ネタを訪ねて三万歩[114]古いマニュアルレンズを楽しむ/海津ヨシノリ

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猛暑が続く8月は、ある意味で悪夢のような日々だったのかもしれませんね。もう暑いではなくて痛いという表現しか出ない、灼熱地獄のような状態でしたので。ただし、幸いなことに今年も私は夏バテゼロを更新しました。8月はあと10日ありますが。

私は昔から、どんな暑い夏でも食欲が落ちたりすることがなかったからです。もちろん、昔の気候は今とは比較できないほど涼しかったと思います。なにせエアコンや車の放熱がコンクリートで反射し、夜になっても熱が逃げない現代とは違い、しっかり地面が熱を吸い込んでいましたので。

もちろん過去の話は美化してしまうのが人間のずるいところなので話半分ですけれど、夏バテ知らずだというのは本当です。取り立ててスポーツはやっていませんし、不思議だと自分でも思っています。

ところで、私は散歩や出先で空いた時間に街中を撮影してはfacebookにアップしているのですが、真夏は本当に撮影が大変です。

まず、絞り開放で明るいレンズを使うことが出来ないからです。日差しが強くて明るすぎるのはどうしようもありません。そこでNDフィルタを活用することになります。




NDフィルターとは、ニュートラル・デンシティー(Neutral Density)フィルターの略で、発色に影響を与えることなく目視範囲の光を均等に吸収するよう設計されています。結果として、光量のみを少なくすることができます。

例えば、ND2ならレンズを通過する光を半分に、ND4なら四分の一にすることができます。これにより、日差しが強い場所でも開放F値が明るいレンズの特性を活用し、スローシャッターを使えます。

さて、レンズの問題はクリアできても、液晶モニターはお手上げです。日差しが強いと、液晶モニターは何の役にも立ちません。結局、昔からあるファイダーが必要です。

そのため、夏場の撮影は基本的にファインダーのあるカメラに限定されます。後から別売りのファインダーを購入することを考えれば、最初からファインダー付きの一眼レフを購入した方が、コストパフォーマンスは高いですね。

ところで、ファインダーは夏場でなくても、私のように古いマニュアルレンズを多用する場合は必須となります。

例えば、一眼レフはマニュアルレンズをマウントアダプターでカメラに取り付けることにより、他社メーカー品も使うことができますが、ピント調整は手動のため、液晶画面ではスピーディーなピント合わせが難しくなります。動くモノを撮影したりする場合は、相当の場数を踏まないと思った写真は撮れないでしょう。

ただし、大昔は皆さんこれで撮影していたわけですから、慣れると案外便利です。オートフォーカスは被写体によってはピント合わせに悩んでしまい、結果としてボケボケの写真になってしまうこともありますので、私はあまり信用していないのです。

まっ、失敗してしまっても瓢箪から駒という結果になることもありますので、色々と楽しんでいます。ちなみに私が愛用しているマニュアルフォーカスのレンズは、以下の通りです。

OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 35mm F2.0
OM-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4
OM-SYSTEM E.ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5
Voigtl?nder NOKTON 50mm F1.5 Aspherical
NIKKOR 55mm F1.2
Ai NIKKOR 50mm F1.8
Ai MICRO NIKKOR 55mm F3.5
Ai NIKKOR 105mm F1.8

この中で、NIKKOR 55mm F1.2は手持ちのNikonのデジタル一眼レフでは、Ai加工という処理をしていないので装着すら推奨されていませんから、まったく使えません。一時は特殊加工を業者にお願いすることも考えましたが、加工賃よりもはるかに安い出費で持ち歩き用のカメラで使えることを知り速攻で決断。

Nikkorレンズなのに、Nikon非対応でマイクロフォーサーズ専用という不思議なレンズとして活躍しています。とにかく、マイクロフォーサズとして使うと110mm F1.2というメチャクチャ明るい中望遠となるので手放せません。

実はこのレンズは、学生の時にNikon F2とともに父が買ってくれたものでしたが、当時の私は使いこなせず完全に宝の持ち腐れ状態でした。今頃になって父に感謝しています。

しかし、ここで脇が甘いと、ついつい中古のレンズを色々と買い漁ってしまうのです。マウントアダプターを買えば、よほどマイナーなメーカーのモノでもない限り使えてしまいますからね。安い正札に釣られてお気軽に手を出してしまうわけです。もう充分にレンズは揃っていますので、私は今のところこの誘惑には乗らないようにしています。

良いレンズとは何なのでしょう。良いカメラとは何なのでしょう。大切なのはその場に居合わせることと、撮影できることの2点だと思っています。高級で高性能な機材を持っているから素晴らしい写真が撮影できるわけではないのでは? と思っています。

そういえば、こんなことがありました。数年前に女学生からカメラ購入の相談を受けました。聞けば既にCanonのPowerShot G8フルセットを、父親から譲り受けたのだそうです。しかし、一眼レフの方がいい写真を撮ることが出来そう? という相談でした。

私は即答で「いいカメラを持っているので、余計な出費は考えずにコレで暫く撮影をしてみるとよい」とアドバイスしました。その結果、彼女の写真は日増しに上達し、とても良い写真を撮るようになりました。道具を揃えるだけで解決出来るのであれば、本当に誰も苦労しないですからね。

そして、自分なりのささやかな拘りを持つことも大切だと思います。例えば、私はカメラを縦に構えて撮影することはありません。すべて画面は横長の通常フレームにて撮影します。もちろん良いとか悪いとかの話ではありません。

忘れていましたが、もう一つ。私はiPhoneなどで写真は撮りません。私の中でiPhoneやiPadはカメラという括りに含まれていないからです。もちろん、まったく使わないという意味ではありません。使うときはカメラではなく、無意識のうちにメモとしての用途に限定しています。これはカメラという道具への敬意ですね。

とにかく、持ち歩いているカメラはマイクロフォーサーズということもあり、焦点距離は2倍となってしまうので、手持ちのマニュアルレンズで超広角系は使っていません。いや、使えません。焦点距離が2倍では普通の画角レンズと変わらないからです。ですから完全にケースの肥やし状態です。

そういった意味でSONYのα7を狙っていたのですが、物入りが多くて現在は指をくわえているだけです。どうしてNikonではないのかというと、α7はミラーレスのフルサイズ一眼レフだからです。

ミラーレス一眼は、レンズ交換式のカメラにおいて、レンズマウントのマウント面から、フィルム(撮像素子)面までの距離を示すフランジバック(flange focal length )が短いために、マウントアダプターを使って他社レンズを利用するには、構造上都合がいいのです。

例えば、一般的な一眼レフの場合、ボディーとレンズの組合せによってはフランジバックが長い関係で、無限大撮影ができないという事態も発生してしまいます。その点、ミラーレスはフランジバックが短いので問題はほとんどありません。

ですから、そのフルサイズ版であれば手持ちの8mm〜20mmまでの超広角レンズがストレートに使えるというわけです。取り敢えずお楽しみは取っておくことにしました。

■今月のお気に入りミュージックと映画

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[Goog luck and Good bye]by 荒井由実 in 1976(日本)

アルバム「14番目の月」の9曲目。facebookで知り合ったブラジルの20代前半の女の子とのやりとりが面白くて、ついつい2時間ほどチャット状態となってしまいました。彼女とのやりとりは日本語70%に英語30%です。日本が大好きでいつか日本に行きたいと夢を持ち続けている彼女の知識は半端ではありませんでした。

そんな彼女からのどんな歌手が好きですか? という質問に即答でCrookesと答えたら、私の答えが予想外だったらしく、日本の歌手は? と再度質問してきました。

ここで「はっ」と気が付き、荒井由実と答え、Youtubeらアップされていた「ルージュの伝言」を教えてあげました。そうです。彼女はアニメから日本文化に入ったので、当然彼女が知っているであろうはずの曲を瞬間見つけ出したのです。

私のこのとっさの判断は大成功で、それからも随分盛り上がってしまいました。ということで、荒井由実時代の彼女の曲で私が一番好きなのが"Goog luck and Good bye"というわけです。

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[Escape Plan] by Mikael Hafstrom in U.S.A

邦題「大脱出」。シルヴェスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーの共演ということで話題となりましたが、内容は意外と良くできていて面白い作品に仕上がっていました。

何しろ脱出ものは既にネタは出尽くしていると思っていましたが、「こんな展開があったとは」という意外性が作品の面白さを倍増しています。ただし、ネタバレが予告編で解ってしまうのは大失態でしたね。

とにかく、ファンサービスも半端ではないです。アーノルド・シュワルツェネッガーの機関銃乱射のサービスカットは圧巻です。どちらも好きな俳優なのでファンとしては念願の共演というわけですね。ちなみにスタローンのロッキー・シリーズは一本も見ていません。私はボクシングも含めた格闘技にはまったく興味がないので。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家
yoshinori@kaizu.com
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facebookで参加した【「全国津々浦々のマンホールの写真を集めよう」みたいな倶楽部】というグループがハンパなく面白いのです。マンホールなんて全国同じデザインだと思っていましたが、トンデモナイ間違いでした。東京でも都下の市ごとにデザインが違っています。恐ろしくきれいな下水マンホールというギャップはたまりません。

かくして私も、出かけるときに待ち歩くカメラは足下を中心に撮影するようになってしまいました。ここで少しだけ勉強して分かったことは、マンホールには「浄水」「下水」「雨水」「ガス」「電気」等があり、他にも色々と特殊用途のモノがあるようです。

悪のりしてオリジナルデザインまでアップしてしまいましたが、普段関わっているデザインとは完全にベクトルが異なるこの世界は、とても新鮮で癖になっています。