3Dプリンター奮闘記[33]B9creator、来たる!/織田隆治

投稿:  著者:  読了時間:5分(本文:約2,100文字)


こんにちは。
とうとう、うちにも「B9creator」が届きました。


「B9creator」は、プロジェクターで断面を照射し、紫外線硬化タイプの樹脂を一層ごとに固めてゆくタイプの3Dプリンターです。

樹脂の色は、今のところレッドがメインで、他にも少し色の違うチェリーという二種類。チェリーは、かなり精度の高いものに使用するようです。グレーなんかも出たら嬉しいですね。

まあ、僕の場合は原型制作に使用するので、色はどうでもいいんですが、グレーという色は、形状やディテールをチェックするにはもってこいの色なんです。表面の凹凸がはっきり出て、少しの歪みやキズも見つけ易くなります。

プラモデルを本格的に作る人なら、サーフェィサーというグレーの下地材を吹き付けたりするので、そういったことをご存知だと思います。

さて、それでは、早速梱包をほどいてセッティング。こういった新しい機器や家電、パソコンなんかが来ると、この行程が楽しいんですよね。「開封の議」って感じです。(笑)

とりあえず、設置場所に鎮座してもらって、しばらく取り説を……。って、今ほとんどこういうのはPDFなんですよね。仕方ないので、すべてプリント(笑)こういう時に、iPad欲しくなりますね。

一通り読んでから、プリンターに向き合います。まずはこのために用意した「中古」のノートPCにドライバーやらをインストール。「B9creator」にはUSB。「B9creator」に付属するプロジェクターにも繋いで起動してみます。

「おお。動くぞ、これ!」

まあ、当たり前なんですが、ワクワクします。

付属のモデルがあるんですが、そこはモデリングを本業としている僕。適当に作った簡単なモデルをモデリングして、STLデータに変換して読み込み。

まずは、レイアウト画面でモデルデータを設定してから、スライスデータを制作します。このスライスデータというのは、モデルを積層する場合に必須。地形なんかの等高線を頭に思い浮かべて頂ければいいと思います。

その断面の形状で一層を固めて、その上にまた一層重ねていく感じです。これは、どのプリンターも同じと言えます。

「B9creator」のソフトウェアでは、この断面データをチェック出来るようになっていて、変なところがないかどうかを事前にチェックします。変なところがあれば、その断面データに手を加えられるようになっていました。

今回は、そんなに難しい形状ではなかったので、そのままプリントします。プリント用のソフトを立ち上げ、「B9creator」にデータを転送します。正確には、プロジェクターに転送するんですが。

しばらくすると、プロジェクターから断面が照射され、一層目ができます。で、次は二層目…

「ガチャ!!! ガッシ〜ン!」

うわぁ! けっこう激しい動き!!!!

ビビりましたけど、このタイプの3Dプリンターは、剥がれやすいようにシリコンが塗布してある液体を入れた箱の上から、テーブルとなる板が上がって、つり下げるような仕組みです。

テーブルに付着したモデルを、そのシリコンが塗布してある箱から引きはがし、そのモデルの下に数ミクロンの隙間を作って、そこに流れ込んだ紫外線硬化樹脂に、次の断面データを照射する形式になっています。

そうやって、テーブルが上に動いて行き、造形物が積層される仕組みになっています。この、「引き剥がす」目的で、ある程度早い速度でテーブルを動かす必要があるわけですね。

分かってはいましたけど、少しビビりました(笑)

先まで使っていた「objet」も、紫外線硬化タイプなのですが、ここが一番違うところです。待つこと2時間程でモデリングが完成!

「う〜ん。小さい割に時間がかかるなぁ……」

と、そこで気がつく訳です。
素材を溶かし、ニュルニュルと積層していくタイプのプリンターは、輪郭線をヘッドがなぞるように動いて素材を充填していきます。ヘッドが動くことで、断面が積層される訳ですね。ですから、断面の面積が広いと、それだけ時間がかかるというわけです。

しかし、「objet」「B9creator」等の紫外線硬化タイプの3Dプリンターは、光やレーザーによって硬化させます。

そう、その断面を実働でなぞる必要がない訳です。断面に光を当てて硬化させるので、そういった面でニュルニュル式のプリンターより、一層にかかる時間が少ない訳ですね。

ということは、断面の面積の大小で、プリント時間を大きく左右するようなことはあまりないのです。「要は高さ」ですね。高さを出来るだけ押さえることで、プリントの時間短縮が行えるというわけです。

形状によって、その出力方向もノウハウがありそうですので、これから色々と実験して、またノウハウを蓄積していく必要があります。

で、その出力された物はどうなのよ?

これが結構きれいに出ていました! 樹脂自体も、研磨性も悪くなさそうです。「こりゃエエ感じです」ということで、この続きは次回に!

【織田隆治】FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp >

レーザー彫刻機も入ってきました。またそれはこの後で。先日、広島に旅行に行って来たんですが、桜が満開! で、帰ってきたら京都も満開でした〜。花見行きたいなぁ……。