クリエイター手抜きプロジェクト[391]番外編 本の執筆/古籏一浩

投稿:  著者:  読了時間:7分(本文:約3,300文字)


今回は自動化ネタではなく、本の執筆に関して少し書きたいと思います。さすがに50冊近く本を書けば、いろいろとネタはあります。連載された雑誌なども含めると結構な量になります。ネタもそれなりな量になりますが。

たまに「本を出したいんだけど」「どうやって書くんですか?」といった質問が来ることがあります。回答としてはいつも同じような具合で「書いて出版社に送る(編集者にメールする)」。ツテも何もない場合は、この方法くらいしか思いつかないというのもあります。NHKの連ドラでやっている「花子とアン」でも、書いた原稿を出版社に持ち込んでいます。

・花子とアン
< http://www.nhk.or.jp/hanako/ >

まあ、本を書きたいと言っていても実行に移す人は少なく、メールしてきた中で実際に本まで出した人はひとりだけ。実際のところ、本を出すのが難しいというよりも、書くことが難しいのではないかと思います。




文章を書くと言っても、本の種類によっては一応書いてあればよいというのもあります。リファレンス系の本は、小説のように感情移入するような文章は逆に邪魔です。最低限必要な事を短く書けばそれで十分です。

リファレンス系でなく雑誌の場合は、もっと字数制限がきついこともあります。特にプログラムと図版が含まれると、Twitter並みに少ない字数で説明しないといけません。

さすがに140文字ということはありませんが、300文字以内ということは何度もありました。あとは800文字、次は1500文字といった感じで、とにかく説明に使える文字数は非常に少なくなっています。Twitterで鍛えられている世代には、案外とリファレンス系、プログラム系の本の執筆に向いているかもしれません。

リファレンス系ではなく入門書となると、使える文字数もまったく違ってきます。入門書の場合は文字数の制限はありません。基本的に出版社の意向に沿っていれば、どんな文章/内容でも構いません。小説のような文章でも、ライトノベル風でも、会話だけが長く続くようなものでも構いません。実際に、そのような本は結構存在します。

どんな内容の本であれ、売れないとどうしようもありません。自費出版の場合(Amazon DTPでもいいですけど)は、売れなくても仕方ないか、とあきらめがつくこともありますが、商業ベースだと出しました、売れませんでした、というのは執筆者や出版社にとっては辛いところがあります。

特に出版社の場合、売れるか売れないか分からない部分(まあ、博打みたいなものですが)を著者に代わって負担しているので売れないと困ってしまいます。ですので、一定数売れるであろう本の企画が多くなってしまいます。

もし、あらかじめ何らかのデータによって売れる見込みがあると判断できれば、執筆者、出版社とも楽です。特に新しい系統のものであれば、確実に売れるという保証があれば、安心して出版できます。

ブームに乗るのが一番簡単なのですが、そうでない場合は何らかのデータがあると助かることは間違いありません。紀伊国屋書店など大手の書店の販売データは出版社にも渡されます。もちろん、何の本がどのくらい売れたかといった程度です。これから出そうという未知のジャンルに対しては、あまり効果はありません。

それでは、出版してみるまでどのくらい売れるのか判断するデータはないのでしょうか。書く側としても、新しい系統の本を出す場合に出版社・編集者を説得する材料がないと企画が通りません。編集者もよいと思っても、企画を通すことが難しくなってしまいます。1990年代には、情熱で押し通して出版した本もありましたが、2014年ともなれば情熱だけでは無理があります。

そこで、裏で密かに統計データをとり、その集計結果で判断するようにしています。月間訪問者数が一定数を超えているならば、商業ベースの出版が可能だろうという判断です。残念ながら、その数は極秘事項となっており公開することはできません。(←タイムスクープハンターのパクリです。すみません)

・タイムスクープハンター
< http://www.nhk.or.jp/timescoop/ >

ということで、何とか出版したのが、先週発売したD3.js本です。

●データビジュアライゼーションのためのD3.js徹底入門
Webで魅せるグラフ&チャートの作り方
< http://www.amazon.co.jp/dp/4797368861 >

執筆時の統計データ的には、まあ何とか商業ベースに乗るギリギリのラインといったところでした。ギリギリなので、とにかく宣伝しないことには売れないのが明白です。ということで、ここまで長々と書きましたが今回はこの本の宣伝のための文章だったわけです。

ということで、この本に関しては、まだネタがあるので気が向いたら次回も書きます。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/ >

統計データ数的には問題なくても、競合が多かったり、タイミングが合わずに出版までいきつかないこともあります。例えば、先週から急激に増えたのがGoogleが出したChromecast。でも、こういうのは,あっという間に本が出たりします。特にコンピュータ系は一日で状況が変わってしまいますので、じっくり書くなら小説の方がよいのかもしれません。

・Chromecast
< http://www.google.com/intl/ja_ALL/chrome/devices/chromecast/ >

・Chromecast (クロムキャスト) 使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Chromecast/ >

・データビジュアライゼーションのためのD3.js徹底入門
< http://www.amazon.co.jp/dp/4797368861 >

・D3.js例文辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/D3.js/ >

・ExtendScript Toolkit(ESTK)基本編
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00JUBQKKY/ >

・ExtendScript Toolkit(ESTK)基本編(紙バージョン)
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844396137/ >

・ExtendScript Toolkit(ESTK)基本編(iBooks)
< https://itunes.apple.com/jp/book/extendscript-toolkit-estk/id868057300 >

・4K/ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/ >

・JavaScript逆引きハンドブック
< http://www.amazon.co.jp/dp/4863541082 >

・Adobe CS2〜CS6,CC JavaScriptリファレンス&ライブラリ
< http://www.openspc2.org/reibun/AdobeJS/index.html >

・Adobe JavaScriptリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844395955 >

・Nexus 7(アンドロイドタブレット)使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Android/Nexus7/ >

・クリエイター手抜きプロジェクト
< http://www.openspc2.org/projectX/ >

・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< https://www.ddc.co.jp/estore/cgi/item/start.cgi?m=DetailViewer&record_id=243 >
吉田印刷所の「印刷の泉」でも購入できるようになりました。