[3715] MANGA制作システムも変わるのか

投稿:  著者:  読了時間:25分(本文:約12,100文字)


《美しい女に殺されることほど幸福な最後があるだろうか》

■ショート・ストーリーのKUNI[154]
 ドラマティック
 ヤマシタクニコ

■ローマでMANGA[76]
 MANGA制作システムも変わるのか
 midori

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  怒りのブドウ球菌 電子版 〜或るクリエイターの不条理エッセイ〜
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CIOU68M/dgcrcom-22/ >

◎デジクリから2005年に刊行された、永吉克之さんの『怒りのブドウ球菌』が
電子書籍になりました。前編/後編の二冊に分け、各26編を収録。もちろんイ
ラストも完全収録、独特の文章と合わせて不条理な世界観をお楽しみ下さい。
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■ショート・ストーリーのKUNI[154]
ドラマティック

ヤマシタクニコ
< http://bn.dgcr.com/archives/20140619140200.html >
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ぐにゃりと目の前がくずれる感じがあって、なんだと思う間もなく、彼はその世界にいた。死にものぐるいで階段を下りる自分の足。容赦なくぶつかっては周りの人間から浴びせられる嫌悪に満ちた視線、舌打ち。次の瞬間、彼はひとりの女と真正面からぶつかり、ふたり重なって駅のホームに倒れた。

「すまない、私は」起き上がりながら言い訳を口にしかけると、女が言う。

「困っているのね。何だか知らないけど助けて上げる」

女は旧知の間柄であるかのように彼と並んで歩き出す。雑踏の中にもぐりこみ、柱の陰に入ったところで自分がかぶっていたニット帽を脱いですばやく男にかぶせる。後ろから見たら格好の目印になっていたであろう、頭頂部が薄くなった彼の頭はそれですっかり覆われる。

女は親しげに腕を組んでべったりと寄り添い、急にゆっくり歩き出す。にわか仕立てのカップルはたちまち通勤客の人並みに吸い込まれる。やがて、後方からだれも追ってこなくなったことを、彼は感じる。風景がスワイプする。

「チカンに間違われて腕をつかまれ、大声を出された」

「それで逃げたの? やってないんでしょ?」

「あたりまえだ。だが、だれかが何かの目的で私を陥れようとしている。少し前からそんな気配はあった。だから、とっさに逃げた。警察なんてあてにできない」

女はうなずく。

「いま捕まるわけにはいかないんだ。私には立ち上げたばかりの会社がある。そのことで誤解されることもあった。だけど、これは最後の夢なんだ。このために私はひたすら地味に、こつこつと働いてきた。やましいことは何もない。信じてほしい。ああ、何を言ってるんだ、会ったばかりの君に」

彼は苦笑したが、女は大きな目を彼に向けて一度まばたきしただけだった。

「どうでもいいわ。そんなこと。私、むずかしい話は苦手だし」

その夜は女のアパートに泊まる。自宅にも、ついこの間借りたばかりの事務所にも「やつら」がやってくるかもしれないと思うと近づけない。ウェブサイトの更新だけはなんとか続けられるが、どうなるかわからない。

一日、また一日とそんなふうに過ぎて、気がつけば彼はすっかり女のやっかいになっている。女の用意したベッドで眠り、女が料理したものを食べる。悪くないが、くやしさが薄らぐわけではない。

「なんでこんな目にあわなきゃならないんだ。長い間夢にみて、やっと始めた仕事なのに」

「あせらないほうがいいわ」

「私には残り時間があまりない。君にはわからないだろうが」

「わかるわよ」

女はいつも民族調の衣類を身に着けていて年齢不詳だが、案外年を取っているのかもしれない。派手な色使いのスカーフで結わえた髪に白髪がのぞくことがある。

女について彼は何も知らない。名前も「みさこ」としか明かさない。どんな字を書くのだろう? 美佐子? 美紗子? それとも、ミサ子? 彼は女にキスをしながら、自分が家に残してきた妻のことをまったく気にかけていないことに気づく。ああそうだ。ずっと前からそうだった。妻には何の未練も感じていない。いや、いまは感じる間もない。毎日が緊張感に満ちている。

「どうして私のような老人をかくまってくれるのだ。白髪頭の無様な年寄りを」

「別に無様じゃないし、そんなことどうでもいいじゃない。私たちは出会うべくして出会ったのよ」

女は自分が思っていたのと同じことを言う。この女ともっと若いときに出会っていたらどれだけよかったろう。だが、これはこれでいい。

と思っていると、まわりの世界が突然タイル状に分割され、右斜め上から左斜め下に向かってぱらぱらと変化し始め、その動きがとまったときには彼は見知らぬマンションの屋上にいる。

何か月かが経過したことを彼は理解する。まぶしい青空が頭上にひろがり、しみだらけのコンクリート面を強い風が何かをさらうように吹き、あらゆるものの輪郭が際立つ。彼は周囲に張り巡らされた鉄柵ぎりぎりに追いつめられているが、彼を追いつめているのは、なんとその女だ。駅で彼を救った、女。彼をかくまい、ともに暮らした、女。

「やっぱりそういうことだったんだな」

わけもなく名前を呼んでみる。み・さ・こ。

拳銃を握りしめた女は無言で、右の口角をほんの少しだけ上げて笑う。女には淡い光の中で見るに適した女と、今日のようにぎらぎらした光の中で見るに適した女とがいるものだと彼はそんなときに思う。

明らかに後者に属する目の前の女が、あまりに美しかったので。ああ、そうだ。美しい女に殺されることほど幸福な最後があるだろうか。自分はずっとそれを望んでいた。最高だ。

パン!

彼の意識はそこで途切れる。

「お父さん!」

「あなた!」

病室で医師が臨終の時刻を告げ、すすり泣きが始まり、彼の一生が終わった。不思議なのは彼の表情だ。苦悶に満ちているようで、同時にこの上ない幸福感に包まれているように見えた。

彼は末期がんに侵されていた。2週間前から歩くこともできず、そのベッドで寝たきりであった。



彼の妻がDD社を訪れたのはそれから3か月後のことだ。夫の遺品を整理していてふと見つけた領収書の、住所を頼りに探し当てたその事務所は、単に契約の手続きをするだけのものらしく、部屋には簡素なテーブルと椅子、ロッカーがあるだけだった。やせた男がひとりパソコンに向かっており、突然現れた妻を見た。

「失礼ですが、こちらはどういうお仕事をされているのでしょうか」

「と言われましても。当社は紹介制になっております。また、一般の方にお話できる範囲は限られておりますが」

「夫がこちらと契約を結んでいたようですが」

妻が領収書──乗用車が一台買えるほどの金額が記されている──を見せると男は納得したようだった。

「当社はひとことで申しますと、顧客のみなさまにご希望通りの最後をお届けすることを業務としております」

「希望通りですって?」

「はい。最近は自分の人生の最後は自分らしくと考える方が増えています。葬儀の仕方、お墓のこと、また医療面では延命治療についての意思表示をあらかじめ明らかにしておくとか。そういったことも大切ですが、なにより大切なことは、最後のそのときをどんな気持ち、どんな状況で迎えるかということだと思うのです。

最後のそのときはお花畑が見えるとか、光のトンネルが見えるとか、あるいは自分の一生がパノラマのように見えるとか、さまざまな説がありますが、そうかもしれないしそうではないかもしれない。簡単に信用するわけにいきません。それよりは自分の希望通りの世界を体験しながら、その中で迎えることが技術として確立さえしていれば、それにまさるものはありません」

「あやしげな会社ね」

「どのように思われようとかまいませんが、われわれはきわめて真摯な気持ちで取り組んでおります」

「希望通りって、平穏な気持ちで旅立つことができればそれでいいんじゃないのかしら?」

「それがそうではないのです。当社に来られるほとんどのお客様は、これまでの平凡な人生では到底得られなかった体験を、せめて最後にと望まれます。多くの人が、実はもっとドラマティックな人生を生きたかったと思っている。

そうはいっても、生きているうちはさまざまなしがらみや責任がありますので、リスクを避けるのは当然です。だが、もうそんな必要もない。となれば、映画の主人公になったような気分で最後を迎えるのも悪くない...そこで、うちのような会社の存在意義があります。ちなみに当社の名称のDDとはDramatic Deathの略でございます」

「夫も、そんな最後を?」

「契約の内容について明かすことはできません」

「いまお聞きしたようなことがすべてうそかもしれないわね。だって、実際にどんな最後だったかなんて、本人にしかわからないじゃない。いったいどうやったらそんなことが可能なのかも、あやしいものだわ。こんな高いお金を払わせておいて」

「技術的なこともお話できません。契約者のいくつかの臓器にしかるべき装置を接続しておき、いよいよそのときだと察知された瞬間に作用するようになっている、としか。

どんな長い夢も実際には一瞬でみると申します。人生最後の壮大な夢も、体感としては何か月、何年にもわたるものでもほんの短い時間にみることができるのです。もちろん、事前にデモヴァージョンで体験していただいております。クオリティの高さは保証いたします」

妻は思い出していた。最後のとき、ベッドの夫がかすかに唇を動かしたこと。自分を呼んでいるのかと思ったが、そうではなかったこと。み・さ・こ、と聞こえた。誰なのか。そして、夫の満ち足りた表情。

「夫も、それまでの生活とまったく違った状況を希望したのね?」

「くわしくは申せませんが、ご本人の希望をできるだけ盛り込みましたので...そうですね。そう言ってよろしいかと思います」

自分は何だったのかと、妻は思う。結婚して35年。仲のいい夫婦で通ってきた。夫や子どもの世話に明け暮れ、たくさんのことを犠牲にしてきた。なのに、夫はそれらの思い出とともに最後を迎えることを拒否したのだ。悔し涙がこぼれた。DD社の男はそれを見逃さなかった。

「いかがでしょう。奥様もこの際、契約をお考えになられては。ご夫婦ということで特別に割引させていただきますが...」

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/ >
< http://koo-yamashita.main.jp/wp/ >

居酒屋でゆでたそらまめを初めて食べて、おいしかったので自分で買って、初めてゆでてみた。笑われるかもしれないが、この年になっても初体験することが多い。というか、知らないことが多すぎる私だ。

で、ゆでるより蒸し焼きにすればと言われ、そうか、やってみようと思って少し経ってからいつものスーパーで探したら、もう売ってなかった。そらまめのシーズンは短いんだ。そんなことも知らなかった私である。


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■ローマでMANGA[76]
MANGA制作システムも変わるのか

midori
< http://bn.dgcr.com/archives/20140619140100.html >
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90年代に講談社のモーニングが、海外の作家に書き下ろしてもらった作品をのせるという前代未聞の企画を遂行していたとき、にローマで「海外支局ローマ支部」を請け負って、そのときのことを当時のファックスをスキャンしつつ、それをもとに書いているシリーズです。

前回75回目は東京行きでこのシリーズを中断しましたが、また再開です。

●ボローニャでミーティング

74回目では、日本から編集者がボローニャへ行ってミーティングの話をした。私も通訳として呼ばれて行った。

ボローニャは南北に細長いイタリアの中で比較的北の方にある。中世の建物が多く残っていて、メディチ家の莫大な財産によってルネッサンス期に上書きされたフィレンツェの華やかさがみじんもない。色大理石を使わない石の暗色がどっしりと重い。

街の様子は重い石の色と雨が多い気候のせいで暗い、厳格な印象を受ける。その印象に反し、北のくせに住む人々はおしゃべりが好きで屈託がない。

世界で最古の大学がある街としても有名だ。昔からイタリア中から若い人が集まってきた町のせいか、重い暗い町並みの割には若い人が多く文化のニオイのする街だ。

学生が多く、若い人が集まって新しい文化の発生地になっていて、南のサルデーニャ島出身のイゴルトも、オーストリア国境近くの街出身のヨーリもボローニャに居を構えて仕事をしている。

今回、スキャンしたファックスの中に、1994年の11月にボローニャで行われたミーティングの時のメモがA4で3枚あった。正確に会談のすべてを書いたものではなく、ページ数などの数字とか発言の一部を大急ぎでメモったもの。

前前回の後半で、通訳をしてると頭が真っ白になることがある、と書いたけれど、その予防メモでもあり、イタリア語と日本語が混在して書き殴ってある。

3枚のメモのうち2枚がヨーリが進めている「不思議な世界旅行」に関してだった。おおよその構成は、ファックスでのやりとりを通して合意していた。つまり、一話8ページでオールカラー。上下で16ページになる話もある。11話で単行本を一冊。主人公のヨーリが旅をして様々な人やモノに出会って、次第にヒーローになっていく。

第一部では、ヨーリを誘う黒づくめの男、赤いゴムボート、赤いサメ、空飛ぶエイ、ジャクソン中尉、鷲の将軍、ヨーリの植物息子、死神に出会う。8体(?)の出会うもののうち人間は2体、残りは人間ではないものになっている。

ミーティングでは主に第二部の話とそれに関連して「不思議な...」全体の構成を話した...つもりだった。編集者としては。

まず、11話毎に一冊を作るが11話目はクライマックスを作り、とりあえずの結末になる。

第一部のクライマックスには「2つの空への扉」という名前の黒人女性が出てくる。「2つの空」は、彼女と性交できれば生き延びることができ、出来なければ死が待っている、生と死の扉となるからだ。

このキャラクターは美しい肉体を持ってヌードであり、顔を布で覆っているというかなりインパクトのある形状をしていて、担当編集者を喜ばせた。

メモを見ていくと、このキャラを中心にどのようにヨーリと関わっていくか話し合いが進んでいったのがわかる。

性交に成功すると生き延びる、という設定からやたらに近づけないことがわかる。主人公はトリックを使ってコトにおよび、性交の度に力を得て第一部が終わる。

二冊目で呪術師と会って、ヨーリがスーパーヒーローになる。担当編集としては、当初の設定「ヨーリが世界旅行をしてヒーローになる」の整合性を図ったわけだ。

話し合いは進む。性交の度に得る「力」というのは動物に対する何か、女性に対する何か(生と死の女王と性交できる)、死に対する何か。

呪術師に会って、さらなる「力」を得ていくのはどうだろう(スーパーヒーローになる)。例えば武器を得る(魂を殺す、とか)、時間を動かす、など。

話しながら、生と死の顔を隠した女王と呪術師が同一人物のほうがいいか、とか、やはり元のままでいいか、とか、メモもいろいろ迷った跡を残している。

2枚目のメモにはその後のアイデアが大急ぎで色々書いてあって、話が乗ってきた編集者とヨーリが、口々に楽しそうにアイデアを重ねていく姿を彷彿とさせる。

顔を隠した生と死の女王というキャラの存在が、どんどん大きくなっていった。生と死の女王なのだから、話題を魂、死、そして母性と父性へと進めていこうとメモにある。

編集者は第二部のほうがおもしろそうだ、いっそのこと二冊目から始めちゃったら? とメモの最後に走り書きがあって楕円で囲んである。

3枚目のメモは、鮮やかな色とシンプルな造形のミヌスについてだった。これについても、編集者の渡伊前にファックスで言い交わしたものの再合意だった。

ミヌス父、ミーア母、ミーオ息子の家族を中心にした話にする。その中でブラックも入れていい。「ファミリードラマ」という枠の中で可愛い表情をいれることで、たとえブラックでも救いがある。

当時のモーニング編集部ではキャラの顔の表情をとても重要に考えていた。編集長のMANGAも対する考え方でもあるのだが、「目は口ほどにモノを言う」ということで、一つエピソードがある。

「沈黙の艦隊」で一世を風靡したかわぐちかいじさん、当初はもっとリアルに人物の目を小さく描いていたそうだ。それを編集長がもう少し目を大きくして表情を一瞥しただけでわかるようにしてくれと注文をつけ、かわぐちさんはそれに従った。そのせいか、物語が良かったのかは分からないが、作品は大ヒットした。

ここで白黒で4ページの可能性を聞いている。モノクロ4ページだと掲載も簡単になる。ミーティングの段階では答えが出ていない。このミーティングを元に、作家であるヨーリがネームを作ることになる。

●ミーティングのその後

このあと、年が変わって1995年2月のファックスになる。

ヨーリからネームを受け取った編集者からの返答だ。これを読むと、日本の編集者とイタリア人作家の取り組み方が違うと痛感する。日本とイタリアの違いとくくってしまっていいのか、この編集者とこの作家の違いにすぎないのか。

返答では、ミーティングの後に提出された「ミヌス」のネームも「不思議な...」のネームもダメと言っている。

「ミヌス」には余計なディテールがついて、この作品が持つ本質的な力が失われてしまった。悪趣味で通俗的になってしまった。まず、ホームドラマで構想されるべきと話し合ったはずではないかと言っている。

「不思議な...」についても、重要なキャラ女王がヨーリよりはるかに大きいはずだったのに、普通の人間の大きさになってしまっている。アフリカの荒野を歩くヨーリの傍らに背が高く、武装した、裸で顔を隠した彼女がいるはずだったのに。

つまり、ボローニャのミーティングで編集者が図った物語全体のトーンやら構成やらという基本部分の合意を、ヨーリはまったく意に介さなかったということなのだ。

マネージャ頭を持つイゴルトへの、この頃の編集者の通信には「MANGAを研究した成果が現れている」とあるから、ヨーリ頭の問題なのだろう。割と思いつきで行動するタイプなのだ。

翌月になってしまってるヨーリからの返事では「物語のほうに力を注いで女王が大きいことを忘れていた(編集が大事だと思った要素を脇においてしまった)。ミヌスについては仰せのとおりに家族の話にします。降参です」とある。ボローニャまで編集が出向いてのミーティングが何もなってない。

編集と二人三脚でやっていくやりかたを、この期に及んでまだ理解していないというわけだ。一話ごとの構成に夢中になって、物語全般の構成に無頓着なヨーリだった。

●編集の役目

今、MANGA雑誌の売上が落ちていってるそうで、漫画雑誌の将来に悲観的な意見が多い。作家にあれこれモノ言う編集者の存在も、疑問視する作家もいるようだ。

商業誌に掲載する以上、商品としての価値を求められるわけで、価値がつくように務めるのが編集者の役目だと思う。

私がモーニングのローマ支局をしていた頃は、モーニングは毎週百万部を売り上げて価値がたくさんついていた。

その中で編集の仕事を垣間見て、しかも、何人も新人作家からヒット作を出す作家に押し上げた、天才と評したい編集者と近くで仕事をして、編集者の仕事の重要性を見てきた。

経験と編集者個人の素質から出てくる商品価値を上げるためのサジェスチョン、その枠の中で自分を出してくる作家。その両者がみごとに合致すると至極の作品が生まれる。ただの時間つぶしの漫画が後々まで読み継がれる「作品」になるのだ。

時代が変わり、テクノロジーが変わり、表現が変わり、大衆が求めるものが変わってMANGAも変わらざるをえない。

作家個人が好き勝手に描いていくものもあってもいいと思うし、第三者の意見を取り入れ磨かれたMANGAがあってもいい。

MANGA雑誌がなくなっていく運命にあるのなら、中野晴行氏の電子書籍「まんが王国の興亡 なぜ大手まんが雑誌は休刊し続けるのか」の中にあった「フリーランス編集者」という存在があっていいかもしれない。

【みどり】midorigo@mac.com

安倍内閣の移民問題、というか「出入国管理および難民認定法の法改正」について、巷で「移民が押し寄せてくる〜!」と心配の向きもあるようですが、どうもそうではないようです。

まず、法務省にちゃんと全文が出ているので、これをじっくり読んでから騒ぐべきは騒ぎたい。
< http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri05_00007.html >

でも、法律の用語ってわかりにくいので、以下にわかりやすくまとまっていたサイトを参照します。
< http://twinklestars.air-nifty.com/sorausa/2014/05/post-b382.html >

なかでも、上リンクの最初の方にある「入国・在留審査要領 第6編 上陸審査、 第4章第2節 寄港地上陸許可(入管法第14条)第3の2「許可の要件」」で、改正後は(9)到着便と乗継便の到着・出発時間など船舶・航空便の運航上の都合やその他の事項から本邦で寄港地上陸許可を希望することに合理的理由が認められ、かつ、不法就労その他わが国法令に違反するおそれが認められないこと。とあります。

いたって明確に不審者は上陸許可を与えないよ、といってるわけで、移民を推奨していることにはなりません。

他にも同リンクの下の方で、やたらな人ではなく、「高度外国人材受け入れの躍進」である事がわかり、入管職員の調査権限を整備して不審者を入れないようにしていると見受けられます。

民主党政権がやったような、中国人観光客へのビザ発行条件の暖和というような、問題ある国からの不法移民を増やす(観光でやってきて日本から出て行かないとか)政策ではないように思えます。

「グローバル」という言葉に騙されてはいけないのは確かです。お金の動きに国境がなくなるという意味で、一部のお金持ちだけがさらに儲かるようになる仕組みを隠した言葉であることが多いからです。

また、少子化が元凶で起こる年金問題を解決するために移民を入れる、というのも間違った対策です。安い(高くてもいいけど)賃金で働く外国人労働者を大量に入れたとして、その大量の外国人労働者が年金生活に入った時にどうするの? と単純に考えれば、正しい解決策ではないということが速攻でわかります。

だけど、今回の入管法改正と上の二項目はまったく別の問題であります。鎖国をしない以上、外国人の出入りがあるのは当然なので、誰に対してどのように日本への上陸許可を与えるのか、という法律を整備するのは当然なのです。

福島の放射能が怖いとか、鼻血が、と同じように、表面的な噂で騒ぐのではなく、公式な情報を元に正しく怖がる癖を身につけたいと思います。

「イタリアで新しい漫画を作る大冒険」
< http://p.booklog.jp/book/77255/read >

主に料理の写真を載せたブログを書いてます。
< http://midoroma.blog87.fc2.com/ >


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編集後記(06/19)

●松田奈緒子「重版出来」を3巻まで読んだ(小学館ビッグコミックス、2013〜)。重版出来(じゅうはんしゅったい)とはなにか。一度出版した書籍を再び、または何度も、同じ版を用いて印刷することを「重版」といい、その重版が出来上がり、書籍として販売することが「重版出来」である。既に版があるのだから印刷代だけで済む。出版社としては大きな儲けになるから目出たいことだ。長く出版に携わりながら、この用語を使ったことがないのは、雑誌専門出版社にいたからだ。後に、雑誌も書籍もつくる出版社に出入りし何冊か手がけた美少女CG本で、いくつかは「重版出来」があったかもしれないが、当時この素敵な用語を叫んだ覚えはない。しゅったい、とはなあ。時代がかっている。

この漫画は、体育会系女子が大手出版社の週刊漫画誌の編集部に配属され、先輩や漫画家など多くの人に鍛えられて一人前に育って行く「成長モノ」である。出版業界の現在進行形である。先輩編集者は「今、出版不況なんて言われてるけどな。バブルの頃からのツケが出てきた部分もあるんだ。ほっといても本が売れたから売る努力をしない営業も編集も山ほどいて、経費だけバカスカ使い込んで、そういう連中が雑誌を食い潰したんだ」と言う。

確かにそうだ。わたしもバブルの頃、大人数を東京と大阪から引き連れて、福岡で座談会を開いたりしていた。出版にまつわる経費など考えもしなかった。DTPというワークフローを理解して初めて、ようやく雑誌つくりの醍醐味がわかった。数字が見られるようになった。でも、営業や書店のことまでは考えもしなかった。

漫画週刊誌/単行本の編集者、漫画家、デザイナーから営業、書店販売までにかかわる、多彩なポジションの人たちが登場し、感動的なストーリーが展開する。編集者と担当作家の緊張関係の話。書店からはユーレイのような営業と噂されるダメ男が、あるきっかけから全力で仕事に邁進する話。ライバル会社の引き抜きに迷う漫画家の話。夜勤が多い製版所の女性社員の話。編集者SNSのファンレターを見て漫画家が泣いて復活する話。消えた漫画家を電子書籍で復活させる話。三人の新人作家のそれぞれの成功と進歩と挫折の話。漫画に関わる人々の人間ドラマが泣ける。どうやって本ができるのかも理解できる。裏方の熱き思いも。

主人公の黒沢心、誰が見ても「小熊」な容貌、暑苦しいほどのガッツ。ウルトラ前向き。いいなあ。かわいいなあ。こんなスタッフが欲しかった。そして、いやな奴が一人いる。業界では「ツブシの安井」と嫌われている編集者で、小熊の先輩だ。中堅や大御所は担当せず、自分の言いなりになる新人としか組まない。売れそうな原作を見つけて来て、絵のきれいな新人に描かせて、利用する価値がなくなったらポイ捨て。ヒットした手柄は全部自分のモノで、会社に損させないぶん、会社員としては優秀かもしれない男。彼の毒牙にかかった女子大生はどうなる、第4巻が待ち遠しい。midoriさん、読んでるかな。(柴田)

< http://spi-shogakukan.com/jyuhan/ >
「重版出来」特設サイト 試し読み

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091850405/dgcrcom-22/ >
「重版出来」


●昨日、「きざみ 薄揚げ」の話を書いたら、読者S氏より「冷凍トウフ」のおススメが! 奥様が「きざみ 薄揚げ」のヘビーユーザーとのこと。「煮物や麺類など大活躍ですワ。小さな賽の目に切った冷凍トウフも有るでしょ。アレもべんりでっせ。汁の実が乏しい時にちょっと入れたら最高です。」

うおーーー! 実はカタログを見ていなくて、注文サイトの「お買い得」「おすすめ」をざっと見て、食べたいもの便利そうなものを注文する程度であった。あとは友人からの勧めぐらい。「きざみ 薄揚げ」はお買い得にあったのだ。「冷凍トウフ」を探さねばなるまい。今週注文分にはなかったぜ......。

「普通、家の冷蔵庫の冷凍室でトウフを凍らせると、質の悪い(キメの荒い)不良品の高野豆腐みたいになってしまいますが、コレは『なめらかツルン』でホンマに豆腐してます。スグレモンです(『どうやって作ってるんやろう?』と気になって眠れなくなりそう)。重宝します。」

生協恐るべし。友達の入っている友の会や、プレイガイドの抽選ではずれまくったプラチナ宝塚チケットや、チケット難と言われている新感線のものが当たったりする。手数料一切なし。一度、新感線のチケットがはずれて、まぁはずれるだろうなと思いつつポストを見ると、「○席なら用意できます」という郵便物が届いていたことがあった。ありがとう、生協。(hammer.mule)

< http://www.coop-gifu.jp/report/r-index.php?no=20110727123203 >
冷凍豆腐、知ってますか? 工場見学の話

< http://chibiiku.kittys.biz/blog/archives/archive/2007/05/30_135548.php >
生協の冷凍便利豆腐

< http://www.mamex.co.jp/ >
マメックス。Web工場見学とQ&A、レシピがある

< http://www.jincha.jp/u-turn/article/pickup/2224_pickup.htm >
『自社独自の製法による冷凍とうふ製造において業界トップクラス』
〜日本古来のとうふを冷凍することで新たな食文化を創造する〜