイヤーなら、喉から十二指腸が出るくらい欲しいステータスのカードばかり。そこに追い討ちをかけるかのように、「クリスマス期間限定」という、日本人が大好きな煽りとともに、ゲームバランスをブチ壊すかのような、高スペックカードが続々リリース。

イベントも難易度が高くなるにつれ、高スペックのカードを手持ちで持っていないと、なかなか攻略できないのは、ウィズだけに限ったことではないけれど、ウィズの場合は、「○○を持っていないと、ノーコン(ノーコンティニュー)でクリアするのはムリ」といった、肝心のゲームバランスが、一枚のカードのために崩れ始めてきた。

イベントだけに限らず、通常クエストでもその流れは同じで、無課金でのんびりと楽しんでいるヒトも、いつかは課金しないとゲームが進められない状況になってしまっており、ウィズのリリース当初から無課金で楽しんでいたプレイヤーも、この『課金しないと先に進めない』システムを察知したのか、急な(新しくリリースされるカードステータスの)インフレについていけなくなってしまったのか、ゲームから離れていってしまっている。

現にいま、オイラがウィズをやり始めた頃に相互フォローしたヒトの8割以上は、昨年12月頃にみた、当時のステータスのまま。分かりやすく謂うと、ウィズから離れてしまったということだ。離れたヒトの殆どが、予測でしかないけれど、無課金でコツコツと楽しんでいたに違いない。

運営から無料配布されたり、ログインボーナスで貰えるクリスタルも、日数を重ねればそれなりに貯まるが、手持ちカードが薄いと、デッキ構成もそれなりのデッキしか組めず、結局はクリアするために、何度もコンティニューしなければいけないので、コツコツとガチャを回すために貯めたクリスタルなんて、クエストをクリアするだけのために、すぐになくなってしまう。

手持ちカードがそれなりに揃っていても、コンティニューをせざるを得ない場面が多々出てくる。ウィズのプレイヤーたちの中では、「パネル事故(※1)」と呼ばれているものだが、このパネル事故に遭ってしまうと、プレイヤーのデッキ構成が飛びぬけて強かろうが、敵がショボかろうが、なす術なく即死する場合がある。なぜなら、こちらから攻撃ができなく、ただ、敵の攻撃を受けるだけの、フルボッコ状態。

手持ちカードをレベルアップさせて強くするのは当然のことながら、クエスト中にドロップして手持ちにできるカードは、お世辞にも、ゲーム攻略で使えるカードではない。クリスタルガチャとは別に、メイトガチャという、ログインボーナスやフォローを応援することで、メイトを貯めて回せるガチャもあるが、どちらも経験値や売却の餌になるだけで、攻略に必要なカードはでない。

となると、必然的にクリスタルをコツコツ貯めるか、課金してクリスタルを購入して、クリスタルガチャ(※2)を回さないといけないことになる。運営もボランティア経営ではないので、ここまでの流れは商売上、当然だし、必要なこと。

しかし、このクリスタルガチャで入手できるカードも、必ず高スペックのカードを得られるかというと、そうではないのだ。昨年の11月頃までは、リリースされているレアカードは、どれもまんべんなく使えるカードであったが、12月頃から始まった、カードスペックの急なインフレにより、それまで貴重とされてきたカードも、残念なカードになってしまった。

いうよりも、次々にリリースされる新キャラのステータスが、あまりにも高スペックすぎるため、くすんでしまっているのが実情。やり込み度が高いプレイヤーからは、いまでは「ガッカリーズ」と呼ばれる、謂わばハズレカードクラスまでになってしまった。誤解を招くような言い回しになってしまったけど、本当に使えないカードになってしまったのかというと、そんなことはまったくなく、いまでも現役で使える。

一度、高スペックのカードをリリースしてしまうと、次にリリースされるカードを、さらにスペックの高いものにしないと、プレイヤーはガチャをまわさない。ガチャをガチャをまわさなくなるということは、クリスタル購入数が減り、運営の収入源が落ちる。

正統派なクイズゲームとして、かなりバランスのとれた面白いゲームであったのが、なぜここまでゲームバランスを崩すようなゲームに転換させてしまったのか、昨年の12月から始まった、高スペックカードの大量リリースは本当に必要だったのか、次回、「形として実在しないものへの投資」をテーマに。

※1:ウィズでは、火、水、雷の3属性で構成されており、出題される四択クイズのまえに、パネルと呼ばれる、属性とジャンルを選択してからクイズに答え、正解すると敵に攻撃ができるシステムになっている。

例えば、手持ちのデッキ構成が、火属性のカードだけでパーティーで揃えていると、パネルに火属性が入ってこない限り、いつまで経っても攻撃ができない状態になる。

回答して、次に入れ替えで差し込まれてくるパネルに、火属性がまったく入ってこなくて、陸に打ち上げられてしまった魚状態。パネル事故を回避するため、パネル変換のカードが用意されている。

※2:クリスタルガチャには、クリスタル5個を使って一回まわせる単発ガチャと、クリスタル50個を使って、10枚同時に引ける10連ガチャというものがあり、10連では、SかA(俗にレアカードと呼ばれるもの)が必ず一枚貰える。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。
Twitterはコチラ→< http://twitter.com/bachiosamansa
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まとめはコチラ→< http://start.io/bachio
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∵多曲入魂──音とリンクする魂 一曲目∵

●前回まで、過酒雑記というほぼ独り言の後記を綴っておりましたが、今回からリニューアル。「多曲入魂」という、オイラが幼少時から聴き馴染んできた曲をメジャーものマイナーもの含めて、呪われた独り事チックでお届け。

第一回目は、あまりにも有名すぎる『Hymne a l'amour』。日本では、♪あぁぁなぁたぁぁのぉ燃える手でぇぇぇ わたしぃぃぃを抱きしめてぇぇぇ〜♪ の歌いだしでお馴染みの『愛の賛歌』でございます。

「愛の賛歌といえば越路吹雪」「越路吹雪といえば愛の賛歌」、「日本人ならお茶漬けやろ!」と、某選手がピンクのジャケットを着て、お茶漬けを食べている某CMくらいに有名なのは当然のこと、オイラが幼少期のころは、美空ひばり、江利チエミ、岸洋子の曲と並んで、母親の鼻歌洗濯ソングのひとつとして定着しておりました。

今でこそ、グラインドコアやスラッシュメタルなど、世間様から縁遠いコア漬けな音楽生活を過ごしておりますが、オイラの底辺は越路吹雪であったのは間違いない。越路吹雪からナパームデスに移り変わった背景は、ここで徐々に明かすとこにw

デス声ヘドバン野郎の下手な説明は要らないと思いますが、もともとはフランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフが作詞し、唄っておりました。

・愛の讃歌 エディット・ピアフ[YouTube]
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オイラが子どもの頃から馴染んでいる曲と書きましたけれど、あたりまえですが、たいして歌詞の意味も分からないまま、母親が唄う歌に沿って口ずさんでいただけでした。が! この歳になると、この歌詞はズッシリと重いです。かなりへヴィですね。

コーちゃん(越路吹雪)が唄う和訳は、マネージャーの岩谷時子さんが訳したもので、エディット・ピアフの直訳というよりも、岩谷さんの、コーちゃんへの想いと信頼、愛のエッセンスがたっぷり散りばめられた、本当に素敵な歌詞になっております。ちなみに直訳すると、かなりドロドロな恋愛世界ですw

・越路吹雪 愛の讃歌 Hymne a l'amour 1974[YouTube]
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いや、もう、ホントにYouTubeって凄いですね。こんな貴重な映像まで出てくるなんて。この映像では、舞台に向い、歌い終わってまで、凛として立ち振る舞うコーちゃんの姿がステキですねぇ。余談で、オイラは、パティ・ペイジが唄う「愛の賛歌」が好き。彼女の甘酸っい声が、原曲の良さはそのままで、キュートな仕上がりになっております。

世界中の人々から愛される曲として、日本でも多くのミュージシャンにカバーされ、何十年、何百年先にも伝わっていく曲のひとつではないでしょうか。