[3764] 日本純正3Dプリンターの動向

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《「君の名は…もずやん」「しょうむな!」》

■ショート・ストーリーのKUNI[159]
 セミのジョージ
 ヤマシタクニコ

■3Dプリンター奮闘記[44]
 日本純正3Dプリンターの動向
 織田隆治

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  怒りのブドウ球菌 電子版 〜或るクリエイターの不条理エッセイ〜
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◎デジクリから2005年に刊行された、永吉克之さんの『怒りのブドウ球菌』が
電子書籍になりました。前編/後編の二冊に分け、各26編を収録。もちろんイ
ラストも完全収録、独特の文章と合わせて不条理な世界観をお楽しみ下さい。
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■ショート・ストーリーのKUNI[159]
セミのジョージ

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20140918140200.html
>
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ある夏の夕暮れ、吉北くんが道を歩いていると何やら動いているものを発見しました。

「なんやあれは…ああ、セミの幼虫やないか。土の中から出て来てこれから羽化しよと思て場所を探してるんか。いや、しやけど…」

たまたまそのあたりは、前の日に大掛かりな草刈りアンド剪定が行われたばかり。見渡す限り、セミが登っていって、そこで羽化できるような木や草がありません。

「かわいそうに。よし、おれが連れてったるわ」

吉北くんはセミの幼虫をつまみあげ、少し離れたところに生えてた木の根元に連れていきました。

翌日、吉北くんはアラームが鳴るより早く目を覚ましました。すぐそばでクマゼミがシャンシャンシャンシャン!!!!と大音量で鳴き出したからです。

「もー。なんやねん。あー、セミが網戸にひっついて鳴いとおる。うるさいはずや…あ、ひょっとしたら、これはゆうべのセミ?!」

気のせいかセミがうなずきました。

「おお、そうか! 無事に羽化したか! よかったよかった! わざわざおれに知らせに来てくれたんやな。ええやっちゃな、おまえは。よし、おまえのことをジョージと名付けよう」

名付けた5分後には吉北くんはセミのことを忘れてパンを食べ、牛乳を飲み、トイレに行き、ばたばたと支度をして会社へと出かけました。

「吉北くん、ちょっと来てくれるか」

朝から課長に呼ばれました。悪い予感とともにそちらに向かうと予感通り。

「あのなあ。君の出したこの○○表やけど、なんかむちゃくちゃやな。ここの数字とここの数字が全然合うてへんやろ。な? わかってるか? こんなもんで先方に出されへんで。先方、君も知ってる□□株式会社な、あそこの××さんがこれ見たらどない言う思う。まとまる話もまとまらんわ。だいたい、前にもゆうたやろ、君は」

と言いかけたところで突然

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!!!

クマゼミがすぐそばで鳴き出しました。見ると窓ガラスのすぐ向こうにセミが。しかも、その音量たるや半端やありません。ほとんど殺人的と申しましょうか。

もともとクマゼミはやかましいのですが、そのクマゼミの中でもやかましい。ものすごくやかましい。えげつなくやかましい。人間でも電話の受話器を破壊せんばかりの声の持ち主が時々いてはりますが、セミにもそういうのがいるんでしょうか。そのセミをじっと見ると…。

「ジョ、ジョージ!」

「はあ? 何がジョージや。缶コーヒーがどないしてん! 人の話聞いてるんか! だいたい君は…」

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!!!

「いつもその…」

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!!!

「肝心のときに…」

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!!!

「やややややかましわ!何やねん、だれがこんなセミ連れて来たんや! あーもうええわ! 怒る気もせんわ、また今度や!」

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!!!

吉北くんはほっとしました。しかしやかましいわ。

その日、アパートに着くなり大家さんの奥さんが、待ち伏せしてたかのように近づいて来て

「吉北さん、あんたいつなったら家賃払うてくれるん、もう3か月たまってるんよ!」

「すんません、来月は絶対。今月は妹の結婚式と親戚の葬式とぼくのお誕生会が重なりまして」

「ええ年してお誕生会なんかせんでええやないの。それに妹さん、先々月も結婚式したんとちゃうの、ええ加減なこと言うたらあかんよ、ほんまに…」

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!!!

「何このセミ、急に出て来て…あのね…」

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!!!

「あのねー! ら、来月はね!」

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!!!

「何が何でも…」

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!!!!!

「もう…もうええわ! あ、おしっこかけられた!」

大家の奥さんも負けじと声を張り上げ、いいところまでいったのですが、及びませんでした。それ以上勝負がヒートアップしたらどうなっていたか、想像するとおそろしいものがあります。

「ジョージ、ありがとう!」

しかしえらいセミを助けてしもたわ。

翌日の昼休み。係長に誘われていっしょに昼ご飯を食べに行きます。

「君、このごろ遅刻もせんと早う来てるな。感心や」

「あ、ちょっと、あの、高性能のアラームがありまして」

「そうか。わしらみたいに年取ると勝手に早うから目が覚めるけど、若い人はたいへんや。あ、そういえば」

「はい」

「君、ぼくの大学の後輩にあたるんやな。ほら、▽△大やろ」

「そうです、あ、係長も。そうでしたか」

「そうやがな。ほれ、駅前に準喫茶・トレモロってあったやろ。性別不明なマ
マがいた店」

「あー、ありましたありました」

「その隣が古本屋の…天豚」

「そ、そ、そうです!」

「おー、話が通じるのはうれしいもんやな。さすが後輩や。ところが、その隣
が思い出せんのや」

「ええ? その隣? っていうと…なんでしたかね」

「なんやったかなあ」

「何…でしたかねえ…」

「なんやったかなあ…」

すると突然セミの声。

ミ〜〜〜〜〜ン、ミ〜〜〜〜〜〜ン

「王民 王民!」(※メールマガジンではこの漢字が出ないようです)

「ああ、そうや、みんみんや! さすが吉北くんや!」

なんとジョージが友達のミンミンゼミを急いで連れて来たのでした。関西には少ないのでさぞかし探すのに苦労したと思われます。なかなかできることやありません。

「ジョージ、ありがとう!」

そんなふうに毎日が過ぎていきましたが、あるときからぱたっとジョージの声を聞かなくなりました。

「もしかしたら…セミの寿命は短いというからな。ネットによるとセミの寿命は実際には一週間より長いらしいけど、それにしてももうそろそろ秋やからなあ…そうか…ジョージも…そうか…もう会えないのか…これがじょーじの終わりというやつか…ぼうずがびょーぶにジョージの絵を描いた…しょ、しょ、しょじょーじ、しょじょじの庭は…なんでこんなおやじギャグがどんどん出てくる名前をつけてしもたんやろ…」

それは吉北くんがおやじやからです。

そのようにあほなことを言いながらも、吉北くんは落ち込んでしまいました。秋風が吹くにつれそこはかとない寂しさは募るばかり。毎日ぼーっとしてしまいます。それで電車に乗っているときも、いつにも増してぼーーーっとしてしまい、はっと気づくと自分の腕がぎゅっとつかまれ、高々と持ち上げられているではないですか。

「チカンです! この人、チカンです!」

見ると自分の腕をつかんでいるのは若い女性です。確かに若い女性ではありますが、吉北さんにとってそれ以上のものではありませんでした。え、おれがこいつをチカン?!びっくりする間もなく、まわりの乗客がいっせいにひきます。まあチカンですって! チカンやて?! こいつ、チカンかい! やらしー!

「ぬぬぬぬ、ぬれぎぬです! 私はチカンなんかしてません!」

「何ゆうてんの! 私のお尻さわったやないの!」

「人違いや! だれがおまえみたいな、ぶ…」

「ななな、何よ、ぶ…なによ!」

「おまえみたいな…ぶ……ぶ……ブリーフとブルマの区別もつかんような女なんかさわれへんわ!」

「つ、つくわよ、そんな区別、ていうか意味不明! チカン! チカン! チカンは犯罪なのよ、警察に言うからね! みなさ〜〜〜〜ん!」

ものすごい形相、ものすごい声で叫び始め、手がつけられません。吉北くんが無理矢理ホームに引きずり出され、あー困ったなあ…と思ってると何かが突進してきました。ブリーフとブルマの区別もつかん女めがけて。

「ぎゃーっ! セセセセ、セミ!」

それは夏の風物詩、時に爆弾と化す断末魔のセミでした。

「ジョージ! おまえ…まだおったんか!」

ぶーーーーーーーーーーーーーん! と回転しながらもセミは女を離れません。ばち、ばち、ばち!と女の足や尻にぶちあたる。地面で転がる。転がりながらも近づいてくる。気色悪い。

「やややや、やめて! 私、虫が大嫌いなのよ! 助けて!」

たまりかねて女は転がるようにどこかへ走り去って行きました。

「ジョージ、ありがとう!…おまえ、最後の最後までおれを助けてくれたんやなあ…」

吉北くんは涙ぐんで言いました。ああ、ジョージと過ごした日々がよみがえる。ジョージ…ひと夏の友、ジョージ…やがて高速で回転していたセミの動きがおだやかになり、そっとなでてやろうとして吉北くんは気づきました。

「これ、ジョージとちゃうやん」

それはそもそもアブラゼミでした。何の関係もありません。単なる偶然だったのです。どっと力が脱けながらちょっと安心もして、ジョージは特別なセミやし、当分どこかで生きているような気がする吉北くんなのでした。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/
>
< http://koo-yamashita.main.jp/wp/
>

これを書いているとき、すぐそばのテレビで「大阪府のキャラクター『モッピー』の名前が変わりました」とのニュースが。で、画面を見ると松井知事が「君の名は…もずやん」と発表、思わず「しょうむな!」と言ってしまった私。最近、こんなふうにめっちゃひとりでテレビに突っ込みを入れております。


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■3Dプリンター奮闘記[44]
日本純正3Dプリンターの動向

織田隆治
< https://bn.dgcr.com/archives/20140918140100.html
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僕は独立して12年になりますが、独立した頃は3DCGとCGアニメーション、映像制作が主だった訳です。

後は店舗内装や什器デザイン、ファサードのデザインを実制作に結びつけるような設計。そこで使用される映像の制作なんかを行ってきました。

が、ここ3年程の間で、かなり内容が変わってきました。どう変わったかと言うと、模型やフィギュアの制作が増えて来たんですね。

ちょうどその頃、コンシューマー向けの3Dプリンターが出始めたタイミングで、新しい物好きの僕は、資金を集めて導入したんです。

3Dプリンターを導入して半年くらいした時に、テレビのニュースやマスコミで3Dプリンターが取り上げられることが多くなり、そうこうしている間に、立体模型や造形の仕事がどんどんと増えて来ました。

それまで、模型の制作もあったんですが、3Dプリンターのおかげで、僕の制作出来る範囲やスピード、精度も上がり、これまでの手作業での制作から考えると、かなり良いスピードで造形作業をこなせるようになってきています。

まあ、今現在、コンシューマー向けの3Dプリンターは、そのままではプロトタイピングにしか使えないような精度と表面ではあるんですが、この1〜2年の間の熱溶解型の3Dプリンターの進化はとても早く、僕が今使っている3年前の機種からすると、かなり世代違いは否めません。

これは、その頃に熱溶解型の3Dプリンターの特許切れが起こったことで、これまで開発が出来なかった色々なメーカーの熱溶解型のプリンターの開発、製造、販売ラッシュとなったわけです。

また、他の造形方法のプリンターもそんな状態になってきています。例えば、UV(紫外線)で硬化する液体樹脂を使ったプリンターや、その液体樹脂をレーザーによって硬化させる3Dの特許なども切れて来ています。

そこで、今年から来年にかけては、それらのタイプのプリンターの開発、製造ラッシュが始まることが、安易に想像できるんですね。

当然、重い腰を上げた日本のメーカーも、このタイプの3Dプリンターの開発に着手し、2〜3年後には日本製のUV硬化型のプリンターが出て来ます。

Stratasysや、3D Systemsの3Dプリンターには、日本のメーカーの部品等が数多く使われています。それらの部品を提供しているメーカーが、ここぞとばかりに開発を開始したわけで、ネットのニュースやプレリリース等で数多く発表されています。

日本純正の3Dプリンターの動向については、これから目が離せない状況になりそうです。

しかしながら、色々な発表を見た感想としては、どうやらコンシューマー向けのプリンターは二の次になっているようです。これは、やはり「工場での製造」「企業向け」に力を置いている、ということでしょうか。

残念ながら、その技術を応用した日本純正コンシューマー向けのプリンターは、もうちょっと遅れて出て来るんでしょうね。

僕みたいな超零細個人事業では、数百万、数千万もする3Dプリンターの導入はかなり難しいわけで、当面は色々な工夫をしながら、これまでの3Dプリンターを使って製造クオリティを上げて行くことになりそうです。

まあ、そういった工夫や知識の蓄積ってのが楽しかったりするんですけどね。

実際、僕がメインでバリバリ使っているのは、3年前に購入した3D SystemsのBFB 3D TOUCHなんですけど、まだまだ現役です。使い方の工夫で、古い機械でも良いものが作れるような気がします。

しかしながら、やっぱり新しい3Dプリンターも試してみたいのが人情ってことで、近々新しい3Dプリンターを導入するつもりで情報を収集しています。

そこで、最近面白い3Dプリンターも見つけちゃいました。まだ詳細は明かせないんですが、このプリンターは良さそうです。

僕が発起人の一人でもある、大阪3Dプリンタービジネス研究会
< http://o3dprinter.com/
>

でも、繊維メーカーの方が来られており、新しい3Dプリンターの素材の開発がかなり早いピッチで行われているように聞いています。こういった素材の開発も、3Dプリンターの進化には、かなりのアドバンテージを持っているわけです。

熱溶解型の3Dプリンターは、これまで素材はPLAやABSがメインだったんですが、これからはPVA(ポリビニルアルコール)などの、水や温水で溶解するサポート材の重要度が上がってくるように思っています。

これまでは、ほとんどの熱溶解型の3Dプリンターは、強アルカリの水溶液等に浸してサポートを除去したり、無理矢理気味に剥がして、表面を磨く、といった作業が必要でした。

そのことが、3Dプリンターを使用して造形するハードルを上げているように思います。強アルカリなんかは、目に入ると失明なんかの可能性もありますし、PLAの研磨もかなり辛い作業です。

後は、このPVAのような素材が、どれだけ安定して供給されるのか、価格はどれくらい下がってくるのか、ということがポイントになってくると思われます。実際、3Dプリンターに使われる素材のABSやPLA等のフィラメント素材は、かなり安く提供されるようになりました。

同じように、UV硬化型のプリンターも、まだまだ素材自体が高価ではあるんですが、これから数年の進化で、一般的な価格になってくるかと思います。

というか、そうなってもらわないと、普及は難しいですね。今後の展開に期待したいところです。

さて、久しぶりに真面目に3Dプリンターについて書いてみましたが、ここでちょっと宣伝です。

来る10月11日(土)と12日(日)の2日間。大阪南港ATC ITM棟10階にて、関西発のメイカーズの祭典が開催されます。

「メイカーズバザール大阪」
会期:10月11日(土)〜12日(日)10:00〜17:00
会場:大阪南港ATC ITM棟10階 
主催:メイカーズバザール大阪2014実行委員会
共催:大阪市 大阪デザイン振興プラザ ソフト産業プラザ
< http://makersbazaar.jp/
>

詳細は上記のリンク先を参照してください。
大阪3Dプリンタービジネス研究会も、協力しております。

色々なイベントや販売、セミナーもありますので、お近くの方や、ご興味のある方は是非! 入場無料です。

【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
oda@f-d-studio.jp
< http://www.f-d-studio.jp
>


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編集後記(09/18)

●久坂部羊「芥川症」を読んだ(新潮社、2014)。タイトルからしてパロってる。収録された7編は、「耳」「クモの意図」「バナナ粥」「病院の中」「或利口の一生」「極楽変」「他生門」で、芥川龍之介の短編のタイトルをすぐに思いつかない人はいないだろう、たぶん。筆者は小説家にして医師。短編7つはタイトルをいじっただけでなく、内容も元作品のテイストが生かされている。さらに作風はホラー、ブラックコメディ、お笑い、風刺などバラエティに富んでいるから芸が細かい。いずれも医療や介護をテーマにした、悪意を含むユーモアが冴えわたる。

主人公の父が病院で死ぬが、どういう病気で、どういう治療を受けて、なぜ亡くなったのか、内科部長、特殊救急部の医師、集中治療室の看護師、麻酔科の医長、内科病棟の主任看護師など、いろいろな人物の説明を受けるが、みんな言うことがばらばらで、さっぱりわからないのが「病院の中」は、まさしく「藪の中」だ。募金で心臓移植を受けたおかげで、とんでもない重荷を背負ってしまった男の話が「他生門」。主治医をはじめ、彼を「救う会」の人たちは、みな彼を利用して自分が得をすることしか考えていなかった。医療で命を救ってもらった人は、その後どう生きるべきなのか。あまり考えたこともないテーマだった。

「或利口の一生」の主人公は、外科医だった時代には、治療をすれば患者が死ぬ、のくりかえしだった。多くの患者に手術や抗がん剤の治療をして、ことごとく死なせてきた。悔やんでも悔やみきれない。彼は病院の仕事に疲れ、42歳で老人医療施設に移った。そこでは手術もしない、詳しい検査もしない、強い薬も出さない、お茶を濁すような診療を行ったが、案外それがよかった。彼は老人医療を始めてからは、治療をしないことの利点を実感してきた。そして、自分なら治療など受けずに自然な寿命を受けいれると決心する。ちなみに、わたしもそう決意していることを表明する。

彼は58歳で肺がんが発見される。健康診断を受けたからだ。専門医からは手術をすすめられ、断るわけにはいかず、手術は成功したが、一年後に肝臓に移転。治療をきっぱりあきらめたが、後輩の外科医が新しい治療を提案してきたので応じた。おかげで肝臓の転移巣は消えた。しかし再発。彼はふと気づく。何も治療しないことに決めたのではなかったのか。だが、知人や後輩が親切に治療を勧めてくれるのだ。むげに断るわけにはいかなかったと自己弁護する。がん性腹膜炎で入院生活が長引き、やがて最期のときを迎える。医師であっても、病気に対する決心なんてもろいものだった。わたしは臆病だからいざとなったら決心はどうなるのか。そうとう自信をなくした読後感であった。 (柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103358718/dgcrcom-22/
>
久坂部羊「芥川症」


●ヤマシタさんのん、相変わらず面白いなぁ。店の名前で吹いたよ。私もテレビやモニタに突っ込み入れてます。/デアゴスティーニからマイ3Dプリンターが出た。攻めはるわ〜!/iPhoneをiOS8にした。まだ何が変わったかよくわからない。通知センターからアプリが起動できるようになったのが便利。と書いている最中に出てきたダイアログの文章がセンタリングになっていた……。スクロールしなくなっていた。アカーン!

「宝塚ルーム」の続き。最近のカラオケボックスにはDVDプレイヤーの貸し出しなんかもあるから、「まま音」に限らず、好きなDVDの鑑賞会なんてので良かったような気もした。

観劇中にはおしゃべりはできない。が、カラオケルームだもの、好き勝手いい放題。この頃からこっそり上級生に混ざって抜擢されているのね〜(今と違って幼さがあって)可愛いね〜とか、ここのシーン好き〜とか、ここの振り付け変よねぇ〜とか、いまちゃんと回れてなかったよね〜映像で残ってしまってかわいそうね〜とか、そんな感じ。もちろん我々は一曲も歌わず終了。

ルーム利用をためらった理由の一つに、お土産のクリアファイルが1グループに1枚というものがあって、分けられないものをお土産にするなんてと思っていたが、2枚もらえてラッキーだったよ〜。まぁ使うことはないんですけどね。(hammer.mule)

< http://deagostini.jp/mtpmt/
>
デアゴスティーニ マイ3Dプリンター

< http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1409/18/news048.html
>
まだ「iCloud Drive」にはアップグレードしないようにした

< http://big-echo.jp/nocharge/
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ビッグエコー 無料貸出。充電器なんかもある

< http://jankara.ne.jp/option_service/
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ジャンカラ 無料貸出。ボードゲームやキッズグッズまで。

< http://m2college.net/fes3/
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まにフェス。3Fは無料。4Fは有料・予約制。
「『コードを書かずにコードを産み出す?!』スマホ時代の最先端Web/アプリ制作」