アナログステージ[112]終焉を迎えていないシナリオはいくらでも書き換えできる
── べちおサマンサ ──

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コンニチハ。すっかり春の支度が整ったかのような陽気でございます。なんだかんだと、春は気持ちも爽やかになるような、この歳になって、今さらそんな気がいたします。新年度という言葉には、かなりゲンナリする陰な部分もありますが、ピンク色の花びらで道が埋まるのは、やっぱり気持ちが良いですね。

注意書きとして前回も書き添えておきましたが、運営批判とか、ゲーム批判、オンラインゲーム(ソーシャルゲーム)の存在否定とか、そういう類ではございませんです。「形として実在しないものへの投資」を中心に書いております。


それと、スマホアプリでのゲームは、ソーシャルゲームというより、「オンラインゲーム」というほうが正解のような気もしますので、このコラム内では、ソーシャルゲームではなく、オンラインゲームで統一させていただきます。

タイトルを変えておりますが、前回と前々回はコチラ↓↓↓

・アナログステージ[110]仮想世界で動くリアルマネー
< https://bn.dgcr.com/archives/20140204140300.html
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・アナログステージ[111]サーバの中で生きているただのデータたち
< https://bn.dgcr.com/archives/20140304140300.html
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●ゲームシナリオの本当の敵

オンラインゲーム内で、課金して手に入れたキャラクターやアイテムたちは、レア度が増せば増すほど、手にできた時の嬉しさは計り知れないものです。その気持ちは本当によく分かります。レア度とは別に、攻略上、どうしても手持ちに加えて、デッキの選択肢を少しでも充実させておきたい……実際にオイラもそうでした。

課金する、しないは別問題で、ゲームを少しでも有利に進められる環境を整えたかったのと、まぁ、これは個人問題になりますが、以前にデジクリでも書いたように、オイラは収集癖があるので、図鑑の中を埋める楽しさという、ゲーム進行とは別の楽しさを見出しておりました。

某掲示板や、個人BLOGなどのコメント欄を読んでいると、たった一枚のカードが欲しいがために、数万、数10万円のお金をつぎ込んで、やっと一枚をゲットできたヒトもおりますし、30万円以上つぎ込んでも、お目当てのカードは一枚も手に入れることができなかったヒトもおります。

怒りのボルテージがフルマックスで、蒸気機関車を走らせることができそうなくらい、大噴火レジェントサイクロンフレアァァッ(※1)なヒトの裏で、運営からプレゼントされるクリスタルだけを、コツコツと貯めたいたヒトが、単発(※2)でひょっこりとゲットするようなこともあります。

オイラ自体は、ガチャに数10万も投資するような重課金(廃課金)者ではありませんが、たまたま「ラッキー!」なのか、「あん、このカード欲しい」と触手が動いたときに回しても、だいたいは、1〜2万円以内でオマケつきでゲットできることが殆どでした。

目的のカードをゲットできたとき、それまでの投資金額はすべて報われることになるのですが、果たして、数10万も費やして手に入れたカードに、それほどの対物価値があるのかはまた別問題。

手にしたものは、前回のコラムで書いたように『形として実在しないもの』。サーバの中でしか生きることができない、ただのデータ。運営が「ユーザの皆さんゴメンナサイ、もうこのゲームはこれ以上、開発も更新もしませーん」と提供を打ち切りにしてしまえば、それで終わり。それまでに費やしたお金を返してくれるわけでもない。

数年前に、アメリカの会社から「WeFarm」という育成箱庭系のゲームで遊んでいた時期があった。フレンドが増え始めた中盤ころから、少しずつ課金アイテムを購入して配置し、それはそれでマッタリと楽しかったのだが、突然、運営から「今度新しいゲームをリリースするから、みんなそっちで遊んでおくれ!ついでにこのゲームはもう更新しないゼ!」と、いきなりサービス終了となってしまったゲームがある。

課金してゲームを遊ぶことに抵抗感があったときなので、課金したといっても、せいぜい5000円くらいだった。フレンドの中には、「いくら遣ってるんだ?」という重課金者もチラチラいたのだが、突然のサービス終了は、彼ら(彼女たち)の魂が耳の穴から抜け出していったことでしょう。

オイラも、「え? うそ? いままで遣ったお金、パー?」と呆気にとられました。WeFarmだけに限らず、オンラインゲームについてまわる一番の恐怖は、運営による突然のサービス終了だったりします。

※1:大噴火レジェントサイクロンフレアァァッとは - 意味/元ネタ/使い方|Twitter:< http://netyougo.com/twitter/9590.html
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※2:最近のオンラインゲームでは、10回(おまけで+1回の11回など)連続でまわせる「10連ガチャ」と、一回だけまわすことができる「単発ガチャ」が用意されている。

10連ガチャは、10枚のうち、必ず一枚はレア度の高いカードを引くことができるオマケ要素が追加されているが、単発では、なにが出るか引くまで本当に運のみの駆け引きである。連続して良いカードを引くこともできるが、50回まわそうが100回まわそうが、ガッカリなカードだけの場合も当然ある諸刃の剣。

●「うちも商売ですからね、ボランティアじゃないんですわ」

そのゲームで遊んでいて、「期間限定なうえ、この機会を見逃すとこれ以上のカードは、もう二度と手に入れられない!」というワンチャンスなカードなら、どうしても欲しくなるのがヒトの情。そのゲームに入れ込んでいれば、なおさら欲しい。

しかし、その期間限定で二度と手に入れられないカードは、数日後に新しくリリースされたカードたちによって、あっさりと過去の産物になってしまった。「期間限定」「最強のカード」などと謳って、散々煽った挙句に、数日後にはそれより強力なカードの登場。

これは怒る。観音様でも怒る。千手観音様なら、千本の手で殴っているに違いないってくらいに、運営にやられた観が広がる。当然、あちらこちらで運営に対しての不満が爆発。

不満のほとぼりが冷めぬうちに、またしても新キャラをリリースし、たった数週間(数日)前に手にした「期間限定の最強カード」は、なにもせぬまま産廃となり、ゲームリリース当初から第一線で活躍していたカードたちは、南十字星の星となってしまった。

ここで、新キャラをガチャることなく、既存のカードでもゲームを進めることに問題がなければ、ここまでユーザの不満が爆発しなかったと予想するけど、新スキルを持った新カードがいないと、ゲームクリアが極めて難しいという、最悪のゲームバランスになってきてしまった。

「この新しいカードを持っていれば、楽に攻略できるからガチャる!」「クエストクリアできるまでクリスタル使ってコンティニューしてね!」と、どちらに転んでも、クリスタルを買わせようとする運営の無慈悲っぷり。純粋にゲームとして楽しむことができなくなり、次第に運営と戦っているような気にさえなってくる。

運営も商売なのは分かる。課金者がいて売上げがあってこそ、無課金者でも遊べるインフラを整えることもできるし、サーバ管理に投資したり、社員のお給料もでる。それらを考慮しても、やり方があまりにも偏りすぎる。

次回、ついに堪忍袋の緒が切れたユーザたちが返金騒動までに発展。シリーズ最終話です。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。
Twitterはコチラ→< http://twitter.com/bachiosamansa
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まとめはコチラ→< http://start.io/bachio
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∵多曲入魂──音とリンクする魂 三曲目∵

桜の蕾を眺めながら、フと脳裏に浮かんできたフレーズ。春先の冷たい空気と、生暖かい風が交差するときに、よく脳内再生される曲で、ボケーとしているときの脳内再生率は、べちお海馬ヒットチャートの5位から6位くらい。

ちなみに、べちお海馬ヒットチャートの第1位は『盆まわり』。子どものころから現在に至るまで、あらゆる場面で再生されており、何万回再生されたか分かりません。いたる調味料を駆使しても、どうやっても完食するのが難しいお料理や、とある会社の社長の顔をみると、必ず再生されたりします。

・盆回り - YouTube:
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ま、そんなことはどうでもよくて、今回はエラの流れもあったので、ジャコパス(Jaco Pastorius)でいこうかと思ったのですが、ジャコのことは話し始めるとキリがないので、「よし、今回の多曲入魂はこれでいこう!」ということで、ジミヘンの(Jimi Hendrix)の『Burning of the Midnight Lamp』です。

真夜中のランプが燃えるんです! しかも、独りでメラメラ燃えるランプの灯を眺めながら、誰にも理解してもらえない、孤独という見えない敵と戦っているのです。真夜中に貪るようにハンバーガーを食べてる歌ではありません。文中は、『Burning of the Midnight Lamp』と書くのもコピペするのも面倒なので、「ランプ」で進めます。

ジミヘンといえば、『Purple Haze』というくらい、Purple Hazeが有名な曲のひ とつとなっておりますが、日本でPurple Hazeといえば、高木ブー(雷さま)の登場曲としてのほうが知名度はありそうです。そんなオイラですが、ジミヘンを聴いたのはかなり遅めで、20代になってからだったりする。

HR/HMを愛好していると、ジミヘンの名前は必ずついてまわるにも拘らず、なぜかアルバムを買って聴いていなかった。買わなくてもテレビやラジオなどで曲が流れてきていたりで、「買わなくてもメディアから勝手に流れてくる」という背景もあったが、当時は、とにかくコアな方向に進んでしまっていたので、たまたま聴くタイミングが外れてしまっただけなんだろう。

元FREEのポール・ロジャース(Paul Rodgers)が、ジミヘンのカヴァーアルバムを出したとき、「そういえば、きちんと聴いたことがなかったわ」ということで、ポールのアルバムと一緒に購入したのが初。

ランプは、エクスペリエンス(ジミのバンド)ではラストアルバムの中に挿入されている曲で、歌詞を浄化してくれているかのようなハープシコード(チェンバロ)のコードと音色が、HR/HM魂とボッチ魂にグサっと刺さった。

刺さったまま、海馬ヒットチャートにランクインしている今ですが、実は、ジミヘンのランプも大好きなんですが、クラプトン(Eric Clapton)がカバーしたランプのほうが、カラダの消化が良くて好きだったりします。

クラプトンとジミの詳しいふたりの関係はWikiなどを読んでいただくとして、クラプトンはジミのことが本当に好きだったんだなぁ……と、音を耳ではなく、肌で感じるとることができます。

・Burning of the Midnight Lamp(Clapton cover)- YouTube:
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クラプトン絡みの話(とくにCREAM時代)は、やり始めると、3日間くらいは飲まず食わずで独りでしゃべってそうなので、ここでの出番はたぶんないと思います(笑) 

デジクリで、同じ火曜日担当の若林さんとはお会いしたことはありませんが、桜が咲いてから紅葉が落ちるまで、延々とクラプトンの話しで盛り上がれそうです(笑)

・Jimi Hendrix Burning Of The Midnight Lamp Promo - YouTube:
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「愛国心を持つなら地球に持て。魂を国家に管理させるな!」: Jimi Hendrix

※もし、オイラと飲む機会が訪れた皆さんへ:ジャコとビートルズとクリームとエルヴィスの話は、飲み会の席で決してオイラに振らないでください。宴席がお開きになって、誰も居なくなっても、灰皿とか食いかけの枝豆にずっーと語っている「もうひとりのボク」が登場してしまいます。

いやー、音楽って、本当にステキですね(^^