[3736] どのガイドブックにも書いてない、パリの歩き方。

投稿:  著者:  読了時間:18分(本文:約8,900文字)


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二週間前の金曜、このメルマガで私のコラムが配信されたとき、私はパリにいた。セーヌ川をクルージングしたり、エルメスで買い物したり、ムーランルージュの前の地下鉄の通気孔でマリリンモンローごっこしたり、Japan Expo で写真を撮られまくったりして、楽しんできた。

●三人でパリへ、すんなりと

5月に中国に行ったときには、コスプレイヤーのひよ子さんから大いにお世話になり、「中国国際動漫節(cicaf)」のコスプレコンテストで、審査員としてステージに上がらせてもらったりした。ひよ子さんは、2006年の「世界コスプレサミット」で日本代表として舞台に立ち、準優勝を獲得している、トップクラスのコスプレイヤーである。

その後、鳥取の中国庭園「燕趙園」で春と秋に開催される「中華コスプレプロジェクト」で撮らせてもらったりしている。ひよ子さんは、そのイベントのスタッフとしても活動するようになり、中国から招待するコスプレイヤーの人選を担当したりしている。5月に中国に行ったのは、そのためだ。

また、湯梨浜町の観光大使を務めており、鳥取のプロモーションにも一役買っている。今回の Japan Expo では「まんが王国とっとり」がブースを構えるので、ひよ子さんはそのお手伝いに行くのである。私はお手伝いのお手伝いぐらいで同行させてもらうことにしていた。

ひよ子さんは、中国とフランスの間にチリにも行っている。本業の塾講師の傍らの活動だから、忙しい人だ。

今回のフランスには、プロの写真家である岩切等氏に同行していただいた。今まで、小諸の懐古園や入間川の河川敷などで撮ってもらっているが、フランスで一段とシュールなのを撮っていほしいなぁ、と。

7月2日(水)、成田空港にて三人で待ち合わせ、ANA の直行便でパリへ。私は一昨年のほぼ同時期にも渡仏しており、セーラー服を着て国際線に乗るのはこれが三回目。すんなり行けるのは分かっていた。

今回はどういうわけか、手荷物検査と出国審査の間の通路で警官に呼び止められ、氏名や住所などを控えられたが、まあ、それだけのことで、どうってことはない。

同じ日の夜にシャルル・ド・ゴール空港に到着。RER(地域急行鉄道網)でパリ北駅に向かう。一駅目が Japan Expo の最寄り駅で、この日から開催されていたため、エキスポ帰りの人たちがどどどっと乗り込んできて、いきなり大混雑になった。

コミケでは更衣室が用意されていて、コスプレ来場禁止なのに対して、Japan Expo は更衣室が用意されてないため、多くの人は往き帰りもコスで過ごす。ポケモンやらメイドやら、目を楽しませてくれる。

●青空広がるパリを普通に観光

7月3日(木)はエキスポには行かず、パリを観光して過ごす。正解だった。翌日からの三日間、ずっと天気が悪かったので。

ひよ子さんは、コスプレ用の巨大なつけまつげとメイク道具を家に置いてきてしまったので、どこかで調達したいという。どこで売ってるか誰か教えて、とfacebook かなんかで投げといたら、フランス人のコスプレイヤーが "Make Up for Ever" というお店を教えてくれたそうで。

地図で見ると、宿泊しているクリシー(Clichy)から徒歩15分ぐらいのところにある。歩くこと自体は楽しそうだが、道がややこしそうなのでタクシーで行きたくなる。が、ひよ子さんはそういうのをよしとせず、ケータイのナビゲーション機能かなんかを駆使して、すいすいと探し当てた。前向きで力強い人だ。

メイク道具だけ売ってる、ちょっと高級そうなお店。庶民と男性に対しては見えないバリアーが張ってある感じで、無理やり足を踏み入れると、空気に気おされて軽くめまいがする。

私は私で、鼻の下のヒゲをまっすぐに切り揃えたかったので、店内に置かれた鏡に向き合う。途中で買っていった鋏を持っていたが、お店の人は「鋏を貸しましょうか」とたいへん親切だ。脳内BGMは「プリティー・ウーマン」。

そこからは、効率のいい交通手段がなく、あきらめてタクシーでエッフェル塔へ。2004年に出張でマルセイユに行ったときの帰りに TGV でパリに戻ってきて、エッフェル塔脇のヒルトンホテルに宿泊している。

窓からエッフェル塔が見えるという高めの部屋で、一泊283ユーロ(当時のレートで39,620円)だった。ところが、近すぎて四本の脚のうちの一本しか見えず、ただの鉄骨だった。

エッフェル塔の正面の橋の脇から、セーヌ川クルージング船が発着している。あのときはクルージングディナーを選んだ。透明な殻で閉じた空間、生演奏つき。ゆったりゆったりと進む。

安いボートはすいすい進んでどんどん追い越していく。追い越しざまに、十数人の若者たちの塊がいっせいに背を向けてズボンを下ろし、丸いケツをこっちへさらす。いわゆるムーニング(mooning)ってやつで、ブルジョア蔑視のジェスチャーだ。やってくれるね。苦笑いするブルジョアたち。

今回は、その追い越していくほうのやつにした。約30分おきに出るが、ルーフトップに上がれるタイプのボートは出たばかりで、次のまで2時間待ちになるという。この日は雲ひとつない快晴だ。写真を撮るには青空の見渡せる席のほうがいい。よし、待とう。

その間、エッフェル塔の周辺で撮影。上野によくいるような似顔絵描きの人が寄ってきて、描きたいので練習台になってくれという。協力するつもりで承諾したのだが、描き終わったら、40ユーロだという。話が違うじゃん。って、俺がお人よしすぎた?

「要らない」と突っぱねたが、ぐだぐだ言ってきて、根負けして折れた。ひよ子さんと二人で合計10ユーロまで下げたけど。あの周辺、物乞いと物売りにご用心。

シャンゼリゼ通りで凱旋門を背景に岩切氏に撮ってもらい、さらにサントノーレ通りへ。ブランド店の立ち並ぶ、超高級ブティック街だ。『電車男』でおなじみの Hermes へ。読み方は「ハームズ」ではなく「エルメス」だ。

以前に私と同じ女子中学生アイドルグループに所属していた豊田冴香は、去年の8月に私と同時に抜け、今年4月に通信制の高校に合格し、前とは別のアイドルグループのオーディションに合格し、東京に引っ越してきて、最近16歳の誕生日を迎えたのに、何一つお祝いしてなかった。ここらでお土産を奮発して許していただこう。

庶民撃退不可視バリアを意にも介さず店内へ。お客だもんね。店の人がうやうやしくご案内してくれる。「この人が孫の誕生日の贈り物を選びたがっている」とひよ子さんが英語で説明したら、それ以降、私が口を挟んでもろくに答えてくれず、店員さんはひよ子さんとばかり話をしている。

どうやらお金を出すのは、このセーラー服を着たじいさんではなく、ひよ子さんに違いないと認識したらしい。一階はバッグや靴やスカーフなど、身に着けるものばかり。スカーフだけがエルメスであとは「しまむら」というコーディネイトもちょっとアレなので、文房具など、使うものがいい。

そういうのは二階にあると案内された。空気の引き締まり具合がいっそうすごくなる。ちょっとした手帳やら何やらが、宝石か貴金属かって値段で売られている。まったく、金持ちっていったい何考えてんだか。岩切さん「俺、もうだめだ耐えらんない」と空気に負けて外へ退散。

そんな中に、取ってつけたように、9ユーロの手帳が置いてある。中間の値段の商品がひとつもないのに、である。「冷やかしに来たやつは、これ買って、とっとと帰んな」という無言のメッセージが非常に分かりやすい。店員さんがそれを薦めてくるのを聞こえないふりして、ちゃんとした手帳のコーナーにへばりつく私。

色で迷ったが、単純にピンクでは何も考えてないに等しいかと、あえてはずして、青系のを選んだ。「これにします」。私が ANA のゴールドカードをすいっと差し出した瞬間の反応がとっても面白かったらしい。

ひよ子さんの観察によると、案内してくれている店員さんと周辺に立っている店員さんたちとが、ぴぴっ、ぴぴっ、と目で会話したらしい。「こいつ、買う人だぞ」みたいな感じ?

支払いの手続きのまどろっこしさは、私にとっては面倒以外の何物でもなかったが、そういう儀式みたいなのが、ブルジョアジーのプライドをくすぐるのだろうか。

あ、ちなみにお値段は、私が左手の薬指にしているゴールドとプラチナ製の「誓いの薔薇の指輪」よりも2割ばかり高かった。ただの手帳がその値段って、金持ちの考えることはほんっとよく分からん。

カフェ・ド・フロールへ。かつて、ピカソ、ダリ、サルトル、ボーヴォワール、コクトーが過ごしたという老舗のカフェ。その重厚なムードとセーラー服のじいさんとの対比がシュールだったのではないかと。

一昨年行ったバスチーユのオープンカフェに、また行きたくなって行った。へべれけに酔っ払って、ほぼ正体をなくして、タクシーでクリッシーの宿へ。非常に長い一日だった。

翌朝、エルメスが見当たらなくて、軽く青ざめた。タクシーの中に置き忘れたか。ひよ子さんが持っててくれて、最後に私に渡すのを忘れて自分の部屋まで持って帰っていたのであった。庶民が持ちつけないものを持つと、神経がすり減る。

●普通にエキスポを見学

7月4日(金)、5日(土)、6日(日)はエキスポへ。日曜の 5:30pm 発の飛行機で帰国したので、最終日は半日だけ。

Japan Expo は、ゲストとして日本から呼ぶアーティストの人選のセンスが驚異的によい。一昨年はももクロときゃりーぱみゅぱみゅが呼ばれ、両者ともその年の暮れに紅白初出場を果たしている。

今年は、中川翔子さんやふなっしーが呼ばれている。が、私はお目にかかることができなかった。

今回、私は楽天のブース内に設けられたミニステージに立たせていただくことができた。そのステージには乃木坂46が立ったのだが、空き時間に別のちょっとしたステージを催そうという話になっていた。

楽天はネット通販でありとあらゆる商品を扱うが、オタク文化に近いところで、「Lucy Pop」という制服のお店がブースの一角を占め、商品を展示していた。

Lucy Pop が主体となり、通りがかった来場者の中から制服を着ている人を誘い込んでステージに上がってもらい、日本に関する知識を問うような簡単なクイズを出し、勝ったチームに賞品を差し上げようという企画。私は制服つながりで呼んでもらえて、ヒントを出す係を仰せつかった。

通行人に声をかけると、ほとんどの人がノリノリで参加してくれて、狭いステージが20人ほどの参加者でぎっしりになった。ステージイベントは5日(土)の 11:00am からと 3:00pm からの二回行われ、一回目の問いは「日本の食べ物を挙げよ」で二回目は「日本の地名を挙げよ」だった。

みんな、よく知っているのに驚かされた。各チーム、10〜20個ぐらい挙がるのである。そう言えば、一昨年よりも今回のほうが、日本語の分かる人が増えたように感じる。日本人が英語を習わなくたって、今に、世界の人々が日本語をしゃべってくれるようになるかもしれない。

やのあんなさんのステージには、予告なしに襲撃した。やのあんなさんは、青文字系雑誌の読者モデルとして人気を博し、去年の8月にポニーキャニオンから歌手としてデビューしている。デビュー曲はアニメ『ステラ女学院高等科C3部』のオープニングテーマ『Shape My Story』である。

それのミュージックビデオに私がちょこっと出させてもらっている。やのさんは、ステージでこの歌をライブで歌ったのだが、背後の大スクリーンには、その映像が映し出されていた。そこへ本人が登場し、軽くオタ芸ふうに応援したもんだから、大いに盛り上がった。

それ以外の時間は、ほとんど鳥取のブース周辺にいた。通りすがりの人がひっきりなしに私と一緒に写真を撮っていくので、動くことさえままならなかった。結局、展示をあんまり見ていない。

まあ、前回もそんな感じだったから予想の範囲内ではあった。今回は、ネットなどで見て私の存在は知ってたよ、って人がけっこう多かった。

前回、私は一人で回っていたので、写真撮影のリクエストがあったときに自分のカメラを渡してついでに撮ってもらっていた。今回は、岩切氏が同行してくれているので、たーっぷり撮ってもらうことができた。

岩切氏は、撮った写真を使って超速コマ送り動画を制作して、YouTube にアップしてくれた。
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【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
< http://www.growhair-jk.com/ >

7月6日(日)パリ発の飛行機に乗ると、日本に着くのは翌日になる。さらに翌8日(火)には学生団体 jagzzi の主催する年次のイベントが渋谷の O-EAST であり、にぎやかしてきた。

元はといえば、jagzzi のウェブマガジンに私についての記事を載せたいからというので、原宿で取材を受けたのであった。それが、イベントにも出ませんかという話に発展してこうなった。

予告せずにサプライズ出演。出演直前、幕の裏で待機しているときに紹介映像が流れ、客席からの大歓声が聞こえてきた。若い女性たちの黄色い歓声に包まれて登場。うーん、なんか自分のことのような気がしない。ステージに向かっていっぱい手が伸びてくるので、ぱぱぱぱぱっと連続タッチ。

「会うと幸せになれる」おじさんとはいえ、こんなに大勢の人たちに幸せになっていただくのは大変だ。象徴的に、飴をいっぱい放り投げて、受け取ってもらった。

パリに行ってきたことなどアドリブでしゃべっちゃって、jagzzi が用意してくれた台本の台詞をぜんぶ無視しちゃった。覚えてはいたんだけど、アドリブに長く取りすぎて、時間がなくなった。ごめん。けど、よく盛り上がったんで、いちおう責務は果たせたかな、と。というか、O-EAST のステージを踏ませてもらえて、こっちがラッキー。

豊田冴香が属しているアイドルグループは「hauptharmonie」。「はうぷとはるもにー」と読む。そのお披露目ステージが7月12日(土)に渋谷であった。「TOKYO BOOTLEG CIRCUIT '14」というイベントで、渋谷にある8箇所のライブハウスで同時並行進行する。

STAR LOUNGE でのハウプトの出番の直前は、そのアイドルグループをプロデュースする O-ant a.k.a あーりーしゃん氏のDJタイム。100人ほどの観客が大いに熱くなったところで、ハウプトのステージへ。お披露目でこれだけ多くの観客に集まってもらえるのはラッキーだ。

群雄割拠と言われるアイドル界だが、どこかひと味違うという感じがよく出ていた。多くのグループが型にはまった楽曲で、ノリだけで盛り上げているのに対して、個性的な楽曲で、味わいがある。今後が楽しみだ。

その翌日、7月13日(日)には、早稲田塾秋葉原校で、特別授業が催された。講師は私。セーラー服を着たおっさんが予備校で現役高校生を前に授業というなかなかありそうにない企画。少し長く生きているという年の功を生かして、ちょっとした人生訓のような話をぶってきた。

世界広しといえども、こういうことは日本でしか起きないようで、このユニークな文化をCNNが取り上げてくれた。
< http://www.cnn.com/2014/07/17/asia/gallery/japanese-crossdresser/ >

グラフィティ社『東京グラフィティ』、小学館『女性セブン』、集英社『セブンティーン』、光文社『女性自身』と、立て続けに四つの紙媒体に私の取材記事が掲載された。前々回、プレスリリースを書いておいたのが役に立ってよかったー。

パリと早稲田塾の写真:
< http://picasaweb.google.com/107971446412217280378/FigDGCR140718 >


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編集後記(07/18)

●わたしはいま「清貧」である。デジタル大辞泉によれば、清貧とは「私欲を捨てて行いが正しいために、貧しく生活が質素であること」である。まさしくその通りだ(前段はともかく、後段はバッチリ)。なにしろ、お金をつかうシーンがない。大きな買い物をしなくなった。もはや欲しいものがない。子供の頃は貧乏だったが、成人してからはお金に困ったことがない(まあ、いまが一番、手元不如意といえる)。マンションは即金で買ったから、ローンも借金もない。しかし、世の中は金と人づきあいは深い深い関係がある。矢崎泰久「人生は喜劇だ 知られざる作家の素顔」(飛鳥新社、2013)には、お金にまつわる話がいろいろ出てきて非常に興味深い。

作家や有名人のスキャンダル満載、タブーなしのおそろしい本がこれだ。その中で筆者の金にまつわる話を拾ってみる。矢崎と長い交流があるのが永六輔だ。貸し借りに敏感な人で「生きているということは借りを返すこと」なる色紙を書く。金を最初に借りた時、現金の入った封筒の表に「返却不要」と書いて寄越した。次に借りにくいから、これには参ったという。友達に金を貸すと関係が壊れるからと、貸さないことを信条としている人がいる。矢崎は言う。それは単なるケチだ、友達が困っているとき自分に余裕があったら理屈抜きに貸すのが当たり前ではないか。本当の友達かどうかは、金を借りればわかるような気がする。......何となくわかる。友人と金の貸し借りしたことがないが。

人たらしの矢崎は「話の特集」の編集長と社主を30年間務め、大きな人脈を持っている。さんざん人の面倒を見て、一生矢崎の世話をしてもバチはあたるまいと思っている人はいまも十指に余る。そのうちの一人にある日、5万円の借金をしたそうだ。すると、借用書をよこせ、返済日は守れ、振込手数料の315円を忘れるなと言ってきたという。「腰を抜かしそうになったが、恩知らずと責める気にもなれなかった。世知辛い世の中だから、そんなものかと臍をかんだ。実に不愉快だったが、私に理はない」

現役の頃は湯水のように金をあつかってきた矢崎だが、節約も貯蓄も関心がなかった。3.11以来、貧困が加速し友人からためらいなく借金し、仕事先からのバンス(前借り)が増加した。この本を書き上げなければ自分は終わる。死ぬ前に書き残したいという覚悟で書かれたのがこの「人生は喜劇だ」である。すべて本当のことだから、そこに喜劇が宿ると信じて書いた。ここまで自主規制なしに思い切り書いたことはない。というんだから、俎上にあげられた有名人は戦々恐々だろう。名前が出た55人の作家・文化人のうち、生きているのは20人だ。登場する人は20人ほど、主に文章を書いて来た人が中心だが故人が多い。面白すぎるので、この本についてはまた。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864102929/dgcrcom-22/ >
「人生は喜劇だ 知られざる作家の素顔」


●香り続き。日中は「ローズマリー2滴 レモン1滴」で脳の活性化をし、夜は「ラベンダー2滴 オレンジ1滴」で自律神経を整えるとか。

まずは昼を試してみたら、なんのことはないレモンな香り。癖なし。高揚なし。物足りないぐらい。

夜も同じく。オレンジな香り。落ち着くかどうかは不明。癖なし。嫌味のない香り。

店員さんの話では、ストレスなく眠れているなら夜用は必要ないし、香りの好みやアレルギー(という言葉は使わなかった)があるから、好きな香りを焚く方がいいかもしれませんよ、とのことだった。(hammer.mule)