講師だって、最初は初心者だもの[番外]2014年の電子書籍と私(売る側編〜販売市場について)/森 和恵

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こんにちは。森和恵です。
今日は、3月31日。年度の終わりの日ですね。

私はフリーランスで講師の仕事をしています。複数クライアントから仕事を受託をしているので、年度末で終了の案件もいくつかでてきます。今年度は、長くおつきあいした教室が終わりを迎え、さみしい気持ちになっています。

そんな中、来年度も続くお仕事は既に動き出しました。
感傷に浸っている暇は、与えてくれないようです。

……ということで、冒頭あいさつで告知します。すみません。大阪で実施するWeb系セミナーの年度初めの無料セミナーの日程が決まりました。


【無料セミナー】知っておきたい「Web制作イマドキの注目ポイント」
< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=17087 >

今回、一番お伝えしたいのが、「コンテンツ表現の見直し」についてです。

いま書いているメルマガもそうですが、「記事を書く」のって本当にむずかしいのです。自分が言いたいことに対して、どんな表現を使うか? どの順で伝えていくか…。いつも悩みながら書いています。

Webサイトのコンテンツ(記事)は、加えてデザイン(文字サイズや色などの見ため調整)が必要なので、事態はもっと複雑になります。そこをどう表現するのか? を実例を元にお伝えします。

二年ぶりにまるっと新ネタでお届けします。先着30名なのでお早めに。

さて、前回から引き続いて、電子書籍のことをお伝えします。今度は、「売る」側の目線でみてみましょう。

●電子書籍ストア「パブー」を使ってみた

私自身は、まだ電子書籍を販売をした経験はないのですが、電子書籍ストアの「パブー」でセミナー資料の無料配布を試みてみました。

【Adobe Dreamweaver&Fireworks CS6で作る簡単スマホ対応サイト】
< http://p.booklog.jp/book/69086 >

いつもセミナー資料はWORDで作るのですが、それをPDF形式に変換して、「パブー」のシステムにアップロードしただけです。有料会員になる必要がありますが、登録はとても簡単でした。

【パブーのプロ版】
< http://p.booklog.jp/about/pro >

「パブー」の無料版では、ブログ形式の管理画面が準備されていて、ブログを書く要領で記事を投稿し、それを電子書籍に変換するという方法がとれます。

私が有料版にした理由は、二つあります。一つは、将来的にここで販売しようと考えており、「パブー」システムの機能をすべて使ってみたかったということ。もう一つは、既にWORDデータがあってPDFが手軽に作れ、有料会員でないとPDFからの登録ができなかったことがあります。

ブログを始める感覚で、電子書籍の配布ができる「パブー」は、初めの一歩にはオススメだと思います。

●電子書籍の「リフロー」型と「固定」型

電子書籍の販売を検討する時には、そのデータ形式として「リフロー」型と「固定」型があることを知っておく必要があります。

【みんなの電子書籍:電子書籍の「リフロー型」「フィックス型」って?】
< http://blog.livedoor.jp/qphkf812/archives/51994999.html >

「固定」型は、私が作ったPDF形式のデータのように、拡大してもページのレイアウトが固定されている形式です。見たい所をピンチ操作でズームし、フリック操作でページをドラッグしながら読みます。

ちょうど、新聞に目を近づけて読み、読み終わったら隣に目線を移動して読むのに似ています。

「リフロー」型は、ブラウザーでWebページを見ているのに似ています。文字サイズを大きくすると、それに合わせてページレイアウトが変化します。リフロー型では、ページレイアウトという概念が薄く、読んでいる人の文字サイズによって、ページ数が増減します(文字が大きいとページ数が増え、少ないと減ります)。

例えば、下の電子書籍では、「リフロー」型が使われています。私が作った電子書籍とは違い、書籍を開くとWebサイトのデータのように文字が選択できる形式になっていますよね。文字サイズが大きくなるとページが後ろにずれていく仕組みが使われています。

【Dreamweaver CS5で作るiPhoneサイト制作】
< http://p.booklog.jp/book/7659 >

「リフロー」型は、KindleやKoboなどの小さな端末で本を読むのに適しています。反面、文字サイズによってページレイアウトが変わってしまうので、「文字と図」や「文字と写真」を著者の意図した形で見せたい場合にうまくいきません(たとえば、文字が大きくなると、そばにレイアウトして置いた関連する図や写真と離れてしまう場合があります)。

「リフロー」型の方が、自由度が高いと言われますが、雑誌などレイアウトが複雑な書籍では、レイアウトが一定に決まる「固定」型の方がかえって読みやすいと個人的には思っています。もちろん、小さな端末では読みにくいので、iPadなどタブレットの大型端末で読むのがおすすめです。

また、「固定」型の方が、データが作りやすいというメリットもあります。例えば、私の時のWORDデータのように、既に印刷物のためのデータを持っている場合は、「PDF形式から電子化」がそのままシームレスに行えます。

一方、小説などレイアウトが比較的不要な文章で読ませる書籍に関しては、小型端末でも読める「リフロー」型がベストだと考えています。

というように、電子書籍を作る時には、「リフロー」型・「固定」型どちらで作るのか? は、悩みどころです。

というのも、雑誌か小説かで単純に決められるわけではなく、手に取ってもらう読者がどの端末を持っているのか? という市場ニーズも検討しなければなりません。一番いいのは、両方作ることですが、電子書籍のデータを作るのにもそれなりにコストがかかりますからね。

また、販売する時にきちんとアナウンスをすることも大事だと思っています。例えば次の例を見てみましょう。

【Photoshop-10年使える逆引き手帖】
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00GJGOXJI/ >

の電子書籍では、「商品の説明」の項目に「この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型はフォントサイズの変更、本文の検索、その他が出来ません。必ず無料サンプルで見え方、操作性等をご確認の上でご購入ください」とありますね。

わたしも、この「固定」型の書籍を電子版で購入しましたが、常識的に考えて、小型端末Kindleでは読めたものではありません。

でも、「無料サンプルで操作性を確認してね」と書いてあれば、もしかしたらいけるのかも? と思ってしまうかもしれません。また、「固定レイアウト」がどういうものかを知らない場合は、この説明自体スルーされてしまう恐れがあります。

案の定ついたレビューで、「私が購入したのはkobo版ですが、字がつぶれて読めません。いちいち拡大してスクロールしながら読む羽目になります。もともとB5サイズぐらいの本ですから小さな電子書籍の端末で読むには無理があるのでしょう」と意見がついています。

【レビュー:kindle版は買わない方が】
< http://www.amazon.co.jp/review/R201B8RQXBIHUA/ >

この人がもしipadをもっていたなら、iPadのアプリ「kindle for ipad」でみれば、画面も広くなるし読みやすかったことでしょう。最初のアナウンスで「この書籍は固定型で、小型端末で読むのは向いていません。iPadなどのタブレットでの閲覧をお奨めします」と書いておけば、何の問題もなかったと思います。

【kindle for ipad】
< http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?docId=3077089386 >

「タブレットなんか持ってないよ」というユーザーのために、デスクトップパソコンにインストールするソフトも出てきています。Kindleはまだですが、Koboは、デスクトップアプリもありますね。Kindleから出るのも時間の問題だと思われます。

【Koboデスクトップアプリ】
< http://rakuten.kobosetup.com/ >

●本を販売する電子書籍マーケット

最後に、個人でも出版が可能なマーケットを紹介します。

【Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング】
< https://kdp.amazon.co.jp/ >

【パブー】
< http://p.booklog.jp/about/service >

【Kobo Writing Life】
< http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1206/06/news038.html >
※まだ、日本市場はない

Amazonの人気が高く、検索すると数多くの個人出版を目にすることができます。小説やノウハウ本が多いのですが、中にはアニメの同人誌的なものまで、種類も増えてきました。

ただ、Amazonは、販売の制約やロイヤリティなどが徐々に厳しくなってきていて、個人に美味しい市場…からは、離れてきているようです。

【アマゾンで売る! 一番簡単な電子書籍の作り方】
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00AGZ1X3C/ >

【スタンド使い☆ほむらジョジョカ 第一話】
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00HE5SKSS/ >

一方、市場を通さずに個人で売買するところも出てきました。こちらは、制約もロイヤリティも受けずに済む反面、PDFファイルなどのデータを直接手渡してしまうため、悪意のある人の他者への二次的な流出が避けられないという問題も出てきます。

【シゴタノ 仕事を楽しくするアイデアとコツ】
< https://55auto.biz/cyblog/touroku/mangash.htm?id=2181 >

【自転車操業:同人イベントに電子書籍を紛れ込ませる。/第2版+新機能解説】
< http://densyo.jp/f/10 >

……さて、今回はここまで。次回も、電子書籍のネタをお届けします。「売る側」の目線で、実際のデータを作る時の手順や必要なソフトなど電子書籍データを作る時の具体的な部分を少しまとめたいと思います。

※記事へのご意見・ご要望は下記より受付ます。
< http://goo.gl/rN5Dg >

【森和恵 r360studio 〜 Web系インストラクター 〜】
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<mail: r360studio@gmail.com >
<サイト制作の教科書 r360study: http://www.facebook.com/r360study >

前回、梅を見に行くぞ! とか書いたはずなのに、もう桜ですか…。東京まで開花が進んでるみたいですね。家から歩いて5分にある「さくら公園」にさえ、まだ行けてません。桜こそ!!みたいものです。

・ほぼ日桜前線2014
< http://www.1101.com/sakura2014/ >