講師だって、最初は初心者だもの[息抜き]「電子書籍とWeb」に参加してのレポート 〜その2〜
── 森 和恵 ──

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こんにちは。森和恵です。

今夜9月8日は、2014年の「中秋の名月」ですね。Googleのロゴも変わっています。
< http://www.google.com/doodles/
>


スイーツ好きの私にとっては、年に一度しか食べられないお月見団子を買いに行く日です。たねやさんの「きぬかつぎ」は、今日一日だけの販売です。おそらく、昼過ぎには売り切れ必至なのです。

【 たねや 十五夜 きぬかつぎ 】
< http://taneya.jp/okashi/kisetsu/kinukatsugi.html
>

さらに、「スーパームーン」が到来だそうです。下記の記事によれば、今夜はお天気が悪くてきれいな月を見るのはむずかしいとこのと。明日の夜に「スーパームーン&中秋の名月」が見れるようですよ。おすすめの時間帯は、こちら。

9月8日(月)18時頃〜19時頃
9月9日(火)19時頃〜20時頃

【9月9日の「スーパームーン&中秋の名月」で、最高に大きい月を見る方法 】
< http://grapee.jp/14838
>

と、久しぶりにオープニングの時事ネタでした。

さて、今回は、前回に引き続いて勉強会のまとめレポをお届けします。

【第27回 岡山WEBクリエイターズ「電子書籍とWeb」】
< http://www.okaweb.jp/20140823-1.html
>

■セッション2:「日本語Webフォントの基本と、事例にみる導入効果」

2つめのセッションは、プロ向けのフォントが500書体以上使えるWebフォントサービス「FONTPLUS」でおなじみの、関口浩之さんのセッションでした。関口さんはフォント大好き!!な方で、セッション中に生き生きと楽しそうにお話しされてたのが強く印象に残っています。

【FONTPLUS】
< http://webfont.fontplus.jp/
>

「文字を観たことありますか? じっくり観察したことありますか?」という問いかけから、始まりました。その後は、関口さんから見たさまざまなフォント・フォントを使っている印象的な事例の紹介が弾丸のように続きます。

その日の私のメモ書きから、キーワードのようにお伝えしますね。言われてみれば、世の中にはいろんな文字があることを発見しました。

「マンガの吹き出し/漢字は、ゴシック・アンチック体。ひらがなは、明朝体」

「丸明オールド/丸明朝、めずらしい。美味しそうな文字。ケンタッキーのチラシの文字。目のつけどころがシャープでしょの文字。」

・丸明オールド
< http://www.moji-sekkei.jp/mol.html
>

・目の付けどころが、シャープでしょ。
< http://livedoor.blogimg.jp/umashika1209/imgs/6/3/63368e9b >

「テレビのテロップ・書体が感情を持ってる/スランプという書体よく見る。くろかね、ロウディは、パズドラでおなじみの文字。テレビ番組では、フォントワークスの書体が8割。NHKは筑紫系」

・スランプDB
< http://fontworks.co.jp/font/catch/slump/DB.html
>

・くろかねEB
< http://fontworks.co.jp/font/design/kurokane/EB.html
>

・ロウディEB
< http://fontworks.co.jp/font/catch/rowdy/EB.html
>

・筑紫書体
< http://fontworks.co.jp/font/tsukushi/
>

TV・雑誌・広告・書籍…など、私たちの身近にある文字は、言葉のニュアンスにあった書体を使っているということが、とてもよくわかります。このお話を聞いてから、いろんなところの書体が気になる人になってきました、私。

「フォントは、単なるパーツじゃない! 文字って、どの媒体でも、伝えるためのエレメントとして、構成要素として重要なんです」と関口さんはお話しされました。続いて、インターネットの時代・Webフォントの話へと続きます。

これほど世の中にフォントがあるのにもかかわらず、長い間Webでは標準のシステムフォントが利用されてきました。閲覧者のパソコンに必ず存在するフォントしか使えなかったからです。特殊なフォントを使うと、普通の人のパソコンにはまず入ってませんからね。

HTML5やCSS3といった新しいWebページコーディング言語がでてきて、ここ数年ようやく浸透してきたのが「Webフォント」です。Webフォントでは、Webサーバー側にフォントを置くので、閲覧者のパソコンにフォントが存在しなくても使うことができます。

・実はすごく簡単! webフォントの使い方&日本語対応webフォントまとめ
< http://www.hp-stylelink.com/news/2013/08/20130829.php
>

これまで、特殊なフォントは画像にするしかなかったWebページで、テキストにフォントが指定できるようになったことは、とても大きな表現力の向上だと思います。

セッション中では、FONTPLUSさんのWebフォントサービスを事例としてあげていました。これは、自身のサーバーにフォントデータを準備しなくても、サービス側のサーバーで提供されるフォントを借りられるサービスです。

日本語は字数も多くて、フォントデータが重くなってしまうため、高速に配信されるサービスを利用するメリットは大きいと言えます。また、サービスを使えばフォントの使用権の問題もクリアされます。

日本語が使えるWebフォントサービスには何社か存在しますが、おそらくFONTPLUSさんのフォントのカバー率が一番ではないかと思います。FONTWORKS・イワタ・モトヤ・モリサワなど、プロが使いたいフォントが勢揃いです。

セッションの中に、動画で紹介されていましたが、ページの表示が遅くなりがちなWebフォントで、表示速度の高速化がされているそうです。

事例としてあげらてたのが、小田原市のWebサイト。Webフォント導入の相談があって、その日に改善を始めてから、すぐに反映されたそうです。市役所のサイトということがあり、アクセシビリティを考慮して、画像フォントを極力使わずに基本テキストにしたいというのが導入の理由だったそうです。

・小田原市HP
< http://www.city.odawara.kanagawa.jp/
>

今後の課題として、電子書籍とフォントの話がありました。EPUBにフォントを組み込み、自由な書体が使えないだろうか? という話はすでに上がっているそうです。フォントの使用権の問題などがあるので現在はNGだけれど、今後検討していきたいとのこと。こちらも期待したいなと思います。

■セッション3:「作ってみよう!電子書籍」

最後のセッションは、前川昌幸さんの電子書籍の作り方講座でした。前川さんは、先日「レスポンシブWebデザイン入門 〜モバイルファーストの考え方からのアプローチ」という電子書籍を技術評論社さんから出版されたということもあり、楽しみにお話をお聞きしました。

実は、私も電子書籍を出版したいと考えていて、その参考にしたいなと思って今回参加したのでした。ちなみに、どんな感じになっているのか気になったので、書籍発売後にすぐに購入し書評も書かせていただきました。

・「レスポンシブWebデザイン入門」を読んで
< https://note.mu/r360studio/n/ncdeefe1e02b4
>

電子書籍のいいなと思うところは、出した後のフォローができることだと考えています。Web系の技術やソフトの使い方は、バージョンがあがったりするとすぐに変わってしまい、長生きのする書籍を出すことがむずかしいのです。前川さんのこの書籍では、サポートページを設けていて、アップデートしたり、正誤表を追加したりとしています。

・「レスポンシブWebデザイン入門」サポートページ
< http://skpn.com/rwd/
>

さて。セッションは、電子書籍の作り方の入門編といったお話でした。電子書籍を販売してみてどんな感じだったのか…のようなお話はあまりなかったのが、少し残念でした。電子書籍を出してみての著者感想を聞いてみたかったなと思います(マーケットのお話は、セッション1とかぶってしまうから、あえて役割分担されたのかもしれませんね。(^^))

特に印象に残っているのが、「Web制作者なら、電子書籍の作り方を覚えるべき」というアドバイスでした。

これからは、書籍だけではなく「教育分野・プロモーション・社内文書」などで電子書籍の需要が増えていき、電子書籍のEPUBデータを作る制作者の人が必要になる一方、そのEPUBデータは、元をただせば「HTML+CSS」でできていて、Web制作者なら少し勉強すれば作れるはず、ということなのです。

たしかにその通りだなと思いました。純粋な意味でのWeb制作は、年々減って来ていて、CMSなどのシステムと絡めたものにシフトしてきています。単にページを作るだけのようなコーディングの仕事が今後減ってくるかも…と考えたときに、EPUBデータも作れますよというのは、ひとつの武器になるに違いありません。

著書「レスポンシブWebデザイン入門」は、Gihyo Digital Publishingでも販売されているのですが、なんとEPUBデータをそのままダウンロードできるそうです。これは、すごいことです。

KoboやAmazonでは、データの二次流出を防ぐために、ダウンロードしたデータを他に移しても読むことができなくなっているのですが、EPUBデータそのものがダウンロードできるということは、コピーされたら不正配布も簡単にできてしまうのですから。…もちろん、「ダメ、ゼッタイ!」ですけどね。

購入する側からしたら、EPUBデータを手に入れることができれば、専用端末・パソコン・スマホ・タブレット…と、どのハードでも自由に閲覧できますし、がんばれば印刷することもできます。ありがたいことです。

そういう事情なので、EPUBデータをそのまま提供するということは、出版社としてすごい決断だなと思いました。こういうマーケットが増えて欲しいものですね。

もちろん、EPUBデータの作り方もくわしくお話がありましたが、ここでは割愛しておきます。ちょうど技術評論社さんから、よい電子書籍が発売されたようなので、こちらをお奨めしておきますね。

・プロフェッショナルのための電子書籍制作入門
< http://gihyo.jp/news/nr/2014/09/0501
>

……さて、今回はここまで。次回のネタは、10月に登壇する「まにフェス」の内容を先にちょこっとお話ししようかなと思います。今月の22日にお会いしましょう!

※記事へのご意見・ご要望は下記より受付ます。
< http://goo.gl/rN5Dg
>

【 森和恵 r360studio 〜 Web系インストラクター 〜 】
< site: http://r360studio.com
> < twitter: http://twitter.com/r360studio
>
< mail: r360studio@gmail.com >
< サイト制作の教科書 r360study: http://www.facebook.com/r360study
>

もう、来年のスケジュール帳の時期かぁ。昨年に引き続き、ほぼ日手帳にしました。A5サイズのカズン派です。今年は、前期・後記と分かれている分冊版avec(アヴェク)がでてるのがうれしい。

・手帳本体 avec カズン
< http://www.1101.com/store/techo/2015/detail_cover/c_aveccr.html
>