アナログステージ[111]サーバの中で生きているただのデータたち/べちおサマンサ

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前回は、個人的な愚痴もチラホラと混ざった内容になってしまいましたが、オイラが個人で楽しんでいる、『黒猫のウィズ』という、オンラインゲーム(ソーシャルゲーム)でのゲームバランスが、運営自らの手によって、崩れてきてしまっていることを書きました。

ゲームバランスが崩れるほどの改悪を、なぜする必要があったのか、すでにゲーム内で起こってしまっているインフレを食い止めることはできるのか。また、そこに動くリアルマネーとの対価を、オイラ個人的な視点で書いてみますね。


前回も書き添えておきましたが、運営批判とか、ゲーム批判、オンラインゲーム(ソーシャルゲーム)の存在否定とか、そういう類ではございませんです。「形として実在しないものへの投資」を中心に書いております。

それと、スマホアプリでのゲームは、ソーシャルゲームというより、「オンラインゲーム」というほうが正解のような気もしますので、このコラム内では、ソーシャルゲームではなく、オンラインゲームで統一させていただきます。

タイトルを変えておりますが、前回はコチラ↓↓↓

・アナログステージ[110]仮想世界で動くリアルマネー
< http://bn.dgcr.com/archives/20140204140300.html >

お金を支払って購入をすれば、何らかの「形」として、自分の所有物になるのは当たりまえのことですよね。それが、自動車であろうと食料品であろうと、完全に個人の所有物になるのだから、煮て食おうが焼いて食おうが、味付けも盛りつけも、その人の自由。

レンタルのように、一時的に、持ち主へお金を払って借りているものは、これまた当然のことながら、自分の所有物ではないので、借りた状態のままで、持ち主へ返却することになる。まぁ、ここまでは、普通に生活していれば、ごく自然というか、当たりまえの話で、おかしいとは誰も感じないでしょう。

もし、皆さんが、これからお金を支払って購入しようとするものが、手にとって、肌で感触を確かめたり、鼻を近づけて香りを確かめたり、本来、人間が持ち合わせている、五感という感覚機能使っても感じることができない、ただの『データ』だとします。データなので、唯一できる確認作業は、視覚に頼ることになるので、五感ではなく、四感ですね。

クレジットカードで、パッパカパッパカと、引落し口座の残高を気にしないで買い物できるヒトは、まぁ、ちょっとアチラに置いといて、購入するまえに、「お金を払ってまで本当に必要なのか?」など、購入を決めるまで、自分なりの価値感と、お財布の中と相談して決めるかたが大半だと予測します。

●カタチがあるから遊び方も無限だった

思い返せば、2006〜2007年ころに、モバゲーやGREEが、携帯電話向けのソーシャルゲームを展開し始めたのを皮切りに、携帯端末でのゲームコンテンツが急速に広がりを見せたのは、皆さんの記憶にも新しいと思います。市場が活性化されていくのと同時に、暗な部分もジワジワと顔をみせはじめ、2012年には『コンプガチャ問題』として、消費者庁が、業界全体に釘を刺したことも、記憶に新しい。

ガチャ(ガチャガチャやガシャポン)が、年齢関係なく、射幸心を擽られる遊びであることは、幼少のころから実感している。スーパーカー消しゴム(カー消し)から始まり、キン肉マン消しゴム(キン消し)などいろいろ。爺さんや婆さんからお小遣いをもらっては、弟と一緒に、友達と一緒に、近くの駄菓子屋で回しては、まだ手持ちにないキャラが出れば大喜び、ダブって出ればガックリ。

ガチャったカー消しやキン消しを、ただコレクションするわけではなく、そこには、子どもなりの遊びの世界がたくさん広がっておりました。将棋盤の上に並べて、陣取り合戦みたない遊びもしましたし、駒の代わりに消しゴムを並べて将棋をしたり。本当にたくさんの遊びかたがありました。

カー消しやキン消しのように、形として存在しているアイテムは、子どもなら先ほどのように、ガキンチョワールドで楽しんで遊べますし、大人になれば、コレクションという、ちょっとした息抜きの娯楽にもなります。

しかし、オンラインゲームのキャラクターたちは、目では見れるものの、所詮は、ただのデータ。手にとることもできなければ、部屋に飾ることもできません。できるとしたら、スクリーンショットで画像を保存しておくことくらいでしょう。

モバイル端末や、パソコンの画面でしか見れないキャラクターたちは、そのゲームの世界でしか楽しむことができませんし、運営サイドが開発やサービスを停止したら、セカセカと集めたものは、すべて一瞬でなくなります。当然のことながら、レアアイテムに費やしたお金が返金されるわけでもなく、ただのデータは、自分の手元に形として、なにひとつ残ることがありません。

キャラクターやアイテムの急なインフレは、始めのうちは、プレイヤーたちもお祭り騒ぎで大喜びするかもしれませんが、その後続でリリースするアイテムに、当然のことながらプレイヤーたちは注目します。

次回は、もう少し話しを掘り下げて書いていきます。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。
Twitterはコチラ→< http://twitter.com/bachiosamansa >
まとめはコチラ→< http://start.io/bachio >

∵多曲入魂──音とリンクする魂 二曲目∵

前回から始めたオマケ企画ですが、音楽をレビューするということが、こんなにも難しいとは感じておりませんでした(笑) なにが難しいかって、声や音、その空間を支配している音のすべてを、稚拙なテキストとして表現する言葉を持っていないから。あー、日本語不足のアホはツラいなぁ……。

さてさて。今回は、アメリカのジャズシンガー、エラ・フィッツジェラルド(Ella Jane Fitzgerald)でございます。エラとオイラの出会いは、確か中学二年生ころだったと記憶しております。流れとしたら、オールディーズとへヴィメタルを同時に聴きこんでいた時期で、学友と「共通の音楽」というところで、一緒に話せる友人が一人もいない時期でした。寂しかったです。

シュープリームスやらコニー・フランシスなどの、ガールズポップ系を開拓しているときに、パティ・ペイジに出会い、パティからサラ・ヴォーン、ビリー・ホリデー、クリス・コナーなど、女性ジャズシンガーに魅了されつつ、エラでどっぷりと、ジャズボーカルの世界に引きずりこまれました。

ちょうどその頃、レコードからCDに移行が始まったときで、主力はまだまだレコード。レンタル屋さんに置いてある音源も、もちろんレコードが100%。夕方に学校の部活が終わって、せっせと自転車でレンタル屋さんへ足を運び、顔見知りになった店員さんといろいろ話しながら、「これが良かったら、これも聴いてみらたいいかも!」などのアドバイスを貰い、慎重に三枚のレコードを選ぶ(※1)。

レンタルしてきたレコードをカセットテープに録音し、夜、布団に潜りながら(ヘッドフォンを持っていなかったので、防音のためw)目の前で演奏しているところを想像したり、なんだかんだと良い思い出です。

※1:当時は一回のレンタルで三枚までしか借りれなく、少ないお小遣いの中から遣り繰りしなくてはいけなかったので、適当にジャケ選で借りるとかの冒険ができなかったのです。ゴールド会員になると、一回で五枚まで借りれたのですが、ゴールド会員までの道のりは遠く、中学生の財力では追いつかないほど、夢のステータスだったような。

前置きはこのくらいで、本題。エラの魅力といえば、下町大衆食堂のオバちゃんのような、優しく頼もしい、大盛りのカツカレーの皿を持っているようなイメージはさておき、自在変化な歌唱力というか、声質というか、圧倒的なトーンバランスにあると感じております。

エラのアルバムを始めて聴いたのは『Ella In Berlin』で、思春期真っ只中の中学生には、強烈どころか、「音楽と唄」に対する観点が見事に開花し、良くも悪くも、この一枚のアルバムのお陰(?)で、あとあとに聴く、ボーカルモノのすべてを色褪せさせてくれたアルバムでもあります。

この歳になった今でも、これ(Ella In Berlinを)と、ジャンルは正反対ながら、Napalm Deathの『Punishment in Capitals』、この二枚を超えるライブアルバムに出会っていない。ヨボヨボになるまでに、出会えるかな(笑)

『Ella In Berlin』では、一曲目からラストまで、聴き手を飽きさせることなはありません。とくに後半からのエラは、果汁が噴き出すオレンジのような勢いと声の甘酸っぱさ、口のなかで弾ける果肉の爽快感を、耳で楽しむことができ、”Mack The Knife”から”How High The Moon”の歌唱力は、見事の一言。

収録曲の”How High is the moon”で聴ける、エラのキレ味抜群なスキャットと、ビーパップな香り漂う曲の進行、エラをまだ聴いたことがないかたでも、気がつかないうちに、彼女の世界に心を奪われてしまっていることでしょう。

前回のコーちゃん同様、つべ様(YouTube)で検索したら、なんと、当時の映像があるではありませんか。なんなの、YouTube。オイラも初見でしたが、映像を見ると、初めてエラの歌声を聴いた、中学生のころを思い出しました。

映像(曲)は途中で切れてしまっておりますが、当時のエラの歌っている姿を見れるだけでも、貴重な映像です。うp主さま、ありがとうございます!

・ Ella Fitzgerald How High is the moon - YouTube:
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いやー、音楽って、本当にステキですね(^^