ネタを訪ねて三万歩[112]ソーシャルネットワーク中毒しちゃってる/海津ヨシノリ

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「ソーシャルネットワーク中毒」というのが、随分前から問題になっています。言われてみると、電車の中だけでなく町中で伝染病のように、猫(ネコが本当にやっていても多分驚かない)も杓子も歩行スマホ状態には、流石に背筋が寒くなります。

私もかなりのめり込んでいるので注意しなくてはと思っていましたが、中毒ではないことを確認しました。私、歩行中は当然として、電車やホームで継続利用はほとんどしません。つまり、外出時にはスマートフォンを持っていてもSNSに何かを書くことは皆無だからです。コメント返しもしません。

ただし、最近はfacebookのメッセージがメール代わりになっていることも多く、それだけは迅速に対応する必要があり、常識的な範囲で対応をしています。ですから、SNSの対応は8時間以上ノーリアクション、ということも珍しくありません。

そんなSNSで、最近不思議な事件が勃発していました。結論から先に言うと、facebookにて予定外の行動から海外のアーティスト、とりわけフォトグラファーとの繋がりが続くことになったことです。

発端はちょっとした間違いによる友達申請でした。facebookでは春頃の仕様変更に伴い、申請やメッセージ、リアクション類のお知らせが右側に表示されるようになりました。プルダウンして読みたいコメントをクリックしたつもりが、画面右に表示される『知り合いかも』の友達申請をクリックしてしまったことでした。




普通この手のミスの場合は「ごめんなさい。間違えてクリックしてしまいました」とメッセージを送るのですが、英文をタイピングしている最中に、突然ウエルカムメッセージが先方から届き、それではという流れで友達になってしまったのです。

恐らく偶発的に親日的な人に巡り会ったことが良かったのでしょう。一時間ほどメッセージを続けた後に、作品に「いいね!」をしたりコメントをいれているうちに別の方から申請が届いたりするようになりました。

こうして、わりと自然にこちらからも申請ができるようになり、気が付けばかなりの数の方と繋がってしまいました。

もちろん、海外のフォトグラファーの方がすばらしいというような話ではありません。視点の違いがとても面白いという意味です。

過去にPhotoDisc(現GettyImages)のスタッフと個人的に交流があった頃、海外のフォトグラファーが撮影した日本を素材とした写真を見る機会があり、その視点の違いに驚愕したことを思い出したからです。

同じような見慣れた風景や町並みなのに、日本のフォトグラファーが撮影したものと明らかに違うのです。これは逆のパターンでも言えることかも知れません。海外の名所や町並みを日本のフォトグラファーが撮影すれば同じような感触を現地の方達は感じるはずです。

自分が住み慣れた町の良いところや悪いところは理解しているつもりであっても、実は案外見落としがあるのかもしれません。よくも悪くも人間は麻痺してしまうことに注意する必要がありますね。

創作活動でもデザインワークでも、麻痺は危険な誘惑です。仕事を長くやっていると、ズルイ処理が身に付いてしまいます。それをできるだけ使わないようにする拘りや突っ張りがなくなってしまったら終わりだとさえ考えています。

しかし、なんだか上っ面な人が増えてきたように感じています。上っ面は、所詮は上っ面でしかなく、本道にはなれない亜流です。ですから、これからも同じ本道を目指す仲間とともに、業界を突き進みたいと常に感じています。

さて、見ず知らずではなく昔お会いしたことのある人をネット上で発見すると、なんだかとても楽しくなってしまいます。私は自発的に友人を捜すことはしない(そのような時間を惜しんでいる)ので、なすがままに任せているのですが、まったく関係ない状況下で、突然昔の知り合いが画面に現れるのは驚きです。

こんな場合、最初にその人が私の思い込みなのか、本当に知っている方なのかについての裏を取ります。多くはメールのやり取りを探したりすることで確証をつかんでから、その方にメッセージを送る訳です。「昔どこそこでお会いした海津です」「こちらでも宜しくお願いします」と。

ところが、ここで「ひと間違いです」と切り返されてしまうことが時々あり、がっかりしてしまいます。「ひと間違い」ではなくて事実なのですが、先方の記憶から私が完全に消えてしまっているのでは会話はまったく成立しません。

「大変失礼いたしました」で、再びつながるはずの交流は完全に途絶えてしまいます。もしかすると、私が送付したメッセージは最後通告だったのかもしれませんね。

だとしたら大変失礼な話となってしまいますが、断られてしまった以上、私にはどうしようもありません。もちろんその方にはまったく罪はありません。単に私の存在感が薄かっただけなのですから。

逆に、誰だか分らない人からの友達申請の場合。相手の友達や年齢、仕事関係から色々推測し、誰であったのかの確信を持つのですが、会っていた当時のことが記憶に戻るまでかなりの時間を必要とする場合があります。

もちろん、よほど怪しい状況でもない限り承認は直ぐにするのですが、メッセージも頂けない方だと本当に「誰だったか」について、思い出すまで時間が掛かってしまいます。変に聞くのも失礼ですからね。

できればメッセージを頂けるといいのですが、先方は私が覚えていたと勘違いしているわけですから、やはり問い合わせは失礼ですね。

それでも、長いブランクを経てまた繋がったことは歓迎すべきことですね。ネットなどなかった時代には考えられなかったことですから。こうなると、情報格差という問題は思った以上に深刻なのかもしれませんね。情報収集力はそのまま仕事や交友関係に直結してしまいますので。

もっとも、これだけ多くの人がネットを活用しているのに、意外と基本的なことを知らない学生が多く、時々「えっ」という驚きがあります。溢れすぎている情報に問題があるのでしょう。選択肢があり過ぎると、人間は結局何も選択できないという実験結果を読んだことを思い出しました。いやいや、そんな私も大きなモノを見落としているのかも知れません。

とにかく、昔知っていたということは大きな問題ではない訳です。まだ「一面識」もないのに、まるで旧知の友のような関係の方もたくさん生まれています。

あんがい実物に会わない方が、その人の本質を理解しやすいような気もしています。「遠くの親戚より近くの他人」ということわざがあります。まさにこれですね。

もちろん、少々極論ではありますが、そんなことを強く感じています。ということは何だかんだで、ソーシャルネットワーク中毒しちゃってるということですかね〜。

まっ、何だかんだで私としてはウクライナ、トルコ、イタリア、ポーランド、フランスに素敵なガールフレンドができた事実は大感激です。英語で恐ろしく苦労してますが......。

■今月のお気に入りミュージックと映画

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[Floor Ferng Far]by ?????? in ????(Thailand)

邦題「フローファンファー」。「僕は忘れない」というタイ生命保険のCMの中で流れる曲が気に入ってしまい。何とか調べようにもタイ語はサッパリ分からないので2年ほど悶々としていました。

そんな矢先、教え子数名がタイで仕事をしていたことを思い出し、藁をも掴む思いで調べてもらったのですが、タイトルの英語表記が解っただけで後はサッパリの状態でした。現在舞踊家の方にも声を掛けて調べてもらっているところです。YouTubeでタイ語にて検索すると色々出てくるのですが、調べた範囲では古い伝統的な舞踊曲のようです。歌のないオーケストラの曲が聞いてみたいのですが、まだまだ前途多難です。

-僕は忘れない- 夫婦愛が胸を打つタイ生命保険
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[Sherlock]by BBC in 2010〜(U.K)

邦題「シャーロック」は、言わずと知れたアーサー・コナン・ドイルの小説『シャーロック・ホームズ』シリーズですが、なんと舞台を21世紀のイギリスに置き換えたBBC制作のTVシリーズなのです。

英国では現在シーズン3が完了したばかり。ちなみに各シーズンはそれぞれ3本ほどしかなく、1本の作品は2時間ほどで濃厚な内容となっています。実は、私はTVを見ないので放映のことを知らず、レンタルDVDで初めて知ったというわけです。

とにかく、ベネディクト・カンバーバッチ演じるシャーロック・ホームズが抜群の存在感であり、マーティン・フリーマン演じるジョン・ヘイミッシュ・ワトソンとのコンビが鉄壁。

彼らは従来のホームズ作品と異なる独自のキャラクター設定となっているのが新鮮で、グイグイ引き込まれていきます。BBCのドラマは丁寧な作りということもありますが、今更ながらドラマは俳優さんと脚本で何度でも新鮮に生まれ変われることを痛感してしまいました。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
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先日、半年前に買い換えた複合機で初めてFAXを送信する必要に迫られたのはいいのですが、使い方を忘れて必死にマニュアルを読むという間抜けなスタートになってしまいました。

OKボタンとスタートボタンで大混乱。前のFAXにOKボタンがあったか既に記憶がないのですが、ほとんどの処理をOKボタンで解決してしまうカメラを普段使っている事による混乱でした。

とにかくマニュアルを読み返して、なんとか送信できたと安堵していたら、先方から白紙しか届いていませんとFAXが届く始末。つまり用紙の裏表を間違えて送信までする大サービスを行ってしまったわけです。FAX......もう既に死亡フラグが立っている世界ですからね〜と言い訳してしまいます。

しかもこのFAXは、先方にメールが正しく届いて居ない疑惑が発生したために、5日経過した後に渋々送信したというイワクツキ。今の時代ほんとうに怖いのは、昨年使っていたメールアドレスを、先方が今も使っているかどうか確認出来ないこと。

もちろん消滅していればエラーで戻ってきますが、単に使っていないというだけだと相手は永遠に読んでくれません。今年、あと一回ぐらいはFAX使うのでしょうか......ある意味本当に憂鬱です。