[3636] 趣味の構造美の巻 その3

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《外は…猛烈な吹雪…orz》

■わが逃走[136]
 趣味の構造美の巻 その3
 齋藤 浩

■3Dプリンター奮闘記[29]
 大雪とワンフェスと3Dプリンター新規導入?
 織田隆治


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■わが逃走[136]
趣味の構造美の巻 その3

齋藤 浩
< http://bn.dgcr.com/archives/20140213140200.html >
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ことあるごとに写真を撮りため、このシリーズもそれなりの数になってきました。私が掲げる“構造美”という感覚は、果たしてヒトビトに受け入れられているのか?

仲間内では面白がってくれる方も少なくないのですが、まあ一般受けはしないよね。

とはいえ、物心ついた頃からなんとなく気になっていたもの、好きだったものをひと言で表すこの“構造美”という言葉に辿り着いたことは、なにものにも代え難い安心を得たと言っても過言ではありません。

つまり、「好きな物は美しい構造! 美しく機能している構造を探してそれを美しく撮ることが私のライフワーク!」と声を大にして言えること。

このトンネルを抜けた感じ、突き抜けられた感覚は、私にとってここ数年の不況をもぶっ飛ばすくらいな大事件であり、自分の美意識の基準を確信できる大発見であったのです。

三歳の頃好きだったのはトビラの蝶番や電車のパンタグラフ、小一の頃はカウンタックの脇のNACAダクト(両サイドのドアにまたがるかたちで配置されている空気取り入れ口)やリトラクタブル式ヘッドライト、小四の頃は蒸気機関車の返りクランクやクロスヘッドなど足回りの部品、そして中学生になると階段やブロック塀に美しさを感じるようになりました。

しかし、まだその感覚に確証がなく、率先して写真に撮りたいとか、構造を研究したいなどとは全く考えていなかったのです。

そして40代も半ばにさしかかろうとした今、この長年の興味の対象をひと言で表す言葉に気づくことができたことは、どうにも幸せだなあ、などと思う齋藤浩でございます。

そんな訳で、今回も『趣味の構造美』です。

・天を仰ぐ
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig01.jpg >

斜面に沿ってブロックを積んでいくと、頂上は必然的にこうなる。にもかかわらず、こんなに素直な物件にはなかなか巡り会えないのが世の常。しばし見惚れる。そうこうしているうち、ブロックに人格まで感じてくるから不思議だ。

この日は曇りのち雪で、この写真を撮ったときは形状よりも風情を強く感じたオレだが、いつか晴れた日に訪れてビシッと屹立する陰影パキパキのこのヒトに会いたい。

・線路をくぐる美しい階段
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig02.jpg >

海側に直線的な階段、山側に美しくカーブした曲線階段を持つアンダーパス。階段そのものも美しいが、海側から線路の下を潜ると山側の線路の上に出るという、必然から生まれた構造がなんともエンターテインメント。

・力強い配管
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig03.jpg >

ただの配管なんだけど、光の影響のせいか古代ギリシア彫刻のような力強さを感じてしまい、思わずシャッターを切る。でもねー。うわっカッコイイ配管! とか言ってもなかなか理解してもらえないんだなー。

・チンアナゴ
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig04.jpg >
リズミカル。愉快。カワイイ。

・配管天国
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig05.jpg >
美しいレリーフとか彫刻を作るつもりなんかないのに、必然的に美しくなってしまった好例。

・真ん中だけ階段
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig06.jpg >

友人曰く「逆はよく見かけるけどこれはめずらしい」。たしかにそうかも。ひねくれ者の子どもは自転車に乗って真ん中を下る。オレならそうしたことであろう。

・舞台装置
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig07.jpg >
散歩していると、階段を中心とした舞台装置のような空間に遭遇。用途不明。

・連続する魚
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig08.jpg >

これも一種の構造美と言えよう。七夕やクリスマスの装飾にはほとんど興味ないが、干瓢や素麺の天日干しには興味がある。もちろんこの写真は後者に属する。いかに効率よく干すかを考えた結果であり、美しく見せようという下心がない。その結果の美と言えるのではないか。

・リピートするボート
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig09.jpg >

先日、ゾウのはな子の誕生日を祝いに井の頭公園まで出向いたところ、池の水抜きが行われており、ボートが密集。ミニマルな美。

・柱の基部
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig10.jpg >

急坂に設置された手すりの基部なわけだが、組合わされた複数の円柱のセンターがすべて一致していないところが好ましい。結果、単純な構造にリズムが生まれている。

・美しい壁と階段
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig11.jpg >

道と壁に対する階段の角度が好み。整然としているようでそうでもないところがイイ。

・都内某所のすべり台つき階段
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig12.jpg >

オレが子どもだったら絶対ここで遊ぶはずだ。美しい曲面と水平垂直との対比、そして調和。23区内の階段の中でも、かなりな美階段の部類に入るのではなかろうか。

・薄い階段
< http://bn.dgcr.com/archives/2014/02/13/images/fig13.jpg >

薄い! 果たしてこれを階段と呼べるのかどうかは置いといて、構造として素直におもしろいと思う。

今回はこのくらいにしておきますね。これからも趣味の構造美、小出しに紹介していきたいと思っています。それではみなさん、ごきげんよう。

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/ >

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■3Dプリンター奮闘記[29]
大雪とワンフェスと3Dプリンター新規導入?

織田隆治
< http://bn.dgcr.com/archives/20140213140100.html >
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2月9日。幕張メッセで開催された「ワンダーフェスティバル2014冬」に参加してきました。

しかし、それにしても凄い雪でした……。ディーラーは前日の夕方から搬入出来るため、僕は前日の8日に幕張入りの予定でした。

8日は全国的に凄い雪、しかも、関東では20年ぶりの大雪、、、という予報でしたので、いつもは昼過ぎくらいに自宅がある京都から新幹線に乗って行くんですが、もし、新幹線が止まってしまったら、エラいことになります。

そこで、朝5時に起床。6時には家を出て、7時台の新幹線に乗れば、最悪でも夜までには東京に着くだろう……。そう思って、早朝眠い目をこすりながら起きました。

外を見ると、京都も雪積もってるやん! 車で駅まで行けるのか?幸いなことに、道路にはまだそんなに雪が積もっていなかったので、なんとか駅にたどり着き、京都駅へ。新幹線もなんとか乗れまして、いざ、東京へ。

新幹線は途中徐行運転なんかもあり、予定より50分遅れくらいで東京へ到着。問題は京葉線だよなぁ……とか思いながら、京葉線ホームへ向かいます。これがまた東京駅から遠いねんなぁ…。

重たい荷物をゴロゴロ引きずりながら、京葉線へ向かうと、なんと大丈夫!京葉線ってすぐ止まる印象なんで、気が気ではなかったですよ。ホント。後から聞いた話では、昨年京葉線は強化されていたとか。

「ニュー京葉線は伊達じゃない!」

とにかく、海浜幕張へ到着。外は…猛烈な吹雪…orz

海浜幕張の駅の周辺で、お仕事の打ち合わせもありましたので、なんとか到着できて良かった…。でも、早めに出たので、打ち合わせ時間の3時間前に到着(笑)

仕方ないので、クライアント様に連絡すると、早めでもOK! ってことでしたので、打ち合わせさせて頂きました。ありがたや、ありがたや……。

僕って、色々ギリギリの所で危険を回避する運があるようです!

打ち合わせが終って、幕張メッセの隣のホテルに行く間、もう遭難するかと思いましたよ。。。。キャリアケースの車輪は雪に埋もれ、足下は雪で滑りまくり。浜からの風で吹雪を全身に受けながらの行進です。

顔痛いし、荷物重いし、足元は滑るし……。

とにかくホテルにたどり着き、必要のない荷物を部屋に置いて、幕張メッセに前日搬入。

なんとか無事に、ある程度まで搬入出来たんですが、到着しているディーラーさんの少ないこと……。地方からきてる人も多いので、大変なんですよね。

その日はホテルに泊まり、当日の朝を迎えます。
夜半まで降り続いた雪も、5時頃起きた時にはやんでました。

やはり、雪で来られなかったディーラーさんも多く、会場は歯抜けのブースがちらほら。一般参加者さんも、来られなかった人がかなりいたらしく、昼過ぎに到着するディーラーさんや、一般参加者さんも多かったです。

そのせいか、いつもと違って、最終5時までまんべんなく人が動いたワンフェスでした。

3Dプリンターを展示している所も、今は独立したコーナーになっています。来場者も多く、こういったホビーユースでも3Dプリンターへの注目度がかなり上がっていますし、やはり3Dプリンターで出力して仕上げたキットやフィギュアの展示もどんどん増えていっていますね。

僕もそのコーナーに寄りまして、色々とメーカーや代理店さんのお話を聞くことが出来ました。そろそろうちも新しい3Dプリンターを導入する計画もあり、機種選定のために色々と聞いてきました。

そして、なんとかどの機種を入れるかを決めましたよ。
また、それは導入後にお知らせ、レポしますね!

他にも、レーザー彫刻機も導入が決定しました。ますますファボファボしてきます。

かと言って、一般に公開するには、守秘義務を抱える仕事が多い業務上、そういうことは出来ませんが……。

レーザー彫刻機の方も、導入した際にはレポします。
まあ、これはかなり前からある機械ではありますが…。

【織田隆治】FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp >

しかし凄い雪でしたねぇ…。あんなのはもうゴメンです。
雪に慣れてないので、色々と苦労しまっせ!


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編集後記(02/13)

●このたびの都知事選では、元首相のタッグマッチがいい味を出していた。落馬したお方はもう表に出て来られないだろうが、出馬を唆したお方はそれなりの成果を上げたのではないだろうか。晩節を汚したとか、小泉神話の終焉とか、もはや過去の人とか言われているが、ご本人はそんなのへっちゃらなのではあるまいか。もしかしたら、小泉氏の真意は反「脱原発」であり、現政権と組んだ出来レースではなかったのか、そんな怪説がある。「脱原発」ムードを潰すために、あえて都知事選で「脱原発」バカを演じたというのだ。

「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくしては日本は発展できないというグループの戦いだ」と規定してみせたが、それに従って言えば、「原発なくしては日本は発展できないというグループ」が圧倒的な勝利を収めたわけで、現政権の方針が正しいことになる。「原発ゼロで日本は発展できる。まずゼロにして後は知恵者が知恵を出す」「あとのことは私に聞いてもしようがない」と無知・無責任ぶりをおおげさに演出することで、ますます「脱原発」がいかに危うい思想であることを白日の下に晒した。わざわざ負けるための演説を繰り返した。

また、同じテーマを掲げる有力な左翼候補の票を分散させる効果もあった。これで安倍首相は、衆参両院選挙と都知事選挙という、原発がテーマになった3つの重要選挙に圧勝した。民意は「脱原発」の拒否であることがはっきりした。原発論争に勝負がついたともいえる。殿様は大恥をかいたが、煽り立てた小泉氏は「脱原発」運動の主導権を維持したままである。今後、各地で行われる首長選などで「脱原発」候補者が現れたら、支援を装って乗り込んで潰す、なんてことになるのではないか。な〜んて、嘘か真かわからないが、そういうのもありかもねという情報が好きだ。トンデモ情報はもっと好きだ。

ところで、「週刊アカシックレコード」のいう「日本は、日本の保守勢力は、エネルギー源として必要だから原発を推進して来たのではない。いざというとき、安全保障上必要だから、軍事技術として原発技術を持つと決めたのだ」という、思ってもみない分析には驚いた。核拡散防止条約では、現在の核兵器保有国以外で、使用済み核燃料の再処理技術(核兵器製造一歩手前の技術)を持つことを認められている国は、日独など数か国しかない。日本には優れたロケット技術もあり、その気になればいつでも核ミサイルができる。日本はその技術を維持することで、将来ありうる危機に備えて来た。だから「脱原発」は断じて選択できない。う〜ん、説得されちゃいます。(柴田)


●続き。我慢してご褒美に期待するんじゃなくて、いかに楽しくするか。環境は大切だと。カフェで勉強や仕事をする人はドヤ顔したいわけじゃなくて(笑)、居心地がいいからだよね。

適度な雑音、人がいるけれど適度な距離があって接触はなく、いい香りとBGMに包まれる。距離はあるものの、人の目はある適度な緊張感。居心地がいいとはいえ、常識を越えた長時間はいられず残業ができない。さぼりたくなる諸々からも離れた状況。

意思より環境なのだと、その本では教えてくれる。人間の意思なんて弱いから、外から固めたらいいのだと。続く。(hammer.mule)